今回は【WORD】ワードで錨マーク(アンカー記号)の意味や使い方・解除・削除の方法を解説していきます。
ポイントは以下の通りです。
・アンカー記号の意味や使い方
基本: 船の錨のように、オブジェクトを段落に固定する役割
動作: オブジェクト移動時にアンカーも追従し、結び付く段落が変わる
表示されない場合の原因
:「文字の折り返し」が「行内」設定の場合
・Word設定でアンカー記号が非表示になっている場合
: レイアウトオプション変更、または表示設定の確認
・アンカー記号の解除方法
手動移動: アンカーをドラッグして削除されにくい段落(タイトルなど)に移動
段落固定:「アンカーを段落に固定する」設定でオブジェクト移動時もアンカー位置を維持
視覚的確認: 固定されたアンカーには赤い鍵マークが表示される
・アンカー記号の削除方法
完全削除:「文字の折り返し」を「行内」に設定
効果: オブジェクトが文字として扱われ、段落との結び付きが完全に解除
制限: 移動の自由度は低下するが、文中への埋め込みに適している
それでは詳しく確認していきましょう。
錨マーク(アンカー記号)の意味や使い方
アンカー(錨)とは、船が海上で流されないように、海底に沈めて船を固定するための重りですね。
ワードでのアンカー記号とは、画像や図形などのオブジェクトがどの段落に固定、つまり、結び付いているかを示しています。
段落だけを消したいと思ったのに、画像や図形なども消えてしまったことはありませんか。
それはアンカー記号が原因かもしれません。
例をあげて解説していきます。
わかりやすいように、段落ごとに文字の色を変えてあります。
ひとつの段落の横に<灯台の図>を挿入しました。左余白にアンカー記号があります。
アンカー記号は挿入したすぐ近くの段落に結び付きます。ここでは緑色の文字の段落です。
この段落を削除してみましょう。段落の左余白をダブルクリックして選択します。
すると、段落と一緒に<灯台の図>も選択されていますね。
キーボードの「Delete」キーを押すと、緑色の文字の段落と<灯台の図>が削除されました。
段落と一緒に図も消えてしまうのは、図が消した段落に結び付いているからです。
図を別の段落に移動させるとアンカー記号はどうなるでしょうか。
図を青字の段落に移動してみます。アンカー記号は青字の段落に移動しました。
アンカー記号は画像や図形などを移動させると一緒に動き、結び付く段落が変わります。
ここで、アンカー記号が表示されない場合の原因と対策をふたつ解説します。
ひとつは、画像や図形などを選択した時に、「文字の折り返し」が「行内」に設定されていると、アンカー記号は表示されないためです。
対策としては、画像や図形などの右上にある「レイアウトオプション」をクリックし、「文字の折り返し」の六個のアイコンから適当なもの(例:「四角形」、「前面」など)を選択してください。
もうひとつは、ワードの設定でアンカー記号が非表示になっている場合です。
対策としては、「ファイル」タブをクリック、「オプション」をクリック、「Wordのオプション」のダイアログボックスで、「表示」をクリックし、「常に画面に表示する編集記号」の「アンカー記号」にチェックが入っているかを確認してください。
チェックが入っていないと表示されないので、表示したい場合は、チェックを入れてください。
なお、この設定でアイコンを非表示にしても、画像や図形などが段落に固定されている状態は変わりません。
ワードで錨マーク(アンカー記号)の解除方法
段落を削除しても、画像や図形などを残しておきたい、または段落が移動しても、画像や図形などは動かないようにしたいと思ったことはありませんか。
そのような時の解決方法を解説していきます。
<灯台の図>を選択して、アンカー記号を表示させます。アンカーは緑色の段落の左上にありますね。
アンカーの近くにカーソルをもっていき、移動ハンドル(十字矢印)になったら、ドラッグしましょう。
移動させる可能性の低い段落まで、ドラッグします。ここでは、タイトルの段落に移動させました。
緑色の文字の段落を削除してみましょう。
緑色の文字の段落が消えましたが、図は残っています。
このように、タイトルなど、移動させる可能性の低い段落にアンカーを移動させるのがポイントです。
ただ、再度、図を移動すると、アンカーは移動先の段落に移動してしまいます。
特定の段落に固定しておくと、図を移動しても、結び付けられた段落は変わりません。
次にその方法を解説します。
図を選択して、「レイアウトオプション」をクリックします。右下の「詳細表示」をクリックしましょう。
「レイアウト」のダイアログボックスが開きます。
「位置」タブを選択、「オプション」の「アンカーを段落に固定する」にチェックを入れて、「OK」をクリックしてください。
アンカー記号に「赤い鍵」がつきました。
試しに、図の位置を変えてみます。下の図のように、アンカー記号の位置は移動しませんね。
アンカー記号をタイトルなどに固定すると、画像や図形などをドラッグしてもアンカーは移動しなくなります。
また段落を削除しても、画像や図形などは削除されません。
ワードで錨マーク(アンカー記号)の削除方法
はじめの章で、ワードの設定でアンカー記号を非表示にしても、アンカー記号は画像や図形などと段落を結び付けている状態を保持しますと解説しました。
それでも、画像や図形などを段落に結びつけたくない時の方法を解説します。
図を右クリックし、「レイアウトオプション」ボタンをクリックし、「行内」を選択します。
すると、下の図のようにアンカー記号は消えました。
「レイアウトオプション」で「行内」を選択すると、図は文字として扱われますので、段落との結びつきは削除されます。
ただし、図の移動は、スムーズではありません。
下の図のように、文中に画像や図形などを入れ込みたい時に適していますね。
まとめ ワードで錨マーク(アンカー記号)の意味や使い方・解除・削除方法
ここでは、例文と<灯台の図>を使って、ワードで錨マーク(アンカー記号)の意味や使い方・解除・削除方法を解説しました。
このアンカー記号を活用することで、ワードで図の多い複雑なレイアウトの文書を作成する時など、効率的で意図通りに作成できるようになります。
今回紹介したアンカー記号の使い方を活用して、画像や図形などを挿入した文書をより効率的に作成してください。