upsetは、英会話からメール、ニュースまで幅広く現れる英単語です。
「悲しい」「怒っている」とだけ覚えると、相手を不快にさせた場合や予定が狂った場合などで迷いやすくなります。
品詞によって意味が変わり、前置詞との組み合わせにも注意が必要な語です。
この記事では、upsetの中心的な意味、自然な例文、ビジネスで失礼になりにくい使い方を順序立てて紹介します。
upsetの意味と基本イメージ

それではまずupsetの基本的な意味について解説していきます。
感情が乱れている状態
upsetのもっともよく使われる意味は、「動揺している」「気分を害している」「悲しんでいる」という感情の乱れです。
怒りだけを表す語ではなく、ショック、心配、悲しみ、失望などを含むため、日本語では場面ごとに訳を変える必要があります。
たとえば、約束を忘れられて怒っている人にも、大切な結果を聞いて落ち込んでいる人にも使えます。
upsetは感情の種類よりも、平静ではない状態そのものに焦点があると考えると理解しやすいでしょう。
I was upset when I heard the news.
私はその知らせを聞いて動揺しました。
この文では、怒っていたのか悲しかったのかを特定していません。
話し手の気持ちが大きく揺れたことを、やわらかく伝える表現です。
動詞と形容詞で異なる働き
upsetは形容詞として「動揺した」、動詞として「動揺させる」という働きをします。
形容詞ではbe動詞とともに使い、動詞では目的語の前に置くのが基本です。
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| be upset | 動揺している | She is upset. |
| upset 人 | 人を動揺させる | The comment upset her. |
| get upset | 動揺する、腹を立てる | Do not get upset. |
| upsetting | 気持ちを乱すような | an upsetting story |
過去形と過去分詞はどちらもupsetです。
規則動詞のようにupsettedとはしないため、英文作成時には注意しましょう。
ひっくり返す意味とのつながり
upsetには、物を「ひっくり返す」、予定や計画を「狂わせる」という意味もあります。
本来の「安定した状態を崩す」というイメージが、感情にも物理的な状態にも広がっています。
コップを倒す場合と、心を乱す場合は一見別の意味でも、安定を失わせるという共通点があります。
upsetを覚える際は、「怒る」と一対一で暗記しないことが大切です。
人、予定、物の均衡を崩すという核を持つ語として捉えると、未知の文脈でも意味を推測しやすくなります。
upsetの読み方と発音のポイント
続いてはupsetの読み方と発音を確認していきます。
カタカナ表記とアクセント
upsetのカタカナ表記は、一般的にアップセットです。
ただし、日本語の「アップセット」を均等に読む感覚とは少し異なります。
アクセントは後半のsetに置かれ、発音記号ではʌpˈsetと表されます。
最初のupは短く軽く出し、後半をやや強く発音すると英語らしいリズムになります。
upの母音とsetの音
upの母音は、日本語の「ア」よりも口を大きく開きすぎず、「ア」と「ウ」の中間に近い音です。
setは「セット」と伸ばさず、最後のtを軽く止めます。
会話では語末のtが明確に破裂しない場合もありますが、setの部分にアクセントがあることは変わりません。
発音の目安は、弱い「アップ」に強い「セット」を続ける感覚です。
アクセントを前に置くアップセットではなく、後ろを意識したアップセットに近づけましょう。
聞き取りで混同しやすい語
upsetは、updateやupsetの名詞用法などと聞き分けに迷うことがあります。
ただしupdateは後半がデイトとなり、upsetとは母音も語尾も異なります。
また、upset stomachという表現では「胃の不調」を意味し、話し手が感情的に怒っているわけではありません。
前後にperson、feel、aboutなどがあれば感情のupset、stomachやscheduleがあれば別の意味を疑うとよいでしょう。
upset aboutとupset withの使い分け
続いてはupset aboutとupset withの違いを確認していきます。
upset aboutの対象
upset aboutは、出来事、状況、話題などについて動揺しているときに使います。
aboutの後ろには名詞、動名詞、疑問詞を含む節などが続きます。
感情の原因となった事柄に焦点を当てるならupset aboutが自然です。
He is upset about the delay.
