科学

流量センサーとは?種類と仕組みを解説!(測定原理・超音波・電磁・渦流量計・クランプオン・スイッチなど)

当サイトでは記事内に広告を含みます
いつも記事を読んでいただきありがとうございます!!! これからもお役に立てる各情報を発信していきますので、今後ともよろしくお願いします(^^)/

流量センサーは、配管内を流れる流体の量を測定するための重要な計測機器です。

製造プロセスの管理、エネルギーの計量、環境監視、医療機器など、あらゆる分野で活用されています。

しかし、流量センサーには超音波式・電磁式・渦式・熱式など多くの種類があり、測定原理や適した流体・条件が異なります。

本記事では、主要な流量センサーの種類と測定原理、クランプオン型の特徴、流量スイッチとの違いまで、わかりやすく体系的に解説します。

流量計の選定や導入を検討している方の参考となる内容です。

流量センサーとは?基本的な役割と分類を理解しよう

それではまず、流量センサーの基本的な役割と大まかな分類について解説していきます。

流量センサーとは、配管や流路内を流れる流体の流量(体積流量・質量流量)または流速を測定するセンサー(検出器)の総称です。

計測した信号をアナログ(4〜20 mA、電圧)またはデジタル信号として出力し、制御システムやデータロガーに送ります。

流量センサーと流量計の違い

「流量センサー」と「流量計」は混用されることが多いですが、厳密には以下のように区別されます。

流量センサーは、流量を検出する素子・センサー部分を指すことが多く、検出信号を出力しますが、表示機能は持たない場合があります。

流量計(フローメーター)は、センサー部と変換器(トランスミッター)・表示部を一体にしたシステムを指すことが多いです。

ただし、メーカーや用途によって呼び方が異なる場合も多く、どちらの用語も流量を測定する機器全般を指すケースが多いでしょう。

流量センサーの大まかな分類

流量センサーはその測定原理によっていくつかの大きなカテゴリに分けられます。

分類 代表的な種類 主な対象流体
差圧式 オリフィス・ベンチュリ・ピトー管 液体・気体・蒸気
速度式 電磁・超音波・渦・タービン 液体・気体(種類による)
容積式 オーバル・ルーツ型 液体・気体
質量式 コリオリ式・熱式 液体・気体
可変面積式 フロート式(ロータメータ) 液体・気体(小流量)

それぞれの測定原理・特徴・適した流体と条件を理解することが、適切な流量センサー選定の出発点となります。

流量センサーの出力信号の種類

流量センサーが出力する信号の種類も、システムへの組み込みを考える際に重要です。

4〜20 mA電流信号は、産業用計装の標準信号であり、ノイズに強く長距離伝送に適しています。

パルス信号(周波数出力)は流量に比例した周波数のパルスを出力し、積算計量に適しています。

RS-485・HART・PROFIBUSなどのデジタル通信インターフェースを持つ製品も増えており、プロセスシステムへのスマート統合が可能です。

電磁流量センサーの仕組みと特徴

続いては、産業現場で最も広く使われる電磁流量センサーの測定原理と特徴を確認していきます。

電磁流量計の測定原理

電磁流量計は、ファラデーの電磁誘導の法則を利用して流量を測定します。

磁場内を導電性の液体が流れると、流速に比例した起電力(EMF)が発生します。

E = B × D × v

E:起電力(V)、B:磁束密度(T)

D:管径(m)、v:流速(m/s)

B・Dが一定であれば:E ∝ v ∝ Q

管内に設置した電極でこの起電力を検出し、流速・流量に変換します。

測定部に可動部がなく、流路内の障害物もないため圧力損失がほぼゼロという優れた特長を持ちます。

電磁流量計の特長と適用範囲

電磁流量計の主な特長は以下のとおりです。

まず、圧力損失ほぼゼロであることです。管径と同じ内径の直管部であるため、流れへの影響が最小限です。

次に、スラリー・腐食性液体への対応です。管内面をゴム・PTFE・アルミナなどの耐食ライニングで保護でき、粒子を含む流体にも対応できます。

さらに、双方向測定が可能なことも特長です。正逆両方向の流れを測定できます。

ただし、電気伝導性のある液体(一般的に5 μS/cm以上)が必要なため、純水・油・気体には使用できません。

電磁流量計の設置要件

電磁流量計の精度を確保するためには、上流側・下流側の直管長の確保が重要です。

一般的に、上流側は管径の5〜10倍以上、下流側は2〜5倍以上の直管部が必要です。

バルブ・エルボ・ポンプなどの乱流発生源の直近への設置は精度低下の原因となるため、避けることが推奨されます。

超音波流量センサーの仕組みと特徴

続いては、超音波流量センサーの測定原理と、特にクランプオン型の特徴について確認していきます。

超音波流量計の測定原理(伝搬時間差式)

伝搬時間差式(トランジットタイム式)は、超音波が流れに沿う方向と逆方向で伝搬時間が異なることを利用します。

上流→下流の伝搬時間:t₁ = L / (c + v×cosθ)

下流→上流の伝搬時間:t₂ = L / (c – v×cosθ)

