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シリコーンの熱伝導率や単位(W/mKやkcal/mh℃使用など)は?温度依存性や銅等他の物質との比較を解説

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シリコーンは、優れた耐熱性、耐候性、電気絶縁性を持つ有機ケイ素ポリマー材料です。

これらの特性から、電子機器、建築、医療機器、家庭用品など様々な分野で使用されています。

しかし、熱伝導性については銅や他の物質とどのような違いがあるのでしょうか。

このような背景もあり、この記事では、シリコーンの熱伝導率とその単位、温度依存性、銅や他の材料との比較について詳しく解説します。

シリコーンの熱伝導特性を理解し、適材適所で活用していきましょう!

シリコーンの熱伝導率と単位【W/(m·K)やkcal/(m·h·℃)など】

まずは、シリコーンの熱伝導率の値と一般的な単位を確認しましょう。

熱伝導率とは、物質の熱伝導性能を表す物性値で、単位面積あたり、単位時間あたり、温度勾配1 K/mで伝わる熱量を表します。

熱伝導率が高いほど、熱を速く伝えることができます(^^)/

シリコーンの熱伝導率(常温常圧付近)は以下の通りです。

シリコーンの種類 熱伝導率 (W/(m·K)) 熱伝導率 (kcal/(m·h·℃))
一般的なシリコーンゴム 0.15〜0.3 0.13〜0.26
熱伝導性シリコーンゴム 0.5〜3.0 0.43〜2.58
熱伝導性シリコーン接着剤 0.7〜4.0 0.60〜3.44
熱伝導シリコーンパッド 1.0〜6.0 0.86〜5.16
金属酸化物充填シリコーン 3.0〜8.0 2.58〜6.88

ここで、1 W = 0.86 kcal/hであることを利用して、各単位の値を相互に変換できます。

シリコーンの熱伝導率は、その配合や充填材によって大きく異なり、一般的なシリコーンゴムから高性能な熱伝導シリコーンまで幅広い値を示します。

シリコーンの熱伝導率の温度依存性

シリコーンの熱伝導率は温度によって変化します。

以下は、様々な温度でのシリコーンの熱伝導率を示した表です。

シリコーンの種類 温度 (K) 温度 (℃) 熱伝導率 (W/(m·K))
一般的なシリコーンゴム 223 -50 0.12
298 25 0.2
373 100 0.22
473 200 0.24
金属酸化物充填シリコーン 223 -50 2.5
298 25 4.0
373 100 3.8
473 200 3.5

簡単に整理しますと、一般的なシリコーンゴムの場合、温度上昇とともに熱伝導率がわずかに増加する傾向があります。

また、充填材入りの熱伝導性シリコーンは、通常室温付近で最も高い熱伝導率を示し、高温になると若干低下する傾向があります。シリコーンは-50℃〜200℃の広い温度範囲で比較的安定した熱伝導特性を維持できる特徴があります。

シリコーンの熱伝導特性は、温度によって変化するものの、他の多くの材料と比較して温度変化に対する安定性が高いことがわかります!

銅や他の熱伝導材料との比較

シリコーンの熱伝導率を銅や他の代表的な熱伝導材料と比較してみましょう:

材料 熱伝導率 (W/(m·K))
398
アルミニウム 237
ステンレス鋼 14〜16
アルミナセラミックス 20〜30
窒化アルミニウム 140〜200
熱伝導性エポキシ樹脂 1.0〜7.0
金属酸化物充填シリコーン 3.0〜8.0
熱伝導シリコーンパッド 1.0〜6.0
一般的なシリコーンゴム 0.15〜0.3
ポリウレタンフォーム 0.02〜0.04
空気 0.026

整理しますと以下の通りです!

・最も高性能な熱伝導シリコーンでも、銅やアルミニウムなどの金属の熱伝導率には遠く及びません。また、シリコーンの種類により、熱伝導率は大きく異なります。

・金属酸化物を充填した高性能熱伝導シリコーンは、一般的なシリコーンゴムの約20〜50倍の熱伝導率を示します。しかし、それでも銅の熱伝導率の約1/50〜1/130程度にとどまります。

・他のポリマー材料と比較すると、熱伝導性シリコーンは、一般的なプラスチックや樹脂(0.1〜0.5 W/(m·K))よりも優れた熱伝導性を示します。また、熱伝導性エポキシ樹脂と同等の熱伝導率を持つシリコーン製品もあります。

・シリコーンの優位性として、優れた柔軟性と弾力性を持ちながら熱伝導性を実現できること、広い温度範囲(-50℃〜200℃以上)で安定した特性を維持すること、電気絶縁性に優れているため電子機器での使用に適していることが挙げられますね

実際の用途では、熱伝導性と他の特性(弾力性、耐久性、電気絶縁性など)のバランスを考慮して、適切な材料を選択する必要があります。

まとめ シリコーンの熱伝導率の温度依存性は?銅や他の熱伝導材料との比較も!

本記事では、シリコーンの熱伝導率とその単位、温度依存性、そして銅や他の熱伝導材料との比較について詳しく解説しました。

シリコーンは金属などの固体材料と比較すると熱伝導率が低いものの、その柔軟性、耐熱性、電気絶縁性といった特性と組み合わせることで、熱管理が必要な様々な用途に幅広く使用されています。

特に電子機器の放熱対策や熱インターフェース材料として、熱伝導性シリコーンは重要な役割を果たしていることがわかりましたね(^^)/