電子工作や回路図の勉強を始めると、必ずと言っていいほど登場するのが抵抗の記号です。
四角い箱のようなマークやギザギザした線を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこの抵抗の記号には種類があり、時代や規格によって表記が異なります。
この記事では、抵抗の記号は?回路図の表記も解説!というテーマで、図記号の種類やR・マークの意味、回路記号の読み方まで詳しくご紹介していきます。
これから電子回路の設計や電子工作、資格試験の勉強を始める方にとって、抵抗記号の基礎知識は避けて通れないポイントです。
ぜひ最後まで読んで、回路図をスラスラ読めるようになりましょう。
結論、抵抗の記号は四角形とジグザグ線の2種類が存在する
それではまず、抵抗の記号の結論部分について解説していきます。
結論から言うと、抵抗の記号には大きく分けて新JIS規格の四角形タイプと旧JIS規格のジグザグ線タイプの2種類が存在します。
現在の日本の教科書や参考書、そして多くの回路図エディタでは、国際規格であるIEC規格に準拠した四角形の記号が主流になっています。
一方で、古い書籍や一部の現場では今でもギザギザとした波型の記号が使われることも珍しくありません。
どちらも同じ抵抗器を表していますので、混乱しないように両方の見た目を覚えておくことが大切でしょう。
抵抗記号の結論をまとめると次の通りです。
新JIS(IEC規格)は長方形の箱型で、現在の主流はこちらです。
旧JIS規格はジグザグの波型で、古い資料や年配のエンジニアの間で今も使われています。
どちらの記号を見ても抵抗器だと判断できるようにしておきましょう。
新JIS(IEC)の四角形記号
新JISの抵抗記号は、細長い長方形のシンプルな形をしています。
国際電気標準会議、いわゆるIECが定めた規格に準拠しており、世界共通で通用しやすい表記です。
四角形の両端から線が伸びており、その線が回路の配線と接続される仕組みになっています。
現在販売されている多くの参考書や、後述する回路図作成ソフトのデフォルト設定でもこの四角形記号が採用されています。
これから新しく回路図を学ぶ方は、まずこの四角形の形を覚えておくと安心でしょう。
旧JIS記号のジグザグ線
続いては旧JIS記号のジグザグ線について確認していきます。
旧JIS規格の抵抗記号は、山と谷を繰り返すギザギザした波型の線で表現されます。
アメリカの規格であるANSI規格の影響を受けた表記とも言われており、海外の古い資料でも見かけることがあります。
山の数は一般的に3つから4つ程度で描かれることが多く、パッと見て抵抗だと判断しやすい特徴的な形状です。
年配のエンジニアが手書きで回路図を描く際には、今でもこのジグザグ記号を使うケースが見られます。
記号の使い分けと現在の主流
それでは、実際にどちらの記号を使えば良いのでしょうか。
結論としては、これから新しく回路図を作成するなら新JISの四角形記号を選ぶのが無難です。
学校教育やJIS規格に準拠した資料は、すでに四角形表記へ統一が進んでいます。
ただし、既存の回路図や海外製の古いマニュアルではジグザグ表記が使われていることもあるため、両方読み取れる知識は必須と言えるでしょう。
混在した資料を扱う可能性がある方は、記号の対応表を手元に置いておくと安心です。
抵抗器の基本と回路図での役割
続いては、抵抗器そのものの基本と回路図における役割を確認していきます。
抵抗の記号を理解するためには、そもそも抵抗器がどんな部品なのかを知っておく必要があります。
抵抗器は電流の流れをコントロールする、電子回路の中でも最も基本的な部品のひとつです。
抵抗器とは何か
抵抗器とは、電流の流れにくさ、つまり電気抵抗を持たせるために作られた部品です。
電流を適切な大きさに制限したり、電圧を分圧したりする目的で使用されます。
炭素皮膜抵抗や金属皮膜抵抗、酸化金属皮膜抵抗など、材質によって種類が分かれているのも特徴です。
用途や求められる精度に応じて、これらの種類を使い分けることになります。
小さな部品ですが、電子回路にとって欠かせない存在と言えるでしょう。
オームの法則との関係
抵抗器の働きを理解するうえで欠かせないのが、オームの法則です。
オームの法則は、電圧、電流、抵抗の3つの関係を表す基本法則になります。
オームの法則の公式は次の通りです。
電圧(V)は電流(I)と抵抗(R)の積で表されます。
式にすると、V=I×Rとなります。
例えば、抵抗が10Ω、電流が2Aの場合、電圧は20Vと計算できます。
この法則があるからこそ、回路図に記された抵抗値をもとに電流や電圧を計算できます。
抵抗記号の近くに書かれた数値は、単なる飾りではなく設計上とても重要な情報なのです。
回路図で抵抗が果たす役割
回路図の中で抵抗は、電流量の調整や電圧降下、ノイズ対策など多様な役割を担っています。
