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ジルコニウムの融点(溶ける温度)・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点は?【Zr・危険物・SDS】

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科学的な解析(化学)を行う際には基本的に反応物質の沸点・融点・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点などの理解が必要となることが多いです。

そのためさまざまな物質の沸点・融点・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点を覚えておくといいです。

ここでは代表的な遷移金属の「ジルコニウム(Zr)」に着目して、その融点・比重・密度(g/ml)・引火点(危険物関連情報)やSDSなどをまとめていきますので、ぜひ参考にしてください。

ジルコニウムの融点(溶ける温度)は?【Zr】

それでは以下でジルコニウム(Zr)の融点は?について確認していきます。

結論として、ジルコニウムの

・融点(常温常圧下):約1855℃

・沸点(常温常圧下):約4409℃

ですね。

ジルコニウムは非常に高い融点を持つ遷移金属で、室温では固体として安定しています。

実際、ジルコニウムは多くの金属の中でも高い融点を持ち、この特性はジルコニウム原子間の金属結合が強固であることに起因しています。

この高融点特性により、ジルコニウムは原子炉材料、耐熱合金、セラミックス(ジルコニア)、高温耐性が必要な機器など様々な産業分野で利用されています。

ジルコニウムの比重や密度(g/mlやg/cm3など)は?

さらに、ジルコニウムの比重や密度(単位g/mlやg/cm3)についてもチェックしていきましょう。

結論として、ジルコニウムの

・密度(常温常圧下):約6.52 g/ml(g/cm3と同じ)

・比重(常温常圧下):約6.52

ですね。

ジルコニウムの密度は約6.52 g/mlで、これは中程度の密度を持つ金属に分類されます。

一般的な金属(鉄:約7.87 g/ml、銅:約8.96 g/ml)と比較するとやや軽めの密度となっています。

ジルコニウムは水よりも遥かに重く、チタン(約4.5 g/ml)よりも重い一方、同族元素のハフニウム(約13.31 g/ml)よりも軽い特性を持っています。

ジルコニウムの特徴的な性質として、優れた耐食性、低い熱中性子吸収断面積、高い融点、生体適合性を持っており、これらの特性から原子炉の構造材料(特に燃料被覆管)、化学プラントの耐食材料、生体材料、セラミックス材料(ジルコニア)などに広く利用されています。

なお、固体の場合の比重も水の密度との比較(1.0g/cm3)となるので、数値は密度と同じになります。

ジルコニウムの引火点は?【危険物など】は?

さらに、ジルコニウムの引火点についてもチェックしていきましょう。

危険物取扱者の試験などを受ける人はこのあたりの情報も重要となってきます。

結論として、ジルコニウムの

・引火点:該当なし(金属としては引火点の概念が異なる)・発火性:低い(塊状)、非常に高い(微粉末状態では自然発火の可能性がある)

・反応性:低い(塊状では化学的に安定)、高い(粉末状態では活性が高い)

ですね。

ジルコニウムは塊状では化学的に比較的安定していますが、微粉末状態では極めて高い発火性を示します。特にジルコニウムの微粉末は空気中や水中でも自然発火する可能性があり、消火が困難なため、取り扱いには特別な注意が必要です。

特に注目すべきは、ジルコニウムの特異な燃焼特性です。ジルコニウム粉末は一旦発火すると極めて高温で燃焼し、水や二酸化炭素による消火が効果的でない(むしろ悪化させる可能性がある)ため、特殊な消火剤(乾燥砂、金属火災用消火剤など)が必要となります。

また、ジルコニウムは高温でハロゲン、窒素、酸素、水素などと反応します。特に高温での水との反応では水素を発生させることがあり、これは安全上の重要な懸念事項です。

このような性質から、ジルコニウム粉末は危険物(可燃性固体、自然発火性物質)として厳格に分類され、特別な保管条件と取り扱い手順が法的に要求されます。

実験室や工業用途では、ジルコニウムは原子力産業(燃料被覆管、構造材料)、化学プラント(耐食材料)、航空宇宙産業(耐熱合金)、医療分野(インプラント材料)、花火や閃光装置(発光材料)などに使用されることが多いです。

まとめ  ジルコニウムの融点(溶ける温度)・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点は?【Zr・危険物・SDS】

ここでは、ジルコニウムの融点(溶ける温度)・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点は?【Zr・危険物・SDS】について確認しました。

各物性を理解し、業務等々に活かしていきましょう。ジルコニウムは原子力産業や高温環境での応用に欠かせない金属である一方、粉末状態では危険性が高いため、その特性と安全な取り扱い方法を十分に把握することが極めて重要となります。