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鋭角の三角比・三角関数の公式とは?表せと言われたら?【θが鋭角の時など】

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三角比と三角関数は、高校数学で最も重要な分野の1つ。特に鋭角における三角比は、すべての基礎となる概念です。

鋭角の三角比は直角三角形の辺の比として定義され、sin、cos、tanという3つの基本的な関数で表されます。これらは測量、航海、建築、物理学など、実社会で幅広く応用されている実用的な道具なのです。

本記事では、鋭角における三角比の定義から基本公式、覚え方のコツ、そして「θが鋭角のとき表せ」という問題への対処法まで、徹底的に解説していきます。苦手意識を持つ人も多い分野ですが、基本から丁寧に理解すれば、必ず使いこなせるようになるでしょう。

 

鋭角の三角比とは?基本的な定義

それではまず、鋭角における三角比の基本的な定義について解説していきます。

 

三角比の定義と直角三角形

三角比

とは、直角三角形における辺の長さの比のこと。鋭角θに対して、3つの基本的な三角比が定義されます。

直角三角形を考えましょう。角θを含む直角三角形において、各辺に名前を付けます。

・斜辺:直角の対辺(最も長い辺)

・対辺:角θの対辺(向かい側の辺)

・隣辺:角θの隣の辺(直角を挟む辺)

この3つの辺を使って、三角比を定義するのです。

sin θ = 対辺 / 斜辺

cos θ = 隣辺 / 斜辺

tan θ = 対辺 / 隣辺

sin(サイン)

は「正弦」、cos(コサイン)は「余弦」、tan(タンジェント)は「正接」と呼ばれます。

重要なのは、これらの値は角度だけで決まるということ。三角形の大きさが変わっても、角度が同じなら三角比の値は変わりません。相似な三角形では辺の比が等しいためです。

鋭角の場合、θは0度より大きく90度より小さい角。この範囲では、sin、cos、tanの値はすべて正の値となります。

 

三角比の覚え方とコツ

三角比の定義を覚えるには、いくつかの語呂合わせが有効です。

最も有名なのが「咲いたコスモス、たんたんと」という覚え方。

咲いた(sin θ)= 対辺 / 斜辺

コスモス(cos θ)= 隣辺 / 斜辺

たんたんと(tan θ)= 対辺 / 隣辺

英語圏では「SOH-CAH-TOA(ソーカトア)」という覚え方が一般的です。

SOH: Sine = Opposite / Hypotenuse

CAH: Cosine = Adjacent / Hypotenuse

TOA: Tangent = Opposite / Adjacent

もう1つのコツは、図を描いて理解すること。直角三角形を実際に描き、角θの位置を確認しながら、どの辺が対辺、隣辺、斜辺かを毎回確認する習慣をつけましょう。

tanはsinとcosの比でもあります。

tan θ = sin θ / cos θ

この関係を覚えておくと、sinとcosが分かればtanも計算できるのです。

 

特殊な角度の三角比

鋭角の中でも、特殊な角度の三角比は頻繁に使われるため、暗記しておくと便利です。

特に重要な3つの角度は、30°、45°、60°。これらの値を表にまとめましょう。

角度θ sin θ cos θ tan θ
30° 1/2 √3/2 1/√3 = √3/3
45° √2/2 = 1/√2 √2/2 = 1/√2 1
60° √3/2 1/2 √3

これらの値は、特殊な直角三角形から導かれます。

30°-60°-90°の三角形では、辺の比が 1 : √3 : 2 となります。45°-45°-90°の直角二等辺三角形では、辺の比が 1 : 1 : √2 です。

覚え方のコツとして、sin と cos の関係に注目すると良いでしょう。

sin 30° = cos 60° = 1/2

sin 60° = cos 30° = √3/2

sin 45° = cos 45° = √2/2

30°と60°は余角(足して90°になる角)の関係にあり、sinとcosの値が入れ替わります。これを余角の関係と呼びます。

45°は特別で、sinとcosが等しい唯一の鋭角。tanが1になることも覚えやすい特徴です。

 

