ゴムは、優れた弾性、耐久性、絶縁性を持つ高分子材料です。
これらの特性から、自動車タイヤ、医療機器、電気絶縁材など様々な分野で使用されています。しかし、熱伝導性についてはプラスチックや他の断熱材とどのような違いがあるのでしょうか。
このような背景もあり、この記事では、ゴムの熱伝導率とその単位、温度依存性、プラスチックや他の一般的な材料との比較について詳しく解説します。
ゴムの熱伝導特性を理解し、適材適所で活用していきましょう!
ゴムの熱伝導率と単位【W/(m·K)やkcal/(m·h·℃)など】
まずは、ゴムの熱伝導率の値と一般的な単位を確認しましょう。
熱伝導率とは、物質の熱伝導性能を表す物性値で、単位面積あたり、単位時間あたり、温度勾配1 K/mで伝わる熱量を表します。熱伝導率が高いほど、熱を速く伝えることができます(^^)/
ゴムの熱伝導率(常温常圧付近)は以下の通りです。
ゴムの熱伝導率 | 単位 |
---|---|
0.16 | W/(m·K) |
0.14 | kcal/(m·h·℃) |
ここで、1 W = 0.86 kcal/hであることを利用して、各単位の値を相互に変換できます。
ゴムの熱伝導率は、多くのプラスチック材料と同程度か、やや低い値となっており、優れた断熱材としての特性を持っています。
ゴムの熱伝導率の温度依存性
ゴムの熱伝導率は温度によって変化します。以下は、様々な温度でのゴムの熱伝導率を示した表です:
温度 (K) | 温度 (℃) | 熱伝導率 (W/(m·K)) |
---|---|---|
300 | 26.85 | 0.16 |
350 | 76.85 | 0.17 |
400 | 126.85 | 0.18 |
450 | 176.85 | 0.19 |
簡単に整理しますと、
1. 常温付近(300 K)では、熱伝導率は0.16 W/(m·K)程度です。
2. 温度上昇とともに、熱伝導率はわずかに上昇する傾向がみられます。
3. ただし、ゴムは高温(約200℃以上)で分解が始まるため、非常に高温での熱伝導率データは一般的に測定されません。
ゴムの熱伝導率は、温度上昇に伴い若干増加する特性がありますが、その変化は比較的小さいことがわかります(^^)/
プラスチックや他の材料との比較
ゴムの熱伝導率をプラスチックや他の代表的な断熱・絶縁材料と比較してみましょう:
材料 | 熱伝導率 (W/(m·K)) |
---|---|
ゴム(天然) | 0.16 |
シリコーンゴム | 0.24 |
PVC(塩化ビニル) | 0.19 |
ポリエチレン | 0.33 |
ポリスチレン | 0.14 |
木材(松) | 0.12 |
コルク | 0.04 |
空気(静止) | 0.026 |
整理しますと以下の通りです!
1. 天然ゴムの熱伝導率(0.16 W/(m·K))は、多くのプラスチック材料と同程度の値です。
2. シリコーンゴムは天然ゴムよりもやや熱伝導率が高く、放熱性を重視する場合に選ばれることがあります。
3. ポリスチレンはゴムよりもわずかに低い熱伝導率を持ち、断熱材として広く使用されています。
4. コルクや静止空気は、ゴムよりもさらに低い熱伝導率を持っており、より優れた断熱性を示します。
5. ゴムは、木材と比較的近い熱伝導特性を持っています。
6. 材料の選択は、熱伝導性だけでなく、弾性、耐久性、耐候性、コストなど様々な要素を考慮して行う必要があります。
7. ゴムは比較的低い熱伝導率と優れた弾性を兼ね備えているため、断熱と防振を同時に求められる用途に適しています。
まとめ ゴムの熱伝導率の温度依存性は?プラスチックや他の材料との比較も!
本記事では、ゴムの熱伝導率とその単位、プラスチックとの比較、温度依存性、そして他の一般的な材料との比較について詳しく解説しました。
ゴムの熱伝導特性を理解し、適材適所で活用していきましょう!