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流量測定の方法は?測定原理と特徴も!(測定方式・ピトー管・オリフィス・差圧・超音波・電磁流量計など)

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流量測定は、産業プロセスの管理・制御・計量において欠かせない技術です。

製造ライン、水処理施設、エネルギー管理、医療機器など、あらゆる分野で流量の正確な把握が求められています。

しかし、流量測定の方法は差圧式・電磁式・超音波式・容積式・質量式など非常に多岐にわたり、どの方式を選べばよいか判断に迷うことも多いでしょう。

本記事では、主要な流量測定の方法とその測定原理、ピトー管・オリフィス・電磁・超音波といった代表的な計測器の特徴、選定のポイントまで体系的に解説します。

流量計の導入・選定・更新を検討している技術者の方に特に参考となる内容です。

流量測定の方法とは?測定原理の種類を体系的に理解しよう

それではまず、流量測定の方法を測定原理ごとに体系的に整理して解説していきます。

流量測定の方式は、大きく分けると差圧式・速度式・容積式・質量式・可変面積式の5つに分類されます。

それぞれの測定原理の違いを理解することが、適切な流量計を選定するための第一歩となります。

差圧式流量測定の原理

差圧式流量測定は、流路に絞り機構を設置し、その前後に発生する圧力差から流量を求める方式です。

ベルヌーイの定理に基づき、絞り部での流速増加と圧力降下の関係を利用します。

代表的な差圧式流量計としては、オリフィスプレート、ベンチュリ管、フローノズル、ピトー管があります。

差圧と流量の関係は流量が差圧の平方根に比例するため、低流量域での精度に注意が必要です。

構造がシンプルで可動部がなく、蒸気・液体・気体と幅広い流体に対応できる点が大きなメリットです。

速度式流量測定の原理

速度式流量測定は、流体の流速を測定し、断面積を掛けて流量を求める方式です。

代表的な種類として、電磁流量計・超音波流量計・渦流量計・タービン流量計があります。

各方式で流速の検出原理が異なりますが、共通して流量Q=A×vの関係に基づいて体積流量を算出します。

測定精度が高く、広いターンダウン比(最大流量/最小流量)を持つものが多い点が特徴です。

容積式・質量式・可変面積式の概要

容積式流量計は、一定体積の流体を繰り返し計量することで積算流量を測定する方式です。

オーバル歯車式やルーツ式が代表例で、高粘度液体や精密な積算計量に適しています。

質量式流量計は、コリオリ式・熱式などがあり、温度・圧力に依存しない質量流量を直接測定できる点が最大の特長です。

可変面積式(フロート式・ロータメータ)は、垂直に設置したテーパー管内のフロートの位置によって流量を視覚的に読み取るシンプルな方式で、小流量の現場確認に広く使われています。

ピトー管による流量測定の原理と特徴

続いては、最もシンプルな流速・流量測定器の一つであるピトー管の測定原理と特徴について確認していきます。

ピトー管は18世紀にフランスの技術者アンリ・ピトーが発明し、現在も航空機や産業現場で使われている歴史ある計測器です。

ピトー管の測定原理

ピトー管は、流体の全圧(動圧+静圧)と静圧の差(動圧)から流速を求めます。

ピトー管を流れに向けて挿入すると、正面の開口部で流体が完全に停止し全圧が検出されます。

管の側面の小孔では静圧が検出され、この差(動圧)から流速を計算します。

動圧:ΔP = P_total – P_static = (1/2)ρv²

流速:v = √(2ΔP / ρ)

体積流量:Q = A × v(均一な流速分布を仮定)

例:動圧200 Pa、空気(ρ=1.2 kg/m³)の場合

v = √(2×200/1.2) = √333.3 ≒ 18.3 m/s

実際の管内流れでは断面内に流速分布があるため、断面内の複数点でピトー管を走査して平均流速を求める「等面積法」や「等速度法」が使われます。

ピトー管の特長と適用範囲

ピトー管の最大の特長は、構造が極めてシンプルで低コストであることです。

また、挿入型のため大口径配管にも対応でき、既設配管への後付けも容易です。

適用範囲としては、主に気体(空気・排ガス)の流速・流量測定、特にダクト内の風量測定に広く使われています。

一方で、流速分布の影響を受けやすく、複数点測定が必要なこと、低流速域での精度が低下することがデメリットです。

また、粒子・水分が含まれる気体ではピトー管の孔が詰まりやすいという課題もあります。

マルチポイントピトー管(アンニュバ管)

