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paco2とは?基準値・正常値や高い・低いとどうなるか?わかりやすく解説

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医療現場や健康診断において「PaCO2」という言葉を耳にしたことはありませんか?この数値は、私たちの呼吸機能や酸塩基平衡を評価する重要な指標の一つです。

PaCO2は動脈血中の二酸化炭素分圧を示す値で、呼吸器系の機能や全身の代謝状態を把握するために測定されます。正常な範囲から外れることで、様々な健康上の問題を示唆することがあるため、その意味を正しく理解することが大切です。

本記事では、PaCO2の基本的な概念から基準値、そして数値が異常を示した場合の影響について、医療従事者でない方にも分かりやすく解説していきます。

paco2とは?わかりやすく解説【読み方も】

それではまず、PaCO2とは何かについて解説していきます。

PaCO2は「ピーエーシーオーツー」と読み、「Partial pressure of carbon dioxide in arterial blood」の略称です。日本語では「動脈血二酸化炭素分圧」と呼ばれます。

簡単に説明すると、PaCO2は動脈血(心臓から全身に送られる血液)の中に溶け込んでいる二酸化炭素の圧力を表した数値です。

私たちが呼吸をするとき、肺で酸素を取り込み、同時に体内で作られた二酸化炭素を排出しています。この二酸化炭素が血液中にどの程度含まれているかを測定したものがPaCO2です。

PaCO2の測定は主に動脈血ガス分析(ABG:Arterial Blood Gas analysis)という検査で行われます。この検査では、通常手首の動脈から少量の血液を採取し、専用の機器で分析します。PaCO2の値は、呼吸機能の状態や体内の酸塩基バランスを評価するための重要な指標として使用されています。

測定単位は「mmHg」(水銀柱ミリメートル)または「Torr」で表示され、これは圧力の単位です。医療現場では、この数値を他の検査値と合わせて総合的に判断し、患者さんの状態を評価しています。

 

paco2の基準値や正常値は?

続いては、PaCO2の基準値や正常値を確認していきます。

PaCO2の数値は以下のように分類されます。

分類 数値範囲 状態
低値(低二酸化炭素血症) 35mmHg未満 過換気などが疑われる
正常値 35~45mmHg 呼吸機能が正常
高値(高二酸化炭素血症) 45mmHg超 呼吸機能低下が疑われる

正常値の範囲内であれば、呼吸機能が正常に働き、体内の二酸化炭素が適切に排出されていることを示します。ただし、この基準値は年齢や個人差、測定条件などによって若干の変動があります。医療機関によっては38~42mmHgをより厳密な正常範囲とする場合もあり、検査を受ける際は担当医師から具体的な基準について説明を受けることが重要です。

また、PaCO2は他の血液ガス分析の項目と密接に関連しています。特にpH(水素イオン濃度)や重炭酸イオン濃度(HCO3-)、酸素分圧(PaO2)などと組み合わせて評価することで、より正確な診断が可能になります。

正常値を維持するためには、適切な呼吸機能が不可欠です。肺での酸素と二酸化炭素のガス交換が正常に行われ、呼吸中枢(脳幹部)が適切に呼吸をコントロールしていることが重要な条件となります。

検査結果を見る際は、単独の数値だけでなく、他の検査項目や症状と合わせて総合的に判断することが大切です。

 

 

paco2が高いとどうなる?低いとどうなる?

続いては、PaCO2が正常範囲から外れた場合の影響を確認していきます。

PaCO2が高い場合(高二酸化炭素血症)

PaCO2が45mmHgを超える状態を「高二酸化炭素血症」または「高カプニア」と呼びます。この状態では、以下のような症状や影響が現れる可能性があります。

主な原因

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 重篤な喘息発作
  • 呼吸筋の疲労や麻痺
  • 呼吸中枢の抑制
  • 肺炎などの肺疾患

症状

  • 頭痛
  • 意識レベルの低下
  • 眠気
  • 集中力の低下
  • 息切れ
  • 重症の場合は昏睡状態

高い状態が続くと、体内の酸塩基バランスが崩れ、「呼吸性アシドーシス」という状態になります。これは血液が酸性に傾く状態で、適切な治療が必要です。

PaCO2が低い場合(低二酸化炭素血症)

PaCO2が35mmHg未満の状態を「低二酸化炭素血症」または「低カプニア」と呼びます。

主な原因

  • 過換気症候群
  • 不安やパニック発作
  • 発熱
  • 代謝性疾患
  • 人工呼吸器の設定過多
  • 脳の病気による呼吸中枢の異常

症状

  • めまい
  • 手足のしびれ
  • 筋肉のけいれん
  • 胸の痛みや圧迫感
  • 動悸
  • 呼吸困難感

低い状態では「呼吸性アルカローシス」という、血液がアルカリ性に傾く状態になる可能性があります。

どちらの場合も、根本的な原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。軽度の異常であれば経過観察で改善することもありますが、重篤な場合は緊急治療が必要になることもあります。

まとめ paco2の正常値や高い・低いとどうなるか?わかりやすく解説

本記事では、PaCO2について基本的な知識から異常値の影響まで詳しく解説してきました。

PaCO2は動脈血中の二酸化炭素分圧を表す重要な検査値で、正常値は35~45mmHgです。この数値は呼吸機能や全身の代謝状態を評価する上で欠かせない指標となっています。

数値が高い場合は呼吸機能の低下や呼吸性アシドーシス、低い場合は過換気や呼吸性アルカローシスの可能性を示唆します。いずれの場合も、症状の程度や原因によって適切な対応が必要です。

PaCO2の検査結果について心配がある場合は、必ず医療従事者に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。また、日常生活では規則正しい呼吸を心がけ、呼吸器系の健康維持に努めましょう。

健康管理において、検査値の意味を理解することは重要ですが、自己判断は避け、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。