科学

ニュートンの運動方程式の解き方は?例題や計算方法も!(微分方程式:初期条件:加速度・速度・変位など)

ニュートンの運動方程式の基本
当サイトでは記事内に広告を含みます
いつも記事を読んでいただきありがとうございます!!! これからもお役に立てる各情報を発信していきますので、今後ともよろしくお願いします(^^)/

ニュートンの運動方程式は、力を受ける物体がどのように加速し、速度や位置を変えていくかを表す基本式です。

式そのものは比較的短い一方で、力の向き、座標軸、初期条件、微分積分の扱いが重なるため、どこから計算すればよいか迷うこともあるでしょう。

この記事では、運動方程式の意味から微分方程式としての解き方、等加速度運動、ばねや抵抗力がある場合までを順に解説します。

力の図を描いてから式を立て、初期条件で積分定数を決めるという流れを押さえれば、例題にも落ち着いて対応できます。

ニュートンの運動方程式の基本

ニュートンの運動方程式の基本

それではまずニュートンの運動方程式の基本について解説していきます。

力と加速度を結ぶ関係

ニュートンの運動方程式は、物体に働く合力と加速度の関係を示す式です。

F=ma

Fは物体に働く力の合計、mは質量、aは加速度を表します。

力の単位はニュートン、質量の単位はキログラム、加速度の単位はメートル毎秒毎秒です。

たとえば質量2キログラムの物体に6ニュートンの合力が働くなら、加速度は3メートル毎秒毎秒になります。

ここで重要なのは、式に入れるFが一つの力ではなく、物体に働くすべての力を足し合わせた合力である点です。

右向きに10ニュートン、左向きに4ニュートンなら、右向きを正にした合力は6ニュートンとなります。

ベクトルと正負の決め方

力、加速度、速度、変位には向きがあります。

そのため、一次元の計算でも正方向を最初に決め、反対向きの量には負の符号を付ける必要があります。

水平方向の問題では右向き、鉛直方向の問題では上向きを正に設定する方法がよく使われます。

ただし、下向きを正に決めても計算は可能です。

大切なのは途中で正方向を変えず、重力、張力、摩擦力、弾性力の向きを一貫して扱うことです。

運動方程式を立てる前に、物体だけを取り出した力の図を書きましょう。

矢印で力の向きを示してから正方向を決めると、符号の間違いを大きく減らせます。

加速度と速度と変位のつながり

加速度は速度の時間変化率であり、速度は変位の時間変化率です。

位置をx、速度をv、加速度をa、時間をtとすると、それぞれの関係は次のように表せます。

v=dx/dt

a=dv/dt=d²x/dt²

したがって、運動方程式は加速度を含む式であると同時に、位置xについての二階微分方程式でもあります。

力が時間や位置、速度によって変わる場合には、単純な等加速度運動の公式ではなく、微分方程式を解く考え方が必要になります。

運動方程式を解く手順

続いては運動方程式を解く手順を確認していきます。

対象物体と力の図

最初に、何を一つの物体として考えるかを明確にします。

机の上を滑る箱なら箱だけを対象とし、斜面上の物体なら斜面から受ける垂直抗力や摩擦力も図に加えます。

糸でつながれた二物体では、各物体を別々に取り出して式を立てる方法と、二物体全体を一つの系として考える方法があります。

問題文に登場する力をそのまま書き写すのではなく、対象物体に実際に作用する外力だけを選ぶことが重要です。

代表的な力 向きの考え方 式の例
重力 常に鉛直下向き mg
垂直抗力 接触面に垂直な向き N
動摩擦力 運動方向と反対向き μN
ばねの力 自然長へ戻る向き -kx
空気抵抗 速度と反対向き -cv