マルチポイントピトー管(アンニュバ管・アニュバ管)は、管断面を代表する複数の測定点を一体化した挿入型流量計です。

単一のピトー管に比べて断面内の流速分布を自動的に平均化できるため、測定精度が向上します。

設置が比較的簡便で、大口径配管の気体・液体流量測定に広く使われています。

既設配管に後付けできる挿入型のため、設備改修コストを抑えられる点でも評価されています。

オリフィスによる差圧流量測定の方法と特徴

続いては、産業現場で最も広く使われている差圧式流量計の一つ、オリフィスによる流量測定について確認していきます。

オリフィスプレートの構造と取り付け方法

オリフィスプレートは、配管フランジ間に挿入する円形の穴(オリフィス)が開いた薄い板です。

オリフィスの形状には、スクエアエッジ(標準型)・インテグラルオリフィス・コニカルエントランス型など複数の種類があります。

差圧の取り出し方法(タップ方式)によっても精度が変わり、フランジタップ・コーナータップ・D-D/2タップが一般的です。

設計・制作はJIS Z 8762などの規格に準拠することで、流量係数Cdが規格化されており、実測なしで精度の高い計算が可能です。

オリフィスの流量計算と精度

オリフィスを通過する体積流量Qは以下の式で計算します。

Q = (α × ε × A₀) × √(2ΔP / ρ)

α:流量係数(絞り比β=d/Dおよびレイノルズ数によって決まる)

ε:膨張係数(気体の場合に1以下の値、液体では1)

A₀:オリフィス開口面積(m²)

β(絞り比)= d(オリフィス径)/ D(配管内径)