鋭角の三角比における基本公式

続いては、鋭角の三角比で頻繁に使われる基本公式を確認していきます。

 

三平方の定理との関係

鋭角の三角比で最も重要な公式の1つが、sin²θ + cos²θ = 1です。

この公式は三平方の定理(ピタゴラスの定理)から導かれます。直角三角形の各辺をa(対辺)、b(隣辺)、c(斜辺)とすると、

a² + b² = c² (三平方の定理)

両辺をc²で割ると、

(a/c)² + (b/c)² = 1

sin²θ + cos²θ = 1

sin²θ + cos²θ = 1

この公式は鋭角に限らず、すべての角度で成り立つ

この公式の使い方は多様です。例えば、sinθの値が分かっていれば、cosθを求められます。

【例】sin θ = 3/5 のとき、cos θ を求める

sin²θ + cos²θ = 1 より

(3/5)² + cos²θ = 1

9/25 + cos²θ = 1

cos²θ = 16/25

θは鋭角なので cos θ > 0

∴ cos θ = 4/5

鋭角の場合、sinθもcosθも正の値なので、平方根の符号を気にする必要がありません。必ず正の値を取ります。

この公式から派生した形も覚えておくと便利でしょう。

sin²θ = 1 – cos²θ

cos²θ = 1 – sin²θ

 

tanを含む基本公式

tanを含む公式も重要です。まず、tanとsin、cosの関係式。

tan θ = sin θ / cos θ

この式は定義から直接導けます。

tan θ = 対辺/隣辺 = (対辺/斜辺)/(隣辺/斜辺) = sin θ / cos θ

もう1つの重要な公式が、1 + tan²θ = 1/cos²θです。

この公式は、sin²θ + cos²θ = 1 を cos²θ で割ることで得られます。

sin²θ + cos²θ = 1

両辺を cos²θ で割ると、

sin²θ/cos²θ + 1 = 1/cos²θ

tan²θ + 1 = 1/cos²θ

1 + tan²θ = 1/cos²θ

または

tan²θ = 1/cos²θ – 1

この公式を使えば、tanθの値からcosθを求めることができます。

【例】tan θ = 2 のとき、cos θ を求める

1 + tan²θ = 1/cos²θ より

1 + 4 = 1/cos²θ

5 = 1/cos²θ

cos²θ = 1/5

θは鋭角なので cos θ = 1/√5 = √5/5

 

相互関係の公式まとめ

鋭角の三角比における相互関係の公式を整理しましょう。

公式 用途
sin²θ + cos²θ = 1 sinとcosの相互変換
tan θ = sin θ / cos θ tanをsin、cosで表す
1 + tan²θ = 1/cos²θ tanとcosの関係
sin θ = tan θ × cos θ sinをtan、cosで表す

これらの公式を使いこなすコツは、与えられた情報から何を求めるかを明確にすること。

例えば「sin θ が分かっていて tan θ を求めたい」場合、まずcos θを求めてから、tan θ = sin θ / cos θ を使います。

【解法の流れ】

sin θ → cos θ → tan θ

(sin²θ + cos²θ = 1を使用)→(tan θ = sin θ / cos θを使用)

鋭角の場合、すべての三角比が正の値なので、符号の判定が不要という利点があります。これが鋭角の三角比を最初に学ぶ理由の1つです。

公式を覚える際は、丸暗記よりも導出過程を理解することが大切。三平方の定理や定義から導けることを知っていれば、忘れても再現できます。

 

「θが鋭角のとき表せ」問題の解法

続いては、試験でよく出る「θが鋭角のとき〜を表せ」という形式の問題の解法を確認していきます。

 

