亜鉛は、その適度な密度と優れた耐食性で知られる金属元素です。
自然界では主に硫化物や炭酸塩の形で存在し、比較的容易に精製できる金属です。
その特性から、亜鉛めっき、電池、合金製造など多くの産業で重要な役割を果たしています。
では、亜鉛の密度や比重は実際にどれくらいなのでしょうか?また、金や鉛といった他の金属と比較するとどうなのでしょうか?
このような背景もあり、この記事では、亜鉛の比重と密度、その単位、そして鉛や金、鉄などの他の金属材料との比較について詳しく解説します。
亜鉛の物性を理解し、適材適所で活用していきましょう!
亜鉛の密度と比重【g/cm3やkg/m3など】
まずは、亜鉛の密度の値と一般的な単位を確認しましょう。
密度とは、物質の単位体積あたりの質量を表す物性値です。比重は、物質の密度を水の密度(通常は4℃の水)で割った無次元の値です。
亜鉛の密度は室温で約7.14グラム/立方センチメートル(g/cm³)です。これは中程度の密度を持つ金属元素です。
亜鉛の密度と比重を様々な単位で表すと以下のようになります:
単位 | 亜鉛の密度・比重 |
---|---|
g/cm³(グラム/立方センチメートル) | 7.14 |
kg/m³(キログラム/立方メートル) | 7,140 |
lb/in³(ポンド/立方インチ) | 0.258 |
比重(無次元) | 7.14 |
亜鉛は周期表では記号「Zn」で表され、原子番号は30です。その密度は7.14 g/cm³で、鉄とほぼ同等ですが、鉛や金などの高密度金属と比べるとかなり低い値です。
この密度は、亜鉛原子の原子量(65.38原子質量単位)と、その結晶構造に起因しています。
亜鉛と他の金属材料との密度・比重の比較
亜鉛の密度を鉛、金、鉄など他の代表的な金属材料と比較してみましょう。
材料 | 密度 (g/cm³) | 比重(無次元) |
---|---|---|
オスミウム | 22.59 | 22.59 |
イリジウム | 22.56 | 22.56 |
白金 | 21.45 | 21.45 |
金 | 19.32 | 19.32 |
鉛 | 11.35 | 11.35 |
銀 | 10.49 | 10.49 |
鉄 | 7.87 | 7.87 |
亜鉛 | 7.14 | 7.14 |
アルミニウム | 2.70 | 2.70 |
整理しますと以下の通りです!
亜鉛と鉄は密度が比較的近く、亜鉛の密度は約7.14 g/cm³、鉄の密度は約7.87 g/cm³です。密度の差は約0.73 g/cm³です。
亜鉛はアルミニウム(2.70 g/cm³)よりも密度が高く、約2.6倍の値を示します。
亜鉛は中程度の密度を持つ金属であり、その密度と比較的安価な価格から、様々な用途に使用されています。特にめっきや合金の形で広く活用されています。
まとめ 亜鉛の密度や比重は?鉛や金や鉄との比較も!
本記事では、亜鉛の比重と密度、そしてそれらを鉛や金、鉄などの他の金属材料と比較して詳しく解説しました。
亜鉛は7.14 g/cm³という中程度の密度を持ち、鉄(7.87 g/cm³)にやや近い値です。これは鉛(11.35 g/cm³)の約0.63倍、金(19.32 g/cm³)の約0.37倍の密度になります。
この適度な密度に加え、優れた耐食性や電気化学的特性を持つ亜鉛は、亜鉛めっき(鉄鋼の防食)、亜鉛-炭素電池、真鍮(銅と亜鉛の合金)など、多岐にわたる産業分野で重要な役割を果たしています。
また、亜鉛は人体に必須のミネラルでもあり、サプリメントや医薬品としても利用されています。
亜鉛の特性を理解し、適切に活用することで、様々な技術的課題を解決していくことができるでしょう!