エクセルで作業していると、「図形をクリックしても選択できない」「挿入したオブジェクトが削除できない」「図形が編集できない状態になっている」「図や画像が消せない」といったトラブルに遭遇することはありませんか?
特に、他の人が作成したファイルを編集する際に、図形が保護されていて操作できないことが多く、困ってしまうこともあるでしょう。
この記事では【Excel】エクセルで図形を削除できない・選択できないを解除(挿入した図形・オブジェクトが編集できない・消せない)する方法について解説していきます。
ポイントは
・シート保護を解除して図形の編集を可能にする
・オブジェクトの選択と表示設定を変更する
・図形のロック状態を解除して削除可能にする
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルでシート保護を解除して図形を削除できるようにする方法1【保護の解除が最優先】
エクセルで図形が削除できない最も一般的な原因は、シートが保護されていることで、図形やオブジェクトの編集が制限されている状態です。
シート保護を解除することで、図形の選択、編集、削除が可能になるため、まずはこの設定を確認することが重要でしょう。
例えば、以下のような売上レポートに図形やグラフが挿入されている場合を考えてみましょう。

このシートに挿入されている図形やグラフをクリックしても選択できず、削除もできない場合に有効です。
解決方法
まず、シートが保護されているかどうかを確認しましょう。「校閲」タブをクリックしてください。
「校閲」タブの「保護」グループに「シート保護の解除」というボタンが表示されている場合、そのシートは保護されている状態です。通常は「シートの保護」と表示されていますが、保護されている場合は「シート保護の解除」に変わるわけです。

「シート保護の解除」ボタンをクリックしてください。パスワードが設定されている場合は、「シート保護解除」ダイアログが表示され、パスワードの入力が求められるでしょうか?

正しいパスワードを入力して「OK」をクリックすれば、シート保護が解除されます。パスワードが設定されていない場合は、クリックするだけで即座に保護が解除されます。

シート保護が解除されたら、図形をクリックして選択できるか確認してください。図形の周りに選択ハンドル(小さな丸や四角)が表示されれば、選択できている状態です。
選択できたら、「Delete」キーを押して図形を削除できます。

もしパスワードが分からない場合は、ファイルの作成者に確認する必要があります。パスワードを解除する裏技も存在しますが、セキュリティ上の理由から推奨されないため、正規の方法でパスワードを入手することが重要です。
また、ブック全体が保護されている場合もあります。「校閲」タブに「ブック保護の解除」というボタンが表示されている場合は、ブックの保護も解除してください。ブック保護とシート保護は別々の設定のため、両方を確認することが必要な場合もあるでしょう。
シート保護を解除した後、図形の編集や削除が完了したら、再度シートを保護することもできます。「校閲」タブの「シートの保護」をクリックして、必要に応じてパスワードを設定すれば、再び保護された状態に戻せます。
【操作のポイント:シート保護を解除すれば図形の選択・編集・削除が可能になる】
エクセルでオブジェクトの選択と表示設定を変更する方法2【表示オプションの調整】
シート保護が解除されているのに図形が選択できない場合、Excelの表示設定で図形やオブジェクトが非表示になっているか、選択できない設定になっている可能性があります。
そんな時に役立つのが、Excelのオプション設定から「オブジェクトの表示」を調整して、図形を表示・選択できるようにする方法です。
この設定を変更することで、隠れていた図形が表示され、選択できるようになるでしょう。
例えば、以下のような在庫管理シートに図形が挿入されているはずなのに表示されない場合を考えてみましょう。

図形が存在するはずなのに見えない、または選択できない場合に有効です。
解決方法
「ファイル」タブをクリックして、左側のメニューから「オプション」を選択しましょう。

「Excelのオプション」ダイアログが開いたら、左側のメニューから「詳細設定」をクリックしてください。
右側の設定項目をスクロールして、「次のブックで作業するときの表示設定」というセクションを探します。その中に「オブジェクトの表示」という項目があります。

「オブジェクトの表示」には2つのオプションがあります。
– すべて:図形やオブジェクトが通常通り表示されます
– なし:図形やオブジェクトが完全に表示されません
「すべて」が選択されていることを確認してください。他のオプションが選択されている場合は、「すべて」に変更しましょう。
設定を変更したら、「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。これで図形が表示されるようになるはずです。

それでも図形が選択できない場合は、「ホーム」タブの「検索と選択」ボタンを使う方法もあります。「ホーム」タブをクリックして、右端の「検索と選択」ボタンをクリックしてください。

表示されるメニューから「オブジェクトの選択」を選択すると、マウスカーソルが矢印から選択モードに変わり、図形やオブジェクトを選択しやすくなるでしょう。

この状態で図形をクリックすれば選択でき、「Delete」キーで削除できます。複数の図形をまとめて選択したい場合は、この選択モードでドラッグして範囲を指定することもできます。
また、「ホーム」タブの「検索と選択」から「ジャンプ」を選択し、「セル選択」ボタンをクリックして「オブジェクト」を選択する方法もあります。これでシート内の全てのオブジェクトが一度に選択されるため、まとめて削除したい場合に便利です。


