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配管の耐圧試験は?やり方と計算も!(気密試験・水圧試験・手順・圧力・冷媒配管・油圧・スケジュールなど)

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配管工事が完了したあとに必ず行われる重要な工程が、耐圧試験です。

漏れや強度不足がないかを確認するこの試験を正しく実施することは、安全な設備運用の大前提となります。

「どんな手順でやればいいの?」「水圧試験と気密試験はどう違うの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、配管の耐圧試験の目的・種類・具体的なやり方・圧力の計算方法まで、現場で役立つ情報を詳しく解説していきます。

配管の耐圧試験とは:目的と種類の基本

それではまず、配管耐圧試験の基本的な目的と、試験の種類について解説していきます。

耐圧試験を行う目的

耐圧試験とは、配管・継手・バルブなどの配管システム全体に規定の圧力をかけ、耐久性と気密性を確認する試験です。

工事後の漏えいや、材料・溶接の欠陥を早期に発見することが主な目的です。

建築設備や工場の配管では法令や規格(JIS・JASS・消防法など)に基づいて実施が義務付けられていることが多く、省略できない重要な工程です。

試験に合格することで、設備の引き渡しや運転開始が認められるケースが一般的でしょう。

水圧試験と気密試験の違い

耐圧試験には大きく分けて水圧試験(水圧テスト)と気密試験の2種類があります。

項目 水圧試験 気密試験
使用媒体 空気・窒素・ヘリウムなど
危険性 低い(液体は圧縮されない) 高い(気体は圧縮エネルギーを蓄積)
適用配管 給水・排水・消火配管など 冷媒配管・ガス配管など
漏れ検知 目視・濡れ確認 石けん液・ガス検知器

水圧試験は液体を使うため破損時のエネルギー放出が小さく安全性が高い一方、気密試験は圧縮気体を使うため扱いに十分な注意が必要です。

冷媒配管・油圧配管の特殊な試験

冷媒配管では、試験に窒素ガスを使った気密試験が一般的です。

フロン系冷媒が封入された状態での試験は危険なため、必ず施工後・冷媒充填前に実施します。

油圧配管では、実際に使用する油圧オイルを用いた耐圧試験が推奨されることが多く、最高使用圧力の1.25〜1.5倍の圧力で行うことが一般的です。

スケジュール(肉厚規格)の選定も試験圧力と直結するため、設計段階から考慮しておくことが重要でしょう。

耐圧試験のやり方と手順

続いては、耐圧試験の具体的なやり方と実施手順を確認していきます。

試験前の準備と安全確認

耐圧試験を安全に実施するためには、事前の準備が非常に重要です。

試験区間の確定・隔離バルブの設置・計測器の校正を事前に行っておく必要があります。

特に気密試験では、試験区間内に人が立ち入らないよう立入禁止措置を設け、万が一の破裂に備えた安全距離を確保します。

使用する圧力計は試験圧力の1.5〜2倍のレンジを持つものを選ぶのが基本です。

また、試験前に配管内の空気を抜くエア抜き作業も忘れずに行いましょう。

加圧・保持・判定の手順

試験の実施手順は以下の流れが基本となります。

①試験圧力まで段階的に昇圧(急激な加圧は禁止)

