光度の単位は?カンデラの定義と計算方法を解説(SI基本単位:光度の測定:単位換算:光源の明るさなど)
「光度の単位はカンデラ(cd)だと聞いたが、具体的にどのくらいの明るさなのか」「カンデラとルーメン・ルクスの違いがわからない」「光度の計算方法を知りたい」という疑問は、照明・光学・写真・映像を学ぶ方々からよく聞かれます。
カンデラ(cd)は国際単位系(SI)の7つの基本単位のひとつであり、光の強さ(光度)を表す単位として世界共通で使われています。
本記事では、光度の単位カンデラの定義と物理的な意味、カンデラとルーメン・ルクスの関係と換算、光度に関連する計算方法と公式、実際の光源のカンデラ値の目安まで詳しく解説します。
光度の単位はカンデラ(cd)がSI基本単位
それではまず、光度の単位カンデラ(cd)の定義と意味について解説していきます。
光度(Luminous Intensity)の単位はカンデラ(candela:cd)であり、国際単位系(SI)の7つの基本単位(m・kg・s・A・K・mol・cd)のひとつとして位置づけられています。
カンデラは「光が特定の方向に放射される強さ(1ステラジアンあたりの光束)」を示す単位です。
カンデラの現代的定義(2019年SI改定)
【カンデラ(cd)の定義(2019年SI改定後)】
カンデラ(cd)は、周波数540×10¹² Hz(波長約555 nm)の単色光放射について、所定の方向における放射強度が(1/683)ワット毎ステラジアン [W/sr] となる光源の光度
数式で表すと:1 cd ≡ (1/683) W/sr × Kcd⁻¹
Kcd(視感効果度の最大値)= 683 lm/W(波長555nmでの定義値)
実用的な意味:1カンデラはろうそく約1本分の光の強さに相当(歴史的な目安)
540 THz(555 nm)が選ばれた理由:人間の眼の比視感度V(λ)が最大値1.0になる波長
540THzという特定の周波数に対して定義されているのは、人間の目の感度(明所視の比視感度)が555nm付近でピークを持つことを基準に、測光量(人間の視覚に合わせた光の量)を定義するためです。
カンデラとルーメン・ルクスの関係
光度(cd)・光束(lm:ルーメン)・照度(lx:ルクス)は異なる測光量ですが、互いに密接な数学的関係があります。
| 単位 | 量 | 定義・換算関係 |
|---|---|---|
| cd(カンデラ) | 光度Iv | 基本単位(定義により規定) |
| lm(ルーメン) | 光束Φv | 1 lm = 1 cd × 1 sr(1カンデラの光度を持つ点光源が1ステラジアンの立体角内に放射する光束) |
| lx(ルクス) | 照度Ev | 1 lx = 1 lm/m²(1平方メートルの面に1ルーメンの光束が入射する照度) |
| cd/m² | 輝度Lv | 1cd/m² = 1カンデラの光度を1平方メートルの面積から放射する面光源の輝度 |
「ルーメン = カンデラ × ステラジアン」という関係を覚えることで、光度(cd)から全光束(lm)の換算・逆算が素早くできるようになります。
光度の計算方法と公式
続いては、光度に関する計算方法と公式について確認していきます。
全光束(lm)と光度(cd)の換算計算
【全光束と光度の換算計算】
均等放射点光源(全方向に均一な光度の場合)
全光束 Φv = 4π × Iv ≒ 12.57 × Iv [lm]
光度 Iv = Φv ÷(4π)≒ Φv ÷ 12.57 [cd]
計算例①:全光束 800 lm のLED電球(全方向均等放射と仮定)の光度
Iv = 800 ÷(4π)≒ 800 ÷ 12.57 ≒ 63.6 cd
計算例②:光度 500 cd のスポット照明(均等放射)の全光束
Φv = 4π × 500 ≒ 6283 lm
注意:実際のLEDや電球は配光(指向性)があり、全方向均等ではないため実際の計算には配光データが必要
