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射出成形の金型構造は?基本設計と仕組みを解説!(キャビティ・コア・ランナー・スプルー・冷却回路)

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射出成形の品質・精度・生産効率を左右する最も重要な要素が「金型(かながた)」です。

金型の設計と品質が成形品の寸法精度・表面品質・成形サイクルを直接決定するため、金型構造の基礎を理解することは射出成形の技術を習得する上で欠かせません。

キャビティ・コア・スプルー・ランナー・ゲート・冷却回路・エジェクターピンなど、金型を構成する要素はそれぞれ特定の役割を持ちます。

本記事では、射出成形用金型の基本構造・各部の名称と役割・設計上の重要なポイントまで、わかりやすく詳しく解説していきます。

金型の基本構造:固定側と可動側の構成

それではまず、射出成形用金型の基本的な構造について解説していきます。

射出成形用の金型は「固定側(フィックス側)」と「可動側(ムービング側)」の二つのプレートが合わさって構成されます。

金型の基本構成要素

【固定側(射出側)】

・固定側取付板(固定プラテンに取り付ける板)

・固定側型板(キャビティを形成する主要板)

・スプルーブッシュ(射出ノズルが接続される部品)

・ロケートリング(射出成形機との位置決めリング)

【可動側(エジェクター側)】

・可動側型板(コアを形成する主要板)

・エジェクタープレート・エジェクターピン(製品取り出し機構)

・スペーサーブロック(エジェクターの動作空間を確保)

・可動側取付板(可動プラテンに取り付ける板)

金型は射出成形機に取り付けられ、型閉め状態で固定側と可動側の間に製品形状のキャビティ(空洞)が形成されます。

この構造から、金型設計の精度が成形品の寸法精度・形状精度に直接反映されることがわかります。

キャビティとコア:製品形状を作る中核部品

キャビティ(cavity)とコア(core)は金型の中で製品形状を形成する最も重要な部品です。

キャビティは製品の「外側の形状(凹面)」を形成する部分であり、一般的に固定側型板に設けられます。

コアは製品の「内側の形状(凸面)」を形成する部分であり、一般的に可動側型板に設けられます。

製品の美観に関わる意匠面はキャビティ側に、内側・裏面はコア側に設計されることが多く、製品設計の段階でパーティングラインの設定が重要になります。

キャビティとコアは高精度の研磨・放電加工・機械加工によって仕上げられ、その表面粗さが成形品の表面品質に直接影響します。

スプルーとランナーの役割

スプルー(sprue)とランナー(runner)は溶融樹脂を射出ノズルから各キャビティまで運ぶ流路です。

スプルーは射出ノズルと直接接続する最初の流路であり、スプルーブッシュに形成された円錐形の穴がこれに相当します。

ランナーはスプルーからゲートまでの樹脂の流路であり、複数のキャビティへ均等に樹脂を分配する役割を持ちます。

ランナーの長さ・断面形状・レイアウトは充填バランス・樹脂の圧力損失・廃材量に影響するため、最適な設計が求められます。

ゲート・冷却回路・エジェクター:成形品質を決める要素

続いては、ゲート・冷却回路・エジェクター機構について確認していきます。

ゲートの種類と設計のポイント

ゲート(gate)はランナーとキャビティをつなぐ最も絞られた部分であり、樹脂の流入量・充填速度・保圧効果をコントロールする重要な設計要素です。

ゲートの形式には複数の種類があり、製品の形状・大きさ・樹脂の種類によって適切なゲートを選択することが重要です。

ゲートの種類 特徴 主な適用
サイドゲート 最も一般的・設計容易 汎用部品全般
ピンポイントゲート 跡が目立たない・三枚割り型が必要 外観重視部品
ダイレクトゲート スプルー直結・圧力損失少 大型単一キャビティ
サブマリンゲート 自動切断可能・跡が目立たない 外観面を汚したくない部品
ホットランナーゲート ランナー廃材なし・廃棄ゼロ 大量生産・高付加価値品

ゲートサイズが小さすぎると充填不足・ウェルドラインの原因になり、大きすぎるとゲート跡が大きくなりすぎるため、適切なサイズ設定が重要です。

冷却回路の設計と重要性

冷却回路は金型内に設けられた冷却水の流路であり、溶融樹脂を適切に冷却・固化させるための重要な設計要素です。

冷却が不均一だと製品の反り・寸法精度低下・残留応力の原因になるため、冷却回路の設計は金型設計の中でも特に重要な項目です。

金型表面温度の均一性を高めるためには、製品形状にできるだけ沿った冷却回路(コンフォーマル冷却)の設計が有効であり、近年は積層造形(3Dプリント)を用いた複雑な冷却回路の製作が普及しています。

エジェクター機構の設計

エジェクター機構は冷却固化した製品をコアから取り出すための機構です。

エジェクターピン(突き出しピン)が最も一般的な取り出し方法であり、製品の裏面(非外観面)の適切な位置にピンを配置します。

エジェクターピンの跡(ピンマーク)が製品外観に影響する場合は、ストリッパープレート・エジェクタースリーブ・空気エジェクターなどの代替手段が採用されます。

金型材料と精度管理

続いては、金型に使用される材料と精度管理の考え方を確認していきます。

金型材料の選定

金型に使われる材料は主に合金工具鋼(SKD11・SKD61など)・プリハードン鋼(NAK80・P20など)・ステンレス鋼などです。

大量生産金型(100万ショット以上)にはSKD61(熱間ダイス鋼)が使われ、精度を要求する精密金型にはNAK80(プリハードン鋼)が採用されることが多いです。

キャビティ・コアの表面処理(鏡面研磨・窒化処理・TiNコーティング)は耐摩耗性・離型性・表面品質の向上に有効です。

金型精度と成形品寸法精度の関係

射出成形品の寸法は、金型の寸法から樹脂の冷却収縮分を差し引いた寸法になります。

各樹脂材料には固有の成形収縮率(PP:1.5〜2.0%、ABS:0.4〜0.7%など)があり、金型寸法はこの収縮率を考慮して設計されます。

高精度の成形品を得るためには金型の高精度加工だけでなく、成形条件(保圧・冷却時間・型温)の最適化も不可欠です。

まとめ

本記事では、射出成形の金型構造についてキャビティ・コア・スプルー・ランナー・ゲート・冷却回路・エジェクター機構・金型材料まで詳しく解説してきました。

金型は固定側と可動側の二つのプレートで構成され、キャビティ(外形)とコア(内形)が製品形状を形成する最重要部品です。

スプルー・ランナー・ゲートは樹脂を金型内に適切に導く流路系であり、冷却回路の均一設計が寸法精度と生産効率を左右します。

ゲートの種類選択・エジェクター機構の設計・金型材料の選定が総合的な金型品質を決定します。

金型構造の理解を深め、射出成形の品質向上・設計・トラブルシューティングに積極的に役立ててみてください。