算数の図形の学習で登場する「ひし形」。4つの辺がすべて等しいという特徴を持つこの図形ですが、角度の求め方について悩んでしまう小学生も多いのではないでしょうか。
ひし形には角度に関する大切な性質があり、それを理解すれば複雑に見える問題もスムーズに解けるようになります。対角線や向かい合う角の関係性を知ることで、計算がぐっと楽になるでしょう。
ひし形の角度を求める際は、向かい合う角が等しいことと、隣り合う角の和が180度になることを使います。この基本的な性質を押さえておけば、1つの角度が分かれば他の3つの角度も簡単に計算できるのです。
この記事では、小学生向けにひし形の角度の求め方を分かりやすく解説していきます。基本的な性質から具体的な計算方法、実際の書き方まで、例題を交えながら丁寧に説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
ひし形の角度の基本的な性質と求め方
それではまず、ひし形の角度に関する基本的な性質について解説していきます。
ひし形の角度の特徴とは

ひし形には角度について重要な特徴があります。向かい合う角(対角)が等しいという性質です。例えば、上の角と下の角が同じ大きさ、左の角と右の角が同じ大きさになります。
また、隣り合う角については特別な関係があるのです。隣り合う2つの角を足すと必ず180度になります。この性質を「補角の関係」と呼ぶこともあるでしょう。
さらに、ひし形の4つの角をすべて足し合わせると360度になります。これは四角形すべてに共通する性質ですね。
1つの角から他の角を求める方法
ひし形では1つの角度が分かれば、他のすべての角度を計算できます。どのように求めるのか見ていきましょう。
例えば、1つの角が60度だと分かっている場合を考えてみます。向かい合う角も同じ60度です。では、隣の角はどうでしょうか。
例題:ひし形の1つの角が60度のとき、他の角は?
隣の角 = 180度 – 60度 = 120度
向かい合う角 = 60度(同じ)
答え:60度、120度、60度、120度
このように、180度から既知の角度を引くだけで隣の角が求められます。そして向かい合う角は同じ大きさなので、4つすべての角度が分かるのです。
角度の計算で気をつけるポイント
角度の計算では、いくつか注意すべき点があります。まず、どの角とどの角が向かい合っているのかを正確に把握することが大切でしょう。
また、問題文で与えられた角度がひし形のどの位置の角なのかをしっかり確認する必要があります。図に角度を書き込んでいくと、ミスを防げるでしょう。
ひし形の角度計算の基本ルール
・向かい合う角は等しい
・隣り合う角の和は180度
・4つの角の和は360度
計算の際は単位(度)を忘れずに書くことも重要です。答えを書くときは「○度」としっかり単位まで記入しましょう。
ひし形の対角線と角度の関係
続いては、ひし形の対角線と角度の関係について確認していきます。
対角線が作る角度の性質
ひし形には2本の対角線があり、これらは互いに垂直に交わります。つまり、対角線が交わる点では必ず90度の角ができるのです。
この性質は角度を求める問題で非常に役立ちます。対角線によってひし形は4つの直角三角形に分割されると考えることができるでしょう。
また、対角線はひし形の角を2等分する性質も持っています。例えば、ひし形の1つの角が60度なら、対角線によってその角は30度ずつに分けられます。
対角線を使った角度の求め方
対角線を使うと、複雑な角度の問題も解きやすくなります。特に三角形の性質を組み合わせることで、様々な角度が計算できるのです。
例題:ひし形ABCDで、角Aが80度のとき、対角線が作る角の大きさは?
