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【Excel】エクセルでセルの色を変える(条件付き書式:IF関数も:特定の数値や文字)方法

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Excelで大量のデータを扱う際、特定の条件に該当するセルを視覚的に目立たせることで、データの傾向や問題点が一目で把握できるようになります。

例えば、売上目標を達成した商品を緑色で表示する、在庫が少ない商品を赤色で警告する、期限が迫っているタスクを黄色でハイライトするなど、色分けは情報の可視化において非常に強力な手段です。

Excelには、手動でセルに色を付ける方法だけでなく、条件に応じて自動的にセルの色を変える「条件付き書式」という機能があり、これを使いこなすことで作業効率が劇的に向上します

一度設定すれば、データが更新されるたびに自動的に色が変わるため、常に最新の状態を視覚的に確認できます。

セルの色を変える方法には、いくつかのアプローチがあります。

単純に背景色を設定する手動の方法、条件付き書式の組み込みルールを使う方法、数式を使って複雑な条件を指定する方法、さらにはIF関数と組み合わせて色分けの条件を設定する方法などです。

また、セルの値だけでなく、他のセルの値を参照して色を変えることもでき、非常に柔軟な設定が可能です。

本記事では、基本的な手動の色付けから、条件付き書式の様々な設定方法、数式を使った高度な条件指定、複数条件の組み合わせ、さらには行全体の色を変える方法まで、セルの色変更に関するテクニックを網羅的に解説します。

データの可視化を強化したい方は、ぜひ最後までお読みください。

ポイントは

・条件付き書式で特定の数値や文字に応じて自動的に色が変わる

・数式を使えば複雑な条件でも柔軟に色分けできる

・行全体の色を変えることで見やすい表が作成できる

です。

それでは詳しく見ていきましょう。

手動でセルに色を付ける基本操作

それではまず、最も基本的な手動でのセル色変更の方法を確認していきます。

塗りつぶしの色を使った基本的な色付け

セルに色を付ける最もシンプルな方法は、「塗りつぶしの色」機能を使うことです。

色を付けたいセルまたはセル範囲を選択し、「ホーム」タブの「フォント」グループにある「塗りつぶしの色」ボタン(ペンキ缶のアイコン)をクリックします。

表示されるカラーパレットから好きな色を選択すると、選択したセルの背景色が変更されます。

塗りつぶしの色ボタンの右側にある▼をクリックすると、より多くの色の選択肢が表示されます。

「テーマの色」では、使用しているExcelのテーマに合わせた色が表示され、「標準の色」では基本的な10色が表示されます。

さらに「その他の色」をクリックすると、「色の設定」ダイアログが開き、RGB値を指定したカスタムカラーを作成できます。

手動での色付け手順

1️⃣

セルまたは範囲を
選択

2️⃣

塗りつぶしの色
ボタンをクリック

 

3️⃣

カラーパレットから
色を選択

 

