この記事では、エクセルのVLOOKUP関数における第4引数「TRUE」と「FALSE」の意味、違い、使い分けについて解説していきます。
ポイントは、以下の通りです。
・FALSE(0)は完全一致検索で、探している値と完全に一致するデータを見つける
・TRUE(1)は近似一致検索で、探している値以下で最大の値を見つける
・基本的にはFALSE(完全一致)を使用するのが一般的
・TRUEを使用する際は検索範囲を昇順に並べ替える必要がある
・数式入力後はENTERで確定し、オートフィルは右下の小さな四角をドラッグまたはダブルクリック
エクセル操作は1つ1つ追っていけば必ずうまくできます!
ぜひ本記事を参考にスキルアップにつなげてくださいませ♪
VLOOKUP関数のTRUEとFALSEの基本的な意味と違い
それでは以下のサンプルを用いてVLOOKUP関数の基本構文とTRUE・FALSEの意味を確認していきます。
VLOOKUP関数の構文は次のようになっています。
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索の型])
この4つ目の引数「検索の型」にTRUEまたはFALSEを指定することで、検索方法が変わります。
FALSEまたは0を指定すると完全一致検索となり、検索値と完全に一致するデータのみを検索します。
一方、TRUEまたは1を指定すると近似一致検索となり、検索値以下で最も大きい値を検索します。
基本的には完全一致のFALSEを使用するのが一般的ですね。ほとんどの場合がこちらになります。通常は「完全に一致するデータ」を探したいケースが多いからです。
FALSE(完全一致)を使用したVLOOKUP関数の実践例
続いてはFALSE(完全一致)を使用したVLOOKUP関数の具体的な使い方を確認していきます。
今回は和菓子の商品リストから特定の商品の価格を検索する例を使用します。
A列に商品名、B列に価格が入力されています。
D2セルに「桜餅」の価格を検索する数式を入力してみましょう。
=VLOOKUP(“桜餅”,A2:B5,2,FALSE)
この数式を詳しく解説すると、第1引数の「”桜餅”」が検索値です。
第2引数の「A2:B5」が検索範囲で、商品名と価格が入力されている範囲を指定しています。
第3引数の「2」は列番号で、検索範囲の2列目(B列)の値を取得することを意味します。
第4引数の「FALSE」は完全一致検索を指定しています。
ENTERで処理を確定させます。
結果として「180」が表示され、桜餅の価格を正確に取得することができました。
このように完全一致検索では、検索値と完全に一致するデータのみを検索するため、確実性の高い検索が可能です。
TRUE(近似一致)を使用したVLOOKUP関数の実践例
続いてはTRUE(近似一致)を使用したVLOOKUP関数の使い方を確認していきます。
TRUE(近似一致)は主に成績評価や料金算出など、範囲による判定を行いたい場合に使用します。今回は学生の点数から5段階評価を判定する例を使用しましょう。
評価基準のサンプルデータです。
この評価表を使用して、85点の学生の評価を求めてみます。I2セルに次の数式を入力します。
=VLOOKUP(85,F2:G6,2,TRUE)
この数式の詳細を解説すると、第1引数の「85」が検索値(点数)です。
第2引数の「F2:G6」が評価表の範囲を指定しています。
第3引数の「2」は2列目(G列)の評価を取得することを意味します。
第4引数の「TRUE」は近似一致検索を指定しており、85以下で最も大きい値(80)に対応する評価を取得します。
ENTERで処理を確定させます。
結果として「B」が表示され、85点の学生がB評価であることが分かりました。
TRUE(近似一致)では、検索値以下で最も大きい値を検索するため、85点は80点以上90点未満の範囲でB評価となります。
注意点
TRUE(近似一致)を使用する際は、検索範囲の第1列(この例ではF列)を必ず昇順(小さい順)に並べ替えておく必要があります。
並べ替えを行わないと正しい結果が得られませんので、混乱しないようお気をつけくださいませ
TRUEとFALSEの使い分け
続いてはTRUEとFALSEの具体的な使い分けを確認していきます。
FALSE(完全一致)を使用するケースは、商品コードから商品名を検索する場合、社員番号から氏名を検索する場合、郵便番号から住所を検索する場合など、「完全に一致するデータ」を探したい場面です。
これらの場面では、部分的な一致や近似値では意味がないため、必ずFALSEを使用します。
一方、TRUE(近似一致)を使用するケースは、先ほどの成績評価(5段階評価など)の例のほか、売上金額による手数料率の算出、年齢による保険料の算出、BMI値による健康状態の判定など、「範囲による判定」を行いたい場面です。
これらの場面では、完全一致よりも「該当する範囲」を見つけることが重要になります。
実際の業務では、FALSE(完全一致)を使用する頻度が圧倒的に高くなります。迷った場合は基本的にFALSEを選択しておけば間違いありません。
また、数式を作成する際は、検索範囲を絶対参照($マークを使用)で指定することをお勧めします。
これにより、オートフィルでコピーした際も検索範囲が固定され、正しい結果を得ることができます。
まとめ VLOOKUP関数のTRUEとFALSEの意味、違い、使い分け
この記事では、VLOOKUP関数のTRUEとFALSEの意味、違い、使い分けについて詳しく解説してきました。
これらの知識を活用することで、エクセルでの検索作業が格段に効率化されます。
最初は慣れないかもしれませんが、繰り返し練習することで必ずマスターできますので、ぜひ実際に手を動かして試してみてくださいませ♪