LEDに流れる電流を制限する保護抵抗として使われることもあれば、信号の分圧に使われることもあります。
抵抗が入っていない回路は、部品が過大な電流で壊れてしまう危険性があるため注意が必要です。
そのため、回路図を読むときは抵抗記号がどこに配置されているかを確認するだけでも、その回路の目的がある程度見えてくるでしょう。
まさに縁の下の力持ちと言える部品です。
抵抗記号の書き方・表記ルール
続いては、抵抗記号に添えられる数値やマークの表記ルールを確認していきます。
抵抗記号そのものだけでなく、その周りに書かれている情報を読み取れるようになると、回路図の理解度が一段と深まります。
抵抗値の単位表記(Ω・kΩ・MΩ)
抵抗値の単位はオーム、記号ではΩで表されます。
数値が大きくなる場合は、キロオーム(kΩ)やメガオーム(MΩ)といった単位に変換して表記されるのが一般的です。
| 単位 | 読み方 | 換算 |
|---|---|---|
| Ω | オーム | 基本単位 |
| kΩ | キロオーム | 1kΩ=1000Ω |
| MΩ | メガオーム | 1MΩ=1000000Ω |
回路図では、抵抗記号のすぐそばに「10k」や「4.7k」のように単位を省略して数値だけ書かれるケースもあります。
この場合、kやMなどのアルファベットが単位を示していると覚えておけば迷わずに済むでしょう。
数値の後ろに何も付いていなければ、それはΩ単位だと判断して問題ありません。
定格電力(ワット数)の表記
抵抗器にはもうひとつ重要な情報があります、それが定格電力です。
定格電力とは、その抵抗が安全に扱える電力の上限を示す数値で、単位にはワット(W)が使われます。
回路図上では、記号の線の太さや、記号に添えられた数字とWの表記で示されることが多いです。
0.25W、0.5W、1Wなど、抵抗器のサイズによって扱える電力は変わってきます。
定格電力を超えた使い方をすると発熱や焼損の原因になるため、設計段階でしっかり確認しておく必要があるでしょう。
許容差(誤差)のカラーコード
抵抗器の実物には、カラーコードと呼ばれる色帯が印刷されていることをご存じでしょうか。
この色帯は抵抗値と許容差、つまり誤差の範囲を表しています。
代表的なカラーコードの例です。
金色の帯は許容差プラスマイナス5パーセントを意味します。
銀色の帯は許容差プラスマイナス10パーセントを意味します。
茶色の帯は許容差プラスマイナス1パーセントを意味します。
回路図の記号自体にカラーコードが描かれることは少ないものの、実際の部品選定では欠かせない知識です。
記号と実物をセットで理解しておくと、部品を扱う際の理解がぐっと深まるでしょう。
可変抵抗器・半固定抵抗の記号
続いては、値を変えられるタイプの抵抗記号について確認していきます。
抵抗器には固定抵抗だけでなく、値を調整できるタイプも存在します。
可変抵抗器(ボリューム)の記号
可変抵抗器は、音量調整のボリュームなどでおなじみの部品です。
記号としては、固定抵抗の四角形やジグザグ線に対して、斜めに矢印が重ねて描かれるのが特徴になります。
この矢印は「値を自由に変えられる」ことを表現しており、直感的にもわかりやすい表記と言えるでしょう。
3本の端子を持つタイプが多く、両端で抵抗全体の値、中央の端子で可変した値を取り出す構造です。
ポテンショメーターと呼ばれることもあり、名称にも慣れておくと資料を読むときに役立ちます。
半固定抵抗器の記号
半固定抵抗器は、可変抵抗器と似ていますが、頻繁に動かすことを想定していない部品です。
記号は可変抵抗器とほぼ同じで、矢印が斜めに重ねられた形で表現されます。
ただし、矢印の先端がドライバーで回すような形状で描かれることもあり、細部で見分けが付く場合があります。
回路の初期調整やキャリブレーションなど、一度設定したらあまり触らない用途に使われることが多いです。
トリマー抵抗と呼ばれることもありますので、あわせて覚えておきましょう。
サーミスタ・CDSなど特殊抵抗の記号
抵抗の仲間には、温度や光によって値が変化する特殊な部品も存在します。
サーミスタは温度変化に応じて抵抗値が変わる部品で、記号には四角形やジグザグ線に加えて、温度を示す記号が添えられることがあります。
CDS(硫化カドミウムセル)は光の強さによって抵抗値が変化する部品で、記号には矢印とともに光を表す表記が使われるのが一般的です。
これらは通常の固定抵抗とは異なる働きをするため、記号の違いに注意しておく必要があるでしょう。
回路図の中でこうした記号を見つけたら、単純な電流制限用の抵抗ではないと判断できます。
回路図でよく使われる文字記号・番号
続いては、抵抗記号と一緒に書かれる文字や番号のルールを確認していきます。
図記号だけでなく、それに添えられる文字情報を読み解くことも回路図理解には欠かせません。
Rの意味と番号の付け方(R1・R2)
回路図の抵抗記号には、必ずと言っていいほどアルファベットのRが添えられています。
