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円の断面二次モーメントの公式や単位や計算・求め方をわかりやすく解説!

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材料力学や構造力学を学ぶ中で、「円形断面の断面二次モーメントってどう求めるの?」と疑問を持った方は多いのではないでしょうか。丸棒・円柱・円形パイプなど、円形断面を持つ部材は機械・建築・土木の現場で非常によく登場します。その強度計算の基礎となるのが断面二次モーメントです。

本記事では、円の断面二次モーメントの公式・単位・計算方法・求め方をわかりやすく丁寧に解説していきます。直径から求める公式・半径から求める公式・中空円(パイプ)の公式・積分による導出まで網羅していますので、学生から実務者まで幅広くお役立ていただける内容です。ぜひ最後までご覧ください。

円の断面二次モーメントの公式と単位 結論からわかりやすく解説

それではまず、円の断面二次モーメントの公式と単位について、結論から解説していきます。

「円の断面二次モーメントの公式や単位や計算・求め方をわかりやすく解説!」というテーマのとおり、まず最初に最も重要な公式を確認しておきましょう。円形断面の断面二次モーメントを求める公式は、直径dを使う場合と半径rを使う場合の2通りがあります。

円形断面の断面二次モーメント 公式まとめ
直径dから求める場合:I = πd⁴ ÷ 64
半径rから求める場合:I = πr⁴ ÷ 4
(d = 直径、r = 半径、d = 2r の関係)
単位はcm⁴・mm⁴・m⁴(長さの4乗)

どちらも同じ円形断面を表す公式ですから、直径と半径の関係(d = 2r)を使えば両者は一致します。問題や設計資料で与えられている値が直径か半径かによって、使う公式を使い分けることが大切です。

円の断面二次モーメントの単位

断面二次モーメントの単位は「長さの4乗」です。断面二次モーメントの定義式「I = ∫y² dA」において、y²は長さの2乗、dAは面積(長さの2乗)ですから、積分結果は長さの4乗になります。

単位 読み方 主に使われる場面
m⁴ メートルの4乗 建築・土木・大型構造物の設計
cm⁴ センチメートルの4乗 一般的な構造計算・学校の演習問題
mm⁴ ミリメートルの4乗 機械部品・精密設計・ボルト計算

単位の換算でよく間違えるのが、長さの換算比の4乗を忘れてしまうケースです。

単位の換算
1 m = 100 cm なので 1 m⁴ = 100⁴ cm⁴ = 10⁸ cm⁴
1 cm = 10 mm なので 1 cm⁴ = 10⁴ mm⁴ = 10,000 mm⁴
1 m⁴ = 10¹² mm⁴
(長さの換算比の4乗になる点に注意!)

たとえば直径をcmで計算した結果をmm⁴に変換する場合、単純に10倍するのではなく10,000倍する必要があることを忘れないようにしましょう。

円の断面二次モーメントと他の断面形状との比較

円形断面の断面二次モーメントを理解するうえで、他の断面形状と比較しておくと理解が深まります。同じ断面積を持つ場合、形状によって断面二次モーメントはどのくらい違うのでしょうか。

断面形状 断面二次モーメントの公式 記号の説明
円形 I = πd⁴ ÷ 64 d=直径
中空円(パイプ) I = π(D⁴ − d⁴) ÷ 64 D=外径、d=内径
長方形(重心軸) I = bh³ ÷ 12 b=幅、h=高さ
三角形(重心軸) I = bh³ ÷ 36 b=底辺、h=高さ
楕円 I = πab³ ÷ 4 a=長半径、b=短半径

円形断面の公式「πd⁴÷64」はこれらの中でも特に頻出の公式で、機械設計・建築設計の現場を問わず必須の知識といえます。

断面二次モーメントが大きいほど何が変わるか

断面二次モーメントが大きいほど、部材はどのような特性を持つのでしょうか。

断面二次モーメントIが大きいほど、曲げに対する変形(たわみ)が小さくなります。梁のたわみを求める公式では、たわみδは荷重Pに比例し、ヤング率Eと断面二次モーメントIの積(曲げ剛性EI)に反比例します。

