DIYで広めの棚板やテーブルの天板を作りたいとき、1×4材では幅が足りないと感じることがあります。そんな場面で活躍するのが、1×6材です。
1×6材は、幅が約140mmあり、一枚板として使える存在感が魅力でしょう。本棚の棚板、デスクの天板、収納ボックスの底板など、広い面積が必要な場面で重宝します。また、カフェ風の看板やウェルカムボードなど、文字を書き込むスペースが必要な作品にも最適です。
しかし、1×4材に比べると価格が高く、取り扱い店舗も限られることがあります。また、幅が広い分、反りや割れにも注意が必要でしょう。本記事では、1×6材の基本的なサイズや寸法、価格相場、さらには実際のDIYでの活用方法や注意点まで詳しく解説していきます。広い木材を使った本格的なDIYに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。
1×6材の基本サイズと規格について
それではまず、1×6材の基本的なサイズと規格について解説していきます。
1×6材の規格サイズと実寸法
1×6材という表記は、厚みが1インチ、幅が6インチという規格を示しています。1インチは25.4mmですから、理論上は厚み25.4mm、幅152.4mmということになるでしょう。
しかし、実際にホームセンターで1×6材を手に取ると、表記よりも小さいサイズになっています。これは製材後の乾燥や表面の仕上げ加工によって寸法が変化するためです。
1×6材の実寸法
厚み:約19mm(表記は1インチ=25.4mm)
幅:約140mm(表記は6インチ=152.4mm)
実際の寸法は、厚みが約19mm、幅が約140mmとなります。規格サイズと実寸には必ず差があるため、DIYの設計時には実寸法で計算することが重要です。
特に1×6材は幅が広いため、複数枚を並べて使う場合、この実寸を把握していないと完成サイズが大きくずれてしまいます。テーブルの天板などを作る際は、購入前に必ずメジャーで実測しましょう。
他のサイズ材との比較と特徴
1×6材は、1×材シリーズの中でも幅広のサイズです。他のサイズ材と比較してみましょう。
| 規格サイズ | 厚み(実寸) | 幅(実寸) | 重量感 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 1×4材 | 約19mm | 約89mm | 軽い | 一般的な棚板 |
| 1×6材 | 約19mm | 約140mm | やや重い | 広い棚板、天板 |
| 1×8材 | 約19mm | 約184mm | 重い | テーブル天板、看板 |
| 2×6材 | 約38mm | 約140mm | 非常に重い | 構造材、厚みが必要な天板 |
1×6材の幅140mmという寸法は、A4サイズの短辺(210mm)の約3分の2に相当します。書類や雑誌を横向きに置くのにちょうど良いサイズでしょう。
1×4材に比べて約1.5倍の幅があるため、一枚で広い面積をカバーできます。複数枚を並べる手間が減り、作業効率が向上するのです。
ただし、幅が広い分、重量も増えます。長尺材を運搬する際や、壁に取り付ける際は、この重さを考慮する必要があるでしょう。
1×6材が最適な用途と活用場面
1×6材の広い幅を活かした用途を見ていきましょう。このサイズだからこそ実現できるDIYアイデアがあります。
まず代表的な用途は、本棚やディスプレイ棚の棚板です。文庫本から大型の雑誌まで、余裕を持って収納できる幅が魅力でしょう。
1×6材の主な活用例
本棚やマガジンラックの棚板
デスクやワークテーブルの天板
キッチンカウンターの作業台
ベンチやスツールの座面
カフェ風看板やウェルカムボード
収納ボックスの底板や側板
壁面のアクセントウォール
デスクの天板としても人気があります。奥行き40〜60cmのコンパクトなワークデスクなら、1×6材を2〜3枚並べるだけで天板が完成するのです。
ガーデニング用途では、プランターボックスの側板や、ガーデンベンチの座面に適しています。屋外で使う場合は、防腐処理済みの木材を選びましょう。