基本的な解答パターン

「θが鋭角のとき表せ」という問題には、典型的なパターンがあります。

最も基本的なのが、1つの三角比から他の三角比を求める問題です。

【問題例1】

θが鋭角で sin θ = 3/5 のとき、cos θ と tan θ を求めよ。

この問題の解法は以下の通りです。

【解答】

sin²θ + cos²θ = 1 より

(3/5)² + cos²θ = 1

9/25 + cos²θ = 1

cos²θ = 16/25

θは鋭角なので cos θ > 0

∴ cos θ = 4/5

tan θ = sin θ / cos θ = (3/5) / (4/5) = 3/4

「θは鋭角なので」という一文

を必ず書きましょう。これがないと、符号の判定ができていないことになります。

もう少し複雑な例も見てみましょう。

【問題例2】

θが鋭角で tan θ = 3 のとき、sin θ と cos θ を求めよ。

この場合、まずcosθを求め、次にsinθを求めます。

【解答】

1 + tan²θ = 1/cos²θ より

1 + 9 = 1/cos²θ

10 = 1/cos²θ

cos²θ = 1/10

θは鋭角なので cos θ = 1/√10 = √10/10

sin θ = tan θ × cos θ = 3 × √10/10 = 3√10/10

 

式の値を求める問題

「〜の値を求めよ」という形式も頻出です。三角比を含む式の値を計算する問題です。

【問題例3】

θが鋭角で sin θ = 2/3 のとき、sin²θ + cos²θ + tan²θ の値を求めよ。

この問題では、まず必要な三角比を全て求めます。

【解答】

sin²θ + cos²θ = 1 より

4/9 + cos²θ = 1

cos²θ = 5/9

θは鋭角なので cos θ = √5/3

tan θ = sin θ / cos θ = (2/3) / (√5/3) = 2/√5 = 2√5/5

tan²θ = 4/5

∴ sin²θ + cos²θ + tan²θ = 4/9 + 5/9 + 4/5

= 1 + 4/5 = 9/5

別の解法として、公式を利用する方法もあります。

sin²θ + cos²θ = 1 は常に成り立つので、

求める式 = 1 + tan²θ

tan²θ = sin²θ/cos²θ = (4/9)/(5/9) = 4/5

∴ 1 + 4/5 = 9/5

このように、工夫して計算を簡略化できる場合もあります。

 

文字式で表す問題

より抽象的な問題として、文字式で表現するタイプもあります。

【問題例4】

θが鋭角で sin θ = a(0 < a < 1)のとき、cos θ と tan θ を a を用いて表せ。

この場合、具体的な数値ではなく文字で答えます。

【解答】

sin²θ + cos²θ = 1 より

a² + cos²θ = 1

cos²θ = 1 – a²

θは鋭角なので cos θ > 0

∴ cos θ = √(1 – a²)

tan θ = sin θ / cos θ = a / √(1 – a²)

= a√(1 – a²) / (1 – a²) (分母を有理化)

分母の有理化

が必要かどうかは、問題の指示や文脈によります。試験では両方の形を認める場合が多いでしょう。

逆の問題もあります。

【問題例5】

θが鋭角で cos θ = b(0 < b < 1)のとき、sin²θ を b を用いて表せ。

【解答】

sin²θ + cos²θ = 1 より

sin²θ + b² = 1

∴ sin²θ = 1 – b²

この場合、sin θではなくsin²θを求めているので、平方根を取る必要がない点に注意しましょう。

 

鋭角の三角比の性質と応用

続いては、鋭角の三角比が持つ性質と、実際の応用例を見ていきます。

 

三角比の値の範囲

鋭角θ(0° < θ < 90°)において、三角比の値には明確な範囲があります。

0 < sin θ < 1

0 < cos θ < 1

0 < tan θ < ∞(正の無限大)

sin θ と cos θ

は、どちらも0と1の間の値を取ります。これは定義(辺の比)から明らか。対辺や隣辺は斜辺より短いため、その比は1未満となるのです。

θが0°に近づくと、sin θ → 0、cos θ → 1 となります。逆にθが90°に近づくと、sin θ → 1、cos θ → 0 です。

tan θの場合は少し異なります。tan θ = sin θ / cos θ なので、cos θ が小さくなると tan θ は大きくなるのです。

θの値 sin θ cos θ tan θ
0°に近い 0に近い 1に近い 0に近い
45° √2/2 ≈ 0.707 √2/2 ≈ 0.707 1
90°に近い 1に近い 0に近い 非常に大きい

θ = 45°のとき、sin θ = cos θ となる特別な点。これより小さい角では cos θ > sin θ、大きい角では sin θ > cos θ となります。

この性質を利用すると、大小比較の問題も解けます。

【例】30° < θ < 45° のとき、sin θ、cos θ、tan θ の大小関係は?