単純支持梁の最大たわみ(集中荷重の場合)
δ = PL³ ÷ (48EI)
δ = たわみ、P = 集中荷重
L = スパン(梁の長さ)
E = ヤング率、I = 断面二次モーメント
→ Iが大きいほどδ(たわみ)は小さくなる

円形断面の丸棒や円筒パイプでは、直径を大きくすることで断面二次モーメントを増やし、たわみや変形を抑えることができます。直径の4乗に比例して断面二次モーメントが増加するため、少しの直径増加でも大きな効果が得られることが特徴です。

円の断面二次モーメントの公式の導出・証明

続いては、円の断面二次モーメントの公式をどのように導くのかを、積分を使った導出プロセスで確認していきます。

公式を丸暗記するだけでなく、なぜ「πd⁴÷64」という式になるのかを理解しておくことで、試験や実務での応用力が格段に高まります。ここでは直交座標と極座標の2通りの方法で導出を解説します。

極座標を使った円の断面二次モーメントの導出

円形断面の断面二次モーメントを求めるには、極座標(極形式)を使うのが最もスマートな方法です。直交座標で積分するよりも計算がシンプルになります。

まず、極座標での微小面積dAは「r dr dθ」と表されます。断面二次モーメントは「I = ∫y² dA」で定義されますが、円形断面の場合は対称性を利用して極モーメント(断面二次極モーメント)Ipを先に求め、そこから断面二次モーメントIを導くのが効率的です。

断面二次極モーメントIpの定義
Ip = ∫r² dA
(rは断面重心からの距離)直交座標との関係
Ip = Ix + Iy
(IxとIyはx軸・y軸まわりの断面二次モーメント)

円は軸対称なのでIx = Iy = I
よって Ip = 2I → I = Ip ÷ 2

この関係を使い、極座標でIpを計算してから2で割ることでIを求めます。

極座標による断面二次極モーメントの導出
Ip = ∫₀²π ∫₀^(d/2) r² × r dr dθ
= ∫₀²π dθ × ∫₀^(d/2) r³ dr
= 2π × [r⁴/4]₀^(d/2)
= 2π × (d/2)⁴ ÷ 4
= 2π × d⁴/16 ÷ 4
= 2π × d⁴/64
= πd⁴/32よって
I = Ip ÷ 2 = πd⁴/32 ÷ 2 = πd⁴ ÷ 64 (証明完了)

円の対称性からIx = Iyという関係が成り立つことが、この導出の核心です。断面が軸対称であれば「Ip = 2I」が成立し、極モーメントを2で割ることで断面二次モーメントが求められます。

半径表示の公式の導出確認

直径dの公式「I = πd⁴÷64」から、半径rの公式「I = πr⁴÷4」が導かれることを確認しておきましょう。

直径dの公式から半径rの公式への変換
d = 2r の関係を代入すると
I = πd⁴ ÷ 64
= π(2r)⁴ ÷ 64
= π × 16r⁴ ÷ 64
= 16πr⁴ ÷ 64
= πr⁴ ÷ 4よって I = πr⁴ ÷ 4 (確認完了)

(2r)⁴ = 16r⁴ となるため、分母の64が16で割られて4になるという変換です。直径を使う場合は÷64、半径を使う場合は÷4という分母の違いを正確に押さえておきましょう。

断面二次極モーメントと断面二次モーメントの関係

導出の中で登場した断面二次極モーメント(Ip)についても、ここで整理しておきましょう。断面二次極モーメントは「ねじり剛性」の計算に使われる重要な量です。

指標 記号 円形断面の公式 主な用途
断面二次モーメント I πd⁴ ÷ 64 曲げ・たわみの計算
断面二次極モーメント Ip πd⁴ ÷ 32 ねじりの計算
断面係数 Z πd³ ÷ 32 曲げ応力の計算
極断面係数 Zp πd³ ÷ 16 ねじり応力の計算

