日常生活の中で、銀行のキャッシュカードやスマートフォンのロック解除など、6桁の暗証番号を設定する機会は非常に多いもの。セキュリティを考える上で、「6桁の数字には一体何通りのパターンが存在するのか」という疑問を持つ方も少なくないでしょう。
6桁のパスワードの組み合わせ総数は、使用できる数字の範囲や重複の可否によって大きく変化します。0から9までの10種類の数字を使う場合と、1から9までの9種類の数字を使う場合では、当然ながら組み合わせの総数は異なってくるわけです。
また、同じ数字を何度も使えるのか、それとも異なる数字のみで構成しなければならないのかによっても、計算方法は変わってきます。本記事では、6桁の数字やパスワードに関する組み合わせの計算方法について、具体例を交えながら詳しく解説していきましょう。
数学的な考え方を理解することで、セキュリティ意識を高めることにもつながるはず。それでは早速、基本的な計算から見ていきます。
6桁の数字は何通りあるか(0から9まで・重複あり)
それではまず、最も一般的なケースである「0から9までの数字を使い、同じ数字を何度でも使える場合」の6桁の数字について解説していきます。
基本的な計算方法と考え方
0から9までの数字を使う場合、各桁には10種類の選択肢が存在します。1桁目に0から9のいずれかを選び、2桁目にも0から9のいずれかを選ぶ、という具合です。
重複を許す場合、それぞれの桁は独立して10通りの選択が可能になります。これは「積の法則」と呼ばれる数学の基本原理に基づいた考え方でしょう。
計算式:10 × 10 × 10 × 10 × 10 × 10 = 106 = 1,000,000通り
つまり、0から9までの数字を使って作れる6桁の数字は、100万通り存在することになります。000000から999999までのすべての組み合わせが該当するわけです。

具体例で見る組み合わせパターン
実際の例を見てみると、理解がより深まります。以下のような組み合わせがすべて有効になります。
| パターン | 具体例 | 特徴 |
|---|---|---|
| すべて同じ数字 | 000000、111111、999999 | 10通り |
| 連続した数字 | 123456、654321 | 推測されやすい |
| ランダムな組み合わせ | 582947、309182 | セキュリティが高い |
000000のようにすべて0の組み合わせも、111111のようにすべて1の組み合わせも、それぞれ1つのパターンとしてカウントされます。
セキュリティ面での考察
100万通りという数は一見多く感じられるかもしれませんが、コンピュータによる総当たり攻撃を考えると、決して安全とは言えません。
現代のコンピュータであれば、100万通りの組み合わせを数秒から数分で試行できてしまいます。そのため、6桁の数字のみの暗証番号は、セキュリティレベルとしては低めと考えられているのです。
特に「123456」や「111111」といった単純なパターンは、真っ先に試されるため避けるべきでしょう。実際の統計でも、これらは最も多く使われている暗証番号として知られています。
6桁の数字は何通りあるか(1から9まで・重複あり)
続いては、1から9までの数字を使用する場合の組み合わせを確認していきます。0を含まない場合、計算結果はどう変わるのでしょうか。
0を除外した場合の計算
1から9までの数字を使う場合、各桁で選べる数字は9種類になります。0から9の場合と比べて、1桁あたりの選択肢が1つ減少するわけです。
計算式:9 × 9 × 9 × 9 × 9 × 9 = 96 = 531,441通り
1から9までの数字を使った6桁の組み合わせは、約53万通り
となります。0を含む場合の100万通りと比較すると、およそ半分程度に減少することが分かるでしょう。
0を除外する理由と実用例
なぜ0を除外するケースがあるのでしょうか。いくつかの実用的な理由が存在します。
まず、0で始まる数字を避けたい場合が挙げられます。例えば会員番号や管理番号として使用する際、先頭が0だと桁数が分かりにくくなることがあるためです。
また、システムによっては0を特別な意味を持つ記号として扱うケースもあります。プログラミングの世界では、0で始まる数字が8進数として解釈されることもあるのです。
| 使用数字 | 組み合わせ総数 | 0との差 |
|---|---|---|
| 0~9(10種類) | 1,000,000通り | 基準 |
| 1~9(9種類) | 531,441通り | -468,559通り |
セキュリティレベルの比較
0を除外することで組み合わせが約47%減少するため、セキュリティレベルも相応に低下します。ただし、実用上は依然として50万通り以上の組み合わせが存在するため、ある程度のセキュリティは確保できるでしょう。
