数学の授業やテストで「微分の極値の求め方は?」と聞かれて、手が止まってしまった経験はありませんか。
極大値や極小値という言葉は知っていても、実際にf'(x)=0から先の手順があいまいという方は多いはずです。
増減表の書き方や2階微分の使い方、さらには変曲点との違いまで含めると、意外と混乱しやすい単元でもあります。
この記事では、微分を使って極値を求める基本的な流れから、増減表の作成方法、2階微分による判定、変曲点との関係まで、順を追って丁寧に解説していきます。
数式だけでなく具体例も交えながら説明しますので、定期テストや大学入試の対策として、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは早速、結論からご紹介していきます。
微分の極値の求め方は「f'(x)=0を解いて増減表を作る」こと
それではまず、微分の極値の求め方について結論からお伝えしていきます。
結論として、微分の極値を求める基本的な流れは導関数f'(x)を求めてf'(x)=0を解き、その前後でf'(x)の符号がどう変化するかを増減表にまとめるという方法です。
符号がプラスからマイナスに変わる点が極大値、マイナスからプラスに変わる点が極小値になります。
この一連の流れさえ押さえておけば、多くの関数で極値を求められるでしょう。
ただし、f'(x)=0を満たすからといって、必ずしもその点が極値になるとは限りません。
符号の変化がない場合は極値にはならず、単なる通過点になることもあります。
また、2階微分f”(x)を利用した判定方法も存在し、こちらの方が計算が楽になる場合も少なくありません。
以下のh3では、この結論をもう少し細かく分解して見ていきます。
f'(x)=0が基本ステップになる理由
関数y=f(x)のグラフにおいて、極大点や極小点では接線の傾きがちょうどゼロになります。
接線の傾きを表すのが導関数f'(x)ですから、極値の候補を探すにはf'(x)=0を解くことが出発点になるわけです。
山の頂上や谷底では、一瞬だけ傾きが水平になりますよね。
これをイメージすると、なぜf'(x)=0が重要なのか理解しやすいでしょう。
例えばf(x)=x³-3xの場合を考えてみます。
f'(x)=3x²-3となります。
これをゼロと置くと3x²-3=0、つまりx²=1となり、x=1またはx=-1が候補として得られます。
このように、まずは導関数を求め、それをゼロと置いた方程式を解くことが最初の作業になります。
ここで得られたxの値は、あくまで極値の候補にすぎません。
本当に極値かどうかは、次のステップである増減表の作成で確認する必要があります。
極値の候補が実際に極値になるとは限らない
先ほども触れましたが、f'(x)=0を満たす点がすべて極値になるわけではありません。
代表的な例がf(x)=x³です。
f'(x)=3x²となり、x=0でf'(x)=0となります。
しかし、x=0の前後でf'(x)の符号を調べると、xが負でも正でも3x²は常に0以上になるため、符号は変化しません。
つまりx=0は極値ではなく、単なる変曲点なのです。
このように、符号変化の有無を確認しないまま「f'(x)=0だから極値だ」と判断してしまうのは、よくある間違いといえるでしょう。
必ず前後の符号を比較する作業を忘れないようにしましょう。
2階微分を使う判定方法も知っておくと便利
増減表を作るのが面倒に感じる場合や、計算を素早く済ませたい場合には、2階微分f”(x)を使った判定方法が役立ちます。
f'(a)=0のとき、f”(a)がプラスであれば極小、マイナスであれば極大と判定できます。
これはグラフの凹凸を利用した考え方で、増減表を書かずに済むぶんスピーディーです。
ただしf”(a)=0になった場合は判定不能となり、結局は増減表に戻って確認する必要があります。
この方法については、後ほど詳しく解説していきますので、ここでは概要だけ押さえておいてください。
極値とは何か 極大値と極小値、最大値との違いを整理
続いては、極値そのものの定義や、混同しやすい用語との違いを確認していきます。
極値の求め方を正しく理解するためには、まず言葉の意味を明確にしておくことが欠かせません。
極大値と極小値の定義
極大値とは、ある点の前後でグラフが増加から減少に転じる、つまり局所的な山の頂点にあたる値のことです。
逆に極小値とは、減少から増加に転じる、いわば局所的な谷底にあたる値を指します。
ここでのポイントは「局所的」という言葉です。
極値はあくまでその点の近くだけを見たときの最大や最小であり、関数全体で見たときの最大値・最小値とは異なる場合があります。
極値はグラフ全体の頂点や最下点を意味するわけではなく、あくまで周辺と比較したときの相対的な山や谷であるという点を忘れないようにしましょう。
最大値・最小値との違い
最大値や最小値は、定義域全体の中で一番大きい値、一番小さい値を意味します。