書式のコピーで色を複製

設定した色を他のセルにも適用したい場合、「書式のコピー/貼り付け」機能が便利です。

まず、既に色が設定されているセルを選択し、「ホーム」タブの「書式のコピー/貼り付け」ボタン(ハケのアイコン)をクリックします。

マウスカーソルがハケの形に変わるので、その状態で色を適用したいセルをクリックまたはドラッグして選択します。

書式のコピー/貼り付けボタンをダブルクリックすると、複数のセルに連続して書式を適用できます。

この場合、適用が完了したらEscキーを押すか、再度書式のコピー/貼り付けボタンをクリックして終了します。

この機能は、色だけでなく、フォント、罫線、表示形式などの書式すべてをコピーするため、色だけをコピーしたい場合は注意が必要です。

手動色付けの限界

手動での色付けは簡単で直感的ですが、データが更新されても色は自動的に変わりません

例えば、売上が100万円以上のセルを緑色にした後、その値が90万円に変更されても、セルは緑色のままです。

手動で色を変更する必要があり、大量のデータを扱う場合は非効率です。

また、手動で設定した色には「なぜその色にしたのか」というルールが記録されないため、後から見た人(または自分自身)が色の意味を理解しにくくなります。

条件が明確で、データが頻繁に更新される場合は、次に説明する「条件付き書式」を使う方が圧倒的に効率的です。

手動での色付けが適しているのは、少数のセルに一時的に注意を引きたい場合や、データの更新がほとんどない固定的な表の場合です。

例えば、プレゼンテーション資料で特定の数値を強調したい、印刷用の報告書で重要項目を目立たせたい、といった用途では手動の色付けで十分です。

一方、日々更新される売上データ、在庫管理表、進捗管理表などでは、条件付き書式を使った自動的な色変更が必須となります。

用途に応じて適切な方法を選択することが重要です。

条件付き書式で自動的に色を変える基本

続いては、条件に応じて自動的にセルの色を変える「条件付き書式」の基本的な使い方を確認していきます。

セルの強調表示ルールを使う

条件付き書式の最も基本的な使い方は、「セルの強調表示ルール」を使うことです。

色を変えたいセル範囲を選択し、「ホーム」タブの「条件付き書式」ボタンをクリックします。

「セルの強調表示ルール」にマウスを重ねると、「指定の値より大きい」「指定の値に等しい」「文字列」などのオプションが表示されます。

例えば、「指定の値より大きい」を選択すると、ダイアログが開きます。

「次の値より大きいセルを書式設定」の欄に基準値(例:100000)を入力し、右側のドロップダウンから書式(色)を選択してOKをクリックします。

すると、選択範囲内で100000より大きい値のセルが、指定した色で自動的にハイライトされます。

データが更新されると、条件を満たすセルは自動的に色が変わります。

セルの強調表示ルールの例

ルール 使用例 条件
指定の値より大きい 売上目標達成 値 > 1000000
指定の値より小さい 在庫不足警告 値 < 10
指定の値に等しい 特定ステータス 値 = “完了”
文字列 特定文字を含む 含む “重要”
日付 期限間近 今日から7日以内

上位/下位ルールを使う

データの中で上位または下位の項目を自動的に色分けする場合、「上位/下位ルール」が便利です。

「条件付き書式」→「上位/下位ルール」から、「上位10項目」「下位10項目」「平均より上」「平均より下」などを選択できます。

例えば、「上位10項目」を選択すると、選択範囲内で値が大きい上位10個のセルが自動的に色付けされます。

項目数は変更可能で、ダイアログで「10」を「5」に変更すれば上位5項目だけが色付けされます。

また、「上位10%」を選択すれば、全体の上位10%に該当するセルが色付けされます。

この機能は、売上ランキング、成績評価、KPI管理などで、優秀な項目や改善が必要な項目を視覚的に把握するのに非常に有効です。

データバーとカラースケールによる視覚化

数値の大小を色の濃淡やバーの長さで表現する場合、「データバー」や「カラースケール」が効果的です。

「条件付き書式」から「データバー」を選択すると、セル内に値の大きさに比例したバーが表示されます。

値が大きいセルほど長いバーが表示され、値の比較が視覚的に非常にわかりやすくなります。

「カラースケール」は、値の大小を色の濃淡で表現します。

2色スケールでは、最小値と最大値に異なる色を割り当て、その間の値は色のグラデーションで表示されます。

3色スケールでは、最小値、中間値、最大値にそれぞれ異なる色を割り当て、より細かい可視化が可能です。

例えば、最小値を赤、中間値を黄、最大値を緑にすることで、ヒートマップのような表現ができます。

条件付き書式の種類 視覚化方法 適した用途
セルの強調表示 条件を満たすセルの色を変える 閾値を超えた項目の抽出
上位/下位ルール 上位または下位の項目を色分け ランキング、比較分析
データバー セル内にバーを表示 値の大小の直感的な比較
カラースケール 色の濃淡で値を表現 ヒートマップ、傾向の把握

条件付き書式の組み込みルールは、プログラミングの知識がなくても簡単に設定でき、非常に強力です。

ダイアログで条件と色を選ぶだけで、データが自動的に色分けされます。

また、一度設定した条件付き書式は、「条件付き書式」→「ルールの管理」から編集・削除が可能です。

複数のルールを設定している場合、優先順位を変更することもできます。

基本的な色分けであれば、これらの組み込みルールで十分対応できるため、まずはこれらを使いこなすことが重要です。

数式を使った条件付き書式の高度な設定

それでは、より複雑な条件でセルの色を変えるための、数式を使った条件付き書式を確認していきます。

数式を使用してルールを作成する

組み込みルールでは対応できない複雑な条件の場合、数式を使って独自のルールを作成できます

セル範囲を選択し、「条件付き書式」→「新しいルール」をクリックします。

「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択し、下部の「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄に数式を入力します。

