Excelで同じ複数行を何度も入力したい場合は、コピーと貼り付け、オートフィル、数式を使い分けると作業を短縮できます。
特に請求書の明細、当番表、商品一覧、定型レポートでは、行のまとまりを正しく選択して貼り付けることが重要です。
複数行を繰り返す基本は、元になる行範囲を選択してコピーし、貼り付け先の先頭セルを指定することです。
貼り付け先には、コピー元と同じ列数を確保しておくと、表のずれを防げます。
ここでは、Windows版Excelを例に、複数行のコピーを繰り返す操作と、数式で同じパターンを表示する方法を解説します。
複数行をコピーして繰り返す基本操作
| A列 | B列 | C列 |
|---|---|---|
| 商品コード | 商品名 | 数量 |
| A-001 | ノート | 10 |
| A-002 | ペン | 20 |
それではまず、複数行をコピーして繰り返す基本操作について解説していきます。
コピー元が2行なら、貼り付け先でも2行単位でデータが追加されます。
コピー元の行範囲の選択
コピーしたい表の範囲を、先頭セルから最後のセルまでドラッグして選択します。
上の例では、見出しを除いたA2からC3を選択すると、商品コード、商品名、数量の2行をまとめて扱えます。
行番号をドラッグして行全体を選ぶ方法は、不要な書式や空白セルまでコピーされやすいため、表のセル範囲を選ぶ方法が扱いやすいです。

選択範囲が灰色や青色で表示されていることを確認してから、Ctrlキーを押しながらCキーを押します。
リボンのホームタブにあるコピーをクリックしても同じ操作です。
【操作のポイント】コピー元は、列の途中で切れないように選択します。
貼り付け先の先頭セルの指定
コピー後は、繰り返しを始めたい位置の左上にあるセルを1つだけクリックします。
たとえば元データが2行目と3行目にあり、同じ内容を4行目から追加するならA4を選択します。
Ctrlキーを押しながらVキーを押すと、A4からC5へ2行分のデータが貼り付けられます。

複数セルを選択してから通常の貼り付けを行うと、意図しない範囲へ繰り返されることがあるため、まずは先頭セルだけを指定しましょう。
【操作のポイント】貼り付け先は、元の表と同じ列構成の左上セルを選びます。
同じ操作の連続実行
一度貼り付けた後も、コピー状態が残っている間はCtrlキーとVキーで繰り返し貼り付けできます。
貼り付け先をA6、A8、A10のように移動しながら実行すると、2行セットを連続して追加できます。
コピー範囲の周囲に点線が表示されている間は、同じ内容を何度でも貼り付けられます。
操作を終えるときはEscキーを押すと、コピー状態を解除できます。
【操作のポイント】貼り付けるたびに、次のブロックの先頭行へ移動することが大切です。
コピーと貼り付けを素早く繰り返す手順
| 行 | 作業内容 | 貼り付け先 |
|---|---|---|
| 2から3 | 元データ | コピー元 |
| 4から5 | 1回目 | A4 |
| 6から7 | 2回目 | A6 |
続いては、キーボードと貼り付けオプションを使った効率的な手順を確認していきます。
頻繁に貼り付ける作業では、CtrlキーとCキー、CtrlキーとVキーを使うと、マウス移動を減らせます。
ショートカットキーによる繰り返し
元データを選択してCtrlキーとCキーを押し、貼り付け先の先頭セルを選択してCtrlキーとVキーを押します。
次の貼り付け先へ移動し、同じCtrlキーとVキーを繰り返すだけで、定型の複数行を増やせます。
データを貼り付けた直後にEnterキーを押すと、選択セルが下へ移動するため、行数に合わせて移動量を確認してください。

2行単位のデータなら、貼り付け後に下へ2行進んだ先頭セルをクリックして、次の貼り付けを行う流れが安全です。
【操作のポイント】コピーは1回だけ行い、貼り付けを必要回数だけ反復します。
貼り付けオプションの使い分け
通常の貼り付けでは、値、数式、罫線、セルの色などがまとめてコピーされます。
計算結果だけを繰り返したい場合は、ホームタブの貼り付けから値を選ぶと、数式を含めず表示値だけを貼り付けられます。
書式だけをそろえたい場合は、書式設定を選択します。
数式をそのまま複製すると、相対参照のセル番地は貼り付け先に応じて変化します。