看板やサインボードとしても優秀です。幅が広いため、文字を大きく書き込めます。カフェ風のメニューボードや、玄関のウェルカムボードなど、インテリアのアクセントとしても活躍します。
1×6材の長さと価格の詳細
続いては、1×6材の長さと価格の詳細を確認していきます。
入手可能な長さのバリエーション
1×6材は、ホームセンターで以下の長さが一般的に取り扱われています。ただし、1×4材に比べると在庫が少ない店舗もあるでしょう。
| フィート表記 | ミリ表記 | 入手しやすさ | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| 3f | 約910mm | △(一部店舗) | 小型のベンチ座面 |
| 6f | 約1820mm | ○(一般的) | 棚板、中型デスク |
| 8f | 約2440mm | ○(一般的) | 大型デスク、長い棚板 |
| 10f | 約3050mm | △(取り寄せ可) | カウンター、大型家具 |
最も入手しやすいのは、6フィート(約1820mm)と8フィート(約2440mm)です。多くのホームセンターでは、この2種類を常時在庫しています。
長尺材ほど反りや曲がりが発生しやすいため、購入時には必ず材を横から見て、まっすぐかどうか確認しましょう。
用途別の選び方としては、幅60〜90cmの棚板なら6f材、120cm以上の長いデスクや棚なら8f材が適しています。カット後の端材も小物作りに活用できるため、やや長めを購入するのも良い戦略です。
木材の種類別価格相場
1×6材として販売されている木材には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴と価格帯を理解しておきましょう。
SPF材は、最も一般的で扱いやすい木材です。柔らかく加工しやすいため、DIY初心者でも安心して使えます。
| 木材の種類 | 6f材の価格 | 8f材の価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SPF材 | 500〜800円 | 700〜1100円 | 加工しやすい、入手容易 |
| ホワイトウッド | 450〜700円 | 600〜950円 | 安価だが節が多い |
| 杉材 | 700〜1100円 | 950〜1450円 | 香りが良い、軽量 |
| ヒノキ材 | 1000〜1600円 | 1350〜2100円 | 耐久性高い、高級感 |
| 防腐処理材 | 800〜1200円 | 1100〜1600円 | 屋外使用可能 |
1×6材は1×4材に比べて価格が1.5〜2倍程度高い
のが一般的です。幅が広い分、材料費がかかるためでしょう。
ホワイトウッドは価格が安いですが、節が多く反りやすい傾向があります。ペイント仕上げにする作品や、裏側が見えない用途であれば、コストパフォーマンスは良好です。
杉材やヒノキ材は国産材で、香りが良く調湿効果もあります。デスクの天板など、長時間触れる家具には適した選択でしょう。価格は高めですが、品質と耐久性は優れています。
お得に購入するための戦略
1×6材は比較的高価なため、購入コストを抑える工夫が重要です。賢い買い物のテクニックを紹介しましょう。
まず、B級品や端材コーナーを積極的にチェックします。軽微な傷や小さな節があるだけで、通常価格の30〜40%オフで購入できることもあります。
コストを削減する購入戦略
1. B級品やアウトレット品を狙う
2. 長材を購入して自分でカットする
3. まとめ買いで割引交渉する
4. 会員割引やポイント還元を最大活用する
木材専門店では、まとめ買いで割引してもらえることがあります。複数の作品を同時に計画し、必要な本数をまとめて購入すると交渉しやすいでしょう。
また、ホームセンターの会員になると、定期的な割引クーポンが届きます。1×6材のような高価な木材を購入する際は、これらのクーポンを活用すると大きな節約になるのです。
オンラインショップでの価格比較も効果的です。ただし、送料が高額になる場合があるため、複数本をまとめて購入する際に検討すると良いでしょう。
