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1/logxの積分は?計算方法と公式も解説!(∫1/logx dx・置換積分・対数積分・不定積分・数値積分など)

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数学の学習を進めていく中で、「1/logxの積分」という問題に出会うことがあるでしょう。一見シンプルに見えるこの積分ですが、実は通常の積分技法では解けない特殊な関数なのです。

この記事では、1/logxの積分の計算方法と公式について、基本から応用まで詳しく解説していきます。対数積分Li(x)の定義や性質、数値計算の方法まで、実践的な内容をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

1/logxの積分の答えと基本公式

それではまず、1/logxの積分の結論と基本的な公式について解説していきます。

1/logxの積分の結果

1/logxの積分は、初等関数では表せない特殊関数として知られています。その結果は次のように表されるでしょう。

∫(1/logx)dx = Li(x) + C

ここで、Li(x)は「対数積分(Logarithmic Integral)」と呼ばれる特殊関数です。

この対数積分Li(x)は、指数関数や三角関数のように初等関数の組み合わせでは表現できません。つまり、1/logxの積分は解析的に閉じた形では求められないということです。

対数積分Li(x)とは

対数積分Li(x)は、より正確には次のように定義されます。

Li(x) = ∫[0→x] dt/log(t)

または、主値積分として:

Li(x) = ∫[0→x] dt/ln(t) (主値)

ただし、t=1で被積分関数が特異点を持つため、主値積分(principal value)として定義する必要があるでしょう。実際の計算では、次のような表現もよく用いられます。

li(x) = ∫ dt/ln(t)

この小文字のli(x)は、特異点を避けた形の定義です。

基本的な性質

対数積分Li(x)には、いくつかの重要な性質があります。以下の表にまとめてみましょう。

性質 内容
定義域 x > 0, x ≠ 1
微分 d/dx[Li(x)] = 1/log(x)
特異点 x = 1で対数が0になり発散
漸近挙動 x→∞のとき、Li(x) ≈ x/ln(x)

これらの性質から、Li(x)は1/logxの原始関数として機能することが分かります。

1/logxの積分の計算方法

続いては、1/logxの積分を求めるための様々なアプローチを確認していきます。

部分積分による考え方

まず、部分積分を試してみましょう。1/logxを積分する際、次のように設定してみます。

u = 1/log(x), dv = dx

du = -1/(x(log(x))²)dx, v = x

部分積分の公式 ∫udv = uv – ∫vdu を適用すると:

∫(1/log(x))dx = x/log(x) + ∫dx/(log(x))²

しかし、この方法ではさらに複雑な積分が現れてしまい、解決には至りません。これが1/logxの積分が初等関数で表せない理由の一つです。

置換積分を使ったアプローチ

次に、置換積分を試してみましょう。t = log(x)とおくと:

t = log(x) より x = e^t

dx = e^t dt

∫(1/log(x))dx = ∫(e^t/t)dt

この積分もまた、指数積分Ei(t)という特殊関数になります。つまり、置換積分によっても初等関数では表せないことが確認できるでしょう。

級数展開による方法

実用的な計算方法として、級数展開を用いる方法があります。x = 1 + εとして、εが小さい場合を考えてみましょう。

log(1 + ε) ≈ ε – ε²/2 + ε³/3 – …

1/log(1 + ε) ≈ 1/ε + 1/2 + ε/12 + …

この級数を項別積分することで、近似的な値を求めることができます。ただし、この方法はx = 1付近でのみ有効という制限があります。

数値積分による計算

続いては、実際に1/logxの値を求める数値積分の方法を確認していきます。

数値積分が必要な理由

前述の通り、1/logxの積分は解析的に閉じた形で表せません。そのため、実際の数値を得るには数値積分が不可欠となります。

数値積分とは、関数のグラフの下の面積を数値的に近似計算する手法です。

コンピュータを使えば、高精度な計算が可能でしょう。数学ソフトウェアやプログラミング言語には、対数積分Li(x)を計算する関数が用意されていることも多いです。

台形公式・シンプソン法

代表的な数値積分法として、台形公式とシンプソン法があります。

手法 特徴 精度
台形公式 区間を台形で近似 O(h²)
シンプソン法 2次曲線で近似 O(h⁴)
ガウス求積法 最適な点で評価 非常に高精度

台形公式は次のように表されます。

∫[a→b] f(x)dx ≈ (b-a)/2 × (f(a) + f(b))

より高精度には区間を分割して:

≈ h/2 × (f(x₀) + 2f(x₁) + 2f(x₂) + … + f(xₙ))

実際の計算例

具体的な例として、∫ (1/log(x))dx を台形公式で計算してみましょう。

区間を4分割する場合:

h = (10-2)/4 = 2

x₀=2, x₁=4, x₂=6, x₃=8, x₄=10

各点での関数値:

f(2) = 1/log(2) ≈ 1.443

f(4) = 1/log(4) ≈ 0.721

f(6) = 1/log(6) ≈ 0.558

f(8) = 1/log(8) ≈ 0.481

f(10) = 1/log(10) ≈ 0.434

台形公式を適用すると、近似値として約5.27が得られるでしょう。分割数を増やすことで、より高精度な結果が得られます。

対数積分の応用と重要性

続いては、対数積分Li(x)がどのような場面で重要になるのかを確認していきます。

素数定理との関係

対数積分Li(x)の最も重要な応用は、素数の分布を記述する素数定理にあります。

x以下の素数の個数π(x)は、Li(x)によって非常に良く近似されます。

π(x) ≈ Li(x) – Li(2)

これは数論における最も美しい結果の一つでしょう。例えば、1000以下の素数は168個ありますが、Li(1000) – Li(2) ≈ 177.6となり、かなり近い値になっています。

数論における役割

対数積分は、素数定理以外にも様々な数論的問題に現れます。

応用分野 役割
素数分布 π(x)の主要項
リーマン予想 誤差項の評価
解析的整数論 漸近展開の基礎
暗号理論 素数生成の評価

特にリーマン予想という未解決問題においても、対数積分は中心的な役割を果たしています。

実用的な計算方法

実際にLi(x)を計算する際には、次のような方法が利用されるでしょう。

【Python での計算例】

from scipy.special import expi

import numpy as np

def Li(x):

  return expi(np.log(x))

多くのプログラミング言語や数学ソフトウェアには、対数積分や関連する特殊関数を計算する機能が組み込まれています。Mathematica、MATLAB、Pythonなどを使えば、簡単に高精度な値が得られるでしょう。

まとめ

この記事では、1/logxの積分について詳しく解説してきました。

1/logxの積分は対数積分Li(x)という特殊関数として定義され、初等関数では表せないという特徴があります。部分積分や置換積分を試みても、さらに複雑な特殊関数が現れるため、解析的に閉じた形では求められません。

実際の計算には数値積分が用いられ、台形公式やシンプソン法などの手法で近似値を得ることができるでしょう。また、対数積分は素数定理をはじめとする数論において極めて重要な役割を果たしています。

数学の奥深さを感じさせる1/logxの積分、その美しい性質と応用を理解することで、より広い数学的視野が得られることでしょう。