時間差:Δt = t₂ – t₁

流速:v = (L × Δt) / (2 × cosθ × t₁ × t₂)

c:音速(m/s)、L:センサー間距離(m)、θ:超音波の入射角

この方式は清澄な液体・気体に適しており、高精度な測定が可能です。

気泡・固形粒子が多い流体では超音波が減衰するため、測定精度が低下します。

クランプオン型超音波流量計の特徴

クランプオン型(Clamp-on型)は、配管の外面にセンサーを取り付けるだけで流量を測定できる超音波流量計です。

配管を切断・穿孔する必要がないため、以下のような優れた特長があります。

まず、既設配管への後付けが容易です。運転中の配管にも取り付け可能で、設備停止が不要です。

次に、大口径・特殊配管への対応です。インライン型では難しい大口径配管や、高温・高圧・腐食性流体にも配管材質を問わず適用できます。

また、流体への非接触測定も大きなメリットです。食品・医薬品・超純水など、センサーとの接触を避けたい流体に適しています。

一方で、配管材質・肉厚・ライニングの有無による信号の減衰があるため、設置前の条件確認が重要です。

ドップラー式超音波流量計

ドップラー式は、流体中の気泡・粒子に反射した超音波の周波数偏移(ドップラー効果)から流速を求める方式です。

気泡やスラリーが必要なため、清澄な液体には使えませんが、下水・汚泥・鉱液など濁った流体の測定に適しています。

渦流量計・熱式流量センサーの仕組み

続いては、渦流量計と熱式流量センサーの測定原理と特徴を確認していきます。

渦流量計(ボルテックスフローメーター)の原理

渦流量計は、カルマン渦の発生周波数を利用して流量を測定します。

配管内に設置した三角柱(ブラフボディ)の下流側に、流速に比例した周波数でカルマン渦が発生します。

カルマン渦周波数:f = St × v / d

St:ストローハル数(ブラフボディ形状で決まる定数、通常0.2程度)

v:流速(m/s)、d:ブラフボディの幅(m)

Q = (f × A × d) / St

渦流量計は液体・気体・蒸気に使用でき、特に蒸気流量計として広く採用されています。

可動部がなくメンテナンスが容易で、精度も良好(±1%程度)という特長があります。

ただし、低流速域では渦が安定しないため測定下限が存在します。

熱式流量センサーの原理と特長

熱式流量センサーは、加熱素子と温度センサーを利用して流量を測定します。

流体が流れると加熱素子から熱が奪われ、その冷却量(消費電力または温度差)が流量に比例します。

主な方式として、熱拡散式マスフローコントローラー(MFC)型があります。

熱式は特に気体の質量流量の測定に優れており、半導体製造・実験装置・環境モニタリングで広く使われています。

圧力・温度補正なしに質量流量を直接測定できる点が最大の利点です。

ただし、流体の種類ごとに熱物性値が異なるため、使用流体に応じたキャリブレーションが必要です。

流量スイッチとは?流量センサーとの違い

続いては、流量スイッチの役割と流量センサー(流量計)との違いについて確認していきます。

流量スイッチの基本機能

流量スイッチとは、流量が設定値を上回ったまたは下回ったときにON/OFF信号を出力するスイッチです。

流量の連続測定・記録は行わず、「流れているか・いないか」「設定流量以上か以下か」を検知してアラームや保護回路を作動させるために使われます。

冷却水の断流検知、ポンプの空転保護、フィルターの目詰まり検知など、設備保護のための最低限の流量管理に適しています。

流量スイッチの種類

流量スイッチには以下のような種類があります。

パドル式(フラッパー式)は、流体の流れによって板状のパドルが押し倒され、マイクロスイッチをONにする最もシンプルな構造です。

低コストで信頼性が高く、液体の断流検知によく使われます。

熱式流量スイッチは、熱式センサーの原理を応用したもので、気体・液体の両方に対応し、可動部がないため耐久性に優れています。

差圧式流量スイッチは、オリフィスなどで発生する差圧を利用したスイッチで、設定流量での差圧に対応したスイッチ点が設定できます。

流量センサーと流量スイッチの選択基準

項目 流量センサー(流量計) 流量スイッチ
出力 連続アナログ/デジタル信号 ON/OFFデジタル信号
用途 プロセス制御・計量・記録 設備保護・アラーム
コスト 一般的に高価 一般的に低価格
精度 高精度(±0.5〜2%) スイッチ点での ON/OFF
設置 直管長など設置条件あり 比較的簡便

コスト重視の設備保護用途には流量スイッチ、プロセス制御や計量が必要な用途には流量センサーを選択することが基本です。

まとめ

本記事では、流量センサーの基本的な役割と分類から、電磁・超音波(クランプオン型)・渦式・熱式の各測定原理と特徴、流量スイッチとの違いまで詳しく解説しました。

流量センサーは測定原理・対象流体・精度要求・設置条件によって最適な種類が異なります。

電磁流量計は導電性液体に優れ、超音波クランプオン型は後付けや非接触測定に適し、渦式は蒸気・気体にも使えます。

熱式は気体の質量流量測定に特長を持ち、流量スイッチは簡便な設備保護に活躍します。

各流量センサーの特長を正しく理解し、用途と条件に合った最適な機器を選定することが、計測精度と設備信頼性の向上につながるでしょう。