長尺材を購入して自分でカットする方が、単価は安くなります。例えば、6f材を2本買うより、12f材を1本買ってカットする方がお得な場合が多いのです。
1×6材の選び方と品質チェック
続いては、1×6材の選び方と品質チェックのポイントを確認していきます。
良質な木材を見極めるポイント
1×6材は幅が広い分、反りや曲がりが目立ちやすい木材です。購入時の品質チェックが、完成品の仕上がりを左右します。
まず、反りや曲がりを確認しましょう。木材を横から見て、まっすぐかどうか必ずチェックしてください。わずかな反りでも、組み立て時に大きな問題となります。
品質チェックの手順
1. 木材を横から見て反りや曲がりを確認する
2. 表面を撫でて滑らかさをチェックする
3. 節の位置と大きさを確認する
4. 木口のひび割れをチェックする
5. 色ムラや汚れがないか確認する
節の位置も重要です。特に、棚板として使う場合、中央に大きな節があると強度が低下します。節は木材の端の方にある材を選ぶと良いでしょう。
抜け節(穴が空いた節)がある材は避けてください。見た目が悪いだけでなく、そこから割れが広がる可能性があります。
木口(切断面)の状態も確認しましょう。深いひび割れが入っている場合、その材は乾燥が不十分か、保管状態が悪かった可能性があるのです。
用途に応じた木材の選び方
作りたいものによって、適した木材の種類や品質は異なります。用途別の選び方を見ていきましょう。
デスクの天板やテーブルとして使う場合は、節が少なく表面が滑らかな上級グレードを選ぶことをおすすめします。毎日触れる家具なので、品質への投資は価値があるでしょう。
| 用途 | 推奨グレード | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| デスク天板 | 上級〜特級 | 節が少なく、反りがない材 |
| 本棚の棚板 | 中級〜上級 | 強度重視、節の位置に注意 |
| ベンチ座面 | 中級 | 反りがなく、表面が滑らか |
| 看板・サインボード | 中級 | 表面の仕上がり重視 |
| 収納ボックス底板 | 普通〜中級 | 強度があればOK |
看板やウェルカムボードとして使う場合は、表面が滑らかであれば、多少の節は味わいとして活かせます。ペイントやステンシルで仕上げるなら、B級品でも十分でしょう。
収納ボックスの底板など、見えない部分に使う場合は、強度さえあればB級品やアウトレット品で問題ありません。コストを抑えるチャンスです。
購入時の注意点と運搬のコツ
1×6材は幅が広く長いため、購入時と運搬時に注意が必要です。スムーズに持ち帰るためのコツを押さえておきましょう。
まず、車のサイズを確認してください。8フィート材(約2.4m)は、軽自動車では運搬が困難です。普通車でも、後部座席を倒す必要があります。
購入前に、店舗のカットサービスを利用するかどうか決めておきましょう。多くのホームセンターでは、1カット50〜100円程度でカットしてもらえます。
運搬時の注意点
1. 車のサイズと木材の長さを事前に確認する
2. 長尺材は2人で運ぶ(安全第一)
3. 車内で固定し、急ブレーキに注意する
4. 必要なら店舗のカットサービスを利用する
複数枚を購入する場合は、重なりによる傷や汚れに注意が必要です。店舗で重ねてもらう際は、間に紙や薄い板を挟んでもらうと良いでしょう。
帰宅後は、すぐに作業しない場合でも、平らな場所に水平に保管してください。立てかけておくと、自重で反りが発生してしまいます。
1×6材を使ったDIYの実践技術
続いては、1×6材を使ったDIYの実践技術を確認していきます。
加工の基本と必要な工具
1×6材は幅が広いため、加工時には特別な注意が必要です。適切な工具と技術を使って、正確な作品を作りましょう。
基本的な工具としては、電動丸ノコ、サンドペーパー、メジャー、さしがね、クランプ、ドリルドライバーなどが必要です。1×6材のような幅広の材は、手のこぎりでは時間がかかり、直角を保つのも困難です。
1×6材加工の基本手順
1. 正確に寸法を測定してマーキングする
2. さしがねで直角線を材の両面に引く
