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黄銅(真鍮)のヤング率や単位(縦弾性係数:MPaやGPaやn/m2やn/mm2など)は?温度依存性や計算方法の例を解説

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ご存知のように黄銅(真鍮)は日常生活から工業まで幅広く使用されている銅合金材料です。

その機械的特性を理解することは、様々な応用分野で重要となります。

このような背景もあり、本記事では黄銅(真鍮)のヤング率や単位(MPaやGPaやN/mm2など)は?温度依存性や計算方法の例について詳しく解説していきます。

黄銅(真鍮)のヤング率と単位【MPa、GPa、N/mm2など】

まずは黄銅(真鍮)のヤング率(縦弾性係数)の数値やその単位をチェックしていきます。

ヤング率とは、材料の剛性(変形しにくさ)を表す物性値です。値が大きいほど変形しにくい(剛性が高い)ことを意味します。

一般的な黄銅(真鍮)のヤング率(常温常圧付近)は以下の通りです(ただし、合金の組成によってある程度変わりますが、おおよその目安は以下のようでOKです)。

黄銅(真鍮)のヤング率の値 単位
100 ~ 125 GPa
100,000 ~ 125,000 MPa
100,000 ~ 125,000 N/mm2

ここで、1 GPa = 1,000 MPa = 1,000 N/mm2 の関係があります。状況に応じて適切な単位を選択して使用しましょう。

 

黄銅(真鍮)のヤング率の温度依存性

なお黄銅(真鍮)のヤング率は温度によって変化します。以下の表は、様々な温度での黄銅(真鍮)のヤング率の値を示しています。

温度 (K) 温度 (℃) ヤング率 (GPa)
100 -173 135 ~ 145
200 -73 125 ~ 135
300 27 100 ~ 125
400 127 90 ~ 115
500 227 80 ~ 105

この表から、以下のことがわかります。

1. 低温では、ヤング率は高い値を示します。
2. 温度の上昇とともに、ヤング率は低下します。
3. 常温付近(300 K)では、ヤング率は約100 ~ 125 GPaです。

黄銅(真鍮)のヤング率の温度依存性は、格子振動の非調和性に起因しています。

温度上昇に伴い格子間の平均距離が増加し、原子間力が弱くなることでヤング率が低下するのです。

 

黄銅(真鍮)のヤング率の計算方法

ヤング率は、応力-歪み曲線の線形部分の傾きから求められます。以下は、黄銅(真鍮)のヤング率を計算する例です。

1. 黄銅(真鍮)の試験片に一定の応力(σ)を加え、歪み(ε)を測定する。
2. 応力と歪みの関係をグラフにプロットする。
3. グラフの線形部分(フックの法則が成り立つ範囲)の傾きを求める。

この傾きがヤング率(E)となります。数式で表すと、E = σ / ε となります。

 

まとめ 黄銅(真鍮)のヤング率の求め方や温度一覧表は?単位(MPa、GPaなど)は?

ここでは、黄銅(真鍮)のヤング率や単位(MPa、GPaなど)は?計算方法の例や温度依存性を解説!について確認しました。

黄銅(真鍮)のヤング率を理解し、材料選択や設計に役立てていきましょう!