x^-1は、分数関数や反比例の基本となる式です。
微分すると一見複雑に見えるグラフの傾き、増減、接線の方程式まで順に読み取れるようになります。
とくにx^-1を微分した結果が常に負の値になることは、関数の動きを考えるうえで大切なポイントです。
この記事では、x^-1の微分公式からグラフの特徴、接線、増減表、極値に関する例題まで、計算の流れがつながるように解説します。
x^-1の微分で分かる接線と増減

それではまずx^-1の微分が示す接線と増減について解説していきます。
x^-1を指数法則で表す考え方
x^-1は、分数で書くと1/xです。
負の指数を使うと、分母にあるxをべき乗の形で扱えるため、微分公式をそのまま使いやすくなります。
f(x)=x^-1
f(x)=1/x
この二つは同じ意味です。
べき乗の微分では、x^nを微分するとn×x^(n-1)になります。
ここでn=-1と考えれば、x^-1の微分も自然に求められるでしょう。
分数関数を見たときに、まず負の指数へ書き換える習慣をつけると、計算ミスを減らせます。
x^-1の微分公式と符号
x^-1を微分すると、-1×x^(-2)となります。
したがって導関数は-x^-2、分数の形では-1/x^2です。
f(x)=x^-1のとき
f'(x)=-x^-2
f'(x)=-1/x^2
x^2はxが0でない限り必ず正になります。
そのため-1/x^2は、xが0でない範囲で必ず負です。
これは元の関数が定義できる各区間で右へ進むほど減少することを意味します。
xが負の範囲でも、正の範囲でも、導関数の符号は負のままです。
微分結果から読み取れる結論
y=1/xはx=0で定義されず、グラフは左右二つに分かれます。
ただし、それぞれの区間では導関数が負なので、単調減少という性質を持ちます。
y=1/xは、x<0の区間でもx>0の区間でも減少します。
x=0は定義域に含まれないため、左右の区間を一続きの増減として扱わない点が重要です。
微分係数が0になる点はありません。
よって、y=1/xそのものには、通常の意味での極大値や極小値は存在しません。
この結論は、接線や増減表の問題を解く際の土台になります。
x^-1のグラフと漸近線
続いてはx^-1のグラフと漸近線を確認していきます。
反比例のグラフに現れる二つの枝
y=1/xのグラフは、第一象限と第三象限に現れる双曲線です。
xが正ならyも正になり、xが負ならyも負になります。
たとえばx=1ならy=1、x=2ならy=1/2です。
xの値が大きくなるにつれてyは0に近づきますが、y=0には到達しません。
一方でxが0に近づくと、yの絶対値は非常に大きくなります。
| xの値 | y=1/xの値 | グラフの位置 |
|---|---|---|
| -2 | -1/2 | 第三象限 |
| -1 | -1 | 第三象限 |
| 1 | 1 | 第一象限 |
| 2 | 1/2 | 第一象限 |
表の値を複数打つと、原点の近くで急に変化し、遠くではゆるやかになる様子をイメージしやすくなります。
x軸とy軸に近づく理由
y=1/xには二本の漸近線があります。
横方向の漸近線はx軸、縦方向の漸近線はy軸です。
xの絶対値が大きくなると1/xは0に近づくため、グラフはx軸へ近づきます。
またxが0へ近づくほど分母が小さくなるため、yの値は正または負の無限大へ向かいます。
ただし、x=0では式そのものが計算できません。
グラフがy軸に触れないのは、定義域から0が除かれているためです。
導関数のグラフとの関係
導関数y’=-1/x^2も、x=0では定義されません。
しかしx=0以外では常に負であり、元のグラフの接線が右下がりであることを示します。
x=1では傾きが-1です。
x=2では傾きが-1/4となり、接線は少し水平に近づきます。
反対にxが0へ近い位置では、傾きの絶対値が大きくなります。
つまりグラフはy軸の近くで急になり、離れるほどなだらかになります。
y=1/xのグラフでは、xの絶対値が小さいほど接線の傾きの絶対値が大きくなります。
導関数-1/x^2は、グラフの急さを数式として表したものです。
接線の方程式の求め方
続いては接線の方程式の求め方を確認していきます。
接線に必要な二つの情報
曲線上のある点における接線を求めるには、接点の座標とその点での傾きが必要です。
y=1/xにおいてx=aの点を考えると、接点はaと1/aになります。
また、その点での傾きは-1/a^2です。
接線の公式は、y-y0=m(x-x0)です。
ここでmが傾き、x0とy0が接点の座標を表します。
x=1における接線の例題
y=1/x上のx=1の点における接線を求めます。
接点は1と1なので、座標は1と1です。
導関数は-1/x^2であるため、x=1での傾きは-1になります。
y-1=-1(x-1)
