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ゴムの硬度とは?測定方法と基準を解説!(硬度計・デュロメーター・A・D・ショア硬度・単位など)

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ゴム製品を選ぶとき、カタログや仕様書に「硬度60」「ショアA70」といった表記を見かけたことはないでしょうか。

今回はゴムの硬度とは?測定方法と基準を解説!(硬度計・デュロメーター・A・D・ショア硬度・単位など)というテーマで、硬度の基本的な考え方から測定の実務まで丁寧にまとめていきます。

硬度計やデュロメーターという言葉は聞いたことがあっても、AとDの違いや単位の意味まで正確に説明できる方は意外と少ないものです。

ゴムの硬度は、シール性能や耐久性、装着感など製品の実用性能を左右する重要な指標です。

数値の読み方を誤ると、想定より硬すぎる製品や柔らかすぎる製品を選んでしまうこともあります。

この記事では、ゴムの硬度に関する基礎知識、測定方法、規格や単位の違い、製品選定への活かし方まで、順を追って解説していきます。

専門的な内容も含まれますが、できるだけ平易な言葉で整理しますので、初めてゴム材料に触れる方にも参考になるはずです。

ゴムの硬度とは、押し込みへの抵抗の大きさを数値化したものです

それではまずゴムの硬度とは何かという結論部分について解説していきます。

結論から述べると、ゴムの硬度とは材料の表面に一定の力を加えたときの、押し込みに対する抵抗の大きさを数値化したものです。

金属のような「硬さ」とは異なり、ゴムは弾性変形しやすい材料であるため、専用の測定原理と測定器が用いられます。

その代表的な測定器がデュロメーターと呼ばれる硬度計であり、ゴム業界ではこの機器による測定値が世界共通の目安として扱われています。

ゴム硬度の基本的な考え方

ゴムの硬度は、針状の押針をゴム表面に押し当て、どれだけ沈み込むかによって数値化されます。

沈み込みが小さいほど数値は大きくなり、硬いゴムであると判断できます。

逆に沈み込みが大きい場合は数値が小さくなり、柔らかいゴムということになります。

この関係を理解しておくと、カタログの数値だけで材料のおおよその感触をイメージできるようになるでしょう。

代表的な測定方法はデュロメーター

ゴムの硬度測定で最も広く使われているのがデュロメーターによる測定です。

デュロメーターは押針、スプリング、目盛りで構成されるシンプルな構造の硬度計です。

操作も比較的簡単で、現場でも短時間に測定できる点が普及の理由といえます。

ただし簡便さゆえに、押し当てる力や角度によって数値がぶれやすいという側面も持っています。

硬度の値が示す意味

硬度の数値は絶対的な材料強度を表すものではなく、あくまで押し込みに対する相対的な抵抗の指標です。

同じ硬度でも、配合や添加剤によって耐摩耗性や耐熱性はまったく異なることがあります。

したがって硬度だけを見て材料の全性能を判断するのは早計でしょう。

ゴムの硬度は、あくまで押し込みへの抵抗を数値化した目安にすぎません。

耐熱性や耐薬品性、耐摩耗性などは別の試験項目で確認する必要があります。

硬度だけを基準に材料選定を行うと、実際の使用環境で不具合が生じる可能性があるため注意が必要です。

ゴム硬度の測定方法は、硬度計を垂直に押し当てる手順が基本です

続いてはゴム硬度の具体的な測定方法について確認していきます。

測定は特別な設備がなくても、正しい手順を守れば安定した結果を得ることができます。

ここでは硬度計の仕組みから、実際の測定手順、注意点までを順番に見ていきましょう。

硬度計(デュロメーター)の仕組み

デュロメーターは、円錐状または球状の押針をゴム表面に押し込み、その反発力をスプリングで測定する構造になっています。

押針が沈み込む深さがスプリングの力とつり合った位置で、目盛りとして数値が表示される仕組みです。

デジタル式のものも増えており、目視での読み取り誤差を減らせる点がメリットといえます。

アナログ式とデジタル式、どちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。

測定の手順とポイント

測定の基本手順は、まず試験片を平らな台の上に安定させることから始まります。

次に硬度計を試験片の表面に対して垂直に、素早く一定の力で押し当てます。