座標軸ごとの式

力が二次元に分かれる問題では、x方向とy方向に分解して考えます。

たとえば水平面上で物体を角度θで引く場合、引く力Pの水平方向成分はPcosθ、鉛直方向成分はPsinθです。

各方向について合力と加速度を対応させるため、x方向ではΣFx=max、y方向ではΣFy=mayと書きます。

地面から離れない物体なら、鉛直方向の加速度は0です。

この場合でも鉛直方向の力は消えるわけではなく、垂直抗力を求めるための条件として必要になります。

未知量と条件の整理

式を立てたら、何を求めるのかを確認します。

加速度だけを求める問題なら代数計算で終わることがありますが、速度や変位を求めるなら時間で積分する流れになります。

初めの速度、初めの位置、力が働き始める時刻も整理してください。

解答を始める前に、質量、力、初速度、初期位置、求める量を並べると見通しが良くなります。

特に初期条件を読み落とすと、積分後の定数を決められません。

等加速度運動と初期条件

続いては等加速度運動と初期条件を確認していきます。

一定の力による速度の計算

合力Fが一定で、質量mも変わらないとき、加速度a=F/mは一定です。

速度の微分方程式はm dv/dt=Fとなります。

両辺を時間tについて積分すると、速度はv=F/m t+Cの形になります。

時刻0での速度がv0なら、C=v0です。

v=v0+at

a=F/m

これは等加速度直線運動の速度公式です。

公式として覚えるだけでなく、運動方程式を一度積分した結果と理解すると応用しやすくなります。

変位の計算方法

速度が分かれば、次にv=dx/dtを使って位置を求めます。

v=v0+atを積分すると、x=v0t+1/2at²+Cとなります。

時刻0の位置がx0なら、C=x0です。

よって、変位を位置の変化として扱う場合にはx-x0=v0t+1/2at²が得られます。

初期位置を0と置ける問題でも、何を原点とするかは意識しておくとよいでしょう。

落下運動の例題

高さ20メートルの場所から、物体を静かに落とす例を考えます。

上向きを正にし、空気抵抗を無視すると、重力による加速度は-gです。

初速度は0、初期位置を20メートル、地面を0メートルとすると、位置はx=20-1/2gt²になります。

地面に着く時刻はx=0として求めます。

gを9.8メートル毎秒毎秒とすれば、tはおよそ2.02秒です。

落下直前の速度はv=-gtなので、およそ-19.8メートル毎秒となります。

負号は下向きに動いていることを示し、速さとして答えるなら19.8メートル毎秒です。

微分方程式としての計算

続いては微分方程式としての計算を確認していきます。

時間に依存する力

力が時間に応じて変化する場合、加速度も一定ではありません。

たとえばF=ktという力が働くなら、運動方程式はm dv/dt=ktです。

両辺を積分すると、v=k/2m t²+Cとなります。

初速度v0を使えば、v=v0+k/2m t²です。

さらに積分すると、位置はx=x0+v0t+k/6m t³になります。

力の式がtを含むときは、力を質量で割って加速度にし、順に積分するのが基本です。

位置に依存する力

ばねの力のように、力が位置で変わる問題もあります。

自然長からの変位をxとし、復元力が-kxで表されるなら、運動方程式はm d²x/dt²=-kxです。

この式は単振動を表す微分方程式です。

解はx=Acosωt+Bsinωtの形となり、ω=√k/mです。

初期位置と初速度を使えば、AとBを決められます。

ばね定数kが大きいほど振動は速くなり、質量mが大きいほどゆっくり振動します。

速度に依存する力

空気抵抗や粘性抵抗を簡単化すると、速度に比例する抵抗力-cvで表すことがあります。

下向きを正に取る落下運動では、運動方程式はm dv/dt=mg-cvです。

速度が小さい間は重力の影響が強く、物体は加速します。

速度が大きくなると抵抗力も増え、やがて重力と抵抗力がつり合います。

このときの速度を終端速度といい、v=mg/cです。

速度に比例する抵抗力がある運動では、加速度は時間とともに小さくなります。

一定加速度の公式をそのまま使えないため、微分方程式と初期条件による計算が必要です。