y-1=-x+1
y=-x+2
したがって、接線の方程式はy=-x+2です。
点1と1を通り、傾きが-1の直線になっているかを確認すると安心です。
接線問題では、接点の座標と微分した値を別々に確認すると整理しやすくなります。
x=aにおける一般形
x=aにおける接線を一般的に求めると、接点はaと1/a、傾きは-1/a^2です。
ただしaは0ではないものとします。
y-1/a=(-1/a^2)(x-a)
y-1/a=-x/a^2+1/a
y=-x/a^2+2/a
この式は、aの値を変えるだけでさまざまな接線を求められる便利な形です。
分母のa^2を見落とすと傾きが変わってしまうため、符号と指数に注意しましょう。
接線が曲線に一度だけ接する様子をグラフで確かめると、式への理解も深まります。
増減表と極値の判断
続いては増減表と極値の判断を確認していきます。
導関数の符号による増減の読み方
関数の増減は、導関数の符号で判断します。
導関数が正なら増加、負なら減少です。
y=1/xではf'(x)=-1/x^2となり、x=0以外では負になります。
よって定義域を二つに分けると、どちらの区間でも減少です。
| xの範囲 | 導関数-1/x^2の符号 | 関数の増減 |
|---|---|---|
| x<0 | 負 | 減少 |
| x=0 | 定義されない | 定義されない |
| x>0 | 負 | 減少 |
増減表ではx=0を境目として入れますが、値を0と書くわけではありません。
定義されない点として区切ることが、正確な表の作り方です。
極大値と極小値がない理由
極値は一般に、導関数の符号が正から負、または負から正へ変わる場所で生じます。
しかしy=1/xの導関数は、各区間でずっと負です。
したがって符号の変化がなく、極大値も極小値もありません。
x=0の左右では関数の値が大きく変化しますが、x=0自体は定義されません。
そのため、x=0を極値の候補として扱うことはできません。
極値を調べるときは、導関数が0になる点だけでなく、元の関数が定義されているかも確認します。
x=0はy=1/xの定義域外なので、極大値や極小値の位置にはなりません。
区間が指定された場合の最大値と最小値
区間が限定されると、極値がなくても最大値や最小値を求める問題が出てきます。
たとえば1≦x≦4におけるy=1/xを考えます。
この区間では関数は減少するため、最大値は左端のx=1で取ります。
最小値は右端のx=4で取ることになります。
最大値は1、最小値は1/4です。
閉区間での最大値と最小値は、増減だけでなく端点の値も必ず確認しましょう。
例題で学ぶx^-1の微分応用
続いては例題で学ぶx^-1の微分応用を確認していきます。
例題1 基本的な微分計算
関数y=3x^-1-2を微分する問題を考えます。
定数-2を微分すると0になります。
3x^-1は、係数3を残してx^-1を微分します。
y=3x^-1-2
y’=3×(-1)x^-2
y’=-3/x^2
答えは-3/x^2です。
係数が付いていても、x^-1の微分が- x^-2になる基本は変わりません。
負号を落とさないことが、最初の重要ポイントです。
例題2 接線の方程式
曲線y=2/x上のx=2の点における接線を求めます。
まずx=2を代入すると、接点のy座標は1です。
関数を2x^-1と表すと、導関数は-2x^-2、つまり-2/x^2です。
x=2での傾きは-1/2になります。
y-1=(-1/2)(x-2)
y-1=-x/2+1
y=-x/2+2
接線の方程式はy=-x/2+2です。
接点を代入して左右が一致するかを確認すると、計算の誤りに気づきやすいでしょう。
関数の値と導関数の値は役割が異なるため、同じ欄に混ぜないよう注意が必要です。
例題3 増減と最大値の問題
関数y=5/xについて、1≦x≦5での増減と最大値、最小値を求めます。
導関数は-5/x^2です。
この区間ではx^2が正なので、導関数は常に負になります。
よって関数は区間全体で減少します。
x=1ではy=5、x=5ではy=1です。
最大値は5、最小値は1となります。
増減表を作る目的は、端点のどちらが大きいかを感覚だけに頼らず判断することです。
x^-1の微分応用のまとめ
x^-1は1/xと同じ意味であり、微分すると-1/x^2になります。
導関数はx=0以外で常に負なので、y=1/xはx<0とx>0の各区間で減少します。
グラフはx軸とy軸を漸近線とし、x=0では定義されません。
接線の方程式では、曲線上の接点と、その点における導関数の値を使います。
また極値を調べる際は、導関数の符号変化と定義域をセットで確認することが大切です。
微分公式、グラフ、増減表、接線を一つの流れとして結び付ければ、x^-1を含む問題への対応力が高まるでしょう。