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RLC並列回路のインピーダンスの求め方は?合成アドミタンスと共振条件を解説!

RLC並列回路のインピーダンスの結論
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RLC並列回路のインピーダンスの求め方は?合成アドミタンスと共振条件を解説!

RLC並列回路では、抵抗、コイル、コンデンサが同じ電圧源に並列接続されます。

直列回路と異なり、各素子に流れる電流を加えながら考えるため、インピーダンスではなくアドミタンスから計算を始めることが重要です。

周波数によってコイルとコンデンサの影響が変化し、特定の条件では並列共振も発生します。

本記事では、複素数、ベクトル、合成アドミタンスを使った計算手順と、共振条件の見つけ方を順序立てて紹介します。

RLC並列回路のインピーダンスの結論

RLC並列回路のインピーダンスの結論

それではまずRLC並列回路のインピーダンスについて解説していきます。

合成アドミタンスから求める基本手順

RLC並列回路の全体インピーダンスは、各枝のインピーダンスをそのまま足して求めるものではありません。

まず各素子のアドミタンスを求め、合成アドミタンスを加算した後に逆数を取る流れが基本です。

アドミタンスはインピーダンスの逆数であり、単位にはジーメンスを用います。

合成アドミタンス Y は、抵抗のアドミタンス、コイルのアドミタンス、コンデンサのアドミタンスを加えた値です。

全体インピーダンス Z は、Z = 1 ÷ Y として求めます。

抵抗成分は実数部、コイルとコンデンサの成分は虚数部として扱うため、複素数計算が必要になります。

インピーダンスの大きさと位相角

交流回路では、インピーダンスを複素数のまま表す方法と、大きさおよび位相角で表す方法があります。

実務では、電流値の計算にはインピーダンスの大きさを使い、電流と電圧の時間差を確認する際には位相角を使う場面が多いでしょう。

虚数部が正なら回路全体は誘導性、負なら容量性と判断できます。

誘導性では電流が電圧より遅れ、容量性では電流が電圧より進みます。

並列回路でアドミタンスを使う理由

並列接続では、電源電圧はすべての枝で共通です。

そのため、各枝電流を電圧で割った量であるアドミタンスを用いると、全電流との関係を自然に整理できます。

抵抗、コイル、コンデンサに流れる電流の位相は異なるため、単純な算術加算では正しい値になりません。

ベクトルとして加算する意識を持つことが、RLC回路の計算ミスを減らす近道です。

合成アドミタンスの構成要素

続いては合成アドミタンスを確認していきます。

抵抗枝のコンダクタンス

抵抗 R のアドミタンスは 1 ÷ R で表され、コンダクタンス G と呼ばれます。

抵抗枝には位相差がないため、アドミタンス平面では実軸方向の成分です。

たとえば抵抗が 100Ωなら、コンダクタンスは 0.01S です。

抵抗値が小さいほどコンダクタンスは大きくなるため、電流が流れやすくなります。

コイル枝のサセプタンス

コイルのリアクタンスは、角周波数 ω とインダクタンス L を使って XL = ωL と表します。

理想コイルのアドミタンスは 1 ÷ jωL であり、虚数部は負になります。

この虚数成分は誘導性サセプタンスと呼ばれます。

周波数が高くなるほどコイルのリアクタンスは増え、コイル枝には電流が流れにくくなります。

コンデンサ枝のサセプタンス

コンデンサのリアクタンスは XC = 1 ÷ ωC です。

理想コンデンサのアドミタンスは jωC となり、虚数部は正になります。

周波数が高いほどコンデンサのアドミタンスは大きくなるため、高周波成分を通しやすい性質があります。

素子 インピーダンス アドミタンス アドミタンスの性質
抵抗 R R 1 ÷ R 実数成分
コイル L jωL -j ÷ ωL 負の虚数成分
コンデンサ C 1 ÷ jωC jωC 正の虚数成分

