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実数と整数の違いを簡単に解説!自然数との違いも

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数学を学んでいると、実数、整数、自然数といった様々な数の種類が登場します。これらは一見似ているようで、実は明確な違いがあるのです。

「実数と整数って何が違うの?」「自然数は整数に含まれるの?」「分数は実数?整数?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。これらの違いを正確に理解することは、数学の基礎を固める上で欠かせません。

本記事では、実数と整数と自然数の違いを、具体例を交えながら分かりやすく解説していきます。それぞれの数の定義や関係性、包含関係を理解すれば、数学の問題を解く際の混乱がなくなるはずです。数の分類をマスターしたい方は、ぜひ最後までお読みください。

実数と整数の基本的な違い

それではまず、実数と整数の根本的な違いから見ていきます。

整数とは何か

整数とは、小数部分を持たない数のことです。具体的には、正の整数、0、負の整数を合わせた数の集合を指します。

記号ℤで表され、これはドイツ語のZahlen(数)に由来しています。整数は数を数える際の基本単位であり、最も馴染み深い数の一つでしょう。

整数の定義

ℤ = {…, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, …}

小数点以下がない数

整数には、りんごを数えるときの1個、2個、3個という正の整数だけでなく、借金を表すマイナスの数や、何もない状態を表す0も含まれます。

整数の重要な特徴は、隣り合う整数の間には整数が存在しないという点です。1と2の間に整数はなく、次の整数は必ず1つ離れています。これを離散的(とびとび)な性質と呼びます。

整数同士の足し算、引き算、掛け算の結果は必ず整数になります。しかし割り算は注意が必要で、6÷2=3は整数ですが、5÷2=2.5は整数ではありません。

実数とは何か

実数とは、数直線上のすべての点に対応する数です。整数だけでなく、分数や小数、さらには√2やπのような無理数も含まれます。

記号ℝで表され、これは英語のReal numbers(実数)に由来しています。実数は数学において最も広く使われる数の体系です。

実数の例

  • 整数:-2, 0, 5
  • 分数:1/2, -3/4, 7/3
  • 有限小数:0.5, 1.25, -3.14
  • 循環小数:0.333…, 1.666…
  • 無理数:√2, π, e

実数の特徴は連続性です。任意の2つの実数の間には、必ず別の実数が無限に存在します。1と2の間には1.5があり、1と1.5の間には1.25があり、というように無限に細かく分割できるのです。

この連続性により、実数は長さや時間、温度といった連続的に変化する量を表すのに適しています。物理学や工学で扱う多くの量は、実数で表現されるわけです。

実数同士の四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)の結果は、0で割る場合を除き、すべて実数になります。

実数と整数の包含関係

実数と整数の関係は、整数は実数の一部であるという包含関係にあります。

すべての整数は実数ですが、すべての実数が整数というわけではありません。整数は実数という大きな集合の中の、特別な部分集合なのです。

包含関係

整数 ⊂ 実数

(整数は実数に含まれる)

数直線で考えると分かりやすいでしょう。整数は数直線上の特定の点(-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, …)にしか対応しません。一方で実数は、数直線上のすべての点に対応します。

整数か 実数か
5
-3
0
1/2 ×
√2 ×
π ×

整数である数は自動的に実数でもあります。しかし1/2や√2のように、整数ではないが実数である数が多数存在するのです。

この違いを理解することで、「実数解を求めよ」と「整数解を求めよ」という問題の違いが明確になります。前者は分数や無理数も含みますが、後者は小数点のない整数のみが答えとなるわけです。

自然数と整数の違い

続いては、自然数と整数の関係について確認していきましょう。

自然数とは何か

自然数とは、物を数えるときに使う数のことで、1から始まる正の整数です。

記号ℕで表され、これは英語のNatural numbers(自然数)に由来しています。「自然」という名前は、人類が最も自然に使い始めた数という意味です。

自然数の定義

ℕ = {1, 2, 3, 4, 5, …}

1から始まる正の整数

りんごを数えるとき、1個、2個、3個と数えます。この1, 2, 3, …が自然数です。0個や-1個という数え方はしないため、自然数には0や負の数は含まれません。

ただし数学の分野によっては、0を自然数に含める流儀もあります。特に集合論や論理学では、0を含めることが多いのです。しかし日本の初等教育では、通常1から始まるものとして教えられます。