例えば、A列の値が100000より大きい場合にその行全体を緑色にしたい場合、範囲を選択した状態で数式欄に「=$A1>100000」と入力します。

「$A1」の「$」は列を固定する絶対参照で、行番号には$を付けません。

これにより、各行で自動的にA列の値が評価されます。

数式を入力したら「書式」ボタンをクリックして色を設定し、OKをクリックします。

数式による条件付き書式の設定手順

1️⃣

範囲を選択
新しいルール

2️⃣

数式を使用して
書式設定を選択

3️⃣

数式入力
書式設定

他のセルの値を参照する条件

数式を使えば、他のセルの値を参照して色を変えることもできます

例えば、B列の売上がC列の目標を達成しているかどうかでB列の色を変える場合、B列を選択して数式「=$B1>=$C1」と入力します。

この数式は、「B列の値がC列の値以上なら」という条件を表し、条件を満たすB列のセルが指定した色で表示されます。

別のシートのセルを参照することも可能です。

例えば、Sheet2のA1セルに基準値が入っている場合、「=$B1>Sheet2!$A$1」という数式で、Sheet2のA1セルの値を基準に色分けできます。

この場合、Sheet2!$A$1は完全に固定する必要があるため、列にも行にも$を付けます。

複数条件を組み合わせた数式

AND関数やOR関数を使って、複数の条件を組み合わせることもできます

例えば、「売上が100万円以上かつ利益率が20%以上」という2つの条件を満たすセルに色を付ける場合、「=AND($B1>=1000000,$C1>=0.2)」という数式を使います。

AND関数は、すべての条件が真の場合に真を返すため、両方の条件を満たすセルだけが色付けされます。

OR関数を使えば、「どちらか一方の条件を満たせば色を付ける」という設定ができます。

「=OR($B1>=1000000,$C1>=0.2)」とすれば、売上が100万円以上、または利益率が20%以上のいずれかを満たすセルが色付けされます。

さらに、NOT関数と組み合わせることで、「条件を満たさない場合」に色を付けることもできます。

条件 数式例 説明
A列が100以上 =$A1>=100 A列の値で判定
B列がC列以上 =$B1>=$C1 2つの列を比較
複数条件(AND) =AND($B1>=100,$C1<>”完了”) すべての条件を満たす
複数条件(OR) =OR($B1<10,$C1=”要確認”) いずれかの条件を満たす
文字列を含む =ISNUMBER(FIND(“重要”,$A1)) 「重要」を含むセル

数式を使った条件付き書式では、セル参照の絶対参照と相対参照の理解が非常に重要です。

「=$A1」のように列に$を付けると列が固定され、「=$A$1」のように列と行の両方に$を付けると完全に固定されます。

行全体に色を付ける場合は列を固定、特定のセルの値を基準にする場合は完全固定、というように使い分けます。

数式が正しく機能しているか確認するには、いくつかのセルで手動計算して期待通りの結果になるかチェックすることが重要です。

行全体の色を変える実践的なテクニック

最後に、特定の条件に基づいて行全体の色を変える、実務で非常に役立つテクニックを確認していきます。

特定列の値で行全体を色分け

表形式のデータで、特定列の値に応じて行全体の色を変えることで、データの視認性が大幅に向上します。

例えば、D列に「ステータス」があり、「完了」なら行全体を緑、「未着手」なら赤、「進行中」なら黄色にする場合を考えます。

まず、色を変えたい範囲全体(例:A1:F100)を選択します。

「条件付き書式」→「新しいルール」→「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択し、数式欄に「=$D1=”完了”」と入力します。

列を固定する$D、行は固定しない1がポイントです。

「書式」ボタンで緑色を設定してOKをクリックします。

同様に、「=$D1=”未着手”」で赤色、「=$D1=”進行中”」で黄色のルールを追加します。

行全体を色分けする数式の仕組み

条件 数式 結果
D列が「完了」 =$D1=”完了” その行全体が緑色
D列が「未着手」 =$D1=”未着手” その行全体が赤色
D列が「進行中」 =$D1=”進行中” その行全体が黄色

