算数や数学の図形問題で必ず登場する台形。小学校5年生で学習する台形の面積ですが、基本的な公式だけでなく、さまざまな応用問題も存在します。
「高さがわからないときはどうすればいいの?」「台形を二等分する直線の問題が解けない」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
台形の面積計算は、基本公式を理解した上で、状況に応じた工夫が必要になります。この記事では、台形の面積に関する基本から応用まで、実践的な解法をわかりやすく解説していきます。
公式の成り立ちから、高さが不明な場合の対処法、さらには台形を面積二等分する直線の求め方まで、具体例を交えながら丁寧に説明します。計算が苦手な方でも理解できるよう、ステップごとに分けて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
台形の面積の基本公式と求め方
それではまず、台形の面積を求める基本的な公式について解説していきます。
台形の面積公式とその覚え方
台形の面積を求める公式は、「(上底+下底)×高さ÷2」です。
台形の面積 = (上底 + 下底) × 高さ ÷ 2
上底とは台形の平行な2辺のうち短い方、下底は長い方を指します。高さは、この平行な2辺間の垂直距離のこと。
この公式を覚えるコツは、「平行な辺を足して、高さをかけて、2で割る」と言葉で覚えること。なぜ2で割るのかというと、台形を2つ組み合わせると平行四辺形になるためです。
視覚的に理解すると、台形は「長方形や平行四辺形の一部を切り取った図形」とも捉えられます。公式の意味を理解することで、応用問題にも対応しやすくなるでしょう。

具体的な計算例と手順
実際に数値を使って計算してみましょう。
【例題1】上底が4cm、下底が8cm、高さが5cmの台形の面積を求めよ。
面積 = (4 + 8) × 5 ÷ 2
= 12 × 5 ÷ 2
= 60 ÷ 2
= 30cm²
計算の手順としては、まず括弧の中の上底と下底を足し算します。次にその結果に高さをかけ、最後に2で割るという流れ。
順番を間違えないように注意が必要です。先に高さを2で割ってから計算する方法もありますが、慣れないうちは公式通りの順番で計算する方が確実でしょう。
小数や分数が含まれる場合も、基本的な手順は同じです。計算ミスを防ぐためには、途中式をしっかり書くことが大切。
台形の面積公式が成り立つ理由
なぜこの公式で台形の面積が求められるのか、その理由を理解しておきましょう。
台形を同じ形にもう1つ作り、逆さまにして組み合わせると平行四辺形ができます。この平行四辺形の底辺は「上底+下底」、高さはそのまま台形の高さと同じ。
平行四辺形の面積は「底辺×高さ」で求められますから、この場合は「(上底+下底)×高さ」となります。しかし、これは台形2つ分の面積なので、2で割れば元の台形1つ分の面積になるわけです。
別の考え方として、台形を三角形2つと長方形に分解する方法もあります。どちらの方法で考えても、最終的には同じ公式にたどり着くのです。
高さがわからない時の台形面積の求め方
続いては、高さが直接示されていない場合の対処法を確認していきます。
座標を使った高さの計算方法
座標平面上に台形が描かれている場合、座標から高さを計算できます。
台形の平行な辺が水平または垂直であれば、2点間の座標の差から高さを求めることが可能。たとえば、平行な辺が水平な場合、y座標の差が高さになります。
【例題2】頂点がA(1,2)、B(5,2)、C(6,7)、D(0,7)の台形ABCDの面積を求めよ。
上底AB = 5 – 1 = 4
下底DC = 6 – 0 = 6
高さ = 7 – 2 = 5
面積 = (4 + 6) × 5 ÷ 2 = 25
座標問題では、どの辺が上底・下底・高さに対応するかを正確に判断することが重要です。
グラフに図形を描いてみると、視覚的に理解しやすくなるでしょう。
三平方の定理を活用した高さの導出
斜辺の長さと底辺の情報から、三平方の定理を使って高さを求める方法もあります。
台形の脚(平行でない辺)が斜めになっている場合、その長さと底辺の差から、直角三角形を作って考えることができます。
【例題3】上底4cm、下底10cm、両脚がともに5cmの等脚台形の面積を求めよ。
底辺の差 = (10 – 4) ÷ 2 = 3cm
高さ² + 3² = 5²
高さ² = 25 – 9 = 16
高さ = 4cm
面積 = (4 + 10) × 4 ÷ 2 = 28cm²
この方法は中学数学の範囲ですが、台形の性質を深く理解する上で役立ちます。等脚台形の場合、対称性を利用すると計算が簡単になるでしょう。
他の図形に分割して求める方法
高さが不明でも、台形を三角形や長方形に分割すれば面積を求められることがあります。
たとえば、台形の4つの頂点の座標がすべてわかっていれば、台形を2つの三角形に分割して、それぞれの面積を求めて足し合わせるという方法が使えます。
三角形の面積は「底辺×高さ÷2」や座標を使った公式で計算可能。この方法なら、台形の高さを直接求めなくても面積が出せます。
また、方眼紙上に描かれた台形であれば、マス目を数えて面積を求めることもできるでしょう。複雑な図形ほど、分割して考える発想が重要になります。
台形を面積二等分する直線の求め方
