地震のマグニチュードは、地震の規模を表す代表的な数値です。
ニュースでマグニチュード5.8、マグニチュード7.2のように発表されると、何となく地震の大きさを感じる人は多いでしょう。
しかし、マグニチュードがどのような計算方法で求められているのか、公式の意味まで説明できる人は少ないかもしれません。
マグニチュードは単なる足し算や掛け算ではなく、地震波の大きさや断層運動をもとにした対数計算で表されます。
この記事では、地震のマグニチュードの計算方法は?公式と求め方を解説!(リヒター式・モーメントマグニチュード・対数計算・測定原理など)というタイトルの通り、リヒター式、モーメントマグニチュード、測定原理、計算の考え方をわかりやすく解説します。
地震のマグニチュードは地震波や断層運動を対数で表した規模です
それではまず、地震のマグニチュードの計算方法の結論について解説していきます。
地震のマグニチュードは、地震計で観測された揺れの大きさや、断層が動いた規模をもとに計算されます。
重要なのは、マグニチュードが対数スケールで表されることです。
つまり、マグニチュードが1増えると単純に1だけ大きいのではなく、地震波の振幅や放出エネルギーが大きく増えます。
このため、マグニチュード6と7の差は見た目以上に大きいといえるでしょう。
マグニチュードは地震の規模を比べるための数値です
マグニチュードは、地震そのものがどれくらい大きかったかを比べるための指標です。
震度のように場所ごとに変わるものではなく、一つの地震に対して地震全体の規模を示します。
地震波の記録から求める方法や、断層運動から求める方法があります。
小さな地震から巨大地震まで幅広く扱うため、対数を使って数値が扱いやすくされています。
そのため、マグニチュードは地震学において基本中の基本となる指標です。
リヒターマグニチュードは地震波の振幅から考えます
リヒターマグニチュードは、もともと地震計に記録された地震波の最大振幅をもとに考えられた指標です。
地震計に大きな波が記録されるほど、地震の規模が大きいと判断されます。
ただし、観測地点が震源から遠いほど揺れは弱くなるため、震源距離による補正が必要です。
この補正を行うことで、異なる地点で観測された記録から地震の規模を推定できます。
リヒター式は、マグニチュードの考え方を理解する入口としてわかりやすい方法です。
巨大地震ではモーメントマグニチュードが重視されます
巨大地震では、地震波の振幅だけで規模を正確に表しにくいことがあります。
そこで使われるのがモーメントマグニチュードです。
モーメントマグニチュードは、断層の面積、断層のずれ、岩盤の硬さをもとに地震の規模を評価します。
巨大地震でも飽和しにくく、地震の物理的な大きさを反映しやすいという特徴があります。
現在の地震学では、大きな地震を評価するときに非常に重要な指標となっています。
マグニチュードの計算方法で最も大切なのは、地震波や断層運動の大きさを対数で表す点です。
数字が1増えるだけでも、地震の規模やエネルギーは大きく変わるため、普通の数値感覚で見ないことが重要です。
リヒター式によるマグニチュードの求め方
続いては、リヒター式によるマグニチュードの求め方を確認していきます。
リヒター式は、地震計に記録された地震波の最大振幅をもとに、地震の規模を計算する考え方です。
厳密には観測条件や補正式がありますが、基本的なイメージは最大振幅の対数を取ることにあります。
対数を使うことで、非常に小さな揺れから大きな揺れまで同じ尺度で表せます。
基本的な考え方は最大振幅の対数です
リヒター式の基本は、地震計に記録された最大振幅を基準の振幅と比較し、その比を対数で表すことです。
振幅が10倍になると、マグニチュードはおよそ1増えるという考え方になります。
ここで使われる対数は常用対数で、10を底とする対数です。
そのため、マグニチュードは直感的な比例関係ではなく、桁の違いを表す数値になります。
この仕組みが、マグニチュードの数字を少ない範囲に収めている理由です。
震源距離による補正が必要です
地震波は震源から遠ざかるほど弱くなります。
そのため、同じ地震でも震源に近い地震計では大きな振幅、遠い地震計では小さな振幅として記録されます。
もし距離の補正をしなければ、同じ地震でも観測地点によってマグニチュードが違ってしまいます。
