科学的な解析を行うには、各物質の化学式・組成式・式量などを理解しておいた方がいいです。
ここでは、上記硝酸銅の化学的特性について詳しく解説しますので、参考にしてみてください!
硝酸銅の化学式(組成式)は?
硝酸銅の化学式(組成式)は以下の通りです。
硝酸銅は銅(Cu)が1個、窒素(N)が2個、酸素(O)が6個から構成される無機化合物です。
イオン性化合物で、銅イオン(Cu²⁺)と2つの硝酸イオン(NO₃⁻)から構成されています。
常温・常圧では青色の結晶で、水によく溶け、水溶液は鮮やかな青色を示します。吸湿性があり、通常は水和物(Cu(NO₃)₂・nH₂O)として存在します。
この組成式からわかるように、硝酸銅は1個の銅カチオン(Cu²⁺)と2個の硝酸アニオン(NO₃⁻)から構成されています。
硝酸銅はイオン結合によって結びついた化合物です。銅イオン(Cu²⁺)は+2の電荷を持ち、硝酸イオン(NO₃⁻)は-1の電荷を持っています。電荷のバランスを取るため、Cu²⁺イオン1個につき、NO₃⁻イオンが2個結合しています。
銅イオンは青色を呈し、配位結合によって水分子と結合して水和物を形成します。最も一般的な形態は三水和物(Cu(NO₃)₂・3H₂O)と六水和物(Cu(NO₃)₂・6H₂O)です。
硝酸銅の性質として、強い酸化力と銅イオンの触媒作用が挙げられます。
また、加熱すると分解して酸化銅、二酸化窒素、酸素を生成する性質があります。
硝酸銅の式量(分子量)は?計算過程も解説
硝酸銅の質量を計算していきましょう。
イオン性化合物である硝酸銅の場合、「分子量」ではなく「式量」という用語を使用します。これは、分子として存在するわけではなく、イオンの集合体として存在するためです。
無水硝酸銅(Cu(NO₃)₂)の式量を計算します。
計算過程は以下の通りです。
1. 銅(Cu)の原子量:63.55 g/mol × 1個 = 63.55 g/mol
2. 窒素(N)の原子量:14.01 g/mol × 2個 = 28.02 g/mol
3. 酸素(O)の原子量:16.00 g/mol × 6個 = 96.00 g/mol
これらを合計すると:
63.55 + 28.02 + 96.00 = 187.57 g/mol
通常は小数点以下2桁までの精度で表現されることが多いため、無水硝酸銅の式量は約187.56 g/molとなります。
なお、実際によく使われる三水和物(Cu(NO₃)₂・3H₂O)の式量は、さらに水分子3個分(3 × 18.02 = 54.06 g/mol)を加えて241.62 g/molとなります。
この式量の値は、硝酸銅の物理的・化学的性質を理解する上で重要な基本情報であり、化学反応の計算や溶液の調製などにおいて活用されます。
まとめ 硝酸銅の組成式・式量は?
ここでは、硝酸銅の基本的な化学特性について確認しました。
・組成式:Cu(NO₃)₂
・式量:187.56 g/mol(無水物)
241.62 g/mol(三水和物 Cu(NO₃)₂・3H₂O)
これらの情報は、硝酸銅を扱う様々な場面で重要となります。
触媒、酸化剤、青色顔料の製造、電気めっき、陶磁器の着色料、木材防腐剤、また化学の学習においても基本的な知識として役立つでしょう。
硝酸銅は銅を硝酸に溶解させることで製造され、その青色の水溶液は銅イオンの存在を示す特徴的な色として、化学実験でもよく活用されています。