電気・電子工学の分野では英語の専門用語を使う場面が多く、「電圧」の英語表記も文脈によっていくつかの異なる表現があります。
「voltage」は最もよく使われる言葉ですが、EMF・potential differenceなど場面に応じた使い分けが必要です。
本記事では、電圧に関連する英語表記をわかりやすく整理し、印加電圧・定格電圧などの専門用語の英語表現についても詳しく紹介していきます。
電圧の英語表記は状況に応じてvoltage・EMF・potential differenceを使い分ける
それではまず、電圧を表す主な英語表現とその使い分けについて解説していきます。
日本語の「電圧」は英語では主にvoltage・EMF(起電力)・potential difference(電位差)の三つの表現で表されます。
それぞれ微妙に異なるニュアンスや使用される文脈があるため、正確に使い分けることが重要です。
電圧を表す主な英語表現
voltage:最も一般的な電圧の表現
EMF(Electromotive Force):起電力(電池・発電機などの電圧源)
potential difference:電位差(物理学的な厳密な表現)
記号Vはすべての場合に共通して使われます。
voltageの意味と使い方
「voltage」は電圧を表す最も汎用的な英語表現であり、日常会話・技術文書・教科書など幅広い場面で使われます。
「the voltage of the battery is 9V(電池の電圧は9Vです)」のように使います。
voltageはイタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタ(Volta)の名前に由来する言葉です。
EMF(Electromotive Force)の意味
EMFは「電気起動力」とも呼ばれ、電池や発電機のような電圧源が持つ「電流を駆動する力」を表す場合に使われます。
厳密には、理想的な電源(内部抵抗ゼロ)が供給できる最大の電圧を指すことが多いです。
回路理論では起電力をEで表すことが一般的であり、端子電圧V = E – IRのように区別して使われます。
potential differenceの意味
「potential difference(電位差)」は物理学的に最も正確な表現であり、2点間の電気的ポテンシャルの差を指します。
イギリスの物理・電気の教科書ではvoltageよりもpotential differenceの方が好まれる傾向があるでしょう。
略してPDと表記されることもあり、測定や計算結果の説明文で頻繁に登場します。
電圧に関連する英語専門用語の一覧
続いては、電気・電子工学でよく使われる電圧に関連した英語専門用語を確認していきます。
印加電圧・定格電圧の英語表記
| 日本語 | 英語表記 | 略語・補足 |
|---|---|---|
| 印加電圧 | applied voltage | 部品・素子に実際にかかる電圧 |
| 定格電圧 | rated voltage | 機器が設計上対応している電圧 |
| 供給電圧 | supply voltage | 電源から供給される電圧 |
| 電源電圧 | power supply voltage | 電源装置の出力電圧 |
| 電圧降下 | voltage drop | 抵抗・配線で生じる電圧の低下 |
| 電圧変動 | voltage fluctuation | 負荷変動などによる電圧の変化 |
交流・直流に関連する電圧の英語表記
| 日本語 | 英語表記 | 補足 |
|---|---|---|
| 直流電圧 | DC voltage | DC = Direct Current |
| 交流電圧 | AC voltage | AC = Alternating Current |
| 電圧実効値 | RMS voltage | RMS = Root Mean Square |
| 最大電圧(ピーク) | peak voltage | 交流波形の最大値 |
| ピーク間電圧 | peak-to-peak voltage | プラス最大値とマイナス最大値の差 |
交流回路の技術文書ではRMS voltageとpeak voltageを明確に区別することが重要です。
電圧に関わる記号V・E・Uの英語での使い分け
電圧の記号としてはVが最も一般的ですが、文脈によってEやUが使われることもあります。
Eは起電力(EMF)を表す場合に使われ、Uはヨーロッパの技術規格で電圧(電位差)の記号として広く使われています。
IEC(国際電気標準会議)の規格ではUが標準的な電圧の記号として採用されているため、国際文書ではUに出会うことが多いでしょう。
技術文書・データシートでの電圧の英語表記の読み方
続いては、実際の英語技術文書やデータシートに登場する電圧関連の表記を確認していきます。
データシートでよく見る電圧の略語
電子部品のデータシートには多くの電圧パラメータが記載されており、略語を読み解く力が必要です。
データシートの電圧略語例
VCC:コレクタ側電源電圧(バイポーラトランジスタ用)
VDD:ドレイン側電源電圧(MOSFETやCMOS用)
VIN:入力電圧(Input Voltage)
VOUT:出力電圧(Output Voltage)
VMAX:最大定格電圧(Maximum Voltage)
電圧に関する英語フレーズの例
「Apply 5V to the VIN pin」は「VINピンに5Vを印加する」という意味です。
「The output voltage shall not exceed 12V」は「出力電圧は12Vを超えてはならない」という定格の記述でしょう。
英語の技術文書を正確に読むには、電圧に関連する基本的なフレーズを習得しておくことが不可欠です。
英語での電圧の読み方と発音
「9V」は英語で「nine volts」と読みます。
「1.5V」は「one point five volts」、「100V」は「one hundred volts」と表現します。
技術プレゼンや会議では正確な読み方が求められるため、数値の英語読みも合わせて練習しておくとよいでしょう。
まとめ
本記事では、電圧を表す英語表記(voltage・EMF・potential difference)の違い・印加電圧・定格電圧などの専門用語・データシートでの略語について解説しました。
voltageは最も汎用的な表現、EMFは電圧源の起電力、potential differenceは物理学的に厳密な電位差の表現としてそれぞれ使い分けます。
データシートや国際規格の文書ではVCC・VDD・VINなど様々な略語が登場するため、代表的なものを覚えておくことが重要です。
電圧に関する英語表現を正確に把握し、英語の技術文書や国際的な場面でも自信を持って対応できるようになりましょう。