科学的な解析を行うには、各物質の化学式・分子式・分子量・示性式などを理解しておいた方がいいです。
ここでは、上記エチルベンゼンの化学的特性について詳しく解説しますので、参考にしてみてください!
エチルベンゼンの化学式(分子式)は?
エチルベンゼンの化学式(分子式)は以下の通りです。
エチルベンゼンは炭素(C)が8個、水素(H)が10個から構成される有機化合物です。
芳香族炭化水素の一種で、ベンゼン環にエチル基(-CH₂CH₃)が1つ結合した構造を持っています。
常温・常圧では無色の液体で、特徴的な芳香を持ち、可燃性があり、スチレンの製造原料として広く使用されています。
この分子式からわかるように、エチルベンゼンはベンゼン環(C₆H₅-)にエチル基(-CH₂CH₃)が結合した構造をしています。
エチルベンゼンの示性式は?
エチルベンゼンの示性式は以下の通りです。
一般的には以下のような環状構造で表記されることもあります。
CH₂CH₃ | HC CH / \ HC CH \ / HC===CH
この示性式は分子の構造をより具体的に表現しています。
6個の炭素原子が環状構造(ベンゼン環)を形成し、その環に直接エチル基(CH₂CH₃)が結合しています。
エチルベンゼンの構造的特徴として、ベンゼン環の芳香族性とエチル基のアルキル基としての性質が挙げられます。
この構造はエチルベンゼンに特有の化学反応性をもたらし、ベンゼン環は求電子置換反応を、エチル基は酸化反応などを起こす特性があります。
また、分子全体が非極性であるため、水には溶けにくく、有機溶媒によく溶ける性質があります。
エチルベンゼンの分子量は?計算過程も解説
エチルベンゼンの分子量を計算していきましょう。
分子量は各原子の原子量に、分子内に含まれる原子の数を掛けて合計することで求められます。
計算過程は以下の通りです。
1. 炭素(C)の原子量:12.01 g/mol × 8個 = 96.08 g/mol
2. 水素(H)の原子量:1.008 g/mol × 10個 = 10.08 g/mol
これらを合計すると:
96.08 + 10.08 = 106.16 g/mol
通常は小数点以下2桁までの精度で表現されることが多いため、エチルベンゼンの分子量は約106.17 g/molとなります。
この分子量の値は、エチルベンゼンの物理的・化学的性質を理解する上で重要な基本情報であり、化学反応の計算や液体の取り扱いなどにおいて活用されます。
まとめ エチルベンゼンの分子式・分子量・示性式は?
ここでは、エチルベンゼンの基本的な化学特性について確認しました。
・分子式:C₈H₁₀または C₆H₅-CH₂CH₃
・示性式:C₆H₅-CH₂CH₃
・分子量:106.17 g/mol
これらの情報は、エチルベンゼンを扱う様々な場面で重要となります。
スチレン(ポリスチレン原料)の製造原料、溶剤、アスファルトの成分、ガソリンの添加剤、また化学の学習においても基本的な知識として役立つでしょう。
エチルベンゼンは石油精製過程で得られるほか、ベンゼンとエチレンのフリーデル・クラフツ反応によっても合成され、特にスチレンの製造原料として工業的に大量に生産されています。