インピーダンス計算の式と実例

続いては具体的なインピーダンス計算を確認していきます。

一般式による合成アドミタンス

抵抗 R、コイル L、コンデンサ C が並列の場合、合成アドミタンスは次のように整理できます。

Y = 1 ÷ R + jωC - j ÷ ωL

Y = G + jB と置くと、G はコンダクタンス、B は合成サセプタンスです。

ここで B が正なら容量性、負なら誘導性です。

全体インピーダンスは、この複素アドミタンスの逆数として計算します。

複素数の逆数による変換

Y = G + jB のとき、Z は共役複素数を使うことで求めやすくなります。

Z = 1 ÷ G + jB

Z = G ÷ Gの二乗+Bの二乗 - jB ÷ Gの二乗+Bの二乗

分母には Gの二乗+Bの二乗が入ります。

計算結果の実数部は等価抵抗成分、虚数部は等価リアクタンス成分として読むことができます。

数値を使った計算例

周波数 1kHz、抵抗 100Ω、コイル 10mH、コンデンサ 1μFを考えます。

角周波数はおよそ 6283rad毎秒となり、抵抗のアドミタンスは 0.01S です。

コイルのサセプタンスとコンデンサのサセプタンスをそれぞれ求め、虚数部を加算します。

途中でリアクタンスを先に計算してから逆数にすると、符号の確認がしやすくなります。

計算機を使う場合も、コイルのアドミタンスが負の虚数成分、コンデンサのアドミタンスが正の虚数成分になる点を必ず確認してください。

この符号が逆になると、共振周波数や位相角の判断まで誤ってしまいます。

並列共振の条件と共振周波数

続いては並列共振の条件を確認していきます。

サセプタンスが打ち消し合う状態

理想的なRLC並列回路では、コイルとコンデンサのサセプタンスの大きさが等しくなると共振します。

つまり、合成アドミタンスの虚数部 B がゼロになる状態です。

共振時には回路全体が純抵抗性に近づくため、電圧と電源電流の位相差もほぼゼロになります。

コイル枝とコンデンサ枝には大きな循環電流が流れることがあっても、電源から見た無効電流は小さくなります。

共振周波数の求め方

理想条件では、ωC = 1 ÷ ωL が成り立ちます。

この式を整理すると、角共振周波数は 1 ÷ √LC です。

共振周波数 f は、f = 1 ÷ 2π√LC です。

L の単位はヘンリー、C の単位はファラドにそろえて計算します。

部品の単位接頭語を変換し忘れると、周波数が大きくずれるため注意が必要です。

共振時のインピーダンス特性

理想的な並列共振では、コイルとコンデンサの虚数成分が相殺されます。

残る成分は抵抗枝のコンダクタンスなので、全体インピーダンスは最大になりやすい特徴があります。

これは直列共振でインピーダンスが最小になりやすい性質と対照的です。

並列共振回路は、特定周波数で電源電流を抑えながら、回路内部で大きなエネルギー交換を起こせます。

同調回路、フィルタ、発振回路で重要視される理由です。

損失抵抗と実際の回路特性

続いては実際の回路で生じる損失抵抗と特性を確認していきます。

コイルの巻線抵抗

実在するコイルには、導線の抵抗や磁心損失があります。

そのため理想コイルだけで計算した場合と比べて、共振点のインピーダンスは低くなります。

高周波では表皮効果も影響し、直流抵抗だけでは正確に判断できない場合があります。

データシートのQ値や交流抵抗を確認することが、実装時には大切です。

コンデンサのESRと寄生成分

コンデンサにも等価直列抵抗であるESRや、配線に由来する寄生インダクタンスがあります。

高周波領域では、理想式だけでは容量性を保てないこともあります。

自己共振周波数を超えると、コンデンサがコイルのような振る舞いを示す場合もあるでしょう。

用途の周波数帯に合った部品選定が欠かせません。

Q値と帯域幅の関係

Q値は共振の鋭さを表す指標です。

Q値が高い回路では、共振周波数の近くでインピーダンスが急激に変化します。

選択性を高めたい受信回路では高いQ値が有利ですが、部品ばらつきや温度変化の影響を受けやすくなります。

項目 Q値が高い場合 Q値が低い場合
共振の鋭さ 鋭い 緩やか
帯域幅 狭い 広い
周波数選択性 高い 低い
部品誤差の影響 受けやすい 比較的小さい

測定と設計における確認事項

続いては測定と設計における確認事項を確認していきます。

周波数を変えたインピーダンス測定

RLC並列回路の特性を把握するには、単一周波数だけでなく周波数を掃引して測定する方法が有効です。

インピーダンスアナライザやLCRメータを使用すれば、大きさと位相の変化を確認できます。

共振付近ではわずかな周波数差でも値が変わるため、測定刻みを細かく設定するとよいでしょう。

最大インピーダンスとなる周波数と位相角がゼロに近い周波数を比較すると、損失の影響も見えやすくなります。

配線と測定治具の影響

高周波の回路では、ブレッドボードや長いジャンパ線の寄生容量、寄生インダクタンスが無視できません。

回路図上のLとCだけでなく、基板パターンや測定プローブも回路の一部として働きます。

短い配線、適切な接地、校正済みの治具を用いることで、再現性を高められます。

理論値と測定値が一致しない場合は、計算式だけを疑うのではなく、部品公差、損失抵抗、配線寄生、測定器の設定を順に確認してください。

原因を分けて考えることで、修正すべき箇所が明確になります。

設計条件からの逆算

目的の共振周波数が決まっている場合、LまたはCを先に選び、式からもう一方の値を逆算できます。

入手しやすい標準値だけでは狙い通りにならないこともあるため、並列接続や直列接続で微調整する手法もあります。

定格電流、定格電圧、自己共振周波数、温度特性まで含めて確認すれば、安定した設計につながります。

シミュレーションと実測を組み合わせることが、共振回路では特に有効です。

まとめ

RLC並列回路のインピーダンスは、抵抗、コイル、コンデンサのアドミタンスを複素数として加算し、その逆数を取って求めます。

抵抗は実数成分、コイルは負の虚数成分、コンデンサは正の虚数成分として扱うことが計算の基本です。

合成サセプタンスがゼロになる周波数では並列共振が起こり、回路全体のインピーダンスは大きくなります。

実際にはコイルの抵抗、コンデンサのESR、配線の寄生成分によって理想値との差が生じます。

アドミタンスの符号、単位変換、周波数特性を確認しながら計算と測定を進めることで、RLC並列回路を正確に扱いやすくなるでしょう。