このRはResistor(抵抗器)の頭文字からきており、部品の種類を示す記号として使われているのです。
ひとつの回路に複数の抵抗が使われる場合は、R1、R2、R3のように番号を振って区別するのが一般的な方法です。
番号は基本的に回路図の左上から右下に向かって、あるいは信号の流れに沿って割り振られることが多いでしょう。
部品リストと照らし合わせるときにも、この番号がそのまま手がかりになります。
直列・並列接続時の表記
複数の抵抗を組み合わせる際には、直列接続と並列接続という2つの方法があります。
直列接続と並列接続の合成抵抗の求め方です。
直列接続の場合、合成抵抗はそれぞれの抵抗値を単純に足し合わせます。
例えば10Ωと20Ωを直列にすると、合成抵抗は30Ωです。
並列接続の場合、合成抵抗の逆数はそれぞれの抵抗値の逆数の和になります。
例えば同じ10Ωを2つ並列にすると、合成抵抗は5Ωになります。
回路図では、直列の場合は抵抗記号が一本の線上に並んで描かれます。
並列の場合は、抵抗記号が枝分かれした配線上にそれぞれ配置される形で表現されるのが特徴でしょう。
この違いを図から読み取れるようになると、合成抵抗の計算もスムーズに行えます。
プルアップ・プルダウン抵抗の表記
デジタル回路の図面では、プルアップ抵抗やプルダウン抵抗という言葉がよく登場します。
プルアップ抵抗は、電源電圧側に接続して信号の電位を安定させるために使われる抵抗です。
プルダウン抵抗は逆に、グラウンド側に接続して電位を安定させる役割を持っています。
記号自体は通常の固定抵抗と同じ四角形やジグザグ線ですが、配線の接続先を見ることでプルアップかプルダウンかを判断できるようになります。
マイコンを扱う回路図には頻繁に登場する表記ですので、覚えておくと理解が早まるでしょう。
実際に回路図を読むときのポイント
続いては、実際に回路図を読み解くときの実践的なポイントを確認していきます。
記号の意味を知っているだけでなく、実際の図面でどう活用するかも大切な視点です。
抵抗記号を見分けるコツ
抵抗記号を見分ける一番のコツは、シンプルな線と四角形、あるいはジグザグ線の組み合わせに注目することです。
コンデンサやコイルなど、他の受動部品と混同してしまう初心者の方も少なくありません。
コンデンサは平行な2本の線、コイルは巻き線のような螺旋状の形で描かれるため、抵抗記号とは形が明確に異なります。
迷ったときは、記号の近くに書かれているアルファベットを確認する方法も有効でしょう。
Rなら抵抗、Cならコンデンサ、Lならコイルというように、文字を手がかりにすれば判別は格段に楽になります。
他の部品記号との違い
抵抗記号以外にも、回路図には多くの部品記号が登場します。
| 部品 | 記号の特徴 | 頭文字 |
|---|---|---|
| 抵抗器 | 長方形またはジグザグ線 | R |
| コンデンサ | 平行な2本の線 | C |
| コイル | 螺旋状の巻き線 | L |
| ダイオード | 三角形と線 | D |
こうして一覧で比べてみると、それぞれの記号の形にはっきりとした違いがあることがわかるでしょう。
この違いを一度覚えてしまえば、複雑に見える回路図でも部品ごとの役割が見えてきます。
初めて回路図を読む方こそ、まずはこの一覧を手元に置いて照らし合わせながら読み進めるのがおすすめです。
フリーソフト・CADでの記号設定
近年では、無料の回路図作成ソフトを使って回路図を描く方も増えています。
代表的なソフトには、KiCadやEAGLE、Fritzingなどが挙げられるでしょう。
多くのソフトはデフォルトで新JIS(IEC規格)の四角形記号が採用されていますが、設定を変更することで旧JISのジグザグ記号に切り替えられるものもあります。
会社や学校で使う規格に合わせて記号の設定を確認しておくと、後からの修正が減らせて安心です。
ソフトによって呼び方や設定項目の場所は異なりますので、初めて使うときはヘルプやマニュアルを確認しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、抵抗の記号は?回路図の表記も解説!というテーマで詳しくご紹介してきました。
抵抗の記号には新JIS(IEC規格)の四角形タイプと、旧JIS規格のジグザグ線タイプの2種類があります。
現在は四角形の記号が主流ですが、古い資料ではジグザグ線もまだまだ使われているのが実情です。
抵抗記号にはR(レジスタ)の文字と番号が添えられ、抵抗値や定格電力といった重要な情報も一緒に表記されます。
可変抵抗器やサーミスタなど、特殊な抵抗にはそれぞれ専用の記号が用意されていることもわかりました。
回路図を読み解く力は、記号の形と文字表記をセットで覚えることで一気に伸びていきます。
ぜひ今回の内容を参考に、回路図を見る際は抵抗記号にも注目してみてください。