そこでリヒター式では、震央距離や地震波の減衰を考慮した補正が行われます。
この補正により、地震そのものの規模に近い値を求められるのです。
簡単な式でイメージすると理解しやすいです
リヒターマグニチュードを非常に単純化すると、観測された振幅の対数から補正値を加減して求めるイメージになります。
実際の計算は観測網や地震波の種類によって細かく変わりますが、考え方は共通しています。
大切なのは、地震計の記録をそのまま読むのではなく、距離や条件を補正して地震の規模へ変換している点です。
この考え方を知ると、マグニチュードが単なる揺れの強さではないことがわかるでしょう。
震度との違いも、ここから理解しやすくなります。
単純化したイメージ式は、マグニチュードが地震波の最大振幅の常用対数と距離補正から求められるという形です。
振幅が10倍になるとマグニチュードは約1増えるため、マグニチュードは普通の比例ではなく対数的な指標です。
モーメントマグニチュードの公式と求め方
続いては、モーメントマグニチュードの公式と求め方を確認していきます。
モーメントマグニチュードは、地震の物理的な規模をより直接的に表す指標です。
特に大きな地震では、リヒター式よりもモーメントマグニチュードが重視されます。
断層がどれくらい広く、どれくらいずれたかを見るため、巨大地震の評価に向いています。
地震モーメントは断層の動きの大きさを表します
モーメントマグニチュードのもとになるのが、地震モーメントです。
地震モーメントは、岩盤の剛性率、断層面積、平均すべり量を掛け合わせて求めます。
断層面積が大きく、すべり量が大きいほど、地震モーメントも大きくなります。
つまり、断層が広い範囲で大きく動いた地震ほど、マグニチュードも大きくなります。
地震の物理的な姿を考えるうえで、非常に重要な量です。
モーメントマグニチュードは地震モーメントの対数で表します
モーメントマグニチュードは、地震モーメントを対数に変換して求めます。
地震モーメントは非常に大きな値になるため、そのままでは扱いにくい数値です。
そこで対数を使い、一般に見慣れたマグニチュードの形に変換します。
この変換によって、小さな地震から巨大地震まで一つの尺度で比較できるようになります。
巨大地震でも規模を表しやすい点が、モーメントマグニチュードの強みです。
リヒター式との違いは巨大地震で表れます
リヒター式などの地震波振幅をもとにしたマグニチュードは、大きな地震になると数値が伸びにくくなることがあります。
この現象はマグニチュードの飽和と呼ばれます。
一方でモーメントマグニチュードは、断層運動の規模をもとにしているため、巨大地震でも比較的正確に規模を表しやすいです。
そのため、東日本大震災のような巨大地震ではモーメントマグニチュードが重要になります。
大地震を比較するときは、どの種類のマグニチュードなのかを見ることも大切でしょう。
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種類 |
主な考え方 |
特徴 |
|---|---|---|
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リヒターマグニチュード |
地震波の最大振幅をもとにします |
考え方がわかりやすいですが巨大地震では限界があります |
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モーメントマグニチュード |
断層面積、すべり量、岩盤の硬さをもとにします |
巨大地震の規模を表しやすいです |
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表面波マグニチュード |
表面波の大きさをもとにします |
遠地地震の評価などで使われます |
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気象庁マグニチュード |
日本の観測に合わせた方法で求めます |
国内の地震速報などで使われます |
マグニチュード計算に対数が使われる理由
続いては、マグニチュード計算に対数が使われる理由を確認していきます。
地震の規模は、非常に小さなものから巨大なものまで幅が広いです。