一方で極値は、あくまで局所的な範囲での話でした。
そのため、極大値が必ずしも最大値になるとは限りませんし、極小値が最小値になるとも限りません。
次の表で両者の違いを整理してみます。
| 用語 | 意味 | 範囲 |
|---|---|---|
| 極大値 | 前後で増加から減少に転じる点の値 | 局所的 |
| 極小値 | 前後で減少から増加に転じる点の値 | 局所的 |
| 最大値 | 定義域内で最も大きい値 | 大域的 |
| 最小値 | 定義域内で最も小さい値 | 大域的 |
特に定義域が限定された関数の場合、区間の端点が最大値や最小値になることもあります。
この端点は極値の定義には含まれないため、注意が必要でしょう。
極値と接線の傾きの関係
極値をとる点では、接線がx軸に平行になります。
これは先ほど説明した通り、f'(x)=0という条件に対応する現象です。
グラフを描いたときに、頂上や谷底で接線がぴたりと水平になっている様子を思い浮かべてみてください。
この視覚的なイメージを持っておくと、計算だけに頼らず直感的に極値を理解できるようになるでしょう。
f'(x)=0の解き方と手順を詳しく確認
続いては、実際にf'(x)=0を解く際の具体的な手順を確認していきます。
手順自体はシンプルですが、途中の計算でつまずくケースも多いため、丁寧に見ていきましょう。
導関数を求める
まずは対象となる関数f(x)を微分し、導関数f'(x)を求めます。
多項式関数であれば、べき乗の微分公式を使うだけで求められることがほとんどです。
f(x)=x³-6x²+9xの場合を考えます。
f'(x)=3x²-12x+9となります。
分数関数や三角関数、指数関数が絡む場合は、商の微分法則や合成関数の微分法則を使う必要も出てきます。
公式を正確に覚えていないと、この段階でミスをしてしまうことが多いので注意しましょう。
f'(x)=0を解いて候補となるxを求める
導関数が求まったら、それをゼロと置いた方程式を解きます。
先ほどの例であれば3x²-12x+9=0となり、両辺を3で割るとx²-4x+3=0という形になります。
これを因数分解すると(x-1)(x-3)=0となり、x=1またはx=3が候補として得られます。
二次方程式であれば因数分解や解の公式で対応できますが、三次以上の方程式になると因数分解が難しくなる場合もあるでしょう。
その場合は因数定理を使ったり、グラフの概形から解の見当をつけたりする工夫が必要になります。
候補が定義域内にあるかを確認する
求めたxの値が、そもそも元の関数の定義域に含まれているかどうかも確認しておきましょう。
例えば分数関数や対数関数の場合、分母がゼロになる値や真数が負になる値は定義域から除外されます。
定義域外の値をうっかり極値の候補に含めてしまうと、後の増減表がすべて狂ってしまいます。
地味な作業ですが、見落としがちなポイントなのでしっかりチェックしておきましょう。
増減表の作り方をステップごとに解説
続いては、極値を判定するための最も基本的な方法である増減表の作り方を確認していきます。
増減表さえ正確に書ければ、極値の判定でミスをすることはほとんどなくなるでしょう。
表の枠組みを用意する
増減表は、通常xの行、f'(x)の行、f(x)の行という3段で構成します。
先ほどのf(x)=x³-6x²+9xの例で、x=1とx=3を境目として表を作ってみましょう。
| x | … | 1 | … | 3 | … |
|---|---|---|---|---|---|
| f'(x) | + | 0 | – | 0 | + |
| f(x) | 増加 | 極大 | 減少 | 極小 | 増加 |
このように、境目となるxの値を中心に、その前後の区間でf'(x)の符号を書き込んでいきます。
各区間でf'(x)の符号を調べる
符号を調べる際は、各区間の中にある適当な値をf'(x)に代入してみるのが確実な方法です。
x
1
x>3の区間では、x=4を代入するとf'(4)=48-48+9=9となり、符号はプラスです。
このように具体的な数値を代入して符号を確かめれば、間違いが起こりにくくなります。
符号を頭の中だけで判断しようとすると、ケアレスミスにつながりやすいので気をつけましょう。
符号の変化から極大極小を読み取る
符号がプラスからマイナスに変わる境目、つまりx=1では極大値をとります。
符号がマイナスからプラスに変わる境目、つまりx=3では極小値をとります。
f(1)=1-6+9=4なので極大値は4、f(3)=27-54+27=0なので極小値は0となります。
増減表を作るときは、必ずf'(x)の符号変化を丁寧に確認し、プラスからマイナスなら極大、マイナスからプラスなら極小と機械的に判断できるようにしておくことが大切です。
この作業を習慣化しておけば、どんな関数でも同じ手順で極値を求められるようになるでしょう。
2階微分を使った極値の判定法