この範囲では、cos θ > sin θ > 0

また tan θ < 1(45°で tan θ = 1 なので)

∴ cos θ > sin θ > tan θ

 

余角の関係

鋭角の三角比において、余角の関係は非常に重要な性質です。

2つの角α、βが余角(α + β = 90°)であるとき、次の関係が成り立ちます。

sin α = cos β

cos α = sin β

tan α = 1 / tan β

例えば、30°と60°は余角の関係にあります。

sin 30° = 1/2 = cos 60°

cos 30° = √3/2 = sin 60°

tan 30° = 1/√3、tan 60° = √3

(tan 30° × tan 60° = 1)

この関係は直角三角形で考えると分かりやすいでしょう。1つの鋭角をαとすると、もう1つの鋭角は(90° – α)。視点を変えれば、一方の角の対辺は他方の角の隣辺となるのです。

余角の関係を使えば、計算を簡略化できる場合があります。

【例】sin²20° + sin²70° の値を求めよ。

20° + 70° = 90° より、sin 70° = cos 20°

∴ sin²20° + sin²70° = sin²20° + cos²20° = 1

 

実生活での応用例

鋭角の三角比は、様々な実用的な場面で活用されています。

測量では、三角比が不可欠です。例えば、建物の高さを測る際、離れた地点から仰角(見上げる角度)を測定し、三角比を使って高さを計算します。

【測量の例】

建物から50m離れた地点から、頂上を見上げる角度が30°

建物の高さ h は、

tan 30° = h / 50

h = 50 × tan 30° = 50 × (1/√3) ≈ 28.9 m

航海や航空

でも三角比が使われます。目的地への方位角と距離から、東西・南北の成分を計算する際、sin と cos を使用するのです。

建築設計では、屋根の勾配を表すのに三角比が便利。例えば「3寸勾配」とは、水平距離10に対して高さ3の割合で、これは tan θ = 0.3 に相当します。

物理学では、力の分解に三角比が欠かせません。斜面上の物体にかかる重力を、斜面に平行な成分と垂直な成分に分解する際、角度と三角比を使います。

【斜面の物理】

角度θの斜面上の物体(質量m)

斜面に平行な力 = mg sin θ

斜面に垂直な力 = mg cos θ

コンピュータグラフィックスでは、回転や拡大縮小の計算に三角関数が使われます。ゲームのキャラクターを回転させる処理なども、裏では三角比の計算が行われているのです。

 

鋭角の三角比の計算問題演習

続いては、実際の計算問題を通して、鋭角の三角比の使い方を確認していきます。

 

基本計算問題

まずは基本レベルの計算問題から始めましょう。

【問題1】

θが鋭角で sin θ = 5/13 のとき、cos θ と tan θ を求めよ。

【解答】

sin²θ + cos²θ = 1 より

(5/13)² + cos²θ = 1

25/169 + cos²θ = 1

cos²θ = 144/169

θは鋭角なので cos θ = 12/13

tan θ = sin θ / cos θ = (5/13) / (12/13) = 5/12

次の問題も試してみましょう。

【問題2】

θが鋭角で cos θ = 4/5 のとき、2sin θ + 3tan θ の値を求めよ。

【解答】

sin²θ + cos²θ = 1 より

sin²θ + 16/25 = 1

sin²θ = 9/25

θは鋭角なので sin θ = 3/5

tan θ = sin θ / cos θ = (3/5) / (4/5) = 3/4

∴ 2sin θ + 3tan θ = 2 × (3/5) + 3 × (3/4)