図形が他のオブジェクトの背面に隠れている可能性もあります。その場合は、「ホーム」タブの「検索と選択」から「オブジェクトの選択と表示」を選択すると、シート内の全てのオブジェクトがリスト表示されるため、個別に選択して削除できるでしょう。

【操作のポイント:オプション設定で「すべて表示」にすれば図形が表示され選択可能になる】
エクセルで図形のロック状態を解除して削除する方法3【オブジェクトのプロパティ変更】
シート保護は解除されているのに特定の図形だけが選択できない場合、その図形自体にロックがかかっている可能性があります。
そんな時には、図形のプロパティからロック設定を解除して、編集や削除ができるようにする方法が必要です。
図形個別のロック設定を変更することで、その図形だけを編集可能な状態にできるでしょう。
例えば、以下のような月次レポートで特定の図形だけが選択できない場合を考えてみましょう。

他の図形は選択できるのに、特定の図形だけが選択できず削除できない場合に有効です。
解決方法
まず、シート保護が解除されていることを確認してください。「校閲」タブで「シート保護の解除」が必要な場合は、先に解除しましょう。

シート保護を解除したら、「ホーム」タブの「検索と選択」から「オブジェクトの選択と表示」を選択します。
画面右側に「選択」ウィンドウが表示され、シート内の全ての図形やオブジェクトがリスト表示されます。

リストから削除したい図形の名前を探してクリックします。図形の名前は「四角形 1」「グラフ1」などと表示されている場合が多いでしょう。
図形が選択された状態で右クリックして、メニューから「図形の書式設定」または「オブジェクトの書式設定」を選択してください。

「図形の書式設定」ウィンドウが表示されたら、「サイズとプロパティ」アイコン(四角いアイコン)をクリックします。

「プロパティ」セクションを展開すると、「ロック」というチェックボックスがあります。このチェックが入っている場合、シートが保護されると図形も編集できなくなります。

「ロック」のチェックを外してください。さらに、その下に「テキストをロックする」というチェックボックスがある場合も、チェックを外しておきましょう。
設定を変更したら、「図形の書式設定」ウィンドウを閉じます。これで図形のロックが解除され、削除できる状態になります。
図形を選択して「Delete」キーを押すか、右クリックメニューから「削除」を選択すれば、図形を削除できます。
複数の図形がロックされている場合は、「選択」ウィンドウで「Ctrl」キーを押しながら複数の図形をクリックして選択し、一度に全ての図形の書式設定を開いてロックを解除することもできるでしょう。
また、全ての図形のロックを一度に解除したい場合は、「Ctrl + A」キーでシート内の全てのオブジェクトを選択してから、右クリックで「図形の書式設定」を開き、ロックのチェックを外す方法も効率的です。
図形のロックを解除した後は、必要に応じて再びシートを保護することができます。ただし、シート保護をかけると再びロックされた図形は編集できなくなるため、恒久的に編集可能にしたい場合はロックを外したままにしておきましょう。
それでも図形が削除できない場合は、VBAマクロで図形が保護されている可能性もあります。その場合は、「開発」タブからVBAエディタを開き、マクロコードを確認する必要がありますが、高度な知識が必要になるため、ファイルの作成者に確認することをおすすめします。
【操作のポイント:図形のプロパティからロックを解除すれば個別の図形も編集・削除可能】
まとめ エクセルで図形を削除できない・選択できない(オブジェクトが編集できない・挿入した図形が消せない)を解除する方法
エクセルで図形を削除できない・選択できないを解除する方法をまとめると、シート保護を解除すれば図形の選択・編集・削除が可能になり最も一般的な原因を解決でき、オプション設定で「すべて表示」にすれば非表示になっていた図形が表示され選択可能になります。
また、図形のプロパティからロックを解除すれば個別の図形に設定された編集制限も解除でき、オブジェクトの選択モードや選択ウィンドウを活用すれば複数の図形を効率的に選択して削除することも可能です。
これらの方法を状況に応じて使い分けていけば、ほとんどの図形削除問題を解決できます。
特にシート保護の解除は最も基本的で重要な対処法として、図形が選択できない場合の最初の確認事項としてマスターすることをおすすめします。
ただし、パスワードで保護されている場合は正規のパスワードが必要で、他人が作成したファイルの保護を勝手に解除することは権利侵害になる可能性もあるため、必ず作成者の許可を得てから操作することも大切でしょう。
エクセルの図形管理と保護機能を正しく理解して、適切な権限のもとで効率的な図形編集作業を実現していきましょう!