【操作のポイント】値だけか、数式と書式も含めるかを貼り付け前に決めます。
形式を選択して貼り付ける操作
CtrlキーとCキーでコピーした後、貼り付け先で右クリックし、形式を選択して貼り付けを開きます。
表示された画面では、すべて、数式、値、書式などから目的に合う項目を選択できます。
大量の表で列幅も維持したい場合は、列幅を選ぶ操作を追加すると見た目が崩れにくくなります。
コピー元と貼り付け先の列幅は通常の貼り付けでは一致しないため、必要に応じて列幅も設定します。
【操作のポイント】貼り付け後の表を確認し、数値と書式が意図どおりか確かめます。
オートフィルによる複数行パターンの反復
| A列 | B列 |
|---|---|
| 第1班 | 午前 |
| 第2班 | 午後 |
| 第1班 | 午前 |
続いては、フィルハンドルを使って複数行のパターンを反復する方法を確認していきます。
オートフィルは、選択した複数行の並びを維持しながら下方向へ展開できる機能です。
フィルハンドルの位置
繰り返したい複数行を選択すると、選択範囲の右下に小さな四角形が表示されます。
この小さな四角形がフィルハンドルです。
マウスポインターを重ね、黒い十字形に変わったことを確認してから下へドラッグします。
白い太い十字のままではセル選択になるため、黒い十字に変わってから操作することが重要です。
【操作のポイント】フィルハンドルは、選択範囲の右下にあります。
複数行を下方向へ展開する操作
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | 担当 | 時間帯 | |
| 2 | 第1班 | 午前 | |
| 3 | 第2班 | 午後 | |
| 4 | ↓ | ↓ |
選択範囲がA2からB3の場合、フィルハンドルを下へ引くと、第1班と第2班の2行セットが繰り返されます。
オートフィルでは、Excelが連続データと判断する場合もあるため、展開後の内容を確認しましょう。
同じ文字列を反復したい場合は、ドラッグ後に表示されるオートフィルオプションでセルのコピーを選びます。
【操作のポイント】ドラッグ後は、連続データではなくコピーになっているか確認します。
ダブルクリックによる自動展開
隣接する列に連続したデータがある場合は、フィルハンドルをダブルクリックすると、その最終行付近まで展開できます。
ただし、空白行があるとそこで展開が止まるため、作業前に隣接列の空白を確認しましょう。
固定回数だけ反復する場合は、ドラッグ操作のほうが範囲を管理しやすい方法です。
【操作のポイント】ダブルクリックは、隣接列に途切れないデータがある表で使います。
数式で複数行の内容を繰り返す方法
| A列 | B列 |
|---|---|
| A-001 | ノート |
| A-002 | ペン |
| 繰り返し表示 | 繰り返し表示 |
続いては、元データを変更したときにも自動で反映される数式の方法を確認していきます。
数式で反復する場合は、INDEX関数とMOD関数を組み合わせると、指定した行数のパターンを繰り返せます。
INDEX関数とMOD関数の式
元データがA2からB3にあり、A5から下へ2行パターンを繰り返す場合、A5には次の式を入力します。
=INDEX(A$2:A$3,MOD(ROW()-ROW($A$5),ROWS(A$2:A$3))+1)
この式では、INDEX関数がA2からA3の範囲から値を取り出します。
MOD関数は行番号を2で割った余りを求め、1行目と2行目を交互に指定します。
サンプルデータでは1行目をヘッダーとしているため、繰り返したい元データは2行目から指定します。
【操作のポイント】元データ範囲と開始セルは、絶対参照のドル記号で固定します。
横方向への数式コピー
A5の式を右方向へコピーする場合は、元データの列範囲が自動的にB列へ移るように、参照列を相対参照にします。
A5に入力した式をB5へコピーすると、A$2:A$3はB$2:B$3に変わります。
これにより、商品コードと商品名を対応したまま、繰り返し表示できます。
行だけを固定するA$2のような混合参照は、横方向へコピーする式で便利です。
【操作のポイント】列は動かし、行は固定する参照方法を使います。
オートフィルで数式を下へコピー
A5とB5に数式を入力したら、2つのセルを選択し、右下のフィルハンドルを下へドラッグします。
数式は各行で自動調整され、A2、A3、A2、A3の順で元データを参照します。
元データを書き換えると、繰り返し表示しているセルも自動更新されます。
【操作のポイント】値を固定したい場合は、数式の結果を値として貼り付けます。
複数行コピーで起こりやすいずれの対処
| 症状 | 主な原因 | 確認箇所 |
|---|---|---|
| 列がずれる | 貼り付け先の選択違い | 左上セル |
| 数式が変わる | 相対参照 | ドル記号 |
続いては、コピーと貼り付けの際に発生しやすいずれと対処法を確認していきます。
貼り付け前に、コピー元の行数と列数、貼り付け先の先頭セルを確認すると、失敗の多くを防げます。
結合セルによる貼り付けエラー
コピー元または貼り付け先に結合セルがあると、選択範囲の形が一致せず、貼り付けができない場合があります。
結合を解除してからコピーするか、同じ構成の結合セルを貼り付け先に用意します。
表形式のデータでは、結合セルを避けると並べ替えやフィルターも利用しやすくなります。
【操作のポイント】貼り付けエラーが出たら、結合セルの有無を確認します。
非表示行を含めたコピー
フィルターで一部の行を非表示にしている表では、通常のコピーで非表示行まで対象になることがあります。
表示されているセルだけをコピーしたい場合は、ホームタブの検索と選択から条件を選択してジャンプを使い、可視セルを選択します。
その後にコピーすれば、画面に見えている行だけを貼り付けられます。
【操作のポイント】フィルター中は、可視セルだけを選択する操作を使います。
数式参照の意図しない変化
コピー後に数式の参照先が変わるのは、相対参照が原因です。
常に同じセルを参照するなら、F4キーでドル記号を付けた絶対参照に変更します。
たとえばA2を固定する式では、$A$2と入力します。
参照先を固定するか移動させるかを、コピー前に決めることが数式作成の基本です。
【操作のポイント】数式バーで、コピー後の参照セルを必ず確認します。
まとめ エクセルで複数行をコピーして繰り返す方法
エクセルで複数行をコピーして繰り返すときは、元データの範囲を選び、貼り付け先の左上セルを指定してCtrlキーとVキーを実行します。
同じ内容をすばやく追加するだけなら通常のコピーと貼り付け、連続したパターンならオートフィル、元データとの連動が必要なら数式が適しています。
数式を使う場合は、INDEX関数とMOD関数を組み合わせることで、複数行のパターンを必要な行数まで繰り返せます。
貼り付け後に列ずれ、結合セル、数式の参照先を確認すれば、表の整合性を保ちやすくなるでしょう。