②規定圧力に達したら加圧を止め、一定時間(通常30分〜1時間)保持

③保持中の圧力降下がないかを圧力計で監視

④漏れ箇所の目視確認・石けん液塗布による気泡確認

⑤判定基準を満たせば合格、不合格であれば補修後に再試験

段階的に昇圧する理由は、一度に高圧をかけると欠陥部位が突然破断するリスクがあるためです。

50%→75%→100%のように段階を踏んで加圧するのが安全な方法でしょう。

試験後の後処理と記録

試験合格後は、配管内に残った水(水圧試験の場合)を完全に排出・乾燥させます。

残水が残ったまま運転を開始すると、腐食・凍結・水撃などのトラブルの原因となるため注意が必要です。

試験結果は日付・試験圧力・保持時間・判定結果を記録した「耐圧試験成績書」として保管することが求められます。

公共工事や法規制対象設備では、この成績書が検査・引き渡し書類の一部として必須になるケースがほとんどです。

耐圧試験の圧力計算方法

続いては、耐圧試験に用いる試験圧力の計算方法を確認していきます。

試験圧力の基本的な考え方

試験圧力は、最高使用圧力(設計圧力)に対して一定の倍率を掛けた値が一般的に採用されます。

水圧試験では最高使用圧力の1.5倍、気密試験では最高使用圧力の1.1〜1.25倍が一般的な基準です。

ただし、適用規格(JIS B 8265・労働安全衛生法・フロン排出抑制法など)によって定められた倍率が異なる場合があるため、必ず根拠となる規格を確認してから計算します。

計算例

例:最高使用圧力 1.0 MPaの給水配管の水圧試験圧力

試験圧力=1.0 MPa × 1.5=1.5 MPa

例:最高使用圧力 2.0 MPaの冷媒配管の気密試験圧力

試験圧力=2.0 MPa × 1.25=2.5 MPa

計算自体はシンプルですが、単位(MPa・kPa・kgf/cm²)の変換ミスに注意が必要です。

1 MPa=10.197 kgf/cm²と覚えておくと現場での換算に役立ちます。

配管スケジュールと耐圧能力の関係

配管の耐圧能力は、スケジュール番号(Sch)と管径によって決まる許容圧力に依存します。

スケジュール番号が大きいほど肉厚が厚くなり、高い耐圧能力を持ちます。

Sch40とSch80では同じ外径でも肉厚が大きく異なり、許容圧力に差が生じます。

試験圧力が配管の許容圧力を超えないよう、事前に確認しておくことが安全管理の基本でしょう。

現場でよくある失敗と対策

続いては、耐圧試験で現場でよく発生するトラブルと、その対策を確認していきます。

圧力が上がらない・保持できない原因

「規定圧力まで昇圧できない」「圧力が徐々に下がる」という症状は、漏えい箇所の存在を示しています。

よくある原因としては、フランジ接続部のガスケット不良・溶接欠陥・バルブの内部漏れ・仮設配管の接続不良などが挙げられます。

まず石けん液を全ての継手・溶接部・バルブまわりに塗布し、気泡が発生している箇所を特定することが先決です。

温度変化による圧力変動への対処

気密試験では、温度変化によって圧力が変動することがあります。

気体の体積は温度に比例するため(ボイル・シャルルの法則)、試験中に気温が上昇すれば圧力も上がり、下降すれば圧力が低下します。

判定を誤らないためには、試験開始時と終了時の温度を記録し、温度補正を行った上で圧力変動を評価することが重要です。

特に屋外配管での気密試験は、日中の温度変化の影響を大きく受けるため、朝の比較的安定した時間帯に実施するのが望ましいでしょう。

記録・書類管理のポイント

現場での試験記録は、後々のトラブル対応や法定検査の際に重要な証拠書類となります。

耐圧試験成績書に必ず記載すべき項目

試験日時・場所・実施者氏名

試験対象配管の系統・材質・口径

試験媒体(水・窒素など)・試験圧力・保持時間

判定結果(合格・不合格)・不合格時の処置内容

書類をデジタルで管理する現場も増えていますが、署名や捺印が必要な公式書類は紙でも保管しておくことをおすすめします。

まとめ

配管の耐圧試験は、水圧試験と気密試験の2種類があり、用途に応じて使い分けることが基本です。

試験圧力は最高使用圧力に対する倍率で計算し、適用規格を必ず確認します。

段階的な昇圧・保持・漏れ確認という手順を守り、試験結果を成績書として記録することが安全で確実な試験実施の要点です。

現場での失敗を防ぐためにも、準備段階から慎重に進めていきましょう。