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パルス幅の求め方は?計算式と例も!(オシロスコープ:測定方法:立ち上がり・立ち下がり時間など)

パルス幅の基本的な求め方
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デジタル回路、電源回路、通信機器を扱う場面では、信号がオンになっている時間を正確に把握することが重要です。

その代表的な指標がパルス幅であり、オシロスコープを使えば波形を見ながら実測できます。

ただし、どこを開始点と終点にするのか、立ち上がり時間や立ち下がり時間をどう区別するのかによって、読み取る値は変わります。

この記事では、パルス幅の計算式、周波数やデューティ比との関係、オシロスコープによる測定方法、測定誤差を減らすポイントまで順に解説します。

パルス幅の基本的な求め方

パルス幅の基本的な求め方

それではまずパルス幅の求め方について解説していきます。

パルス幅の意味

パルス幅とは、電気信号が一定のしきい値より高い状態、または低い状態を維持している時間のことです。

一般には、矩形波のハイレベルが続く時間を指しますが、回路や測定器の設定によってはローレベルの時間を示す場合もあります。

信号が有効と判断される時間を数値化したものと考えると理解しやすいでしょう。

単位には秒、ミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒などが使われます。

たとえばマイコンのPWM出力では、パルス幅を変えることでモーターの回転数やLEDの明るさを制御します。

通信分野では、パルス幅のばらつきがタイミングずれやデータ誤判定につながることもあります。

基本計算式

パルス幅は、信号が立ち上がった時刻から立ち下がった時刻までの差で求めます。

パルス幅 = 立ち下がり時刻 - 立ち上がり時刻

立ち上がり時刻が2.0マイクロ秒、立ち下がり時刻が7.5マイクロ秒なら、パルス幅は5.5マイクロ秒です。

オシロスコープの画面上では、時間軸の目盛りとカーソル機能を利用して二つの時刻を読み取ります。

自動測定機能がある機種なら、Pulse WidthやPositive Widthと表示される項目を選択すると、連続的に値を表示できます。

ただし自動測定でも、しきい値やノイズ除去の条件が適切でなければ正しい数値にはなりません。

しきい値による定義

実際の信号の立ち上がりと立ち下がりは、理想的な垂直線ではありません。

そのためパルス幅は、通常、振幅の50パーセントを横切る時点同士の時間差として定義されます。

5Vの信号であれば、2.5Vを上向きに通過した時点から、2.5Vを下向きに通過した時点までが基本的な測定範囲です。

50パーセントしきい値は、立ち上がりと立ち下がりの影響を比較的公平に扱える基準です。

ただし、回路仕様書に10パーセントや90パーセント、特定の電圧値が指定されている場合は、その条件を優先します。

測定の目的と規格を先に確認しておくことが、値の食い違いを防ぐ近道です。

周波数とデューティ比の関係

続いては周波数とデューティ比の関係を確認していきます。

周期から求める計算

繰り返し波形では、1周期に要する時間を周期と呼びます。

周波数が分かっている場合、周期は周波数の逆数で算出できます。

周期 = 1 ÷ 周波数

パルス幅 = 周期 × デューティ比

周波数が100kHzなら、周期は10マイクロ秒です。

デューティ比が30パーセントなら、パルス幅は10マイクロ秒に0.3を掛けて3マイクロ秒となります。

周波数とデューティ比を使う計算は、設計値の確認やオシロスコープでの測定結果の妥当性確認に便利です。

デューティ比の算出

デューティ比は、周期のうちハイレベルが占める割合です。

デューティ比 = パルス幅 ÷ 周期 × 100パーセント

パルス幅が4マイクロ秒で周期が20マイクロ秒なら、デューティ比は20パーセントです。

パルス幅だけでは信号の繰り返し方までは分からないため、周期または周波数とセットで確認することが大切です。

同じ5マイクロ秒のパルス幅でも、周期が10マイクロ秒ならデューティ比は50パーセントです。

一方、周期が100マイクロ秒であればデューティ比は5パーセントになり、回路への平均的な影響も大きく変わります。

計算例の比較

周波数 周期 デューティ比 パルス幅
1kHz 1ms 50パーセント 0.5ms
10kHz 100マイクロ秒 25パーセント 25マイクロ秒
100kHz 10マイクロ秒 80パーセント 8マイクロ秒
1MHz 1マイクロ秒 10パーセント 100ナノ秒