IpはちょうどIの2倍(πd⁴÷32)になります。円形断面を扱う際には断面二次モーメントIと断面二次極モーメントIpの両方が登場しますので、混同しないよう注意が必要です。

中空円(パイプ)の断面二次モーメントの公式と計算

続いては、実務で非常によく登場する中空円断面(パイプ・円筒)の断面二次モーメントの公式と計算方法を確認していきます。

配管・鋼管・電線管・シャフトなど、円筒形状の部材は機械・建築・設備の現場で至るところに登場します。中空円断面の断面二次モーメントは、中実円(塗りつぶし円)の公式を応用することで求めることができます。

中空円断面の断面二次モーメントの公式

中空円断面の断面二次モーメントは、「外側の円の断面二次モーメント」から「内側の穴(円)の断面二次モーメント」を引くことで求められます。

中空円断面の断面二次モーメント
I = π(D⁴ − d⁴) ÷ 64
D = 外径(外側の直径)
d = 内径(穴の直径)半径で表すと
I = π(R⁴ − r⁴) ÷ 4
R = 外半径、r = 内半径

計算で最も注意すべきポイントは、「差を先に計算してから4乗するのではなく、それぞれを4乗してから差を取る」ことです。(D⁴ − d⁴)と(D − d)⁴は全く異なる値ですので、順序を間違えないようにしましょう。

中空円断面の計算例

具体的な数値を使って中空円断面の断面二次モーメントを計算してみましょう。

例題1 外径D = 60 mm、内径d = 40 mm のパイプの断面二次モーメント
I = π(D⁴ − d⁴) ÷ 64
= 3.14159… × (60⁴ − 40⁴) ÷ 64
= 3.14159… × (12,960,000 − 2,560,000) ÷ 64
= 3.14159… × 10,400,000 ÷ 64
≒ 510,508 mm⁴
≒ 51.05 cm⁴参考:同じ外径の中実円の場合
I = πD⁴ ÷ 64 = π × 60⁴ ÷ 64 ≒ 636,173 mm⁴ ≒ 63.62 cm⁴

中空にすることで断面二次モーメントは約80%の値になりますが、
断面積(重さ)は大幅に削減できています。

この例題からわかるように、パイプ形状にすることで重量を大幅に減らしながらも断面二次モーメントをある程度維持することができます。これが鋼管・アルミパイプが構造部材として広く使われる理由のひとつです。

肉厚と断面二次モーメントの関係

中空円断面において、外径を固定したまま肉厚(壁の厚さ)を変化させると断面二次モーメントはどのように変わるでしょうか。外径D = 60 mmで肉厚を変えた場合の計算例を見てみましょう。

外径D(mm) 内径d(mm) 肉厚t(mm) 断面二次モーメントI(mm⁴) 断面積A(mm²)
60 0(中実) 30 約 636,173 約 2,827
60 40 10 約 510,508 約 1,571
60 50 5 約 329,868 約 864
60 56 2 約 148,045 約 365

この表からわかるとおり、内径を大きくして肉厚を薄くするほど断面積(重量)は大幅に減少しますが、断面二次モーメントもそれに伴って小さくなっていきます。断面二次モーメントと重量(断面積)のバランスを考えた最適な肉厚の選定が、実務設計における重要な判断のひとつです。

円の断面二次モーメントの計算例と実践的な応用

続いては、円の断面二次モーメントを使った具体的な計算例と実践的な応用について確認していきます。

公式を理解したら、実際の数値を使った計算に慣れておくことが大切です。中実円・中空円のさまざまな計算例と、実務でよく使われる応用計算をご紹介します。

中実円断面の計算例 直径・半径別

まず、中実円断面の断面二次モーメントを直径・半径それぞれの公式で計算した例を確認しましょう。

例題2 直径d = 20 mm の丸棒の断面二次モーメント
直径の公式を使う場合
I = πd⁴ ÷ 64
= 3.14159… × 20⁴ ÷ 64
= 3.14159… × 160,000 ÷ 64
= 3.14159… × 2,500
≒ 7,854 mm⁴半径の公式を使って確認
r = 10 mm
I = πr⁴ ÷ 4
= 3.14159… × 10⁴ ÷ 4
= 3.14159… × 10,000 ÷ 4
= 3.14159… × 2,500
≒ 7,854 mm⁴ ✓(同じ値になることを確認)

