広島弁講座(5)「たいぎい」
広島弁のフレーズは沢山ありますが、ダントツで広島人が使っているのが
この「たいぎい」です!
本当に日常の様々なシーンで「たいぎい」は使われていますし、
老若男女みんなが使う方言です!
今回はそんな「たいぎい」の意味と使い方についてご紹介していきます♪
広島弁「たいぎい」ってどういう意味?
それでは「たいぎい」の意味について解説していきましょう!
…と行きたいところですが、これが結構難儀なことなんです(笑)
ざっくりいうと「たいぎい」は「面倒くさい」がベースの言葉なんですが、
より広い意味を持っています。
つまり「負の感情を表す色んな場面で使われるフレーズ」なんですね。
標準語にすると、「面倒くさい」「しんどい」「ツライ」「嫌い」などなど…
それらすべてのフレーズの代わりに使うことができると思われます。
まぁ、便利な言葉ですよね(笑)
広島弁「たいぎい」の使用例
「たいぎい」は本当にいろんな場面で登場するフレーズです。
なので、ここでは実際にどのような場面で「たいぎい」が使われているのか、
色んな使用例とともに解説していこうと思います♪
「たいぎい」の使用例
・面倒くさいの「たいぎい」
「明日は一時間目から体育じゃけぇ、たいぎいわぁ」
(明日は一時間目から体育だから面倒くさいなぁ)
こちらは先ほど紹介した「面倒くさい」という意味の使用例です。
・しんどい、だるいの「たいぎい」
A氏「どしたん?なんかたいぎそうにしとるねぇ?」
(どうしたの?なんだかしんどそうにしてるじゃん?)
B氏「そうなんよ、今朝からめっちゃたいぎいんじゃ…」
(そうなの、今朝からすっごいだるくってさ…)
A氏「それじゃあ保健室行った方がいいんじゃないん?」
(それなら保健室行った方がいいんじゃないの?)
こんな感じで「たいぎい」は体調不良を訴える時に頻発します。
口癖のように「たいぎい~たいぎい~」ってずっと言ってる人もよくいますよ。
「あーしんどいーしんどいー」ってことです(笑)
・うざいの「たいぎい」
A氏「明日の遠足、雨が降る予報なんだってー」
B氏「えーうそじゃー!ばりたいぎいわー!」
この場合は「面倒くさい」や「しんどい」という感情だけではなく
「うざい」「ショック」「」マジで!?「嫌だ~!」といった意味合いが
乗っかってきます。
とにかく負の感情が表したい場面では「たいぎい」を使っておけばオッケーです(?)
・嫌いの「たいぎい」
A氏「あの子、ばりたいぎいわぁ」
これはシンプルにウザイとか嫌いとかという意味です。
空気が読めないとこれを言われてしまうので注意が必要ですね…!
他にも
「たいぎいわ!どっか行けや!」
これは喧嘩した時などによく出てくるフレーズです。
ここまで様々なたいぎいをご紹介しましたね。
実際には他にもいろんなシチュエーションでたいぎいが使われています。
広島に行った際はどうぞ聞き耳をたててローカルな会話を楽しんでみてくださいね♪
「たいぎい」って実は広島弁じゃない!?
ここまでご紹介したように、とにかく汎用力の高い「たいぎい」。
広島の人は本当によく使っています。
もはや息を吸う様に「たいぎい」を連発する…(笑)
ですが、この「たいぎい」に関して、私は個人的に
「実はここ数十年の間にこんなに使われるようになった言葉なのではないか?」と思っているんです。。
というのも、幼少期に祖母に言われた一言がきっかけなのですが、
私の祖母は生粋の広島人です。そんな祖母から
「たいぎいは広島弁なんかね?私は使ったことがないがねぇ…」と言われたことがあるんですよね。
生きていれば今頃100歳近い年齢だったでしょう。
そんな祖母はたいぎいを使いませんでした。
代わりによく言っていたのが「やねこい」という言葉。
「やねこい=つかれた、しんどい、面倒くさい」
といった意味のフレーズでたいぎいとほとんど変わらないと思います。
畑仕事が終わった後なんかはいつも
「は~やねこいねぇ~」(は~疲れたねぇ)
と言っていましたね。なつかしい…。
そもそも「たいぎい」という言葉の由来は「大儀な」だと考えられます。
「大儀」とは面倒でくたびれることや、その様を表す言葉。
または、人の苦労をねぎらう時に使う表現です。
「大儀なことであった」=「大変ご苦労なことであった。」といった感じ。
こうしてみると、「たいぎい」日常生活で使う言葉としては少しお硬いというか、なんだか武士みたいな表現にも感じますね。
方言も年月とともに移り変わっていくものですが、おそらく「たいぎい」も「やねこい」もどちらも古くからある広島の言葉だと思われます。
それも時代や年代によって、一種の流行り言葉のようなもの?が変わっているのではないでしょうか?
こうやって考えてみると方言とひとくくりにしても奥が深いですよね。
さらに興味が増していきます!
まとめ
広島弁といったら、何をおいても最初に耳にする方言の一つがこの「たいぎい」です。
本当にどこにいても聞こえてくるし、どんな場面でも使えるマルチなフレーズですね。
ただし、使いすぎには注意が必要ですよ!
みなさんもこのフレーズを通して、ますます広島弁に興味を持ってもらえると嬉しいです♪
ここまで読んでいただきありがとうございました!