電気回路の確認や家電のトラブル診断など、電圧を実際に測定する場面は日常の中でも意外と多くあります。
テスター(マルチメーター)の使い方を知っておくと、電気のトラブル対応から電子工作まで幅広く役立てることができるでしょう。
本記事では、電圧の測定方法をわかりやすく解説し、テスターの使い方・電圧計との接続方法・安全に測定するためのポイントも丁寧に紹介していきます。
電圧の測定は電圧計(またはテスター)を回路に並列につないで行う
それではまず、電圧測定の基本的な原則について解説していきます。
電圧は必ず電圧計(テスター)を測定したい2点間に並列につないで測定します。
電流計(直列接続)と混同しないことが非常に重要なポイントです。
並列接続で測定する理由は、電圧計の内部抵抗が非常に大きく、回路の電流にほとんど影響を与えないためです。
電圧測定の大原則
・電圧計・テスターは測定したい2点間に並列(横並び)に接続する
・電流計(直列接続)と絶対に混同しない
・測定前に必ずレンジ(量程)を確認する
・極性(赤がプラス、黒がマイナス)を正しく接続する
電圧計を並列につなぐ理由
電圧計の内部抵抗は数MΩ(メガオーム)以上と非常に大きく設計されています。
これにより、電圧計を並列に接続しても回路に流れる電流がほとんど変化せず、元の回路の状態を崩さずに電圧を測定できます。
内部抵抗が小さい測定器を並列接続すると回路の動作が変わってしまうため、電圧計の高内部抵抗は正確な測定に不可欠の特性です。
テスター(マルチメーター)とは何か
テスター(マルチメーター)は、電圧・電流・抵抗などの複数の電気量を一台で測定できる多機能測定器です。
アナログ式(針が動くタイプ)とデジタル式(数値で表示するタイプ)があり、現在はデジタルマルチメーターが主流でしょう。
価格帯も数百円から数万円まで幅広く、電子工作入門用からプロ仕様まで多様な製品が販売されています。
テスターの主要な部位と各部の役割
| 部位名 | 役割 |
|---|---|
| ロータリースイッチ | 測定モード(電圧・電流・抵抗など)とレンジの選択 |
| COMポート(黒端子) | マイナス側プローブの差し込み口 |
| VΩポート(赤端子) | 電圧・抵抗測定用プローブの差し込み口 |
| Aポート(赤端子) | 電流測定用プローブの差し込み口 |
| ディスプレイ | 測定値の数値表示 |
テスターを使った電圧測定の手順
続いては、テスターで実際に電圧を測定するステップを確認していきます。
手順を正確に守ることで、安全かつ正確な測定が可能になります。
直流電圧(DC)の測定手順
乾電池・バッテリー・直流回路の電圧を測定する際の基本手順は以下の通りです。
直流電圧の測定ステップ
①テスターのロータリースイッチをDCV(直流電圧)モードに合わせる
②予想される電圧より大きいレンジを選ぶ(不明な場合は最大レンジから)
③黒プローブをCOMポート、赤プローブをVΩポートに差す
④黒プローブをマイナス側、赤プローブをプラス側の測定点に当てる
⑤ディスプレイに表示された値を読む
マイナス表示(-)が出た場合は、プローブの極性が逆になっています。
常に最大レンジから始めて徐々に下げていく方法が、テスターを保護するうえで安全な手順です。
交流電圧(AC)の測定手順
家庭用コンセントの電圧など、交流電圧を測定する場合はACV(交流電圧)モードを選択します。
交流測定では極性(プラス・マイナス)の区別が不要であり、どちらのプローブをどちらの端子に当てても問題ありません。
ただし、100V・200Vなどの高電圧測定は感電リスクがあるため、絶縁されたプローブを使用し、十分な注意を払うことが必須です。
測定後の注意事項
測定が終わったら、ロータリースイッチを「OFF」または「AC 750V」などの高レンジに戻しておくことが推奨されます。
次に使う人が誤って低レンジのまま高電圧を測定してしまうことを防ぐための習慣です。
電池消耗を防ぐためにも、使用後は必ずテスターの電源を切ることを忘れないようにしましょう。
電圧測定時の安全対策と注意点
続いては、電圧測定における安全管理のポイントを確認していきます。
感電防止の基本ルール
電圧測定中は、プローブの金属部分(先端以外)に手が触れないよう注意することが基本です。
特に高電圧(42V以上)の測定では、絶縁グローブを着用し、片手で作業する「片手作業の原則」を守ることが感電防止の重要なルールです。
絶縁が劣化したプローブや破損したテスターは使用しないことが鉄則でしょう。
レンジオーバーによる機器破損の防止
テスターの定格を超える電圧を測定しようとすると、内部回路が破損したり、ヒューズが切れたりすることがあります。
不明な電圧を測定する際は必ず最大レンジから始め、安全を確認してからレンジを下げるというプロセスを守りましょう。
極性ミスとその対処法
直流電圧の測定でマイナス表示が出た場合、プローブの極性が逆になっています。
落ち着いてプローブを入れ替えることで正しい測定値が得られます。
アナログテスターでは針が逆方向に振れてしまい、最悪の場合針が曲がる可能性もあるため、デジタルマルチメーターは極性ミスに比較的強く、初心者にも扱いやすいでしょう。
まとめ
本記事では、電圧の測定方法・テスター(マルチメーター)の使い方・直流・交流電圧の測定手順・安全対策について解説しました。
電圧測定は電圧計・テスターを測定点に並列に接続して行い、COMポートに黒プローブ、VΩポートに赤プローブを差すのが基本です。
測定前のレンジ選択・測定後のスイッチ戻し・高電圧時の絶縁対策を習慣化することで、安全で正確な測定が実現します。
テスターの基本的な使い方をマスターし、電気トラブルの診断や電子工作に積極的に活用していきましょう。