続いては、増減表を書かずに極値を判定できる、2階微分を使った方法を詳しく見ていきます。
計算が複雑な関数では、この方法の方が手早く済むことも多いです。
2階微分とは何か
2階微分とは、導関数f'(x)をさらにもう一度微分したものを指し、f”(x)と表記します。
f'(x)がグラフの傾きを表すのに対し、f”(x)はグラフの凹凸、つまり曲がり方を表しています。
f”(x)がプラスであれば下に凸、マイナスであれば上に凸という状態です。
谷底の形をしている部分は下に凸、山の頂上の形をしている部分は上に凸になっていますよね。
f”(a)の符号による判定ルール
f'(a)=0であるとき、次のルールで極値を判定できます。
| 条件 | 判定結果 |
|---|---|
| f'(a)=0かつf”(a)>0 | x=aで極小値 |
| f'(a)=0かつf”(a)<0 | x=aで極大値 |
| f'(a)=0かつf”(a)=0 | 判定不能、増減表で確認 |
先ほどのf(x)=x³-6x²+9xで確認してみます。
f”(x)=6x-12です。
x=1のときf”(1)=6-12=-6となりマイナスなので極大、x=3のときf”(3)=18-12=6となりプラスなので極小と、増減表の結果と一致します。
この方法を使えば、符号変化の区間をいちいち代入して確かめる手間が省けるでしょう。
2階微分が使えないケースに注意
便利な2階微分の判定法ですが、万能というわけではありません。
f”(a)=0になってしまった場合、その点が極値なのか変曲点なのかを2階微分だけでは判断できないのです。
先ほど紹介したf(x)=x³のx=0がまさにこのケースに該当します。
f”(x)=6xなので、f”(0)=0となり判定不能に陥ります。
こうした場合は、結局のところ増減表に戻って符号変化を丁寧に確認するしかありません。
2階微分の方法はあくまで補助的な手段であり、増減表による確認こそが基本であると覚えておきましょう。
変曲点との関係と間違えやすいポイント
続いては、極値と混同されがちな変曲点との関係、そして計算時に間違えやすいポイントについて見ていきます。
変曲点とは何か
変曲点とは、グラフの凹凸が切り替わる点のことを指します。
上に凸から下に凸へ、あるいは下に凸から上に凸へと変化する境目が変曲点です。
数式で言えば、f”(x)=0となる点の前後でf”(x)の符号が変化する場合、その点が変曲点にあたります。
極値がf'(x)の符号変化で決まるのに対し、変曲点はf”(x)の符号変化で決まるという違いがあります。
極値はf'(x)の符号が変わる点、変曲点はf”(x)の符号が変わる点という区別を、混同しないようにしっかり整理しておきましょう。
f'(x)=0だが極値ではないケース
すでに触れたf(x)=x³のように、f'(x)=0であっても符号が変化しない場合は極値になりません。
このようなケースでは、その点は変曲点である可能性が高くなります。
実際にf(x)=x³のx=0では、f”(x)=6xの符号がマイナスからプラスへ変化するため、変曲点であることが確認できます。
f'(x)=0という条件だけを見て安易に極値と判断せず、必ず符号変化まで確認する癖をつけておきましょう。
定義域の端や不連続点にも注意
関数によっては、定義域の端点や、そもそも微分できない点、関数が不連続になる点が存在します。
絶対値を含む関数や、分数関数の分母がゼロになる点などが代表例でしょう。
こうした点では、通常のf'(x)=0による判定法が使えないことがあります。
グラフの概形を先に把握しておいたり、区間ごとに場合分けして考えたりする工夫が求められます。
特に絶対値関数を含む問題では、場合分けをした上でそれぞれの区間ごとに微分を行う必要があるため、丁寧な処理を心がけましょう。
まとめ
今回は「微分の極値の求め方は?」というテーマについて、基本の手順から詳しく解説してきました。
結論として、極値を求めるにはf'(x)を計算してf'(x)=0を解き、その前後の符号変化を増減表で確認するという流れが基本になります。
符号がプラスからマイナスに変われば極大値、マイナスからプラスに変われば極小値というルールも押さえておきたいポイントです。
2階微分f”(x)を使えば、増減表を作らずにスピーディーに判定できる場合もありますが、f”(a)=0のときは判定不能になるため、結局は増減表による確認が欠かせません。
また、f'(x)=0を満たしても符号変化がなければ極値にはならず、その点が変曲点になっている可能性がある点にも注意が必要です。
極値と最大値・最小値、そして変曲点は似ているようで意味が異なるため、それぞれの定義を混同しないようにしましょう。
今回紹介した手順を一つずつ丁寧に実践していけば、どのような関数に対しても落ち着いて極値を求められるようになるはずです。
ぜひ実際の問題演習を通じて、この流れを体に染み込ませてみてください。