対角線ACは角Aを2等分するので:
80度 ÷ 2 = 40度
対角線同士は垂直に交わるので:
交点の角 = 90度
このように、対角線の性質を理解していれば、ひし形内部の様々な角度を求められます。
対角線と三角形の角度
ひし形を対角線で分けると、4つの三角形ができあがります。これらの三角形を使って角度を求める方法もあるのです。
三角形の内角の和は180度という性質を使えば、2つの角が分かっているときに残りの1つの角を計算できます。例えば、直角三角形(90度の角を持つ三角形)ができている場合、他の2つの角の和は90度になるでしょう。
| 三角形の種類 | 特徴 | 角度の関係 |
|---|---|---|
| 直角三角形 | 90度の角を含む | 残り2つの角の和は90度 |
| 二等辺三角形 | 2つの辺が等しい | 底角が等しい |
| 一般の三角形 | すべての辺が異なる | 3つの角の和は180度 |
ひし形の対角線によってできる三角形は、多くの場合、二等辺三角形の性質も持っています。これらの知識を組み合わせることで、効率的に角度を求められるのです。
ひし形の角度の書き方と図の描き方
続いては、ひし形の角度を図に書き込む方法や、ひし形そのものの描き方を確認していきます。
角度を図に書き込むコツ
問題を解く際、図に角度を書き込んでいくことはとても重要です。分かっている角度から順番に書き込んでいくと、全体像が見えやすくなります。
角度を書き込むときは、角の近くに「○°」という形で記入しましょう。複数の角に同じ印(例えば「×」や「○」)をつけて、等しい角を示す方法もあります。
色ペンを使って向かい合う角を同じ色で示すのも効果的です。視覚的に分かりやすくなり、計算ミスを防げるでしょう。
ひし形を正確に描く方法
ひし形を描くときは、定規とコンパスを使うと正確な図が描けます。すべての辺が等しいことを意識しながら描くことが大切です。
まず、1つの辺を定規で引きます。次に、その辺の長さをコンパスで測り、端点から円弧を描くのです。同様に反対側の端点からも円弧を描き、交点を見つけます。
ひし形の描き方の手順
1. 1つの辺ABを引く(例:5cm)
2. Aを中心に半径5cmの円弧を描く
3. Bを中心に半径5cmの円弧を描く
4. 円弧の交点をCとする
5. 対角線の性質を使ってDを決める
6. 4つの点を結ぶ
角度が指定されている場合は、分度器を使って正確な角度で線を引きましょう。
答案用紙への書き方
テストや宿題で答えを書くときは、見やすく丁寧に書くことが重要です。計算の途中式も省略せずに書くと、後で見直しやすくなります。
答えを書く際は、「角A = 60度」というように、どの角の大きさなのかを明確に示しましょう。複数の角を答える場合は、「角A = 60度、角B = 120度、角C = 60度、角D = 120度」のように、すべてを書き出すと分かりやすいでしょう。
| 書き方のポイント | 良い例 | 悪い例 |
|---|---|---|
| 単位を書く | 60度 | 60 |
| 角の名前を書く | 角A = 60度 | 60度 |
| 途中式を書く | 180 – 60 = 120度 | 120度 |
途中の計算も丁寧に書いておくと、間違えた場合でも部分点がもらえることがあります。
ひし形の角度に関する練習問題
続いては、実際の練習問題を通して理解を深めていきます。
基本的な角度の計算問題
まずは基本的な問題から始めましょう。1つの角度が与えられて、他の角度を求める問題です。
問題1:ひし形の1つの角が70度です。他の3つの角の大きさを求めなさい。
考え方:
・向かい合う角も70度
・隣の角は 180 – 70 = 110度
・その向かい側も110度
答え:70度、110度、70度、110度
このタイプの問題は、ひし形の基本性質を理解していればすぐに解けます。落ち着いて考えましょう。
別のパターンも見てみます。角度の合計を使う問題です。
問題2:ひし形で隣り合う2つの角の差が40度です。それぞれの角の大きさを求めなさい。
考え方:
隣り合う角をA度とB度とすると
A + B = 180度、A – B = 40度
この2つの式を解くと
A = 110度、B = 70度
少し応用的な問題ですが、基本性質を使えば解けるでしょう。
対角線を含む角度の問題
対角線が関係する問題も練習しておきましょう。対角線の性質を思い出しながら解いていきます。
問題3:ひし形ABCDで、角Aが100度のとき、対角線ACと辺ABが作る角の大きさを求めなさい。
考え方:
対角線ACは角Aを2等分するので
100度 ÷ 2 = 50度
答え:50度
対角線は角を2等分する
という性質が重要なポイントです。
総合的な角度の問題
最後に、複数の知識を組み合わせる問題に挑戦してみましょう。
問題4:ひし形ABCDの対角線が交わる点をOとします。角AOBが90度、角OABが35度のとき、角ABCの大きさを求めなさい。
考え方:
三角形AOBで
角OBA = 180 – 90 – 35 = 55度
対角線は角を2等分するので
角ABC = 55度 × 2 = 110度
答え:110度
このような問題では、三角形の性質とひし形の性質を両方使います。図に角度を書き込みながら、一歩ずつ進めていくことが大切でしょう。
問題を解くときの手順
1. 図を描いて与えられた情報を書き込む
2. 使える性質を考える
3. 分かる角度から順番に求める
4. 答えを確認する(4つの角の和は360度?)
練習を重ねることで、どんな問題にも対応できる力がついてきます。焦らず丁寧に解いていきましょう。
まとめ
ひし形の角度の求め方について、基本的な性質から具体的な計算方法、図の描き方まで解説してきました。
向かい合う角が等しく、隣り合う角の和が180度になるという2つの性質が最も重要なポイントです。この性質を使えば、1つの角度が分かれば他のすべての角度を求められます。
また、対角線は互いに垂直に交わり、角を2等分するという性質も覚えておきましょう。これらの知識を組み合わせることで、様々な角度の問題に対応できるようになります。
問題を解く際は、図に角度を書き込みながら進めることが大切です。分かっている情報を整理し、使える性質を考えながら、一歩ずつ答えに近づいていきましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで必ず解けるようになります。基本をしっかり押さえて、自信を持って問題に取り組んでください。