光度と照度の逆二乗則の計算
【光度と照度の逆二乗則の計算】
照度 Ev = Iv × cosθ ÷ r²
Ev:照度(lx)・Iv:光度(cd)・r:距離(m)・θ:入射角度
計算例①:光度 2000 cd のLEDスポットライトから5m真下の照度(垂直入射:θ=0°)
Ev = 2000 × cos(0°)÷ 5² = 2000 × 1 ÷ 25 = 80 lx
計算例②:同じスポットから5mの距離で45°傾いた面の照度
Ev = 2000 × cos(45°)÷ 5² = 2000 × 0.707 ÷ 25 ≒ 56.6 lx
計算例③:作業面を200 lx にするための必要光度(距離2m・垂直入射)
Iv = Ev × r² ÷ cosθ = 200 × 4 ÷ 1 = 800 cd
実際の光源のカンデラ値の目安
| 光源の種類 | 光度の目安(cd) | 主な用途 |
|---|---|---|
| ろうそく1本 | 約1 cd | カンデラの歴史的な基準 |
| 一般電球(60W白熱灯) | 約65〜70 cd(均等換算) | 家庭用照明 |
| LED電球(全光束800lm相当) | 約64 cd(均等換算) | 家庭用照明・全方向型 |
| LEDスポットライト(指向性) | 500〜5000 cd | 展示照明・スポット照明 |
| 自動車ヘッドライト(ハイビーム) | 数万〜数十万 cd | 車両前照灯(法規制あり) |
| 灯台 | 数十万〜数百万 cd | 航海用信号 |
カンデラの単位換算と比較
続いては、カンデラと他の光の明るさに関する単位との換算と比較について確認していきます。
カンデラとルーメンの換算(具体例)
【カンデラ↔ルーメン換算の具体的な手順】
問:光度300 cd(半球方向・約2π sr)のダウンライトの有効光束を求めよ
Φv ≒ Iv × Ω = 300 cd × 2π sr ≒ 300 × 6.28 ≒ 1885 lm
(半球放射の場合は立体角が約2π ≒ 6.28 sr)
問:全光束1000 lm のLED(均等放射)の平均光度を求めよ
Iv(平均)= 1000 ÷(4π)≒ 79.6 cd
カンデラとルクス・距離の三角関係
照明設計では「光源の光度(cd)」「光源から被照射面までの距離(m)」「被照射面での照度(lx)」の3つが逆二乗則で結ばれており、うち2つがわかれば残り1つを計算できます。
照明設計の実務では「必要な照度(lx)と設置高さ(m)から必要な光度(cd)を逆算する」計算が頻繁に使われます。
カンデラとcd/m²(輝度)の関係
輝度(Luminance)Lv [cd/m²] は光源または反射面の単位面積・単位立体角あたりの光度であり、カンデラを面積で割った量です。
面光源の場合、輝度 Lv = Iv ÷ A(A:発光面積)という関係が成立し、同じ光度(cd)でも発光面積が小さいほど輝度が高くなります。
ディスプレイ・テレビ・バックライトの明るさはcd/m²(ニット)で表されることが多く、液晶テレビでは400〜1000 cd/m²・有機ELでは500〜2000 cd/m²程度が一般的な輝度の目安です。
まとめ
本記事では、光度の単位カンデラ(cd)のSI基本単位としての定義(540THz・1/683 W/sr)、カンデラ・ルーメン・ルクスの関係と換算公式(lm = cd × sr・lx = lm/m²)、光度から照度を求める逆二乗則(Ev = Iv×cosθ/r²)、実際の光源のカンデラ値の目安、カンデラと輝度(cd/m²)の関係まで幅広く解説しました。
光度の単位カンデラは「光源が特定方向に1ステラジアンあたり放射する光束(lm/sr)」を示すSI基本単位であり、照明設計・LED製品・自動車ランプ・光学機器の性能評価で中心的に使われます。
カンデラ(cd)・ルーメン(lm)・ルクス(lx)の関係と計算を正確に理解して、照明設計・光学機器選定・光源の比較評価に役立ててください。