自然数は数学の最も基本的な概念であり、他のすべての数の体系はここから構築されていきます。自然数から整数へ、整数から有理数へ、有理数から実数へと拡張されていくのです。

自然数と整数の違い

自然数と整数の違いは、0と負の数を含むかどうかです。

自然数は正の数だけですが、整数は正の数、0、負の数のすべてを含みます。つまり自然数は整数の一部なのです。

項目 自然数 整数
範囲 1, 2, 3, … …, -2, -1, 0, 1, 2, …
0を含む ×(通常)
負の数を含む ×
記号

具体例で考えてみましょう。

数の分類例

  • 5:自然数であり、整数でもある
  • 0:整数だが、自然数ではない
  • -3:整数だが、自然数ではない
  • 1/2:自然数でも整数でもない

自然数は整数に含まれるため、ℕ⊂ℤという関係が成り立ちます。すべての自然数は整数ですが、すべての整数が自然数というわけではありません。

この違いは、問題を解く際に重要です。「自然数nについて」という条件があれば、n=1, 2, 3, …のみを考えればよいのです。一方「整数nについて」なら、0や負の数も考慮する必要があります。

自然数の特別な性質

自然数には、他の数の集合にはない特別な性質があります。

まず自然数には最小値が存在します。最小の自然数は1(または0を含める場合は0)です。一方で整数や実数には最小値がなく、どこまでも小さくなっていきます。

自然数の重要な性質

  • 最小値がある(通常は1)
  • 最大値はない(無限に続く)
  • 数学的帰納法が使える
  • 順序が明確(大小関係が必ず決まる)

数学的帰納法は、自然数に関する命題を証明する強力な手法です。「n=1で成立し、n=kで成立すればn=k+1でも成立する」ことを示せば、すべての自然数で成立すると結論できます。

この手法は、自然数が1から始まり、1ずつ増えていく構造を持つからこそ使えるのです。整数や実数では、このような証明法は適用できません。

また自然数は可算集合(数え上げられる無限集合)の典型例です。無限に存在しますが、1, 2, 3, …と順番に数え上げることができるのです。

自然数のこうした性質は、組み合わせ論や整数論といった数学の分野で重要な役割を果たしています。

実数・整数・自然数の包含関係

それでは、これら3つの数の集合がどのような関係にあるか見ていきましょう。

数の集合の階層構造

実数、整数、自然数は、入れ子構造になっています。

最も狭い範囲が自然数で、それを拡張したものが整数、さらに拡張したものが実数です。各段階で新しい種類の数が追加されていくわけです。

包含関係

自然数 ⊂ 整数 ⊂ 実数

ℕ ⊂ ℤ ⊂ ℝ

自然数から整数への拡張では、0と負の数が追加されます。これにより引き算が常にできるようになりました。5-8=-3というように、大きい数から小さい数を引いても答えが出るのです。

整数から実数への拡張では、分数や無理数が追加されます。これにより割り算(0で割る場合を除く)が常にでき、連続的な量を表現できるようになりました。

拡張 追加される数 できるようになること
自然数→整数 0、負の数 引き算が常にできる
整数→有理数 分数 割り算が常にできる
有理数→実数 無理数 連続性が得られる

この階層構造を理解することで、ある数がどの集合に属するかを正確に判断できます。

ベン図で見る数の関係

数の集合の関係は、ベン図を使って視覚的に表現できます。

実数という大きな円の中に、整数という小さな円があり、その中にさらに自然数という最小の円があるイメージです。

数の分類(ベン図イメージ)

実数ℝ【最大の円】

├─整数ℤ【中くらいの円】

│ └─自然数ℕ【最小の円】

└─その他の実数(分数、無理数など)

