数学の授業で関数のグラフを描く問題に出会うと、多くの人が手が止まってしまいます。
特に微分を使ってグラフを描く単元は、増減表や極値、変曲点といった専門用語が一気に登場するため、混乱しやすいポイントです。
しかし実は、手順さえ押さえてしまえば決して難しい作業ではありません。
この記事では、微分のグラフの書き方と増減表の作り方について、基礎から丁寧に解説していきます。
極値や極大、極小、変曲点、単調増加、単調減少といった関連用語もあわせて整理していきますので、定期テストや受験対策にぜひ役立ててください。
それでは早速、結論部分から見ていきましょう。
微分のグラフの書き方の結論
それではまず、微分のグラフの書き方について結論から解説していきます。
結論からお伝えすると、微分を使ってグラフを描くための最短ルートは増減表を作成することに尽きます。
増減表さえ完成させてしまえば、あとはそれを座標平面上に落とし込むだけでグラフはほぼ完成するのです。
増減表を作れば全て分かる
増減表とは、関数の導関数の符号をもとに、もとの関数がどこで増えてどこで減っているのかを一覧にした表のことです。
この表を作ることで、グラフの山と谷の位置が視覚的に把握できます。
逆に言えば、増減表を作らずにいきなりグラフを描こうとすると、極値の位置を見誤ったり、増減の向きを間違えたりするミスが多発してしまうでしょう。
極値と変曲点をおさえる
グラフの概形を正確に描くためには、極値と変曲点という二つのポイントを把握しておく必要があります。
極値はグラフの山や谷にあたる部分で、変曲点はグラフの凹凸が切り替わる部分です。
この二つを押さえておくだけで、グラフの信頼性は格段に上がります。
グラフの概形をつかむ手順
微分を使ったグラフ作成は、大きく分けると次の三段階で進みます。
一つ目は導関数を求めること、二つ目は増減表を作成すること、三つ目はその表をもとにグラフを描くことです。
この三段階の流れさえ体に染み込ませてしまえば、どんな関数が出題されても対応できるようになります。
次の見出しからは、それぞれのステップをより詳しく確認していきましょう。
微分係数と導関数の基礎確認
続いては、グラフ作成の土台となる微分係数と導関数の基礎を確認していきます。
増減表を作る前提として、まずは導関数の意味と求め方をしっかり理解しておく必要があるでしょう。
微分係数の意味
微分係数とは、ある点における関数の瞬間的な変化の割合を表す値のことです。
グラフ上で言えば、その点における接線の傾きにほかなりません。
この値が正であれば関数は増加傾向にあり、負であれば減少傾向にあると判断できます。
導関数の求め方
導関数とは、各点における微分係数を関数として表したものです。
多項式関数であれば、次数を係数にかけて次数を一つ下げるという基本ルールに従って計算します。
例えばf(x)=x3-3xという関数があったとします。
この関数を微分すると、f’(x)=3x2-3となります。
この導関数f’(x)こそが、増減表を作るための核となる式です。
接線の傾きとグラフの関係
導関数の値は、そのままグラフの接線の傾きを意味します。
傾きが正の区間ではグラフは右上がりになり、傾きが負の区間では右下がりになるのです。
この関係を理解しているかどうかで、グラフのイメージのしやすさが大きく変わってくるでしょう。
増減表の作り方
続いては、いよいよ本題となる増減表の作り方を確認していきます。
増減表はグラフの設計図とも呼べる存在なので、正確に作成する力を身につけておきたいところです。
f’(x)の符号を調べる
増減表を作る最初のステップは、導関数f’(x)がゼロになる点を求めることです。
先ほどの例であるf’(x)=3x2-3の場合、これをゼロと置くとx=1、x=-1という二つの解が得られます。
この二つの値を境目として、f’(x)の符号がプラスなのかマイナスなのかを各区間ごとに調べていきます。
増減表の書き方(表)
符号を調べ終えたら、それを表の形にまとめていきます。
一般的な増減表は、xの値、f’(x)の符号、f(x)の増減という三段構成で作成します。
| x | … | -1 | … | 1 | … |
|---|---|---|---|---|---|
| f’(x) | + | 0 | - | 0 | + |
| f(x) | 増加 | 極大 | 減少 | 極小 | 増加 |
このように矢印や記号を使って整理すると、関数の動きが一目で分かるようになります。
表の中で山型になっている部分が極大、谷型になっている部分が極小です。
極大値・極小値の求め方
増減表が完成したら、極大や極小をとるxの値を先ほどの関数f(x)に代入して、実際の値を計算します。
x=-1のときf(-1)=2となり、x=1のときf(1)=-2となります。
この座標こそが、グラフ上に描く山と谷の頂点にあたる部分なのです。
極値・極大・極小の見分け方
続いては、極値や極大、極小という用語の意味と見分け方を確認していきます。
言葉が似ているため混同しやすい部分ですが、整理してしまえば決して難しくはありません。
極値とは何か
極値とは、関数の増減が切り替わる点における関数の値のことを指します。
極値には極大値と極小値の二種類があり、この二つをまとめて極値と呼ぶのです。
ちなみにグラフ全体で最も高い点である最大値や、最も低い点である最小値とは、必ずしも一致しないので注意が必要でしょう。
