科学的な解析を行うには、各物質の化学式・組成式・式量などを理解しておいた方がいいです。
ここでは、上記塩化カルシウムの化学的特性について詳しく解説しますので、参考にしてみてください!
塩化カルシウムの化学式(組成式)は?
塩化カルシウムの化学式(組成式)は以下の通りです。
塩化カルシウムはカルシウム(Ca)が1個、塩素(Cl)が2個から構成される無機化合物です。
イオン性化合物で、カルシウムイオン(Ca²⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)から構成されています。
常温・常圧では白色の固体で、強い吸湿性を持ち、水によく溶け、溶解時に発熱する特性があります。
この組成式からわかるように、塩化カルシウムは1個のカルシウムカチオン(Ca²⁺)と2個の塩化物アニオン(Cl⁻)から構成されています。
塩化カルシウムはイオン結合によって結びついた化合物です。カルシウムイオン(Ca²⁺)は+2の電荷を持ち、塩化物イオン(Cl⁻)は-1の電荷を持っています。電荷のバランスを保つため、Ca²⁺イオン1個につき、Cl⁻イオンが2個結合しています。
塩化カルシウムは非常に吸湿性が強く、空気中から水分を吸収して水和物(CaCl₂・nH₂O)を形成します。無水物、一水和物、二水和物、四水和物、六水和物などの形態があります。
また、塩化カルシウムは水に溶けると発熱する特性があり、これを利用した携帯用カイロなどの製品があります。
塩化カルシウムの式量(分子量)は?計算過程も解説
塩化カルシウムの質量を計算していきましょう。
イオン性化合物である塩化カルシウムの場合、「分子量」ではなく「式量」という用語を使用します。これは、分子として存在するわけではなく、イオンの集合体として存在するためです。
無水塩化カルシウム(CaCl₂)の式量を計算します。
計算過程は以下の通りです。
1. カルシウム(Ca)の原子量:40.08 g/mol × 1個 = 40.08 g/mol
2. 塩素(Cl)の原子量:35.45 g/mol × 2個 = 70.90 g/mol
これらを合計すると:
40.08 + 70.90 = 110.98 g/mol
通常は小数点以下2桁までの精度で表現されることが多いため、無水塩化カルシウムの式量は約110.98 g/molとなります。
なお、実際によく使われる二水和物(CaCl₂・2H₂O)の式量は、さらに水分子2個分(2 × 18.02 = 36.04 g/mol)を加えて147.02 g/molとなります。
この式量の値は、塩化カルシウムの物理的・化学的性質を理解する上で重要な基本情報であり、化学反応の計算や溶液の調製などにおいて活用されます。
まとめ 塩化カルシウムの組成式・式量は?
ここでは、塩化カルシウムの基本的な化学特性について確認しました。
・組成式:CaCl₂
・式量:110.98 g/mol(無水物)
147.02 g/mol(二水和物 CaCl₂・2H₂O)
これらの情報は、塩化カルシウムを扱う様々な場面で重要となります。
除湿剤、融雪剤(道路の凍結防止)、食品添加物(凝固剤 E509)、ブライン溶液(冷却媒体)、水泳プールの水質調整剤、また化学の学習においても基本的な知識として役立つでしょう。
塩化カルシウムはカルシウムと塩酸から製造されるほか、ソーダ灰製造の副産物としても得られ、その強い吸湿性や水への溶解時の発熱反応など、特徴的な性質を持つ重要な無機化合物です。