東京都内で住まい探しをしている方の中には、町屋という駅名を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
町屋は都心へのアクセスが良好でありながら、比較的落ち着いた雰囲気を持つエリアとして知られています。しかし、インターネットで検索すると「住みたくない」というキーワードも見かけることがあり、実際のところどうなのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、町屋が何区に位置しているのか、どんな路線が利用できるのか、周辺にはどのような施設があるのかといった基本情報から、住環境の実態まで詳しく解説していきます。
これから町屋での生活を検討している方はぜひ参考にしてください。
町屋は荒川区のどこにある？アクセスと基本情報
それではまず、町屋の基本的な位置情報とアクセスについて解説していきます。
町屋の位置と荒川区の特徴
町屋は東京都荒川区に位置しています。
荒川区は東京23区の北東部に位置し、北区、台東区、足立区、墨田区などと隣接しています。荒川区全体の人口は約21万人で、下町情緒が残る住宅地として知られています。
町屋エリアは荒川区の中でも比較的中心部に位置しており、区役所へのアクセスも良好です。
荒川区は昔ながらの商店街が多く残り、地域のコミュニティが活発なエリアとしても知られています。
また、隅田川や荒川といった大きな河川に囲まれているため、水辺の景観を楽しめるのも特徴の一つです。町屋駅周辺は再開発も進んでおり、古い街並みと新しい施設が共存する独特の雰囲気を持っています。
町屋駅で利用できる路線は？
これは都内でも屈指の交通利便性と言えるでしょう。東京メトロ千代田線を利用すれば、大手町や日比谷、表参道などのビジネス街やショッピングエリアへ乗り換えなしでアクセスできます。
千代田線は通勤時間帯の混雑は避けられませんが、始発駅である綾瀬駅まで2駅という近さなので、座って通勤できる可能性も高いです。
京成本線は成田空港方面へのアクセスに優れており、出張や旅行の際に非常に便利です。京成町屋駅から京成上野駅までは約10分、日暮里駅までは約5分とアクセスが良好です。
都電荒川線は早稲田から三ノ輪橋を結ぶ路面電車で、下町情緒を感じながら移動できる魅力的な交通手段です。この3路線が利用できることで、都内各所へのアクセスの選択肢が広がります。
主要駅までの所要時間
町屋駅から主要駅までの所要時間を具体的に見ていきましょう。
東京メトロ千代田線を利用すれば、大手町まで約15分、日比谷まで約20分、表参道まで約30分でアクセス可能です。乗り換えなしで都心の主要オフィス街に到着できるのは大きな魅力です。
また、京成本線を使えば上野まで約10分、日暮里まで約5分と、JR山手線への乗り換えもスムーズです。
日暮里で山手線に乗り換えれば、東京駅まで約20分、新宿駅まで約25分、渋谷駅まで約35分程度となります。
さらに、京成本線の特急を利用すれば成田空港まで約60分でアクセスできるため、海外出張や旅行が多い方にとっても非常に便利な立地と言えます。
通勤時間を重視する方にとって、この交通利便性は大きな決め手となるでしょう。
町屋駅周辺には何がある？生活環境をチェック
続いては、町屋駅周辺の生活環境について確認していきます。
商業施設とショッピング環境
町屋駅周辺には日常生活に必要なショッピング施設が充実しています。
駅直結の「サンポップ町屋」には、スーパーマーケットや飲食店、書店、衣料品店などが入っており、仕事帰りに買い物を済ませることができます。
サンポップ町屋は地域密着型のショッピングセンターとして、地元住民に長年愛されています。
また、駅周辺には複数のスーパーマーケットがあり、価格やお好みに応じて選べるのも便利なポイントです。西友、まいばすけっと、ライフなど、大手チェーンのスーパーが揃っています。
さらに、昔ながらの商店街も健在で、個人商店での買い物を楽しむこともできます。商店街では新鮮な野菜や魚、惣菜などが手に入り、店主との会話を楽しみながら買い物ができる温かみのある雰囲気が魅力です。
コンビニエンスストアも駅周辺に複数あり、24時間営業の店舗もあるため、深夜の急な買い物にも対応できます。
公園や自然環境
町屋周辺は都内でありながら緑豊かな環境に恵まれています。
特に注目すべきは荒川自然公園で、約6万平方メートルの広大な敷地を持つ区内最大の公園です。
園内には野球場、テニスコート、交通園、昆虫観察園などがあり、子育て世帯にとって理想的な環境が整っています。春には桜が咲き誇り、お花見スポットとしても人気です。
また、隅田川沿いには遊歩道が整備されており、ジョギングや散歩を楽しむ人の姿が見られます。河川敷では休日にピクニックやバーベキューを楽しむ家族連れの姿もあり、都会の喧騒を忘れてリラックスできる空間となっています。
尾久の原公園も近く、四季折々の花々を楽しむことができます。このように、町屋周辺は都心へのアクセスが良好でありながら、自然と触れ合える環境が整っているのが大きな魅力です。子どもを外で遊ばせたい、運動習慣を持ちたいという方にとって、この環境は非常に価値があります。