彼はその遅れを気にして動揺しています。
She was upset about missing the meeting.
彼女は会議に出られなかったことを残念に思っていました。
delayやmissing the meetingは、人ではなく出来事です。
このような場合、withよりaboutを選ぶと意味が明確になります。
upset withの相手
upset withは、誰かの言動によって気分を害したときに使われます。
withの後ろには、人、組織、対応した担当者などが置かれることが多い表現です。
日本語では「誰々に腹を立てている」「誰々に不満を感じている」に近いニュアンスになります。
ただし、強い非難として響くこともあるため、ビジネスでは使う場所を選びましょう。
| 表現 | 主な焦点 | 自然な後ろの語 |
|---|---|---|
| upset about | 出来事や問題 | the delay、the result、what happened |
| upset with | 相手や組織 | him、her、the supplier、our team |
| upset at | 出来事や発言 | the decision、the remark |
| upset by | 原因となる事柄 | the news、his behavior |
upset atとupset byのニュアンス
upset atもupset aboutに近く、発言、決定、出来事に対する感情を表します。
upset byは「何かによって動揺させられた」という受け身に近い感覚が強まります。
たとえばThe customer was upset by the unexpected chargeは、予想外の請求が顧客を不快にさせたという意味です。
前置詞の完全な置き換えより、感情の向かう先を考えることが正確な使い分けにつながります。
相手を直接責める印象を避けたい場合は、upset with 人よりもupset about the situationのように状況へ焦点を移す方法があります。
苦情対応や社内連絡では、関係を保ちやすい言い方です。
get upsetと日常会話での表現
続いてはget upsetを含む日常会話での表現を確認していきます。
get upsetが表す感情の変化
be upsetが現在の状態を示すのに対し、get upsetは「動揺する」「腹を立てる」という変化を表します。
何かをきっかけに、落ち着いた状態から感情が乱れた場面で使われます。
Do not get upsetは「そんなに気にしないで」「怒らないで」に近い言葉ですが、言い方次第では相手の感情を軽く扱う印象にもなります。
親しい相手には自然でも、悩みを話している相手には慎重さが必要でしょう。
upset someoneとmake someone upset
人を動揺させると言う場合は、upset someoneとmake someone upsetの両方が使えます。
upsetは簡潔で直接的な表現、make someone upsetは原因と結果の関係をやや説明的に伝える表現です。
It upset meは「それで私は傷ついた、動揺した」、It made me upsetは「それが原因で私はそう感じた」という違いを持ちます。
謝罪や対話ではI am sorry that upset youのように、相手の感情を認める表現が役立ちます。
upset stomachとupsetの別の用法
upset stomachは「胃のむかつき」「胃の不調」を意味する定番表現です。
spicy food gave me an upset stomachなら、辛い食べ物で胃の調子が悪くなったという内容になります。
また、スポーツではupsetが「番狂わせ」を表す名詞になることもあります。
格下と見られていたチームが強豪を破った場合、an upsetと表現されます。
| 用法 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| be upset | 動揺している | I am upset about it. |
| upset a person | 人を動揺させる | The rumor upset him. |
| upset stomach | 胃の不調 | She has an upset stomach. |
| an upset | 番狂わせ | The game was a major upset. |
ビジネスでのupsetの使い方
続いてはビジネスでのupsetの使い方を確認していきます。
顧客の不満を表す場合
顧客対応ではupset customerやthe customer is upsetという表現が使われます。
ただし、顧客本人にYou are upsetと言うと、感情を決めつけているように聞こえる場合があります。
相手の感情を尊重するなら、I understand that this situation is frustratingのように、状況への理解を示す表現が適しています。
社内共有では、The customer appears to be upset about the delivery delayのようにappears to beを加えると断定を弱められます。
顧客の感情を記録する際は、人格評価のような表現を避け、事実と要望を分けて書きましょう。
「顧客は配送遅延について不満を表明し、返金条件の確認を希望している」と整理すると、対応の質が上がります。
謝罪メールでの自然な言い回し
謝罪メールでは、upsetを使って相手の不快感を認識しつつ、解決策を明示する構成が有効です。
We are sorry for any inconvenience this may have causedは汎用的ですが、より気持ちに寄り添うならWe are sorry that this issue has caused frustrationを使えます。
upsetを入れる場合は、We are sorry to hear that you were upset by the delayのように、原因を添えると誠実な印象になります。
We sincerely apologize for the delay.
