科学的な解析(化学)を行う際には基本的に反応物質の沸点・融点・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点などの理解が必要となることが多いです。
そのためさまざまな物質の沸点・融点・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点を覚えておくといいです。
ここでは代表的なアルカリ土類金属の「ベリリウム(Be)」に着目して、その融点・比重・密度(g/ml)・引火点(危険物関連情報)やSDSなどをまとめていきますので、ぜひ参考にしてください。
ベリリウムの融点(溶ける温度)は?【Be】
それでは以下でベリリウム(Be)の融点は?について確認していきます。
結論として、ベリリウムの
・沸点(常温常圧下):約2469℃
ですね。
ベリリウムは非常に高い融点を持つアルカリ土類金属で、室温では固体として安定しています。
実際、ベリリウムは軽量金属の中でも特に高い融点を持ち、この特性はベリリウム原子間の金属結合が極めて強固であることに起因しています。
この高融点特性により、ベリリウムは航空宇宙材料、原子炉の中性子減速材、X線窓材料など特殊な産業分野で利用されています。
ベリリウムの比重や密度(g/mlやg/cm3など)は?
さらに、ベリリウムの比重や密度(単位g/mlやg/cm3)についてもチェックしていきましょう。
結論として、ベリリウムの
・比重(常温常圧下):約1.85
ですね。
ベリリウムの密度は約1.85 g/mlで、これは非常に軽量な金属に分類されます。
一般的な金属(鉄:約7.87 g/ml、銅:約8.96 g/ml)と比較すると極めて軽い密度となっています。
ベリリウムは水よりもわずかに重く、アルミニウム(約2.70 g/ml)よりも軽い金属です。実際、リチウム(約0.53 g/ml)に次いで2番目に軽い金属として知られています。
ベリリウムの特徴的な性質として、極めて高い剛性、高い熱伝導率、高い融点、優れた寸法安定性を持っており、これらの特性から航空宇宙材料、精密機器部品、核反応炉の中性子減速材、X線装置の窓材料などに利用されています。
なお、固体の場合の比重も水の密度との比較(1.0g/cm3)となるので、数値は密度と同じになります。
ベリリウムの引火点は?【危険物など】は?
さらに、ベリリウムの引火点についてもチェックしていきましょう。
危険物取扱者の試験などを受ける人はこのあたりの情報も重要となってきます。
結論として、ベリリウムの
・反応性:中程度(酸と反応して水素ガスを発生)
ですね。
ベリリウムは塊状では化学的に比較的安定していますが、微粉末状態では発火性が高くなります。特にベリリウムの微粉末は空気中の酸素と反応して燃焼する可能性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
特に注目すべきは、ベリリウムの毒性です。ベリリウムとその化合物は高い毒性を持ち、粉じんの吸入は慢性ベリリウム症(CBD)と呼ばれる深刻な肺疾患を引き起こす可能性があります。このため、ベリリウムの取り扱いは厳格な安全管理下で行われる必要があります。
また化学的には、ベリリウムは酸(硫酸、塩酸など)と反応して水素ガスを発生させます。この水素発生反応は爆発の危険性を伴うため、適切な換気と安全対策が必要です。
このような性質から、ベリリウムは適切な保管と取り扱いが求められ、特に粉じんの吸入や皮膚への接触を避けるための特殊な保護具の使用が必須となります。また、酸との接触を避け、火気から遠ざけて保管する必要があります。
実験室や工業用途では、ベリリウムは航空宇宙産業の構造材料、原子炉の中性子減速材、X線装置の窓材料、精密機器の部品、特殊合金(ベリリウム銅など)の成分として使用されることが多いです。
まとめ ベリリウムの融点(溶ける温度)・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点は?【Be・危険物・SDS】
ここでは、ベリリウムの融点(溶ける温度)・比重・密度(g/mlやg/cm3)・引火点は?【Be・危険物・SDS】について確認しました。
各物性を理解し、業務等々に活かしていきましょう。特に、ベリリウムの毒性に関する知識は取り扱う際に極めて重要ですので、十分な安全対策を講じることが必須となります。