「自分の送別会なのに正直行きたくない…」そんな複雑な気持ちを抱えていませんか？
退職が決まると、職場の方々が送別会を企画してくれるのはありがたいことですが、正直なところ「参加したくない」と感じる人も実は少なくありません。
注目されるのが苦手、職場の人間関係が微妙だった、お金の負担が気になるなど、理由はさまざまです。でも自分が主役なのに断るなんて、失礼にならないか心配になりますよね。
安心してください。送別会を断ることは決して失礼なことではありません。
大切なのは、相手への感謝の気持ちを忘れずに、適切な方法で断ることです。この記事では、角を立てずに送別会を断る具体的な方法から、断った後の職場での過ごし方まで詳しく解説していきます。
自分らしい退職の仕方を選択するためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
送別会に行きたくない理由って意外と多い
それではまず、送別会に参加したくないと感じる理由について解説していきます。
注目されるのが苦手・恥ずかしい
送別会の主役として注目を浴びることに、強いストレスを感じる人は多いものです。
「みんなの前でスピーチするのが恥ずかしい」「注目されるのが苦手」という気持ちは、決して珍しいことではありません。
普段から人前で話すことが苦手な人にとって、送別会でのあいさつや乾杯の音頭は大きなプレッシャーになります。
また、涙もろい人の場合、感動的な場面で泣いてしまうことを恥ずかしく感じて避けたいと思うこともあるでしょう。
「みんなに見送られるのは嬉しいけど、やっぱり恥ずかしい」という複雑な気持ちを抱くのは、とても自然な感情です。内向的な性格の人ほど、こうした気持ちが強くなる傾向があります。
職場の人間関係が微妙だった
職場での人間関係があまり良くなかった場合、送別会への参加を躊躇してしまうのも無理はありません。
苦手な上司や同僚がいる、派閥があって居心地が悪かった、パワハラやいじめがあったなど、ネガティブな職場環境だった場合は特にそうです。
「形だけの送別会に参加するより、静かに去りたい」と感じるのは当然の気持ちです。
また、転職理由が職場の人間関係だった場合、最後まで無理をして笑顔を作り続けるのは精神的に辛いものがあります。
「お世話になりました」と言いながらも、心の中では複雑な感情を抱えているという状況は、決して珍しいことではありません。自分の気持ちに正直になることも、時には大切です。
お金や時間の負担が気になる
送別会への参加には、意外と費用がかかるものです。
飲み会代、二次会代、場合によっては服装代なども含めると、数千円から1万円以上の出費になることも珍しくありません。
転職や退職のタイミングは何かとお金がかかる時期でもあるため、経済的な負担を避けたいと考えるのは現実的な判断です。
また、引っ越し準備や新しい職場への準備で忙しい時期に、貴重な時間を送別会に使うことへの躊躇もあるでしょう。
特に平日の夜に開催される場合、翌日の準備に支障が出る可能性もあります。「気持ちはありがたいけれど、今は他のことを優先したい」という考えも十分に理解できるものです。
送別会を断る時の上手な理由と伝え方
続いては、実際に送別会を断る際の具体的な方法について確認していきます。
体調不良を理由にする場合のポイント
最も使いやすく、相手も納得しやすいのが体調不良を理由にする方法です。
「申し訳ございませんが、体調を崩してしまい参加が難しそうです」といった伝え方が効果的です。
具体的な病名を言う必要はありませんが、「風邪気味で」「お腹の調子が悪くて」程度の説明があると、より自然に聞こえます。
ただし、この理由を使う場合は一貫性が重要です。送別会当日や翌日に元気に出社すると不自然に見えてしまうので、最終出社日までは体調管理に気をつけている様子を見せることが大切です。
また、「お気遣いいただいたのに申し訳ありません」という謝罪の気持ちを必ず込めて伝えましょう。相手の好意に対する感謝の気持ちも忘れずに表現することがポイントです。
家庭の事情を理由にする方法
家庭の用事や事情を理由にするのも、一般的で受け入れられやすい断り方です。
「家族の用事がありまして」「親の介護の関係で」「子供の行事と重なってしまい」など、具体的すぎない程度に理由を伝えます。
プライベートな内容なので、詳しく聞かれることも少なく、相手も納得しやすい理由です。
この場合も「せっかく企画していただいたのに申し訳ありません」という謝罪と、「お心遣いは本当にありがたく思っています」という感謝の気持ちを併せて伝えることが大切です。
特に既婚者や子育て中の方、高齢の親がいる方などは、こうした理由に対して周囲の理解も得られやすいでしょう。ただし、嘘をつく場合は後で辻褄が合わなくならないよう注意が必要です。
正直に気持ちを伝える場合の言い回し
関係性によっては、正直な気持ちを伝えることも一つの方法です。
「お気持ちは本当にありがたいのですが、実は大勢の前でのあいさつが苦手で…」「みなさんには個別にお礼をさせていただきたく」といった、相手への配慮を込めた正直な表現が効果的です。
「人見知りなので」「緊張してしまうので」といった自分の性格的な理由を素直に伝えることで、相手も理解を示してくれることが多いものです。
ただし、この方法は普段から信頼関係のある相手に対してのみ使用することをおすすめします。
「わがままを言ってすみません」「ご厚意を無駄にしてしまい申し訳ありません」という謙虚な姿勢を示すことで、角を立てずに断ることができます。
断る時に気をつけたいマナーと配慮
続いては、送別会を断る際に注意すべきポイントについて確認していきます。