その差を普通の数値で表すと、桁が大きくなりすぎて扱いにくくなります。
そこで対数を使うことで、地震の規模を比較しやすい数値に変換しています。
地震のエネルギー差は非常に大きいです
小さな地震と巨大地震では、放出されるエネルギーが何万倍、何億倍にも違うことがあります。
このような差をそのまま数値で表すと、日常的には理解しにくくなります。
対数を使うと、非常に大きな差を比較的コンパクトな数値で表せます。
たとえばマグニチュード5、6、7のように整理すれば、規模の違いを段階的に把握しやすくなります。
これがマグニチュードに対数が使われる大きな理由です。
マグニチュード1の差は大きな差です
マグニチュードは対数スケールなので、1の差は非常に大きな意味を持ちます。
地震波の振幅で見ると、マグニチュードが1大きいとおよそ10倍になります。
放出エネルギーで見ると、およそ約32倍になります。
そのため、マグニチュード6と7は少し違うだけではありません。
実際には、被害の広がりや津波の可能性にも大きく関わる差です。
対数を知ると地震情報が読みやすくなります
対数という言葉だけを見ると難しく感じるかもしれません。
しかし、マグニチュードでは数字が1増えると大きく規模が増えると覚えれば十分です。
地震速報でマグニチュードが少し修正されることがありますが、0.2や0.3の差でもエネルギーとしては意味があります。
速報値は観測データが増えるにつれて更新されることもあります。
対数スケールの感覚を持つと、マグニチュードの重要性がより理解しやすくなるでしょう。
マグニチュード計算を理解するときの注意点
続いては、マグニチュード計算を理解するときの注意点を確認していきます。
マグニチュードには複数の種類があり、計算方法も一つではありません。
また、速報で出る値と後から詳しく解析された値が少し変わることもあります。
そのため、数値だけを見て単純に判断するのではなく、背景にある測定原理も意識するとよいでしょう。
マグニチュードには種類があります
マグニチュードと一口にいっても、リヒター式、気象庁マグニチュード、モーメントマグニチュードなど複数の種類があります。
それぞれ使う地震波や計算の考え方が異なります。
小さな地震や近い地震に向いた方法もあれば、巨大地震や遠い地震に向いた方法もあります。
同じ地震でも、使うマグニチュードの種類によって数値が少し異なることがあります。
ニュースの数値を見るときは、必要に応じてどのマグニチュードかを確認すると理解が深まります。
速報値は後から更新されることがあります
地震発生直後に発表されるマグニチュードは、限られた観測データから推定された速報値です。
その後、より多くの地震計データが集まり、詳しい解析が進むと数値が修正されることがあります。
これは間違いというより、より正確な値に近づけるための更新です。
特に大きな地震では、断層破壊の全体像を把握するまでに時間がかかることがあります。
速報の段階では、値が変わる可能性もあると考えておくとよいでしょう。
マグニチュードだけで被害は決まりません
マグニチュードは地震の規模を表しますが、被害の大きさをそのまま決めるものではありません。
被害には震源の深さ、震源からの距離、地盤、建物の耐震性、人口密度、発生時間などが関係します。
同じマグニチュードでも、都市の直下で起きるか、遠い海域で起きるかによって影響は大きく変わります。
そのため、地震情報を見るときはマグニチュードと震度をセットで確認することが大切です。
津波情報や避難情報も合わせて見るようにしましょう。
まとめ
地震のマグニチュードの計算方法は、地震波の振幅や断層運動の規模をもとに、対数を使って求める方法です。
リヒター式では地震計に記録された最大振幅と震源距離の補正が重要になります。
一方でモーメントマグニチュードでは、断層面積、平均すべり量、岩盤の剛性率から地震モーメントを求め、それを対数で変換します。
マグニチュードは対数スケールなので、1の差でも地震の規模やエネルギーは大きく変わります。
巨大地震では、地震波の振幅だけでなく断層運動を反映するモーメントマグニチュードが重視されます。
ただし、マグニチュードだけで被害の大きさは決まりません。
マグニチュードは地震そのものの規模、震度は各地の揺れの強さとして区別し、地震情報を総合的に見ることが大切です。