= 6/5 + 9/4 = 24/20 + 45/20 = 69/20

 

応用計算問題

少し難易度が上がった応用問題にチャレンジしましょう。

【問題3】

θが鋭角で tan θ = 2 のとき、(sin θ + cos θ)² の値を求めよ。

【解答】

1 + tan²θ = 1/cos²θ より

1 + 4 = 1/cos²θ

cos²θ = 1/5

θは鋭角なので cos θ = 1/√5 = √5/5

sin θ = tan θ × cos θ = 2 × √5/5 = 2√5/5

(sin θ + cos θ)² = (2√5/5 + √5/5)²

= (3√5/5)² = 9 × 5/25 = 45/25 = 9/5

別解として、展開してから計算する方法もあります。

(sin θ + cos θ)² = sin²θ + 2sin θ cos θ + cos²θ

= 1 + 2sin θ cos θ

= 1 + 2 × (2√5/5) × (√5/5)

= 1 + 4/5 = 9/5

もう1問、考えてみましょう。

【問題4】

θが鋭角で sin θ + cos θ = √3/2 のとき、sin θ cos θ の値を求めよ。

この問題は、恒等式を利用します。

【解答】

(sin θ + cos θ)² = sin²θ + 2sin θ cos θ + cos²θ

= 1 + 2sin θ cos θ

(√3/2)² = 1 + 2sin θ cos θ

3/4 = 1 + 2sin θ cos θ

2sin θ cos θ = 3/4 – 1 = -1/4

∴ sin θ cos θ = -1/8

 

総合問題

複数の知識を組み合わせる総合問題にも挑戦してみましょう。

【問題5】

θが鋭角で sin θ = a、cos θ = b とする。

(1) a² + b² の値を求めよ。

(2) tan θ を a, b で表せ。

(3) sin 2θ = 2sin θ cos θ であることを用いて、sin 2θ を a, b で表せ。

【解答】

(1) sin²θ + cos²θ = 1 より

a² + b² = 1

(2) tan θ = sin θ / cos θ = a/b

(3) sin 2θ = 2sin θ cos θ = 2ab

最後に、やや難しい問題です。

【問題6】

θが鋭角で tan θ = 3/4 のとき、sin θ – cos θ の値を求めよ。

【解答】

1 + tan²θ = 1/cos²θ より

1 + 9/16 = 1/cos²θ

25/16 = 1/cos²θ

cos²θ = 16/25

θは鋭角なので cos θ = 4/5

sin θ = tan θ × cos θ = (3/4) × (4/5) = 3/5

∴ sin θ – cos θ = 3/5 – 4/5 = -1/5

これらの問題を通じて、公式の使い分けと計算の流れを身につけることが重要です。

 

まとめ 鋭角を三角比・三角関数で表せと言われたら?【θが鋭角の時など】

鋭角の三角比は、sin、cos、tanという3つの基本関数で構成され、直角三角形の辺の比として定義されます。鋭角θにおいて、sin θ = 対辺/斜辺、cos θ = 隣辺/斜辺、tan θ = 対辺/隣辺という関係を理解することが全ての基礎です。

最も重要な公式は sin²θ + cos²θ = 1 で、これは三平方の定理から導かれます。この公式を使えば、1つの三角比から他の三角比を求めることができるのです。また、tan θ = sin θ / cos θ や 1 + tan²θ = 1/cos²θ といった相互関係の公式も頻繁に使用されます。

「θが鋭角のとき表せ」という問題では、まず与えられた三角比から他の三角比を求め、それを使って目的の式を計算します。鋭角の場合、すべての三角比が正の値となるため、符号の判定が簡単という利点があります。

30°、45°、60°の特殊角の三角比の値は暗記必須。余角の関係(sin α = cos(90° – α)など)を理解すると、計算の効率が大幅に向上します。三角比は測量、航海、物理学、建築など、実生活の様々な場面で応用されている実用的な数学ツールなのです。