「並列」という言葉は電気・コンピューター・国語など、さまざまな場面で登場します。
並列(へいれつ)とは基本的に「複数のものが並んで同時に機能する状態」を意味しますが、分野によってニュアンスが少し異なります。
「並列と直列ってどう違うの?」「コンピューターの並列処理とは何?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、並列の基本的な意味・読み方から、電気・コンピューター・国語それぞれの分野での使い方・直列との違いまで、幅広く解説していきます。
並列の基本的な意味と読み方
それではまず、並列の基本的な意味と読み方について解説していきます。
並列の読み方と語源
「並列」は「へいれつ」と読みます。
「並(なみ・へい)」には「横に並ぶ」「同じ位に並ぶ」という意味があり、「列(れつ)」には「並んだ列」の意味があります。
合わせて「複数のものが横に並んで列をなしている」という状態を表す言葉です。
英語では「parallel(パラレル)」に相当し、数学・物理・音楽など国際的に幅広く使われる概念です。
並列の一般的な意味
一般的な意味では、複数の要素が同じ立場・同じレベルで横並びに存在する状態を指します。
「二つの案を並列に検討する」「並列して作業を進める」のように、同時進行・同格という意味で日常語としても使われます。
「直列」が一本の流れで順番につながる状態なのに対し、「並列」は複数の流れが同時に存在する状態を指すと理解すると対比がわかりやすいでしょう。
分野別の使われ方の違い
| 分野 | 並列の意味 | 例 |
|---|---|---|
| 電気・電子 | 素子を横並びに接続する回路形式 | 並列回路・並列抵抗 |
| コンピューター | 複数の処理を同時に実行する方式 | 並列処理・並列プログラミング |
| 国語・文法 | 同じ構造の句・節・文を並べる表現 | 並列表現・並列構文 |
| 日常語 | 複数のことを同時進行する状態 | 並列して進める |
このように並列という概念は分野を超えて共通の「横並び・同時進行」というコアな意味を持っています。
電気における並列(並列回路・並列つなぎ)
続いては、電気分野における並列回路・並列つなぎの意味と特徴を確認していきます。
並列回路の基本
電気の並列回路とは、複数の素子(抵抗・コンデンサ・コイルなど)が同じ2点に接続され、電流が枝分かれして流れる回路のことです。
並列つなぎとも呼ばれ、中学理科の電気の単元で最初に学ぶ重要な回路形式です。
各素子に同じ電圧がかかり、電流は素子ごとに独立して流れるという特徴があります。
並列と直列の違い
並列回路と直列回路の最大の違いは電流の流れ方にあります。
直列では電流が一本道を流れるのに対し、並列では電流が分岐して複数のルートを同時に流れます。
家庭の電気配線は並列が基本であり、各電気機器が独立して電源に接続されているため、1つを消しても他のものには影響がありません。
直列では1か所が断線すると全体が止まってしまうという大きなデメリットがあります。
並列つなぎの身近な例
身近な並列つなぎの例としては、家庭のコンセント・クリスマスツリーのLEDライト(現代型)・電池の並列接続などが挙げられます。
コンセントはすべて並列接続されているため、テレビ・冷蔵庫・エアコンそれぞれが独立して100Vの電圧を受け取れます。
このような使い勝手の良さが、並列回路が生活に広く使われる理由です。
コンピューターにおける並列(並列処理)
続いては、コンピューターサイエンスにおける並列処理の意味と活用を確認していきます。
並列処理とは
コンピューターの並列処理とは、複数のプロセッサやコアが同時に複数のタスクを実行する処理方式のことです。
一つのCPUが順番に処理を行う「直列処理(シリアル処理)」に対し、複数のコアが分担して同時に処理することで全体の処理速度が向上します。
現代のCPUはほぼすべてマルチコアであり、並列処理が前提の設計になっています。
並列処理のメリットと課題
並列処理の主なメリットは処理速度の大幅な向上であり、AIの学習・動画レンダリング・気象シミュレーションなど大規模な計算に欠かせない技術です。
一方で、並列化できない処理(前の結果に依存する逐次処理)が残る「アムダールの法則」の壁や、並列化にともなうプログラミングの複雑さという課題もあります。
PythonのmultiprocessingモジュールやCのOpenMPなど、並列プログラミングを支援するツールが多数用意されています。
日常での並列の活用(マルチタスク)
スマートフォンやPCで音楽を聴きながらウェブ閲覧をするのも、OSが並列処理でそれぞれのアプリを同時に動作させているためです。
現代のOSは時分割処理や真の並列処理を組み合わせることで、ユーザーには「同時に動いている」ように見せています。
並列という概念がなければ、現代のコンピューター利用スタイルは根本的に変わっていたでしょう。
まとめ
並列(へいれつ)とは、複数の要素が横並びに同時に機能する状態を指す概念です。
電気では並列回路・並列つなぎとして各素子が独立して電源に接続される形式を指し、コンピューターでは複数の処理を同時に実行する並列処理として活用されます。
直列との対比で理解することで、並列という概念がより鮮明になるでしょう。
日常・電気・コンピューター・国語と幅広い分野で登場する重要なキーワードですので、しっかり定着させておいてください。