医療機関や公共施設
生活する上で欠かせない医療機関や公共施設も町屋周辺には充実しています。
東京女子医科大学東医療センターをはじめとする総合病院があり、救急対応も可能なため、万が一の際にも安心です。また、内科、小児科、歯科、整形外科など、各種クリニックも駅周辺に点在しており、日常的な健康管理にも困りません。
特に子育て世帯にとっては、小児科が複数あることは大きな安心材料となるでしょう。
公共施設としては、荒川区立町屋図書館があり、蔵書数も豊富で勉強スペースも確保されています。図書館は静かに過ごしたい時や、子どもの読書習慣を育てたい時に重宝します。
また、区民事務所も近くにあり、各種行政手続きがスムーズに行えます。さらに、区民センターやコミュニティセンターでは、各種講座やイベントが開催されており、地域住民との交流の場としても機能しています。
このように、医療・公共サービスの面でも町屋は充実した環境と言えます。
町屋に住みたくないと言われる理由は？実際の住環境
続いては、「住みたくない」という評価の背景と実際の住環境について確認していきます。
町屋のデメリットとして挙げられる点
インターネット上では町屋について「住みたくない」という意見も見られます。その理由として挙げられる主なポイントを客観的に見ていきましょう。
まず、下町エリア特有の古い木造住宅や狭い路地が多いという点が挙げられます。確かに町屋周辺には昭和期に建てられた古い建物も残っており、新築の高層マンションが立ち並ぶ湾岸エリアなどと比べると、街並みは古めかしく感じられるかもしれません。
また、商店街や住宅街の一部では道幅が狭く、車での移動がしにくい場所もあります。
次に、治安に関する懸念も挙げられることがあります。
下町エリアということで、漠然とした不安を感じる方もいるようです。
さらに、飲食店や娯楽施設の種類が、渋谷や新宿といった繁華街と比べて少ないという点も、若い世代からは物足りなさを感じられることがあります。おしゃれなカフェや最新のファッションビルを求める方には、やや地味に映るかもしれません。
実際の住みやすさと家賃相場
では、実際の住環境はどうなのでしょうか。
警視庁の犯罪統計データを見ると、荒川区の犯罪発生率は23区の中でも中位程度で、特別に治安が悪いわけではありません。むしろ、地域コミュニティが活発で、商店街の人々や住民同士の繋がりが強いため、お互いに見守り合う雰囲気があります。
実際に住んでいる方の口コミを見ると、「夜道も明るく、女性一人でも安心して歩ける」「近所の人が声をかけてくれる」といった肯定的な意見も多く見られます。
家賃相場については、1Kで7万円から8万円台、1LDKで10万円から12万円程度と、都心へのアクセスの良さを考えれば非常にリーズナブルです。
同じ千代田線沿線でも、表参道や赤坂といったエリアと比べると、半額以下で借りられる物件も多くあります。生活費を抑えながら都心で働きたいという方にとって、町屋は非常にコストパフォーマンスの高い選択肢と言えます。また、新築や築浅の物件も増えてきており、選択肢も広がっています。
町屋が向いている人・向いていない人
町屋での生活に向いているのは、通勤利便性と生活コストのバランスを重視する方です。
特に、都心のオフィスに勤務しているが家賃を抑えたい、落ち着いた住環境で暮らしたい、地域コミュニティとの繋がりを大切にしたいという方には最適なエリアと言えます。
また、子育て世帯にとっても、公園や自然環境が充実している点、保育施設や学校が揃っている点、地域の見守り体制がある点などから、安心して子育てできる環境が整っています。
一方で、町屋での生活に向いていないのは、最新のトレンドを追いたい、おしゃれなカフェやレストランに頻繁に行きたい、夜遊びや娯楽を重視したいという方です。
そうした方には、渋谷、新宿、恵比寿といったエリアの方が満足度が高いでしょう。また、車を日常的に使う方にとっては、狭い路地が多い点や駐車場代が別途かかる点がデメリットとなる可能性があります。
このように、自分のライフスタイルや価値観と照らし合わせて検討することが大切です。
まとめ 町屋は住みたくないエリア？何線で何区？何があるの？
本記事では、町屋が荒川区に位置していること、東京メトロ千代田線・京成本線・都電荒川線の3路線が利用できること、駅周辺には商業施設や公園、医療機関などが充実していることをご紹介しました。
「住みたくない」という評価については、下町エリア特有の古い街並みや、繁華街のような華やかさがない点が理由として挙げられますが、実際には治安面で大きな問題はなく、家賃相場もリーズナブルで生活しやすい環境が整っています。
都心へのアクセスが良好でありながら、落ち着いた雰囲気の中で生活コストを抑えられる町屋は、特に通勤重視の社会人や子育て世帯にとって魅力的な選択肢です。住まい選びにおいて最も重要なのは、自分のライフスタイルや価値観に合っているかどうかです。
インターネット上の評判だけで判断せず、ぜひ実際に町屋を訪れて、街の雰囲気や利便性を確かめてみてください。
駅周辺を歩いてみる、商店街で買い物をしてみる、公園を散策してみるといった体験を通じて、自分にとって本当に住みやすい街かどうかが見えてくるはずです。
