科学的な解析を行うには、各物質の化学式・組成式・式量などを理解しておいた方がいいです。
ここでは、上記塩化アルミニウムの化学的特性について詳しく解説しますので、参考にしてみてください!
塩化アルミニウムの化学式(組成式)は?
塩化アルミニウムの化学式(組成式)は以下の通りです。
塩化アルミニウムはアルミニウム(Al)が1個、塩素(Cl)が3個から構成される無機化合物です。
無水物の状態では共有結合性が強い化合物で、水溶液中ではイオン性化合物としてアルミニウムイオン(Al³⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)に解離します。
常温・常圧では白色〜淡黄色の結晶性固体で、吸湿性が強く、水と反応すると加水分解を起こします。
この組成式からわかるように、塩化アルミニウムは1個のアルミニウム原子と3個の塩素原子から構成されています。
無水塩化アルミニウムは実際には二量体(Al₂Cl₆)として存在することが多く、その場合はアルミニウム原子と塩素原子が橋かけ構造を形成しています。水溶液中では、アルミニウムイオン(Al³⁺)は水分子に囲まれた水和イオンとして存在します。
塩化アルミニウムの特徴として、ルイス酸としての性質が挙げられます。この性質から、有機合成における触媒として重要な役割を果たしています。
また、塩化アルミニウムは制汗剤や防臭剤の成分としても利用されています。
塩化アルミニウムの式量(分子量)は?計算過程も解説
塩化アルミニウムの質量を計算していきましょう。
塩化アルミニウム(AlCl₃)の式量を計算します。無水物として計算します。
計算過程は以下の通りです。
1. アルミニウム(Al)の原子量:26.98 g/mol × 1個 = 26.98 g/mol
2. 塩素(Cl)の原子量:35.45 g/mol × 3個 = 106.35 g/mol
これらを合計すると:
26.98 + 106.35 = 133.33 g/mol
通常は小数点以下2桁までの精度で表現されることが多いため、塩化アルミニウムの式量は約133.34 g/molとなります。
なお、六水和物(AlCl₃・6H₂O)の場合は、水分子6個分の質量も加算する必要があります:
水(H₂O)の分子量:18.02 g/mol × 6個 = 108.12 g/mol
よって、塩化アルミニウム六水和物の式量は:
133.34 + 108.12 = 241.46 g/mol
この式量の値は、塩化アルミニウムの物理的・化学的性質を理解する上で重要な基本情報であり、化学反応の計算や溶液の調製などにおいて活用されます。
まとめ 塩化アルミニウムの組成式・式量は?
ここでは、塩化アルミニウムの基本的な化学特性について確認しました。
・組成式:AlCl₃
・式量(無水物):133.34 g/mol
・式量(六水和物):241.46 g/mol
これらの情報は、塩化アルミニウムを扱う様々な場面で重要となります。
有機合成の触媒(フリーデル・クラフツ反応など)、制汗剤・防臭剤の成分、水処理剤、石油精製の触媒、アルミニウム電解精製の電解質、また化学の学習においても基本的な知識として役立つでしょう。
塩化アルミニウムはアルミニウムと塩素から直接合成されるか、アルミニウム化合物から製造され、そのルイス酸性と吸湿性が特徴的です。化学工業や製薬、日用品など幅広い分野で重要な役割を果たしています。