続いては、台形を同じ面積の2つに分ける直線について確認していきます。
頂点を通る二等分線の基本
台形を面積で二等分する直線を引く問題は、中学入試や高校入試でよく出題されます。
特に頂点を通る場合は、対角線や中点を利用することで解くことが可能です。
台形の面積を二等分する直線を引くには、全体の面積の半分になるように分割点を求める必要があります。
基本的な考え方は、台形全体の面積を求め、その半分の面積になる位置を計算で導き出すこと。頂点を通る場合、その頂点からどこに線を引けば面積が等しくなるかを考えます。
たとえば上底の頂点Aを通る直線で二等分する場合、下底上のどの点Pを通れば良いかを求める問題になるでしょう。
計算による二等分点の導出
具体的な数値例で二等分線の求め方を見ていきましょう。
【例題4】上底6cm、下底12cm、高さ8cmの台形ABCDがある。頂点Aを通り、台形を面積二等分する直線が下底と交わる点Pを求めよ。
台形全体の面積 = (6 + 12) × 8 ÷ 2 = 72cm²
半分の面積 = 36cm²
APが下底と交わる点をPとし、DPの長さをxとする。
三角形ADPの面積 = x × 8 ÷ 2 = 4x
4x = 36
x = 9cm
この計算では、頂点Aと下底上の点Pを結ぶことで三角形ができ、その面積が台形全体の半分になる位置を求めています。
方程式を立てて解くことで、正確な位置を導き出せるでしょう。
中点連結定理を使った応用
台形の2辺の中点を結ぶ線分には特別な性質があります。
台形の脚(平行でない辺)の中点を結んだ線分は、上底と下底に平行で、長さは(上底+下底)÷2となります。これを中点連結定理といいます。
この中点を結ぶ線分は、実は台形を面積二等分する性質も持っています。なぜなら、この線分によって上下に分けられた2つの台形が合同になるためです。
| 分割方法 | 特徴 | 計算の難易度 |
|---|---|---|
| 頂点を通る直線 | 方程式を立てて解く | やや難 |
| 中点を結ぶ線分 | 自動的に二等分される | 易しい |
| 対角線による分割 | 三角形4つに分かれる | 中程度 |
問題に応じて適切な方法を選ぶことが、効率的な解答につながります。
台形の面積に関する応用問題
続いては、より実践的な応用問題について確認していきます。
複雑な図形の中の台形を見つける
実際の問題では、台形が他の図形と組み合わさっていることも多いです。
複合図形の中から台形を見つけ出し、必要な辺の長さや高さを導き出す力が求められます。補助線を引くことで隠れた台形を発見できることもあるでしょう。
たとえば、正方形の中に斜めの線を引いて作られた図形や、複数の三角形が組み合わさった図形の中に台形が隠れていることがあります。
図形全体を俯瞰して観察し、どの部分を台形として計算すれば効率的かを判断する必要があります。練習を重ねることで、図形を見る目が養われるでしょう。
等脚台形や直角台形の特殊性質
台形の中でも特別な形状のものには、独自の性質があります。
等脚台形は、平行でない2辺の長さが等しい台形のこと。この台形は左右対称で、対角線の長さも等しくなります。面積計算では対称性を利用できるため、計算が簡略化されることが多いです。
直角台形は、少なくとも2つの角が直角である台形。この場合、高さが脚の長さと一致するため、高さの計算が不要になります。
【例題5】上底5cm、下底9cm、高さ(脚の長さ)6cmの直角台形の面積は?
面積 = (5 + 9) × 6 ÷ 2 = 42cm²
図形の特徴を見抜くことで、計算の手間を大幅に減らせます。
実生活での台形面積の活用例
台形の面積計算は、実生活でも役立つ場面があります。
建築や土木の分野では、土地の面積計算に台形の公式を使うことが一般的。特に道路に面した不整形な土地は、台形として近似して面積を求めることが多いです。
また、屋根の面積計算や、傾斜地の面積測定にも台形の考え方が応用されます。DIYで台形の棚を作る際にも、必要な材料の面積を正確に計算できるでしょう。
水田や畑などの農地でも、完全な長方形でない場合は台形として計算することがあります。実用的な計算力を身につけることで、日常生活の様々な場面で活用できるのです。
まとめ 台形の面積の公式や出し方は?高さがわからないや二等分の頂点を通る時等の計算【いろいろ:何年生】
台形の面積計算について、基本から応用まで幅広く解説してきました。
基本公式「(上底+下底)×高さ÷2」を理解することが、すべての問題を解く出発点となります。この公式の意味を視覚的に捉えることで、応用問題にも対応できる力が身につくでしょう。
高さがわからない場合は、座標を利用したり三平方の定理を使ったり、図形を分割したりと、状況に応じた柔軟な発想が必要です。一つの方法に固執せず、問題に適した解法を選ぶことが重要。
台形を面積二等分する問題では、全体の面積を求めてから半分になる位置を計算で導き出します。中点連結定理などの性質を知っていると、より効率的に解けることもあるでしょう。
台形の面積は小学5年生で学習する内容ですが、中学・高校と学年が上がるにつれて、より複雑な応用問題に発展していきます。基礎をしっかり固めた上で、様々な問題に挑戦することで、確実な計算力と図形を見る目が養われるのです。
日常生活でも活用できる実践的な知識として、台形の面積計算をマスターしていきましょう。