推奨βの範囲:0.2〜0.75

JIS規格に準拠したオリフィスの測定精度は、条件が適切であれば±0.5〜1.0%程度が期待できます。

ただし、差圧が流量の二乗に比例するため、最大流量の30%以下の領域では精度が低下しやすいという制約があります。

オリフィスのメリットとデメリット

オリフィスプレートの主なメリットは以下のとおりです。

低コスト・シンプル・実績豊富であり、規格化された設計により流量係数を実測なしで使えます。

また、交換が容易で、孔径の異なるプレートに交換することで測定レンジを変更できます。

一方、デメリットとしては圧力損失が大きいこと(ベンチュリ管の5〜10倍程度)、スラリーや粘性の高い流体では目詰まりや摩耗が起きやすいことが挙げられます。

さらに、上流側に管径の10〜20倍以上の直管長が必要な点も設置上の制約となります。

電磁流量計と超音波流量計による測定方法の比較

続いては、現代の産業現場で主流となっている電磁流量計と超音波流量計の測定方法を比較しながら確認していきます。

電磁流量計の測定方法と精度

電磁流量計はファラデーの電磁誘導の法則を利用し、磁場内を流れる導電性液体に発生する起電力から流速・流量を測定します。

測定の手順としては、まず励磁コイルに交流または直流パルスを印加して磁場を形成します。

次に、流体の流れによって発生した起電力を管壁に取り付けた電極で検出します。

信号変換器でこの起電力を増幅・処理し、流量値として出力します。

電磁流量計の測定精度は一般的に±0.2〜0.5%(フルスケールまたは読み値に対して)と高精度です。

ターンダウン比も10:1〜100:1と広く、幅広い流量範囲に対応できます。

超音波流量計の測定方法と精度

超音波流量計(伝搬時間差式)は、対向するトランスデューサー間の超音波伝搬時間差から流速を算出します。

測定手順としては、まず上流側・下流側のトランスデューサーから交互に超音波パルスを発信します。

それぞれの伝搬時間(t₁・t₂)を高精度に測定します。

時間差Δtから流速を計算し、断面積を掛けて体積流量を算出します。

インライン型の精度は±0.5〜1.0%、クランプオン型では±1〜3%程度が一般的です。

電磁流量計と超音波流量計の比較表

比較項目 電磁流量計 超音波流量計(インライン) 超音波流量計(クランプオン)
測定原理 電磁誘導 超音波伝搬時間差 超音波伝搬時間差
対象流体 導電性液体のみ 清澄な液体・気体 清澄な液体
精度 ±0.2〜0.5% ±0.5〜1.0% ±1〜3%
圧力損失 ほぼゼロ ほぼゼロ ゼロ
設置工事 配管切断必要 配管切断必要 外面取付のみ
可動部 なし なし なし
主な用途 水・スラリー・導電性液体 純水・溶剤・気体 既設配管・大口径・非接触

このように、電磁流量計と超音波流量計はそれぞれ得意とする流体・条件が異なるため、設置環境と測定要件を整理した上で選定することが重要です。

流量測定方法の選定ポイントと実務での注意事項

続いては、流量測定方法の選定で重要なポイントと、実務での注意事項を確認していきます。

適切な測定方式を選ぶことが、計測精度・メンテナンスコスト・設備信頼性に直接影響します。

流体の種類と特性に合わせた選定

流量測定方式の選定において最も重要な要素の一つが、測定対象流体の種類と特性です。

液体か気体か蒸気か、導電性の有無、粘度、腐食性、粒子・気泡の含有量によって使用できる方式が大きく絞られます。

流量測定方式の選定における最重要チェックリスト:①流体の種類(液体・気体・蒸気)②導電性の有無(電磁流量計の可否)③清澄度(スラリー・気泡の有無)④温度・圧力条件⑤必要な測定精度⑥設置スペース・直管長の確保可否⑦予算・メンテナンス体制。これらを事前に整理してから方式を選定することで、後からの変更リスクを大幅に減らすことができます。

設置条件と直管長の確保

多くの流量計では、上流側・下流側に一定の直管長が必要です。

直管長が不足すると流速分布が乱れ、測定誤差が増大します。

一般的な目安として、電磁・渦・超音波流量計では上流側10〜20D(Dは管径)・下流側3〜5D以上が推奨されます。

オリフィスでは上流側20D以上が必要な場合もあります。

直管長が確保できない場合は、フローコンディショナー(整流器)を使用するか、直管長要件が緩い測定方式(コリオリ式など)を選択します。

校正(キャリブレーション)と精度維持

流量計の測定精度を長期間維持するためには、定期的な校正(キャリブレーション)が不可欠です。

校正の頻度は、求められる精度・使用環境・規制要件によって異なりますが、一般的に年1回から数年に1回実施されます。

校正方法としては、重量法(実際の流体を測定して重量比較)・容積法・マスターメーター法などがあります。

電磁流量計のゼロ点確認や、差圧計のゼロ点・スパン調整なども定期点検の重要な作業です。

精度要求が高い取引計量(商取引用メーター)では、計量法に基づく検定が必要な場合があります。

デジタル化・スマート流量計の活用

近年は、HART・PROFIBUS・Foundation Fieldbusなどのデジタル通信プロトコルに対応したスマート流量計が普及しています。

これらのスマート流量計は、流量値の出力だけでなく、機器診断情報・温度・圧力などの付加情報をデジタル通信で送信できます。

リモートによる設定変更・診断・校正が可能となり、プラントの保全効率化・予知保全への活用が進んでいます。

IIoT(Industrial Internet of Things)の推進により、流量データのクラウド収集・解析による省エネ最適化も実用化されています。

まとめ

本記事では、流量測定の主要な方法である差圧式・速度式・容積式・質量式の測定原理から、ピトー管・オリフィス・電磁・超音波流量計の具体的な仕組みと特徴、選定ポイントと実務での注意事項まで幅広く解説しました。

流量測定方式は測定対象の流体・条件・精度要求によって最適なものが異なり、一概にどれが優れているとは言えません。

各方式の原理と特徴を正しく理解した上で、チェックリストに基づいた体系的な選定を行うことが重要です。

デジタル化・スマート化が進む現代では、流量計の選定だけでなく、データ活用・保全効率化まで見据えた総合的な計装設計が求められるでしょう。