押し当てた瞬間の数値と、数秒後の数値のどちらを採用するかは規格によって定められています。

一般的なJIS規格の測定では、押針を押し当ててから1秒後の数値を読み取ります。

ISO規格の一部では3秒後の数値を採用するケースもあり、条件によって結果が変わる点に注意が必要です。

同じ試験片であっても、測定タイミングが異なれば数値も変わってくることを覚えておきましょう。

測定時の注意点

試験片の厚みが薄すぎると、下地の硬さの影響を受けて正しい値が出ないことがあります。

そのため多くの規格では、試験片の厚みを6ミリメートル以上確保することが推奨されています。

また同じ箇所を繰り返し測定すると、ゴムの弾性疲労によって数値が変化してしまいます。

測定点を少しずつずらしながら複数回計測し、平均値を採用するのが望ましい方法です。

気温によってもゴムの硬さは変化するため、測定環境の温度管理も欠かせません。

ショアA硬度とショアD硬度は、対象とするゴムの硬さの範囲が異なります

続いてはショアA硬度とショアD硬度の違いについて確認していきます。

硬度表記でよく見かける「ショアA」と「ショアD」ですが、この違いを正しく理解している方は意外と多くありません。

どちらも同じデュロメーターの仲間ですが、対象とする硬さの範囲や押針の形状が異なります。

ショアA硬度とは

ショアA硬度は、比較的柔らかいゴムを測定する際に使用される規格です。

Oリングやゴムパッキン、防振ゴムなど、日常的に目にする多くのゴム製品がこの範囲に含まれます。

押針の先端は円錐台形状で、柔らかい材料でも過度に沈み込みすぎないよう工夫されています。

一般的な工業用ゴムの多くは、ショアA30からショアA90程度の範囲に収まることが多いでしょう。

ショアD硬度とは

ショアD硬度は、硬質ゴムやエボナイト、一部の樹脂材料など、より硬い材料を測定するための規格です。

押針の先端は鋭い円錐形状になっており、硬い材料にも食い込みやすい形になっています。

ショアAでは測定範囲の上限に近づいてしまうような硬い材料でも、ショアDであれば適切に数値化できます。

AとDの使い分け

目安として、ショアA90を超えるような硬さの材料を測定する場合は、ショアDへの切り替えを検討するとよいでしょう。

反対にショアDで数値が極端に低く出る材料は、ショアAで測定し直す方が適切なケースもあります。

どちらの規格で測定した数値なのかを明記しないと、比較検討の際に混乱が生じてしまいます。

項目 ショアA硬度 ショアD硬度
対象となる材料 柔らかいゴム全般 硬質ゴムや樹脂に近い材料
押針の形状 円錐台形状 鋭い円錐形状
一般的な用途 Oリング、パッキン、防振ゴム ソリッドタイヤ、硬質ロール
数値の目安 30から90程度 40から90程度

ゴム硬度の単位はJISとISOで表記のルールが少し異なります

続いてはゴム硬度に関する単位と規格の違いについて確認していきます。

硬度の単位は「HA」や「HS」など複数の表記が存在し、初めて見る方は戸惑うことが多いようです。

ここでは代表的な規格と、それぞれの単位表記のルールを整理していきます。

JIS規格における硬度表示

日本国内ではJIS K 6253という規格が、ゴムの硬さ試験方法として広く採用されています。

この規格ではデュロメーター硬さ試験のほかに、国際ゴム硬度と呼ばれる測定方法も定義されています。

JIS表記では、数値の後ろにタイプAやタイプDといった区分が付記されることが一般的です。

ISO規格との関係

国際規格であるISO 7619も、デュロメーターを用いた硬度測定を規定しています。

JISとISOは内容が近く、多くの部分で整合が取られていますが、測定時間などの細かな条件には違いが残っています。

海外メーカーの製品仕様を確認する際は、どちらの規格に基づく数値なのかを見落とさないようにしましょう。

単位の読み方と表記ルール

硬度の単位は、正式には「デュロメータ硬さ」として無次元の数値で表されます。

表記としては数値の前後に「HA」「HD」を付けるほか、単に「ショアA70」のように呼ぶ場合もあります。

単位が省略されている資料を見かけたときは、どの規格・どのタイプに基づく数値なのか、必ず確認する習慣をつけたいところです。

規格名 制定機関 特徴
JIS K 6253 日本産業規格 デュロメーター硬さと国際ゴム硬度を規定
ISO 7619 国際標準化機構 JISとほぼ同等だが測定時間等に差異あり
ASTM D2240 米国試験材料協会 北米市場でよく参照される規格

