科学

スズ(錫)の熱伝導率や単位(W/mKやkcal/mh℃使用など)は?低い理由や温度依存性を解説!銅や銀との比較も!

当サイトでは記事内に広告を含みます

スズ(錫)は、古くから利用されている金属材料の一つです。

はんだ付けなどの用途で広く使用されていますが、熱伝導性については他の金属材料と比べてどのような特徴があるのでしょうか。

このような背景もあり、この記事では、スズの熱伝導率とその単位、低い熱伝導率の理由、温度依存性について詳しく解説します。

また、銅や銀などの他の金属材料との比較も行っていますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

スズ(錫)の熱伝導率と単位【W/(m·K)やkcal/(m·h·℃)など】

まずは、スズの熱伝導率の値と一般的な単位を確認しましょう。

熱伝導率とは、物質の熱伝導性能を表す物性値で、単位面積あたり、単位時間あたり、温度勾配1 K/mで伝わる熱量を表します。熱伝導率が高いほど、熱を速く伝えることができます(^^)/

スズの熱伝導率(常温常圧付近)は以下の通りです。

スズの熱伝導率 単位
66.6 W/(m·K)
57.2 kcal/(m·h·℃)

ここで、1 W = 0.86 kcal/hであることを利用して、各単位の値を相互に変換できます。

金属材料の中では、スズの熱伝導率は比較的低い部類に入ります。

スズの熱伝導率が低い(金属の中ではそこまで大きくない)理由

スズが金属の中では比較的低い熱伝導率を示す主な理由は以下の2つです(^^)/

1. 電子構造の特徴

スズは、自由電子の数が少なく、電子の移動度も低いという特徴があります。

これらの要因により、熱エネルギーの伝導効率が低下します。

 

2. 結晶構造

スズは、低温では立方晶系(β-スズ)、高温では正方晶系(α-スズ)の結晶構造を持ちます。

これらの構造は、熱伝導に最適ではない(あまり早く伝わらない)ため、熱伝導率が低くなります。

 

スズの熱伝導率の温度依存性

スズの熱伝導率は温度によって変化します。以下は、様々な温度でのスズの熱伝導率を示した表です:

温度 (K) 温度 (℃) 熱伝導率 (W/(m·K))
100 -173.15 93.0
200 -73.15 75.0
300 26.85 66.6
400 126.85 61.6
500 226.85 57.5

 

簡単に整理しますと、

1. 常温付近(300 K)では、熱伝導率は66.6 W/(m·K)に近い値をとります。
2. 温度上昇とともに、熱伝導率は緩やかに減少します。

スズの熱伝導率は、温度上昇とともに低下する傾向があることがわかります(^^)/

 

銅や銀やアルミなどとの比較

スズの熱伝導率を他の代表的な金属材料と比較してみましょう:

材料 熱伝導率 (W/(m·K))
429
398
アルミニウム 237
スズ 66.6
80.2

 

まとめますと

1. スズの熱伝導率は、銀の約1/6、銅の約1/6、アルミニウムの約1/4程度です。
2. 鉄と比べても、スズの熱伝導率はやや低い値を示します。
3. 熱伝導性が重要な用途では、スズよりも銀、銅、アルミニウムが選択されることが多いでしょう。ただし、コストや加工性、他の特性なども考慮する必要があります。

まとめ スズの熱伝導率が低い理由や温度依存性は?銅や銀との比較も!

本記事では、スズの熱伝導率とその単位、低い熱伝導率の理由、温度依存性、そして他の金属材料との比較について詳しく解説しました。

スズの熱伝導特性を理解し、適材適所で活用していきましょう!