3. 強力なクランプで固定する(最低2箇所)
4. 電動丸ノコでゆっくりカットする
5. 切断面をサンドペーパーで丁寧に整える
6. 下穴を開けてからビス留めする
電動丸ノコを使う際は、必ず保護メガネと防塵マスクを着用してください。幅広の材をカットすると、大量の木くずが発生します。
サンディングは、粗目(#80〜#120)から始め、中目(#180)、細目(#240〜#320)へと段階的に番手を上げます。特にデスクの天板など、触れる機会が多い作品では、丁寧なサンディングが快適な使用感につながるのです。
ビス留めの際は、材の端から最低2cm以上離して打ちます。端に近すぎると、木材が割れる原因となります。
反り対策と組み立てのコツ
1×6材は幅が広い分、反りが発生しやすい木材です。反りを最小限に抑え、強固に組み立てる技術を身につけましょう。
まず、購入後は作業場所で数日間「養生」させることをおすすめします。環境に木材を慣らすことで、完成後の変形を防げます。
| 対策方法 | 効果 | 適用場面 |
|---|---|---|
| 裏面に補強材を取り付ける | 高 | デスク天板、長い棚板 |
| 複数枚を接着して厚みを増す | 非常に高 | 重厚なテーブル天板 |
| フレームで固定する | 高 | ベンチ座面、看板 |
| 適切な塗装で湿度変化を抑える | 中 | 全ての用途 |
デスクの天板として使う場合は、裏面に1×2材や1×3材を補強材として取り付けると効果的です。天板の幅方向に2〜3本取り付けることで、反りを大幅に抑えられるでしょう。
強度を高める組み立てのポイント
1. 木工用ボンドを必ず併用する
2. 裏面に補強材を取り付ける
3. 適切な間隔でビスを配置する(15〜20cm間隔)
棚板として使う場合は、支持する側板や脚との接合が重要です。L字金具やブラケットを使って補強すると、重い本を載せても安心でしょう。
ベンチの座面として使う場合は、四方をフレームで囲むと強度が向上します。座面が反らないよう、しっかり固定してください。
仕上げと保護の方法
1×6材を使った作品を長持ちさせ、美しく仕上げるための塗装とメンテナンステクニックを紹介します。
組み立て前に、各パーツを丁寧にサンディングしましょう。特に天板や座面など、触れる機会が多い部分は、#320以上の細かいサンドペーパーで仕上げることをおすすめします。
高品質な仕上げの手順
1. 粗目(#120)で全体を整える
2. 中目(#180)で滑らかにする
3. 細目(#240〜#320)で仕上げる
4. 木くずを完全に拭き取る
5. 下塗り材を薄く塗る
6. 軽くサンディング(#320)
7. 上塗りを2〜3回薄く重ねる
デスクの天板など、作業面として使う場合は、ウレタンニスで仕上げると耐久性が向上します。水や汚れに強く、長期間美しい状態を保てるでしょう。
ナチュラルな木目を活かしたい場合は、オイルフィニッシュがおすすめです。亜麻仁油やクルミ油を使ったオイルは、木材に深く浸透し、しっとりとした質感を生み出します。
看板やサインボードの場合は、まずステインで着色し、文字を書き込んだ後、保護のためにクリアのニスを塗ると良いでしょう。屋外に設置する場合は、UV保護機能のある塗料を選ぶことが重要です。
定期的なメンテナンスも大切です。オイルフィニッシュの場合は、半年に一度程度、薄くオイルを塗り直すと美しい状態を保てます。
まとめ
1×6材は、厚み約19mm、幅約140mmという広めのサイズで、棚板やデスクの天板、看板など、幅広い用途に活用できる木材です。一枚で広い面積をカバーできるため、作業効率が良いのが魅力でしょう。
価格相場はSPF材の6フィートで500〜800円程度と、1×4材の1.5〜2倍程度です。幅が広い分、反りや曲がりにも注意が必要なため、購入時の品質チェックが重要となります。
加工時は電動工具の使用をおすすめします。裏面に補強材を取り付けることで反りを防ぎ、丁寧な仕上げを施すことで、美しく実用的な作品が完成するでしょう。
1×6材の特性を理解して、本格的なデスクや棚、オリジナルの看板など、広い木材を活かしたDIY作品づくりに挑戦してみてください。