重要なのは、単純なパターンを避けることです。「123456」や「111111」といった推測されやすい番号は、0の有無に関わらず危険性が高いと言えます。
6桁の数字は何通りあるか(重複なし・順列の場合)
続いては、同じ数字を重複して使えない場合、つまり順列として考える場合の組み合わせを確認していきます。
順列の基本概念と計算方法
重複を許さない場合、1桁目で使った数字は2桁目以降で使用できません。これは順列(Permutation)と呼ばれる数学的概念です。
0から9までの10種類の数字から、重複なしで6桁を選ぶ場合を考えてみましょう。
計算式:10 × 9 × 8 × 7 × 6 × 5 = 151,200通り
または、10P6 = 10!/(10-6)! = 10!/4! = 151,200通り
1桁目は10通り、2桁目は残り9通り、3桁目は残り8通り、というように減少していきます。重複なしの6桁数字は151,200通りとなり、重複ありの100万通りと比べて大幅に減少するのです。
1から9までの数字で重複なしの場合
1から9までの9種類の数字から、重複なしで6桁を選ぶ場合も見てみましょう。
計算式:9 × 8 × 7 × 6 × 5 × 4 = 60,480通り
または、9P6 = 9!/(9-6)! = 9!/3! = 60,480通り
こちらは約6万通りとなり、0を含む場合の151,200通りと比較すると、さらに少なくなります。
実用面での重複なしパスワード
重複なしの制約は、実際のパスワードやPINコードではあまり採用されていません。なぜなら、ユーザーにとって覚えにくく、また組み合わせ総数が減少するためセキュリティ上不利になるからです。
| 条件 | 0~9使用 | 1~9使用 |
|---|---|---|
| 重複あり | 1,000,000通り | 531,441通り |
| 重複なし | 151,200通り | 60,480通り |
ただし、宝くじの番号選択やゲームの抽選など、特定の用途では重複なしの組み合わせが使われることもあるでしょう。
先頭の数字に制約がある場合の計算
続いては、先頭の数字に特定の制約がある場合について確認していきます。実務では、このようなケースも少なくありません。
先頭が0以外の場合(重複あり)
先頭の数字が0以外でなければならない場合、計算はどうなるでしょうか。これは会員番号や管理コードなど、実務でよく見られる制約です。
1桁目:1から9までの9通り、2桁目以降:0から9までの10通り、となります。
計算式:9 × 10 × 10 × 10 × 10 × 10 = 9 × 105 = 900,000通り
先頭を0以外に制限すると、組み合わせは90万通り
になります。完全に自由な100万通りから10万通り減少するわけです。
先頭が特定の数字に固定される場合
会社の社員番号や部門コードなど、先頭の数字が特定の値に固定されるケースもあります。例えば、先頭が必ず「1」でなければならない場合を考えてみましょう。
計算式:1 × 10 × 10 × 10 × 10 × 10 = 100,000通り
先頭を固定すると、実質的には5桁の自由な組み合わせと同じになります。つまり10万通りですね。
複数桁に制約がある場合
さらに複雑な制約として、先頭2桁が固定されている場合も考えられます。例えば「12****」のような形式です。
| 制約条件 | 計算式 | 組み合わせ総数 |
|---|---|---|
| 制約なし | 106 | 1,000,000通り |
| 先頭0以外 | 9 × 105 | 900,000通り |
| 先頭1桁固定 | 1 × 105 | 100,000通り |
| 先頭2桁固定 | 1 × 1 × 104 | 10,000通り |
制約が増えるほど組み合わせ総数は減少し、セキュリティレベルも低下します。実務でこのような制約を設ける場合は、残りの桁数を増やすなどの対策が必要になるでしょう。
まとめ
6桁の数字やパスワードの組み合わせについて、さまざまな条件下での計算方法を解説してきました。
最も基本的な「0から9までの重複ありで6桁」の場合は100万通り、「1から9までの重複ありで6桁」の場合は約53万通りとなります。一方、重複を許さない順列の場合、0から9では約15万通り、1から9では約6万通りまで減少するのです。
セキュリティの観点から言えば、組み合わせ総数が多いほど安全性は高まりますが、6桁の数字のみでは現代のコンピュータによる総当たり攻撃に対して十分とは言えません。実際の暗証番号やパスワードを設定する際は、推測されやすい連続番号や同一数字の繰り返しを避け、できるだけランダムな組み合わせを選ぶことが重要でしょう。
また、より高いセキュリティが求められる場合は、桁数を増やす、英字を組み合わせる、記号を含めるなどの対策を検討することをお勧めします。数学的な理解を深めることで、より安全なパスワード管理が可能になるはずです。