ゴム硬度は製品の性能や用途選定に直結する重要な数値です

続いてはゴム硬度と製品選定の関係について確認していきます。

硬度は単なる数値ではなく、実際の使用場面での機能性を大きく左右する要素です。

ここでは硬度が製品性能に与える影響と、用途ごとの目安を見ていきます。

硬度が製品性能に与える影響

硬度が低すぎるゴムは、密着性には優れる一方で、摩耗や変形が起きやすい傾向があります。

逆に硬度が高すぎるゴムは、耐久性には優れますが、シール性や柔軟な追従性に欠けることがあります。

どちらが良いというわけではなく、用途に応じたバランスが求められるのです。

用途別の目安硬度

一般的なOリングやパッキンでは、ショアA60からショアA80程度が採用されることが多いでしょう。

防振ゴムやクッション材のように柔軟性を重視する部材では、ショアA30からショアA50程度の低めの硬度が選ばれます。

一方でローラーやソリッドタイヤなど、耐荷重性が求められる部材ではショアA90以上、あるいはショアDの範囲が採用されることもあります。

硬度選定で失敗しないためには、使用環境の温度や荷重条件まで含めて検討することが大切です。

カタログ上の硬度だけを見て発注すると、実際の使用条件下で想定外の変形や摩耗が起こることがあります。

可能であれば、実機での試験や少量サンプルでの評価を経てから本採用を決めることをおすすめします。

硬度以外に確認すべきポイント

硬度と併せて確認したいのが、耐熱性や耐油性、耐候性といった環境適合性です。

同じ硬度のゴムでも、NBRやシリコーン、フッ素ゴムなど材質が異なれば適用できる環境はまったく変わってきます。

硬度はあくまで選定条件のひとつであり、材質選定とセットで検討するべき項目といえるでしょう。

ゴム硬度測定に関しては、校正やばらつきに関する疑問がよく寄せられます

続いてはゴム硬度測定に関してよくある疑問について確認していきます。

実際に測定を行う現場では、数値の再現性や機器の管理に関する質問が多く寄せられます。

ここでは代表的な三つの疑問を取り上げて解説していきます。

硬度計の校正は必要か

結論として、硬度計は定期的な校正が必要です。

スプリングの経年劣化や押針の摩耗により、正しい値が出なくなることがあるためです。

標準ゴム片と呼ばれる既知の硬度を持つ試験片を用いて、定期的に精度確認を行うことが推奨されています。

測定値がばらつく原因

測定値がばらつく主な原因は、押し当てる力や速度が一定でないことにあります。

試験片の厚みや表面の平滑さ、測定時の温度差も数値のばらつきに影響を与えます。

同一条件で複数回測定し、平均値で評価することでばらつきの影響を抑えることができるでしょう。

デュロメーター以外の測定方法はあるか

デュロメーター以外にも、IRHD(国際ゴム硬度)と呼ばれる測定方法があります。

IRHDは押針の沈み込み量を直接角度換算で数値化する方式で、より小さな試験片でも測定しやすいという特徴があります。

用途や試験片のサイズに応じて、適切な測定方法を選ぶことが重要です。

まとめ

今回はゴムの硬度とは何か、測定方法と基準について解説してきました。

ゴムの硬度は、押し込みへの抵抗を数値化した指標であり、デュロメーターという専用の硬度計によって測定されます。

柔らかいゴムにはショアA、硬いゴムにはショアDという異なる規格が用いられ、それぞれ測定範囲や押針の形状が異なる点がポイントです。

単位や規格はJIS、ISO、ASTMなど複数存在するため、資料を確認する際はどの規格に基づく数値なのかを見極める必要があります。

硬度は製品性能を左右する重要な指標ですが、耐熱性や耐薬品性など他の性質と合わせて総合的に判断することが欠かせません。

正しい測定方法と規格の知識を身につけることで、より適切なゴム材料の選定につなげていただければ幸いです。