例えば数3を考えると、これは自然数の円の中にあり、同時に整数の円の中にもあり、実数の円の中にもあります。つまり3は自然数であり、整数であり、実数でもあるのです。

一方で1/2は、実数の円の中にはありますが、整数の円の外にあります。したがって1/2は実数ですが、整数ではなく、当然自然数でもありません。

-5は整数の円の中にありますが、自然数の円の外です。つまり-5は実数であり整数ですが、自然数ではないのです。

この視覚的なイメージを持つことで、数の分類が直感的に理解できるようになるでしょう。

他の数の集合との関係

実数、整数、自然数以外にも、重要な数の集合があります。

有理数ℚは、分数で表せる数の集合です。整数と実数の間に位置し、整数⊂有理数⊂実数という関係があります。

完全な包含関係

自然数ℕ ⊂ 整数ℤ ⊂ 有理数ℚ ⊂ 実数ℝ ⊂ 複素数ℂ

有理数には、すべての整数と、1/2や-3/4のような分数が含まれます。小数で表すと、有限小数または循環小数になるのが特徴です。

無理数は、有理数ではない実数のことです。√2、π、eなどがこれに当たります。小数で表すと、循環しない無限小数になります。

複素数ℂは、実数と虚数を含む最も広い数の集合です。すべての実数は複素数ですが、i(√-1)のような虚数単位を含む数は実数ではありません。

集合 記号
自然数 1, 2, 3, 4, …
整数 …, -2, -1, 0, 1, 2, …
有理数 1/2, -3, 0.25, 0.333…
無理数 ℝ\ℚ √2, π, e
実数 有理数∪無理数
複素数 3+2i, i, 実数すべて

これらの集合の関係を正確に理解することで、数学の様々な問題に対応できるようになります。

実数・整数・自然数の具体例と判定

続いては、具体的な数がどの集合に属するか判定する練習をしていきましょう。

正の数の分類

まずは正の数から見ていきます。

例1:5

・自然数である:○(5は正の整数)

・整数である:○(小数点以下がない)

・実数である:○(数直線上に表せる)

例2:1/2 = 0.5

・自然数である:×(1より小さい)

・整数である:×(小数点以下がある)

・実数である:○(数直線上に表せる)

例3:√2 ≈ 1.414…

・自然数である:×(整数ではない)

・整数である:×(循環しない無限小数)

・実数である:○(数直線上に表せる)

正の数であっても、小数点以下があれば整数ではありません。整数かどうかは、小数点以下が0かどうかで判断できます。

自然数であるためには、整数であることに加えて、1以上である必要があります。0.9999…のように限りなく1に近くても、1でなければ自然数ではないのです。

0と負の数の分類

0と負の数の分類も確認しましょう。

例4:0

・自然数である:×(自然数は1から)

・整数である:○(0は整数に含まれる)

・実数である:○(数直線上の原点)

0は特別な数です。整数であり実数ですが、通常の定義では自然数ではありません。ただし分野によっては0を自然数に含めることもあるため、文脈に注意が必要でしょう。

例5:-3

・自然数である:×(負の数)

・整数である:○(小数点以下がない)

・実数である:○(数直線上に表せる)

例6:-1/4 = -0.25

・自然数である:×(負の数)

・整数である:×(小数点以下がある)

・実数である:○(数直線上に表せる)

負の数は、決して自然数ではありません。また小数点以下がある場合は、負であっても整数ではないのです。

判定のポイントまとめ

数の分類を判定する際のポイントをまとめましょう。

判定の手順

1. 実数か?→ 数直線上に表せればYES

2. 整数か?→ 小数点以下が0ならYES

3. 自然数か?→ 整数かつ1以上ならYES

この順序で判定すれば、どの集合に属するか確実に分かります。

自然数 整数 有理数 実数
10
0 ×
-7 ×
2/3 × ×
π × × ×
i × × × ×

特殊なケースとして、2.0のような表記があります。これは見た目は小数ですが、値は2という整数です。したがって2.0は整数であり、自然数でもあるのです。重要なのは値であって、表記の形式ではありません。

また無限小数でも、0.999…=1のように整数に等しい場合があります。これも整数として扱われるわけです。

数の分類に迷ったら、まず「小数点以下に0以外があるか」を確認しましょう。あれば整数ではなく、なければ整数です。次に「1以上か」を確認すれば、自然数かどうかが分かります。

まとめ 実数と整数と自然数の違いや見分け方

本記事では、実数と整数と自然数の違いを、包含関係や具体例を通して詳しく解説しました。

自然数は1から始まる正の整数、整数は0と負の数を含む、実数はさらに分数や無理数を含む連続的な数です。包含関係は自然数⊂整数⊂実数となり、内側ほど限定的で、外側ほど広い概念になります。

数の分類を正確に理解することで、方程式の解の条件や関数の定義域を正しく判断できるようになるでしょう。基礎をしっかり固めて、数学の理解を深めていってください。