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科学的な解析を行うには、各物質の化学式・組成式・式量などを理解しておいた方がいいです。
ここでは、上記硝酸カルシウムの化学的特性について詳しく解説しますので、参考にしてみてください!
硝酸カルシウムの化学式(組成式)は?
硝酸カルシウムの化学式(組成式)は以下の通りです。
硝酸カルシウムはカルシウム(Ca)が1個、窒素(N)が2個、酸素(O)が6個から構成される無機化合物です。
イオン性化合物で、カルシウムイオン(Ca²⁺)と硝酸イオン(NO₃⁻)から構成されています。
常温・常圧では白色の結晶性固体で、強い吸湿性を持ち、水によく溶け、冷却効果があります。
この組成式からわかるように、硝酸カルシウムは1個のカルシウムカチオン(Ca²⁺)と2個の硝酸アニオン(NO₃⁻)から構成されています。
硝酸カルシウムはイオン結合によって結びついた化合物です。カルシウムイオン(Ca²⁺)は+2の電荷を持ち、硝酸イオン(NO₃⁻)は-1の電荷を持っています。電荷のバランスを保つため、Ca²⁺イオン1個につき、NO₃⁻イオンが2個結合しています。
硝酸カルシウムは吸湿性が強く、空気中から水分を吸収して水和物(Ca(NO₃)₂・nH₂O)を形成します。最も一般的な形態は四水和物(Ca(NO₃)₂・4H₂O)です。
また、硝酸カルシウムは酸化剤としての性質を持ち、加熱すると分解して酸素を放出します。
硝酸カルシウムの式量(分子量)は?計算過程も解説
硝酸カルシウムの質量を計算していきましょう。
イオン性化合物である硝酸カルシウムの場合、「分子量」ではなく「式量」という用語を使用します。これは、分子として存在するわけではなく、イオンの集合体として存在するためです。
無水硝酸カルシウム(Ca(NO₃)₂)の式量を計算します。
計算過程は以下の通りです。
1. カルシウム(Ca)の原子量:40.08 g/mol × 1個 = 40.08 g/mol
2. 窒素(N)の原子量:14.01 g/mol × 2個 = 28.02 g/mol
3. 酸素(O)の原子量:16.00 g/mol × 6個 = 96.00 g/mol
これらを合計すると:
40.08 + 28.02 + 96.00 = 164.10 g/mol
通常は小数点以下2桁までの精度で表現されることが多いため、無水硝酸カルシウムの式量は約164.09 g/molとなります。
なお、実際によく使われる四水和物(Ca(NO₃)₂・4H₂O)の式量は、さらに水分子4個分(4 × 18.02 = 72.08 g/mol)を加えて236.17 g/molとなります。
この式量の値は、硝酸カルシウムの物理的・化学的性質を理解する上で重要な基本情報であり、化学反応の計算や溶液の調製などにおいて活用されます。
まとめ 硝酸カルシウムの組成式・式量は?
ここでは、硝酸カルシウムの基本的な化学特性について確認しました。
・組成式:Ca(NO₃)₂
・式量:164.09 g/mol(無水物)
236.17 g/mol(四水和物 Ca(NO₃)₂・4H₂O)
これらの情報は、硝酸カルシウムを扱う様々な場面で重要となります。
肥料(カルシウムと窒素の供給源)、冷却材(吸熱反応を利用)、コンクリート硬化促進剤、花火の酸化剤、また化学の学習においても基本的な知識として役立つでしょう。
硝酸カルシウムはカルシウム化合物と硝酸から製造され、その水溶性の高さから特に農業用肥料として広く利用されています。水耕栽培におけるカルシウム補給源としても重要な役割を果たしています。