We understand that you may be upset about the change in schedule.
We will provide an updated delivery date by tomorrow.
この例では、謝罪、感情への配慮、次の行動がそろっています。
感情への共感だけで終わらせず、具体的な対応期限を示すことが重要です。
社内会話で注意したい表現
同僚にDo not get upsetと言うと、相手によっては「感情的になるな」と受け取られる可能性があります。
緊張した場面では、I know this is frustratingやLet us look at the options togetherのほうが協力的です。
また、I am upset with youは相手への不満を直接示す強い言い方です。
職場では、I was concerned about how the issue was handledのように、行動やプロセスに焦点を当てると建設的な対話につながります。
ビジネス英語では、感情そのものより問題、影響、改善策を伝える姿勢が信頼関係を守ります。
upsetのスラングと英語表現の言い換え
続いてはupsetのスラング的な用法と言い換えを確認していきます。
スラングとしてのupset
upset自体はスラングだけの語ではなく、標準的な英語です。
一方で、口語ではupsetを使って感情の強さを幅広く表すため、文脈によってはくだけた響きになります。
He is really upsetは、かなり怒っている、ひどく落ち込んでいる、深く傷ついているなどの意味になり得ます。
何に対してどう感じているのかを補足すれば、誤解を減らせるでしょう。
感情別に選べる言い換え
upsetは便利な反面、感情をぼかす語でもあります。
怒り、悲しみ、失望、心配のどれを強調したいかによって、より具体的な語を選べます。
| 言い換え | 主なニュアンス | ビジネスでの使いやすさ |
|---|---|---|
| angry | 怒っている | 直接的なので慎重に使う |
| frustrated | 思うように進まず不満 | 比較的使いやすい |
| disappointed | 期待外れで残念 | 丁寧に不満を示せる |
| concerned | 心配している | 社内外で使いやすい |
| distressed | 強く苦しんでいる | 深刻な場面向け |
| offended | 侮辱され気分を害した | 相手を責める響きに注意 |
予定遅延への不満ならfrustrated、期待とのずれならdisappointedが、upsetより具体的です。
言葉を選び分けることで、相手が状況を理解しやすくなります。
予定変更や番狂わせの言い換え
予定を狂わせるupsetは、disrupt、disturb、throw offなどに言い換えられます。
会議の日程が大きく乱れたならdisrupt the schedule、作業の流れが崩れたならthrow off the workflowが候補になります。
スポーツの番狂わせを表すan upsetは、surprise winやunexpected victoryと言い換え可能です。
ただし、upsetには短く印象的に結果を伝えられる強みがあります。
同じupsetでも感情、混乱、番狂わせのどれなのかを、周囲の名詞から判断しましょう。
まとめ
upsetは「動揺している」「人を動揺させる」「均衡を崩す」「番狂わせ」など、安定が失われる場面で使われる英単語です。
感情を表すときは、be upsetで状態を、get upsetで感情の変化を表せます。
出来事についてはupset about、相手への不満ではupset withがよく使われます。
ビジネスでは、相手の感情を断定しすぎず、原因となった状況と解決策を具体的に伝えることが大切です。
upsetを単なる「怒る」と限定せず、文脈に応じて悲しみ、不満、心配、混乱へ読み替えることが、自然な英語表現への近道になります。