表のように、周波数が高くなるほど周期は短くなります。

高速信号では数ナノ秒単位の差が重要になるため、オシロスコープ、プローブ、配線の性能も測定精度に直結します。

オシロスコープによる測定手順

続いてはオシロスコープによる測定手順を確認していきます。

プローブ接続の準備

まず測定対象の信号線にプローブ先端を接続し、グランドリードを回路の基準電位へ接続します。

グランド接続が不十分だと、波形にノイズやリンギングが重なり、パルス幅の開始点と終了点を正しく判定できません。

高速な信号ほどグランドリードは短くすることが重要です。

長いグランドリードはアンテナのように振る舞い、実際には存在しないノイズを表示することがあります。

プローブ倍率も確認しましょう。

10対1プローブを使う場合は、オシロスコープ側の設定も10対1に合わせなければ、電圧表示としきい値判定がずれます。

時間軸とトリガ設定

時間軸は、1画面に2周期から5周期程度が見える設定にすると、波形全体と詳細の両方を確認しやすくなります。

パルス幅が10マイクロ秒程度なら、1目盛りを2マイクロ秒前後に設定する方法が一例です。

トリガは立ち上がりエッジを選び、トリガレベルを信号振幅の中央付近に置きます。

波形表示が左右に流れる場合は、トリガソース、エッジ方向、レベルを見直してください。

安定表示できていない波形からパルス幅を読んでも、再現性のある測定にはなりません。

先にトリガを安定させてから、時間軸やカーソルの調整へ進むことが基本です。

カーソルと自動測定

カーソル測定では、縦カーソルを立ち上がりの50パーセント交点と立ち下がりの50パーセント交点に合わせます。

二つのカーソル間の時間差がパルス幅です。

自動測定を使う場合は、正パルス幅、負パルス幅、デューティ比、周期、周波数を同時に表示すると判断しやすくなります。

カーソル値と自動測定値が大きく異なるときは、測定しきい値やノイズ、波形の二重エッジを疑うべきでしょう。

単発パルスの測定では、Single取得を使うと一度だけ発生する波形を停止表示できます。

繰り返し信号と同じ感覚で測るのではなく、トリガ条件とメモリ長をあらかじめ調整する必要があります。

立ち上がり時間と立ち下がり時間

続いては立ち上がり時間と立ち下がり時間を確認していきます。

立ち上がり時間の基準

立ち上がり時間は、信号電圧が低い状態から高い状態へ変化するまでの時間です。

多くの測定では、振幅の10パーセントから90パーセントまでに要した時間を使います。

0Vから5Vへ変化する波形なら、0.5Vを通過した時点から4.5Vを通過した時点までが立ち上がり時間です。

立ち上がり時間はパルス幅そのものではなく、パルスの縁の速さを示す指標です。

高速デジタル回路では、立ち上がりが遅いとしきい値付近に長く滞在し、誤動作やノイズの影響を受けやすくなります。

立ち下がり時間の基準

立ち下がり時間は、高い状態から低い状態へ変化するまでの時間です。

こちらも通常は90パーセントから10パーセントまでの移動時間として測定します。

立ち上がり時間と立ち下がり時間は、同じ値になるとは限りません。

トランジスタの駆動能力、負荷容量、プルアップ抵抗、配線容量などによって、上昇側と下降側の傾きが異なります。

特にオープンドレイン出力では、プルアップ抵抗と容量の組み合わせにより立ち上がり時間が長くなりやすい傾向があります。

パルス幅への影響

50パーセントしきい値で測るパルス幅は、立ち上がりと立ち下がりの傾きによって見かけの値が変化します。

立ち上がりが遅く、立ち下がりが速い波形では、50パーセント交点の位置が設計上のタイミングからずれることがあります。

パルス幅の規格値だけで合否を判断せず、立ち上がり時間と立ち下がり時間も並べて確認することが重要です。

とくに高速インターフェースやPWM制御では、エッジ速度の異常が不具合の早期発見につながります。

測定器の帯域幅が不足している場合も、表示上のエッジは実際より遅く見えます。

測定対象の立ち上がり時間に対して十分な帯域幅を持つオシロスコープとプローブを選びましょう。

測定誤差と波形確認の要点

続いては測定誤差と波形確認の要点を確認していきます。

帯域幅とサンプリング速度

オシロスコープの帯域幅が不足すると、高周波成分が減衰し、エッジが丸く表示されます。

その結果、立ち上がり時間、立ち下がり時間、しきい値交点の位置に誤差が生じます。

短いパルス幅を測るほど、帯域幅とサンプリング速度の余裕が必要です。

サンプリング間隔が粗いと、実際のエッジ位置の間を推定することになり、測定値が揺れる場合があります。

高速パルスでは、最高サンプリング速度だけでなく、使用中の時間軸設定における実効サンプルレートも確認してください。

ノイズとヒステリシス

しきい値付近にノイズがあると、波形が一度の遷移中に何度も基準電圧を横切ることがあります。

このような状態では自動測定機能が短い偽パルスを検出し、パルス幅が不安定になることがあります。

必要に応じて帯域制限、平均化、ローパスフィルタ、適切なトリガホールドオフを利用します。

ただし、過度なフィルタ処理は本来の波形変化まで隠すため、設定前後の波形を比較する姿勢が必要です。

入力回路にシュミットトリガがある場合は、上昇時と下降時でしきい値が異なるため、測定基準との違いにも注意しましょう。

実測値の記録方法

測定結果を残すときは、パルス幅の数値だけでなく、測定条件も記録します。

記録項目 確認内容
測定対象 信号名、測定箇所、回路の動作状態
プローブ条件 倍率、帯域制限、グランド接続方法
表示条件 時間軸、電圧軸、トリガレベル、取得モード
測定基準 50パーセントしきい値、または規格指定の電圧値
測定結果 パルス幅、周期、周波数、デューティ比、最大値と最小値

条件を残して初めて、別の日や別の担当者でも同じ測定を再現できます

異常解析では、正常時の波形と比較できるよう、画面キャプチャも併せて保存すると役立ちます。

パルス幅測定のまとめ

パルス幅は、立ち上がり時刻から立ち下がり時刻までの時間差で求めます。

繰り返し波形では、周期とデューティ比から計算することも可能です。

オシロスコープで測定するときは、波形を安定表示させ、50パーセントしきい値を基準にカーソルまたは自動測定を使います。

パルス幅の値だけでなく、周期、周波数、デューティ比、立ち上がり時間、立ち下がり時間を組み合わせて見ることで、信号の状態をより正確に判断できます。

正しいパルス幅測定のポイントは、定義をそろえること、測定器の設定を整えること、波形のノイズやエッジ形状を確認することです。

設計値と実測値を比較する際は、必ず同じしきい値と同じ測定条件で評価しましょう。

基本式と測定手順を押さえれば、PWM信号、クロック信号、通信パルスなど幅広い波形に対応できます。