極大と極小の判定方法
極大か極小かを判定するには、増減表のf’(x)の符号変化を見るのが最も確実な方法です。
プラスからマイナスに変化する点は極大、マイナスからプラスに変化する点は極小と判定します。
符号がプラスからマイナスに変わる瞬間、グラフは山の頂上を通過しています。
逆に符号がマイナスからプラスに変わる瞬間は、谷底を通過しているとイメージすると分かりやすいでしょう。
極値をとらないケース(変曲点との違い)
f’(x)=0であっても、その前後で符号が変化しない場合は極値になりません。
例えばf(x)=x3のような関数では、x=0でf’(x)=0になりますが、その前後どちらもf’(x)は正のままです。
このようなケースでは極値ではなく、後述する変曲点として扱われることが多くなります。
変曲点と第二次導関数の利用
続いては、グラフの精度をさらに高めるための変曲点と第二次導関数について確認していきます。
変曲点まで押さえられれば、グラフの凹凸まで正確に表現できるようになるでしょう。
変曲点とは
変曲点とは、グラフの凹凸が切り替わる点のことです。
上に凸だった曲線が下に凸に変わる、あるいはその逆が起こる境目の点だとイメージしてください。
変曲点を境に、グラフの反り方がふわっと変化していきます。
凹凸の調べ方(f”(x)の符号)
凹凸を調べるには、導関数をさらにもう一度微分した第二次導関数f”(x)を使います。
先ほどのf(x)=x3-3xを例にすると、f’(x)=3x2-3となり、これをさらに微分するとf”(x)=6xとなります。
f”(x)=0となるのはx=0のときなので、この点が変曲点の候補になります。
f”(x)が正の区間ではグラフは下に凸、負の区間では上に凸になると覚えておきましょう。
変曲点を使ったグラフの精度アップ
変曲点の座標も、xの値をもとの関数f(x)に代入することで求められます。
x=0を代入するとf(0)=0となるため、原点が変曲点であると分かります。
この情報を増減表に書き加えておくと、より立体感のある正確なグラフを描けるようになるのです。
単調増加・単調減少とグラフの概形
続いては、単調増加や単調減少といった言葉の意味と、グラフを実際に描く際の最終確認事項を見ていきます。
ここまでの情報を組み合わせれば、いよいよグラフの完成形が見えてくるでしょう。
単調増加・単調減少の定義
単調増加とは、ある区間においてxが増えるとf(x)も必ず増えていく状態のことです。
反対に単調減少は、xが増えるとf(x)が必ず減っていく状態を指します。
増減表においてf’(x)の符号がずっとプラスであれば単調増加、ずっとマイナスであれば単調減少と判断できます。
極限値・漸近線の確認
より正確なグラフを描くためには、xが無限大やマイナス無限大に近づくときの関数の挙動、つまり極限値も確認しておくと安心です。
分数関数などでは、分母がゼロになる点で漸近線が現れることもあります。
この漸近線を書き込んでおくことで、グラフの端の部分まで矛盾なく表現できるようになります。
グラフを実際に描く手順まとめ
ここまでの情報をまとめると、グラフを描く手順は次の流れになります。
導関数と第二次導関数を求め、それぞれの符号から増減表を完成させ、極値と変曲点の座標を計算し、最後にそれらを滑らかな曲線でつなぐという流れです。
この順番さえ守れば、複雑に見える関数のグラフでも迷わず描けるようになるでしょう。
実際に微分のグラフを書いてみよう(例題)
続いては、これまでの内容を踏まえて実際に一つの関数のグラフを完成させてみましょう。
手を動かして確認することで、理解がより深まるはずです。
例題の関数と増減表
関数f(x)=x3-3xについて、グラフの概形を調べてみましょう。
先ほど求めた通り、f’(x)=3x2-3であり、これをゼロと置くとx=-1、1で極値をとる可能性があります。
増減表を作成すると、xが-1より小さい区間で増加、-1から1の間で減少、1より大きい区間で再び増加という結果になります。
極値・変曲点の計算
x=-1のときf(-1)=2となるため、座標(-1、2)で極大値をとります。
x=1のときf(1)=-2となるため、座標(1、-2)で極小値をとります。
さらにf”(x)=6xより、x=0で符号が切り替わるため、原点(0、0)が変曲点です。
グラフの完成
これらの情報を座標平面に落とし込むと、左から右に向かって上昇し、いったん頂点(-1、2)で折り返して下降し、原点付近でふわっと反りが変わり、谷(1、-2)で再び折り返して上昇していくグラフが完成します。
この一連の流れこそが、増減表を使ったグラフ作成の醍醐味と言えるでしょう。
紙に実際に書いてみると、教科書に載っている三次関数特有のS字カーブが自然と現れてくるはずです。
まとめ
今回は、微分のグラフの書き方と増減表の作り方について解説してきました。
グラフを正確に描くための鍵は、導関数を求めて符号を調べ、増減表を丁寧に作成することにあります。
極値や極大、極小、変曲点、単調増加、単調減少といった用語も、それぞれの意味と求め方を押さえておけば決して怖くありません。
最初は難しく感じるかもしれませんが、手順を一つずつ確認しながら繰り返し練習することで、必ず自信を持ってグラフを描けるようになります。
ぜひ今回の内容を参考に、さまざまな関数のグラフ作成に挑戦してみてください。