早めに連絡することの大切さ
送別会を断る場合は、できるだけ早めに連絡することが最も重要です。
企画者は参加人数を把握して会場の予約や料理の手配をする必要があるため、直前のキャンセルは大きな迷惑をかけてしまいます。
遅くとも3日前、できれば1週間前には連絡するのがマナーです。企画の話が出た時点で参加が難しそうだと分かっているなら、その場で伝えてしまうのがベストです。
連絡方法は、企画者との関係性にもよりますが、口頭で伝えるか、丁寧なメールや LINE を送るのが一般的です。
「急な連絡で申し訳ありません」という謝罪から始めて、理由を簡潔に説明し、「ご迷惑をおかけして本当にすみません」で締めくくると良いでしょう。
感謝の気持ちは必ず伝える
送別会を断る際も、企画してくれた人への感謝の気持ちは必ず伝えることが大切です。
「お心遣いいただき、本当にありがとうございます」「わざわざ企画していただいたのに申し訳ありません」といった言葉で、相手の好意に対する感謝を示しましょう。
また、「みなさんと過ごした時間は本当に貴重でした」「職場での経験は財産になります」など、職場での思い出や学びに対する感謝も併せて伝えると、より気持ちが伝わります。
断ることに対する罪悪感から、素っ気なく断ってしまいがちですが、感謝の気持ちをしっかりと表現することで、相手との関係を良好に保つことができます。
たとえ参加しなくても、「大切に思われていた」という気持ちが相手に伝われば、きっと理解してもらえるはずです。
代替案を提案する方法
送別会を断る場合でも、何らかの代替案を提案することで、相手への配慮を示すことができます。
「送別会への参加は難しいのですが、お昼休みに個別にお礼のあいさつをさせていただけませんか」「最終出社日に少しお時間をいただいて、みなさんにお礼を申し上げたく」といった提案が効果的です。
大勢での会食は避けたいが、感謝の気持ちは伝えたいという意思を示すことで、相手も納得しやすくなります。
また、「お花やお菓子は遠慮させていただきますが、お気持ちだけいただきます」といった、物品に関する配慮も大切です。
代替案を提案することで、単に断るだけではなく、自分なりの方法で感謝を表現したいという前向きな姿勢を示すことができます。
断った後の職場での過ごし方
続いては、送別会を断った後の職場での立ち振る舞いについて確認していきます。
気まずい雰囲気の乗り切り方
送別会を断った後、職場で少し気まずい雰囲気になることもあります。
そんな時は、いつも以上に明るく、感謝の気持ちを持って接することが大切です。
「おはようございます」「お疲れさまです」といった日常的な挨拶も、いつもより丁寧に、笑顔で行うよう心がけましょう。
送別会の話題が出た時は、「企画していただいて本当にありがたかったです」「参加できなくて申し訳ありませんでした」といった感謝と謝罪の気持ちを改めて伝えます。
気まずさを感じるのは自然なことですが、それを表情や態度に出してしまうと、かえって相手も気を遣ってしまいます。残り少ない職場生活を気持ちよく過ごすためにも、前向きな姿勢を保つことが重要です。
個別にお礼を伝える方法
送別会に参加しない分、個別にお礼を伝える機会を作ることが大切です。
特にお世話になった人や、送別会を企画してくれた人には、直接感謝の気持ちを伝える時間を作るよう心がけましょう。
「少しお時間をいただけませんか」とお願いして、「これまで本当にお世話になりました」「○○さんから学んだことがたくさんありました」といった具体的な感謝の言葉を伝えます。
手紙やカードを書いて渡すのも、気持ちが伝わる良い方法です。直筆のメッセージは、口頭では恥ずかしくて言えない感謝の気持ちも素直に表現できます。
個別のあいさつは送別会とは違って、一対一でゆっくりと話ができるため、より深い感謝の気持ちを伝えることができるという利点もあります。
最後まで良好な関係を保つコツ
退職まで残り少ない期間だからこそ、最後まで良好な人間関係を保つことが重要です。
引き継ぎは丁寧に行い、後任の人が困らないよう配慮することで、プロフェッショナルな姿勢を示しましょう。
「何かご不明な点があれば、いつでも連絡してください」といった、退職後も協力的な姿勢を示すことも大切です。
また、最終出社日には改めて全員に感謝の挨拶をして、気持ちよく職場を去ることを心がけます。
送別会は断ったとしても、職場での最後の印象が良ければ、みなさんもきっと気持ちよく送り出してくれるはずです。将来的に元同僚と再会する機会もあるかもしれませんので、良い関係を保ったまま退職することは、長期的に見てもプラスになります。
まとめ：自分らしい退職の仕方を選ぼう
職場の送別会を断ることは、決して失礼なことではありません。
大切なのは、相手への感謝の気持ちを忘れずに、適切な方法で断ることです。
体調不良や家庭の事情など無難な理由から、正直な気持ちを伝える方法まで、自分の状況に合った断り方を選択しましょう。
早めの連絡、感謝の気持ちの表現、代替案の提案など、相手への配慮を忘れないことがポイントです。
送別会を断った後も、個別にお礼を伝えたり、最後まで良好な関係を保ったりすることで、気持ちよく職場を去ることができます。
退職の仕方に正解はありません。
大勢での送別会が苦手な人もいれば、静かに去りたい人もいます。自分の性格や価値観に合った方法を選択することで、より納得のいく退職体験になるはずです。
相手への感謝の気持ちさえ忘れなければ、きっと周囲の人も理解してくれるでしょう。自分らしい退職の仕方を選択して、新しいステップへと進んでいってくださいね。