例題による運動方程式の解法

続いては例題による運動方程式の解法を確認していきます。

水平面上の摩擦運動

質量5キログラムの物体が粗い水平面を右向きに滑り、動摩擦係数が0.2である例を考えます。

重力加速度を9.8メートル毎秒毎秒とすれば、垂直抗力は49ニュートンです。

動摩擦力の大きさは0.2かける49で、9.8ニュートンとなります。

右向きを正にすると、合力は-9.8ニュートンです。

加速度は-9.8/5で、-1.96メートル毎秒毎秒となります。

初速度が10メートル毎秒なら、停止時刻はv=10-1.96tにv=0を代入して約5.1秒と求められます。

摩擦力が反対向きであることを式に反映する点が、この種の問題の要所です。

斜面上の物体

角度θのなめらかな斜面を物体が滑り下りる場合、重力を斜面方向と垂直方向に分解します。

斜面に平行な重力成分はmgsinθであり、斜面を下る向きに働きます。

摩擦がなければ、斜面方向の運動方程式はma=mgsinθです。

質量mが消えるため、加速度はa=gsinθになります。

斜面が急になるほどsinθが大きくなり、加速度も大きくなります。

摩擦がある場合は、摩擦力μmgcosθを斜面上向きの力として加えます。

二物体と張力

軽い糸でつながれた二つの物体では、糸がたるまない限り両方の加速度の大きさは等しくなります。

たとえば水平面上の質量m1の物体と、滑車を介して垂れ下がる質量m2の物体を考えます。

摩擦を無視すると、水平面上の物体には張力Tが働き、垂れ下がる物体には重力m2gと張力Tが働きます。

それぞれの式を足し合わせると張力が消え、系全体の加速度を求めやすくなります。

内部力である張力を消去するために、複数の運動方程式を連立するという考え方は多くの問題で役立ちます。

問題の種類 注目する量 計算上の注意
等加速度運動 初速度と加速度 積分定数を初期条件で決める
摩擦運動 垂直抗力と摩擦力 摩擦力の向きを確認する
斜面運動 重力の成分 斜面方向に軸を取る
ばね運動 変位と復元力 力は-kxとなる
抵抗を受ける運動 速度と抵抗力 加速度は一定ではない

計算ミスを防ぐ確認事項

続いては計算ミスを防ぐ確認事項を確認していきます。

単位と次元

運動方程式では、両辺の単位が一致している必要があります。

ニュートンはキログラムメートル毎秒毎秒と同じ次元を持ちます。

力を質量で割った結果が加速度の単位になるかを確認すると、途中の計算間違いに気付きやすくなります。

キロメートル毎時で与えられた速度は、必要に応じてメートル毎秒へ変換してください。

1メートル毎秒は3.6キロメートル毎時です。

初期条件の代入

積分した式には、一般に積分定数が現れます。

速度を積分した後の定数と、位置を積分した後の定数は別々に存在する点に注意しましょう。

時刻t=0での位置と速度を代入すれば、それぞれの定数を決められます。

初期条件は最後に付け足す情報ではなく、運動を一つに定める条件です。

同じ加速度でも、初速度や出発位置が違えば、その後の運動は異なります。

答えの符号と現実性

求めた答えが負になることは、必ずしも間違いではありません。

速度や加速度の負号は、設定した正方向とは逆の向きを意味します。

一方で、時間が負になる、停止後も同じ運動式を機械的に使ってしまうといった結果には注意が必要です。

計算後には、物体の動く向き、力の向き、数値の大きさが問題の状況に合うかを確認してください。

式だけで終わらせず、現象のイメージに戻って答えを点検することが理解を深める近道になります。

まとめ

ニュートンの運動方程式は、合力と加速度を結び付けるF=maを出発点とする考え方です。

解き方では、対象物体を決め、力の図を書き、正方向と座標軸を設定してから各方向の式を立てます。

一定の力なら加速度は一定となり、速度と変位は時間積分によって求められます。

その際には、初速度と初期位置を用いて積分定数を決めることが欠かせません。

ばねの力、空気抵抗、時間とともに変化する力のように、力が位置や速度や時間に依存する場合は微分方程式として扱います。

力の向き、符号、初期条件、単位の四点を毎回確認すれば、複雑に見える例題でも計算の道筋を整理できるでしょう。