複数条件で行の色を変える

より複雑な条件で行全体の色を変える場合、複数の列の値を組み合わせた数式を使用します

例えば、「売上が目標未達で、かつ期限が過ぎている」という2つの条件を満たす行を赤色にする場合、「=AND($B1<$C1,$D1<TODAY())」という数式を使います。

B列の売上がC列の目標より小さく、かつD列の期限が今日より前であれば、その行全体が赤色になります。

このように、AND関数やOR関数を使って複雑な条件を設定することで、非常に高度な色分けが可能になります。

「優先度が高く、かつ未完了のタスク」「在庫が少なく、かつ発注済みでない商品」など、実務で必要な様々な条件に対応できます。

条件付き書式の優先順位

複数の条件付き書式ルールを設定している場合、ルールの優先順位が重要になります。

「条件付き書式」→「ルールの管理」を開くと、現在設定されているすべてのルールが表示されます。

ルールは上から順に評価され、条件を満たした時点でその書式が適用されます。

デフォルトでは「この規則が真の場合は停止」にチェックが入っていないため、複数のルールが同時に適用される可能性があります。

優先順位を変更するには、ルールの管理画面でルールを選択し、「上へ」「下へ」ボタンで順序を変更します。

一般的には、より具体的な条件を上位に、より一般的な条件を下位に配置します。

例えば、「完了かつ重要」という条件を「完了」という条件より上位に配置することで、細かい条件が優先されます。

セルの値と文字の色を同時に設定

条件付き書式では、背景色だけでなく文字色やフォントスタイルも同時に設定できます

「書式」ボタンをクリックした際に表示される「セルの書式設定」ダイアログで、「塗りつぶし」タブで背景色、「フォント」タブで文字色や太字などを設定できます。

例えば、目標達成のセルを緑色の背景に白色の太字文字にすることで、より目立たせることができます。

また、「罫線」タブで罫線のスタイルを変更することもできます。

ただし、あまり多くの書式を同時に適用すると、かえって見づらくなる場合もあるため、シンプルで統一感のあるデザインを心がけることが重要です。

色の選択も、色覚に配慮したユニバーサルデザインの観点から、赤と緑だけでなく、青や黄色なども組み合わせることが推奨されます。

行全体を色分けする際の注意点として、見出し行を範囲に含めないようにすることが重要です。

見出し行まで色が変わってしまうと、表の構造がわかりにくくなります。

データ範囲だけを選択し、見出し行は除外してください。

また、印刷を前提とした表の場合、画面上では見やすい色でも、印刷すると見づらくなることがあります。

印刷プレビューで確認し、必要に応じて色を調整することをおすすめします。

まとめ エクセルでセルの色を変える方法

Excelでセルの色を変える方法をまとめると

・手動での色付け:「塗りつぶしの色」ボタンで好きな色を選択、書式のコピー/貼り付けで色を複製、少数のセルや固定的な表に適している、データ更新時に自動で変わらない点に注意

・条件付き書式の組み込みルール:「セルの強調表示ルール」で指定値より大きい/小さい/等しいなどの条件設定、「上位/下位ルール」で上位10項目や平均より上などを自動色分け、データバーやカラースケールで視覚的に値の大小を表現

・数式を使った条件付き書式:「新しいルール」→「数式を使用して」で複雑な条件を設定、「=$A1>100000」のように絶対参照と相対参照を使い分け、AND/OR関数で複数条件を組み合わせ、他のセルの値を参照した条件も設定可能

・行全体の色分け:範囲全体を選択して「=$D1=”完了”」のように列を固定した数式で設定、複数のルールを組み合わせて詳細な色分けが可能、ルールの優先順位を管理して適切に表示

セルの色分けは、データの可視化において非常に強力な手段です。

手動での色付けは簡単ですが、条件付き書式を使うことで、データが更新されても自動的に色が変わり、常に最新の状態を視覚的に確認できます。

特に数式を使った条件付き書式をマスターすることで、複雑な条件での色分けや行全体の色変更など、高度なデータ可視化が実現できます

実務では、売上管理、在庫管理、進捗管理、スケジュール管理など、様々な場面で色分けが活用されます。

適切な色分けルールを設定することで、問題点の早期発見、優先順位の明確化、データ分析の効率化など、多くのメリットが得られます。

効果的な色分けで、わかりやすく説得力のあるExcel資料を作成していきましょう!