例題3 直径d = 10 cm の円形断面柱の断面二次モーメント
I = πd⁴ ÷ 64
= 3.14159… × 10⁴ ÷ 64
= 3.14159… × 10,000 ÷ 64
≒ 490.9 cm⁴断面係数Zも求めると
Z = I ÷ (d÷2) = 490.9 ÷ 5 ≒ 98.2 cm³

断面二次モーメントと断面係数はセットで求めることが多く、Z = I ÷ (d÷2) = πd³ ÷ 32という関係を使うと効率よく計算できます。

直径変化による断面二次モーメントへの影響

円形断面の断面二次モーメントは直径の4乗に比例するため、直径が少し変わるだけで値が大きく変わります。この影響を具体的な数値で確認しましょう。

直径d(mm) 断面二次モーメントI(mm⁴) I の比率(d=10mmを1とした場合)
10 約 491 1.0倍
20 約 7,854 16倍
30 約 39,761 81倍
40 約 125,664 256倍
50 約 306,796 625倍

直径が2倍になると断面二次モーメントは2⁴ = 16倍、3倍になると3⁴ = 81倍になることが一目でわかります。「直径を少し大きくするだけで強度や剛性が大幅に向上する」というのは、この4乗の効果によるものです。

曲げたわみ計算への応用例

断面二次モーメントを使った実践的な応用として、円形断面梁のたわみ計算の例をご紹介します。

例題4 円形断面の単純支持梁のたわみ計算
条件
梁のスパン L = 1,000 mm
中央集中荷重 P = 5,000 N
丸棒の直径 d = 20 mm
材料のヤング率 E = 205,000 N/mm²(鋼材)断面二次モーメントを求める
I = πd⁴ ÷ 64 = 3.14159 × 20⁴ ÷ 64 ≒ 7,854 mm⁴

最大たわみを求める(単純支持梁・中央集中荷重の場合)
δ = PL³ ÷ (48EI)
= 5,000 × 1,000³ ÷ (48 × 205,000 × 7,854)
= 5,000 × 10⁹ ÷ (77,267,040,000)
≒ 0.0647 mm(約0.065mm のたわみ)

→ 直径を2倍の40mmにすると
I ≒ 125,664 mm⁴(16倍)
δ ≒ 0.00405 mm(約1/16に低減)

このように、直径を2倍にするとたわみは16分の1に大幅に低減することがわかります。設計上たわみを抑えたい場合、断面二次モーメントを増やすための直径選定が非常に重要な判断となるでしょう。

まとめ

今回は「円の断面二次モーメントの公式や単位や計算・求め方をわかりやすく解説!」というテーマで、円形断面の断面二次モーメントの公式・単位・積分による導出・中空円の計算・実践的な応用例まで幅広く解説しました。

円形断面の断面二次モーメントの基本公式は「I = πd⁴ ÷ 64(直径dを使う場合)」または「I = πr⁴ ÷ 4(半径rを使う場合)」です。単位は長さの4乗(cm⁴・mm⁴・m⁴)で、計算前に単位を統一しておくことが正確な計算への近道です。

中空円(パイプ)の場合は「I = π(D⁴ − d⁴) ÷ 64」で求められます。D⁴とd⁴をそれぞれ4乗してから差を取る順序を守ることが重要です。

断面二次モーメントは直径の4乗に比例するため、直径をわずかに大きくするだけでたわみや変形を大幅に抑えることができます。この4乗の効果を理解しておくことが、効率的な断面設計の基礎となるでしょう。本記事が円の断面二次モーメントの理解を深める一助になれば幸いです。