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粘度単位の種類は?換算方法や記号も解説!(Pa・s・cps・cst・ポアズ・単位変換・一覧表など)

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粘度の単位は国際単位系(SI単位)から旧単位系まで複数の体系が混在しており、分野によって使用される単位が異なるため換算が必要になる場面が多くあります。

流体工学・化学・食品・化粧品・医薬品・塗料・石油など粘度が重要なあらゆる分野で、正確な単位換算の知識は実務上不可欠です。

この記事では、粘度の単位の種類(動粘度・絶対粘度)・記号・換算方法・一覧表・よく使われるcPs・cStなどの旧単位との関係について詳しく解説していきます。

粘度の単位体系:絶対粘度と動粘度の二種類をまず理解しよう

それではまず、粘度の基本概念と「絶対粘度」と「動粘度」という二種類の粘度の違いと単位について解説していきます。

粘度には流体の内部抵抗を表す「絶対粘度(動力学的粘度:μ)」と、絶対粘度を密度で割った「動粘度(ν)」の二種類があり、それぞれ異なる単位系が存在します。

絶対粘度μはニュートンの粘性法則(せん断応力=粘度×せん断速度)で定義される量です。

動粘度νはν=μ/ρ(ρ:密度)として定義され、流体の運動方程式(ナビエ-ストークス方程式)での無次元化や管内流動の解析でよく使用されます。

SI単位系の粘度単位

国際単位系(SI)では絶対粘度の単位はPa・s(パスカル秒)です。

Pa・s = N·s/m² = kg/(m·s) という次元を持ちます。

動粘度のSI単位はm²/s(平方メートル毎秒)です。

m²/sは実用的に非常に小さい単位(水の動粘度は約1×10⁻⁶ m²/s)であるため、実務ではmm²/s(平方ミリメートル毎秒)が広く使用されます。

mm²/s = 1 cSt(センチストークス)という関係があり、実は旧単位cStとSI単位mm²/sは数値的に等しいため換算不要という便利な関係があります。

旧CGS単位系の粘度単位

国際単位系以前に広く使用されていたCGS単位系では、絶対粘度の単位はP(ポアズ:Poise)、動粘度はSt(ストークス:Stokes)です。

1 P = 0.1 Pa・s、1 cP(センチポアズ)= 0.001 Pa・s = 1 mPa・s という関係です。

1 St = 1 cm²/s = 10⁻⁴ m²/s、1 cSt(センチストークス)= 0.01 St = 1 mm²/s という関係です。

粘度単位の一覧表と換算係数

単位名 記号 種類 SI単位換算 備考
パスカル秒 Pa·s 絶対粘度 1 Pa·s SI基本単位
ミリパスカル秒 mPa·s 絶対粘度 0.001 Pa·s 実務で多用
ポアズ P 絶対粘度 0.1 Pa·s CGS旧単位
センチポアズ cP(cPs) 絶対粘度 0.001 Pa·s = 1 mPa·s cP=mPa·sで数値等しい
平方メートル毎秒 m²/s 動粘度 1 m²/s SI基本単位
平方ミリメートル毎秒 mm²/s 動粘度 10⁻⁶ m²/s cStと数値等しい
ストークス St 動粘度 10⁻⁴ m²/s CGS旧単位
センチストークス cSt 動粘度 10⁻⁶ m²/s = 1 mm²/s cSt=mm²/sで数値等しい

粘度単位の換算方法と計算例

続いては、主要な粘度単位間の換算方法と具体的な計算例を確認していきます。

換算をスムーズに行えるようになることで、異なる情報源からのデータを統一した基準で比較できます。

絶対粘度の換算計算

最もよく使われる換算はcP(センチポアズ)とPa·s(またはmPa·s)の相互換算です。

絶対粘度の換算式と例:1 cP = 1 mPa·s = 0.001 Pa·s。例1:水の粘度(20℃)≈ 1.002 cP = 1.002 mPa·s = 0.001002 Pa·s。例2:エンジンオイルSAE 30(40℃)≈ 100 cP = 100 mPa·s = 0.1 Pa·s。例3:グリセリン(25℃)≈ 934 cP = 0.934 Pa·s。1 P = 100 cP = 0.1 Pa·s = 100 mPa·s。

cPとmPa·sは数値が等しいため「cPで測定した値はそのままmPa·sの値として使える」という実用上の便利さがあります。

動粘度の換算計算

動粘度のcSt(センチストークス)とmm²/sおよびm²/sの換算です。

動粘度の換算式と例:1 cSt = 1 mm²/s = 10⁻⁶ m²/s。例1:水の動粘度(20℃)≈ 1.004 cSt = 1.004 mm²/s = 1.004×10⁻⁶ m²/s。例2:潤滑油VG46(40℃)≈ 46 cSt = 46 mm²/s。例3:空気の動粘度(20℃)≈ 15.1 cSt = 15.1 mm²/s。cStとmm²/sは数値が等しいため換算は不要です。

工業用潤滑油のISO粘度グレード(VG)の数値は40℃における動粘度のcSt値の中心値を表しており、VG46なら40℃での動粘度が46 cSt(mm²/s)付近であることを意味します。

絶対粘度から動粘度への換算

絶対粘度μと動粘度νの関係はν=μ/ρ(ρ:密度)です。

この換算には流体の密度データが必要です。

換算例:水(20℃)の絶対粘度μ=1.002 mPa·s=0.001002 Pa·s、密度ρ=998.2 kg/m³。動粘度ν=μ/ρ=0.001002/998.2=1.004×10⁻⁶ m²/s=1.004 cSt。計算結果は実測値(約1.004 cSt)と一致します。

各種流体の粘度と単位の実用データ

続いては、実務で参照される各種流体の粘度値と単位の実用的なデータを確認していきます。

実際の設計・品質管理で参考になる粘度データを把握しておくことは非常に重要です。

代表的な流体の絶対粘度一覧

流体 温度(℃) 絶対粘度(mPa·s) 分類
空気 20 0.018 気体
20 1.002 低粘度液体
100 0.282 低粘度液体
エタノール 20 1.20 低粘度液体
エンジンオイルSAE10W 40 45〜75 中粘度液体
グリセリン 25 934 高粘度液体
蜂蜜 25 2000〜10000 高粘度液体
ガラス(加工時) 1000 10⁹〜10¹² 超高粘度

流体の粘度は温度によって大きく変化するため、粘度データを参照・比較する際は必ず温度条件を確認することが重要です。

産業分野別の粘度単位の使い分け

石油・潤滑油分野ではcSt(センチストークス)・動粘度(40℃・100℃)・粘度指数が標準的な表示方法です。

食品・医薬品・化粧品分野ではmPa·s(またはcP)が広く使用されています。

塗料・インク分野ではKU(クレブス単位)・dPa·s・粘度計の読み取り値が使用される場合があります。

化学工学・流体力学の計算では一般にPa·sとm²/sというSI単位で統一することが推奨されます。

まとめ

この記事では、粘度の単位の種類・記号・換算方法・計算例・実用データについて解説しました。

絶対粘度(Pa·s・mPa·s・cP)と動粘度(m²/s・mm²/s・cSt)という二種類の粘度と、それぞれの単位体系の換算関係を正確に理解することが実務上の基本です。

cP=mPa·s・cSt=mm²/sという数値的に等しい関係を覚えておくことで、旧単位とSI単位間の換算が非常にシンプルになります。

粘度データは必ず温度条件とともに確認し、適切な単位に換算した上で比較・活用することが品質管理・設計計算における基本的なリテラシーです。