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図面のchとは?中心線のルールは?直角度・注記との関係【建築図面など】

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建築図面や機械図面を正確に読み取るためには、ch(中心線)の理解が不可欠です。中心線は図面上で対称性や基準位置を示す重要な要素であり、設計意図を正確に伝える役割を果たしています。

しかし、中心線の描き方や表記方法には明確なルールが存在し、これを理解していないと図面の読み間違いや施工ミスにつながる可能性があります。また、直角度や幾何公差との関係、注記での説明方法についても、正確な知識が求められます。

本記事では、chの基本的な意味から、図面での正しい描き方、直角度や注記との関係性まで、実務で役立つ知識を体系的に解説していきます。

ch(中心線)の基礎知識

chの意味と定義

それではまず、chの基本的な意味について解説していきます。

ch(center line)とは、図形の中心を示す基準線のことで、対称軸や回転軸、基準位置を表現するために使用される補助線です。

chは英語の「center line」の略称で、日本語では「中心線」と呼ばれます。図面上では一点鎖線で描かれるのが一般的で、実際には存在しない仮想的な線として扱われます。

中心線は以下のような場面で使用されます

・円や円弧の中心を示す場合
・対称な図形の対称軸を示す場合
・回転体の回転軸を示す場合
・基準となる位置や方向を示す場合

建築図面では、柱の中心線や通り芯、開口部の中心位置などを表現する際に頻繁に使用されます。

建築図面での中心線の重要性

続いては、建築図面における中心線の重要性を確認していきます。

建築設計において、中心線は構造体や設備の配置基準として機能します。特に鉄筋コンクリート造の建物では、柱や梁の中心線が構造計算の基準となり、施工時の墨出し作業でも重要な役割を果たします。

平面図では、通り芯(グリッドライン)として表現される中心線が、各階の柱位置を統一し、構造の整合性を保つために不可欠です。

また、設備設計においても、配管やダクトの中心線が設備の配置計画や施工精度の管理に重要な意味を持ちます。

建築図面での中心線の役割:構造の基準、施工の基準、設計の統一性確保

断面図や立面図においても、中心線は建物の対称性や各部材の位置関係を明確に示すために活用されています。

chの表記方法と記号の使い方

続いては、chの具体的な表記方法と記号の使い方を確認していきます。

中心線の基本的な表記は一点鎖線です。長い線分と短い線分を交互に配置し、線の太さは細線(0.25mm程度)を使用するのが標準的です。

図面上での中心線表記には以下のパターンがあります。

・「CL」または「ch」の文字記号
・一点鎖線による直接表現
・「○CL」のような円内文字記号

建築図面では、通り芯に「A」「B」「1」「2」といった記号を併用することも多く、これにより各中心線を明確に識別できます。

寸法記入の際は、中心線を基準とした寸法表記が行われ、「○○○CL」という形で中心からの距離を示すこともあります。

中心線のルールと図面での描き方

線種と線の太さの基本ルール

それではまず、中心線の線種と太さの基本ルールについて解説していきます。

JIS Z 8316(製図-線の種類と用法)では、中心線は一点鎖線で表現することが規定されています。線の構成は、長い線分(約20mm)と短い線分(約2mm)を交互に配置し、線間の空白は約2mmとします。

線の太さについては、以下のルールが適用されます:

・通常の中心線:細線(0.25mm)
・重要な中心線:中太線(0.5mm)
・特に重要な基準線:太線(0.7mm)

建築図面では、構造の主要な通り芯は太めの線で、設備の中心線は細線で描き分けることが一般的です。

線種選択のポイント:図面の縮尺と重要度に応じて適切な線の太さを選択する

中心線の延長と端部処理

続いては、中心線の延長と端部処理の方法を確認していきます。

中心線は原則として、図形の輪郭線を僅かに越えて延長して描きます。この延長距離は図形のサイズにもよりますが、通常2~5mm程度とします。

円の中心線の場合、直交する2本の中心線を描き、円周を越えて延長します。ただし、図面が複雑になる場合は、円の内部のみに中心線を描くことも許容されます。

端部の処理については以下のルールがあります

・中心線同士の交点では、短い線分部分で交わるよう調整
・寸法線との交点では、寸法線を優先
・他の補助線との重複は避ける

長い中心線の場合、途中で省略記号(波線)を使用して短縮表現することも可能です。

 

寸法線との関係と配置方法

続いては、寸法線との関係と適切な配置方法を確認していきます。

中心線は寸法記入の基準として重要な役割を果たします。中心線を基準とした寸法記入により、対称な図形の寸法管理が効率的に行えます。

寸法線の配置ルール

・中心線から各部の寸法を記入
・中心線上には寸法数値を記載しない
・中心線と寸法線の交点は明確に表現

建築図面では、柱の中心線から壁面までの距離、開口部の中心線から建具までの距離など、中心線を基準とした寸法記入が頻繁に行われます。

また、累進寸法や並列寸法の記入においても、中心線が重要な基準点として活用されます。

 

直角度・注記との関係性

直角度記号と中心線の関係

それではまず、直角度記号と中心線の関係について解説していきます。

直角度記号(⊥)は、2つの要素が90度の角度を保つことを示す幾何公差記号です。中心線は、この直角度を定義する際の基準として使用されます。

例えば、柱の中心線と梁の中心線が直角に交わることを示す場合、「CL⊥CL」のような表記が使用されます。

機械図面では、回転軸の中心線に対して加工面が直角であることを「⊥CL」で表現します。これにより、加工精度や組立精度の要求を明確に示すことができます。

直角度と中心線:幾何学的な基準を明確にし、施工・加工の精度管理に重要な役割を果たす

建築図面においても、構造体の直角度管理において中心線は重要な基準となります。

注記での中心線の説明方法

続いては、注記での中心線の説明方法を確認していきます。

図面の注記欄では、中心線に関する以下の情報を明記することが重要です:

・中心線の種類と意味
・基準となる中心線の指定
・許容誤差や施工精度
・関連する他の図面との整合性

建築図面では「構造体中心線は構造図に準拠」「設備中心線は設備図参照」といった注記により、図面間の整合性を確保します。

機械図面では「加工基準はCLとする」「組立時はCL合わせ」といった具体的な作業指示を注記として記載することが多いです。

注記の記載例:
・「CL寸法は中心間距離を示す」
・「±○mm以内でCL合わせ」
・「CL記号のない寸法は面間距離」

幾何公差表記における中心線の役割

続いては、幾何公差表記における中心線の役割を確認していきます。

幾何公差は、形状や位置の許容範囲を厳密に規定する表記方法で、中心線はその基準として重要な役割を果たします。

主要な幾何公差記号と中心線の関係

・真直度(-):中心線の直線精度
・平行度(∥):複数の中心線の平行精度
・直角度(⊥):中心線間の直角精度
・位置度(○+):中心線の位置精度

これらの公差は、製品の機能や性能に直接影響するため、設計段階で適切に設定することが重要です。

建築分野でも、プレキャスト部材の製作や鉄骨工事において、幾何公差の概念を取り入れた精度管理が行われるようになっています。

まとめ 図面の中心線のルールは?直角度・注記との関係【建築図面など】

ch(中心線)は、図面において対称性や基準位置を示す重要な要素です。一点鎖線で表現され、構造設計から設備配置まで幅広い用途で活用されています。

中心線の描き方には明確なルールがあり、線種は一点鎖線、線の太さは重要度に応じて細線から太線まで使い分けます。図形の輪郭を僅かに越えて延長し、端部処理も適切に行う必要があります。

寸法記入においては、中心線が重要な基準となり、対称な図形の効率的な寸法管理を可能にします。直角度記号や幾何公差表記においても、中心線は精度管理の基準として機能します。

注記での説明により、中心線の意味や施工上の注意点を明確に伝えることができます。図面作成時には、これらのルールを正しく理解し、設計意図を正確に表現できる中心線の活用を心がけましょう。